eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、業界最低水準の信託報酬を目指すeMAXIS Slimシリーズで、米国の株式市場に分散投資ができるインデックスファンドです。
米国の代表的な株価指数であるS&P500の動きに連動する成果を目標としていますが、実際どんな内容のファンドなのか確認してみました。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の特徴
投資対象
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、米国の代表的な株価指数であるS&P500(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。
S&P500は、ニューヨーク証券取引所やNASDAQなどに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出される、時価総額加重平均型株価指数です。
米国株式市場の動向を表す株価指数としてはダウ平均が有名ですが、ダウ平均は構成銘柄数が30銘柄で平均株価をリアルタイムで公表する株価平均型株価指数と、S&P500と構成銘柄数、インデックスの算出方法に違いがあり、分散性という観点ではS&P500の方が優れてます。
参考 NYダウに連動する投資信託やETFを比較!おすすめなのは?
※下記はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)「月報(2022年11月)」からの情報です。
資産構成
組入上位10業種
組入上位10銘柄
※組入銘柄数:503銘柄
アップルやマイクロソフト、アマゾンといった時価総額の大きな銘柄の比率が高いので、これらの銘柄の値動きに影響を受けやすいといった特徴があります。
ファンドの仕組み
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はファミリーファンド方式で運用され、実質的な運用はS&P500インデックスマザーファンドにて行われます。
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
購入時手数料 | なし |
信託報酬(税込) | 0.0968%以内 |
実質コスト(税込) | 0.112% |
信託財産留保額 | なし |
また、信託報酬はファンドの純資産残高に応じて段階的に引き下がるようになっています。
純資産残高 | 信託報酬(税込) |
500億円未満の部分 | 0.0968% |
500億円以上1,000億円未満の部分 | 0.09625% |
1,000億円以上の部分 | 0.0957% |
分配金
本ファンドは設定来一度も分配金が出ていないので効率的な運用がされています。
ファンドで投資している株式や債券などから得られた利子や配当、売買益などを分配せず、さらに運用に回すことにより複利効果が期待できます。
つみたてNISA(積立NISA)・iDeCo対応状況
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はつみたてNISAの対象で、つみたてNISAやiDeCoを利用して購入ができる主なネット証券は下記となっています。
参考 NISA、つみたてNISA(積立NISA)、iDeCoの比較については下記も参考にしてみてください。
⇒ NISA・つみたてNISA(積立NISA)・iDeCoを比較!どれがおすすめでお得?過去の運用成績(リターン・リスク)
リターン・リスク
年 | 1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) |
トータルリターン | 5.14%(114位) | 18.28%(23位) | –(–) | –(–) |
リスク(標準偏差) | 20.41(97位) | 18.85(51位) | –(–) | –(–) |
シャープレシオ | 0.25(113位) | 0.97(6位) | –(–) | –(–) |
対象ファンド数※ | 282本 | 215本 | — | — |
※:「国際株式・北米(為替ヘッジ無し)」カテゴリ
基準価額騰落率
ファンド | ベンチマーク | |
1ヶ月 | ー4.8% | ー4.9% |
3ヶ月 | ー0.2% | ー0.2% |
6ヶ月 | +3.8% | +3.7% |
1年 | +5.1% | +4.9% |
3年 | +65.5% | +64.6% |
設定来 | +93.8% | +92.5% |
※eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)「月報(2022年11月)」より
※ファンド設定日は2018年7月3日
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
基準価額・純資産の推移
所感
ファンドが設定されてから約4年が経過しているので、単純な年率平均は約23%となっていて、設定来ではベンチマークよりパフォーマンスが良くなっています。
ベンチマークとするインデックスが配当込み指数なので、信託報酬(実質コスト)分はベンチマークより成績が悪くなるはずなのですが、運用報告書によるとマザーファンド保有による影響と、ファンドとベンチマークで適用される配当税率の差異などがプラス要因としてあげられています。
詳細が不明な点はいまいちすっきりしない部分はありますが、ベンチマークとの連動性は高そうです。
純資産残高は右肩上がりに成長していて、2兆円に迫る勢いで国内でも屈指の人気ファンドとなっています。
類似ファンドとの比較
「S&P500」をベンチマークとする低コストなインデックスファンドを比較したのが下記となっています。
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト (税込) | マザーファンド規模 | 純資産残高 年間増加額 (百万円) | 1年間の リターン |
---|---|---|---|---|---|
SBI・V・S&P500 インデックス・ファンド | 0.0938% | 0.105% | ー | +295,020 | 5.07% |
iシェアーズ 米国株式(S&P500) インデックス・ファンド | 0.0938% | 0.108% ※ | ー | +4,940 | 4.82% |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.0968% | 0.112% | 1,050,354 | +747,292 | 5.14% |
つみたて米国株式(S&P500) | 0.22% | 0.238% | 1,050,354 | +4,525 | 5.01% |
Smart-i S&P500インデックス | 0.242% | 0.386% | 5,098 | +3,453 | 4.72% |
iFree S&P500インデックス | 0.2475% | 0.277% | 34,350 | +31,403 | 4.99% |
NZAM・ベータ S&P500 | 0.220% | 0.440% | 12,009 | +133 | 4.94% |
※:信託報酬引き下げ前の運用報告書からの参考値
信託報酬や実質コストが低いのは「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」ですが、1年のリターンでは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の方が良いパフォーマンスとなっています。
過去3年のリターンもeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が最もパフォーマンスが良かったので、「S&P500」をベンチマークとする投資信託では「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」がおすすめです。
当ファンドの情報
- ベンチマーク:S&P500(配当込み、円換算ベース)
- 為替ヘッジ:なし
- 購入時手数料:なし
- 信託報酬(税込):0.0968%(実質コスト:0.112%)
- 信託財産留保額:なし
- 純資産残高:約1兆6,000億円
- 分配金利回り:なし
- 決算:年1回(4月25日)
- 買付単位:100円以上1円単位、積立も100円から(SBI証券などのネット証券)
- 償還日:無期限(設定日:2018年7月3日)
- つみたてNISA:対象
- iDeCo:SBI証券、マネックス証券、松井証券
評価・まとめ
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、米国の代表的な株価指数であるS&P500(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。
eMAXIS Slimシリーズは、機動的に信託報酬を引き下げることによって、業界最低水準の信託報酬を目指すファンドで、信託報酬は最安値となっていて今後新たに低コストなファンドが登場したり、ライバルファンドが信託報酬を引き下げても追随して常に業界最低水準の信託報酬となることが期待できるファンドです。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はS&P500に投資ができる投資信託では、信託報酬が最安値水準となっていてネット証券なら100円から投資ができるので、気軽に米国株式市場への投資を始められます。
参考 S&P500に連動する投資信託やETFを比較!おすすめなのは?
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)におすすめな証券会社は?
投資信託はネット証券なら購入時にクレジットカードを利用した積立と保有している間はポイントが自動付与されるのでおすすめです。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を取り扱っていてポイントが貰えるネット証券は下記となっています。
SBI証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 | |
クレカ積立 | 三井住友カード | マネックスカード | auPayカード |
クレカ積立 ポイント還元率 | 0.5~2.0% | 1.1% | 1% |
クレカ積立 付与されるポイント | Vポイント | マネックスポイント | Pontaポイント |
投資信託保有時 ポイント還元率 | 0.034% | 0.03% | 0.005% |
投資信託保有時 付与されるポイント | ・Tポイント ・Pontaポイント ・dポイント ・JALのマイル 上記のいずれか | マネックスポイント | Pontaポイント |
※楽天証券は投資信託保有時のポイント付与が条件達成時の一度のみなので対象外
下記は毎月3万円のクレカ積立をする場合ですが、トータルでのポイント還元率が高いのはSBI証券で三井住友カードのプラチナを利用する場合です。
ただ、SBI証券で三井住友カードのゴールドや一般よりマネックス証券の方がトータルでのポイント還元率は高いのでお得です。
また、SBI証券で三井住友カードの一般カードよりauカブコム証券の方がポイント還元率は高いので、Pontaポイントを貯めたいならauカブコム証券もおすすめです。
楽天証券では、保有残高によるポイント還元率が「一定の残高をはじめて達成した場合」のみポイントが還元されるルールに変更され、実質保有残高によるポイント還元はほぼなくなりました。
また、クレジットカード積立では楽天キャッシュを利用すると0.5%の還元率とはなりますが、還元率は他社と比較すると見劣りするし、楽天キャッシュを利用するのでやや複雑になります。
それでも楽天ポイントは楽天経済圏では貯めやすく、様々なサービスで利用できるので、楽天ポイントを貯めたい方は楽天証券という選択肢もあるかと思います。
その他下記の証券会社でも購入できます。
>> GMOクリック証券
参考 口座開設時に必ず選ぶ特定口座については下記も参考にしてみてください。
⇒ 特定口座とは?証券会社の口座種類のまとめ!結局どれがいい?
投資信託で失敗しない証券会社選び!
これから投資信託で資産運用を始める方は、ネット証券選びで失敗しないようにこちらも参考にしてみてください。
参考 【投資信託】ネット証券おすすめ比較ランキング!お得な口座は?個人投資家に人気の投資信託ランキングをチェックしたい方はこちら!
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