全世界株式インデックスファンドは、先進国や新興国を含む全世界株式に分散投資ができる投資信託で、特定の地域や国に依存せずに、世界経済全体の発展に伴うリターンが期待できます。
全世界株式に分散投資ができる低コストなインデックスファンドが増えてきたので、一覧としてまとめ、実質コストなど比較してみました。
全世界株式インデックスファンドの一覧
モーニングスター社でカテゴリが国際株式型(エマージングは除く)の中で全世界の株式に投資する低コストなインデックスファンドを抽出したのが下記となります。
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | ベンチマーク | 純資産総額 (百万円) |
---|---|---|---|
SBI・全世界株式インデックス・ ファンド(雪だるま(全世界株式)) | 0.1102% | FTSEグローバル・ オールキャップ・ インデックス | 55,895 |
eMAXIS Slim全世界株式 (オール・カントリー) | 0.1144% | MSCI オール・カントリー・ ワールド・ インデックス(配当込み) | 485,230 |
eMAXIS Slim 全世界株式 (除く日本) | 0.1144% | MSCI オール・カントリー・ ワールド・ インデックス(除く日本) | 132,692 |
eMAXIS Slim 全世界株式 (3地域均等型) | 0.1144% | 3地域(国内・先進国・新興国) 均等 | 5,182 |
たわらノーロード 全世界株式 | 0.132% | MSCI オール・カントリー・ ワールド・ インデックス(配当込み) | 1,866 |
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド | 0.1338% | FTSEグローバル・ オールキャップ・ インデックス | 7,105 |
野村つみたて外国株投信 | 0.209% | MSCI オール・カントリー・ ワールド・ インデックス (除く日本、配当込み) | 55,565 |
楽天・全世界株式インデックス・ ファンド | 0.202% | FTSEグローバル・ オールキャップ・ インデックス | 170,114 |
つみたて全世界株式 | 0.22% | MSCI オール・カントリー・ ワールド・ インデックス(配当込み) | 371 |
三井住友・DCつみたてNISA・ 全海外株式インデックスファンド | 0.275% | MSCI オール・カントリー・ ワールド・ インデックス (除く日本、配当込み) | 97,199 |
インデックスについて
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスは、日本を含む先進国23ヵ国と新興国25ヵ国の大型株・中型株約3,000銘柄で構成されたインデックスで、世界の投資可能な株式市場の時価総額(浮動株調整後)の85%をカバーします。
国別構成比率
国別構成比率はアメリカが約6割の比率となっていて、次いで日本、イギリス、中国、カナダの順に比率が高くなっています。
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」以外は上記より日本を除いた比率となっています。
業種別構成比率
業種別比率は、IT関連が約23%と最も比率が高いですが、幅広い業種に分散されています。
上位10銘柄
銘柄 | 比率(%) |
APPLE | 4.33 |
MICROSOFT CORP | 3.33 |
AMAZON.COM | 2.04 |
ALPHABET AFACEBOOK A | 1.22 |
TESLA | 1.18 |
ALPHABET C | 1.17 |
META PLATFORMS A | 1.12 |
NVIDIA | 0.92 |
TAIWAN SEMICONDUCTOR MFG | 0.84 |
JOHNSON & JOHNSON | 0.68 |
合計 | 16.83 |
過去のリターン・リスク
リターン(年率) | リスク(1標準偏差) | |
1年 | 13.23% | ー |
3年 | 15.42% | 17.08% |
5年 | 12.64% | 15.07% |
10年 | 10.66% | 13.23% |
設定来 | 6.39% | ー |
※:2022年1月31日時点
※:設定来は2000年12月29日
過去の最大下落率は、2007年10月31日~2009年3月9日の58.38%となっています。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは、日本を含む先進国と新興国49ヵ国の大型株・中型・小型株約9,300銘柄で構成されるインデックスです。
国別構成比率
国別構成比率は「MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス」同様にアメリカが約6割の比率となっています。
業種別構成比率
業種別比率はテクノロジーや一般消費財・金融の比率が高いものの、幅広い業種に分散されています。
上位10銘柄
銘柄 | 比率(%) |
Apple Inc. | 3.6 |
Microsoft Corp | 3.13 |
Amazon.Com | 1.73 |
Alphabet Class A | 1.09 |
Alphabet Class C | 1.02 |
Tesla | 1.01 |
Meta Platforms Inc | 0.99 |
Nvidia | 0.78 |
Taiwan Semiconductor Manufacturing | 0.73 |
Johnson & Johnson | 0.61 |
比率は異なるものの、「MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス」とほぼ同じ銘柄が上位10銘柄となっています。
過去のリターン・リスク
リターン(年率) | リスク(1標準偏差) | |
1年 | 12.8% | 11.0% |
3年 | 15.6% | 19.0% |
5年 | 12.8% | 15.5% |
※:2022年1月31日時点
低コストインデックスファンドの実質コストなどを比較
全世界株式インデックスファンドで信託報酬が特に低コストなファンドで、「実質コスト」「マザーファンドの規模」「純資産残高年間増加額」「1年間のリターン」などを比較したのが下記となります。
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト (税込) | マザーファンド規模 (百万円) | 純資産残高 年間増加額 (百万円) | 1年間の リターン |
---|---|---|---|---|---|
eMAXIS Slim全世界株式 (オール・カントリー) | 0.1144% | 0.178% | 564,234 | +349,777 | 16.11% |
eMAXIS Slim 全世界株式 (除く日本) | 0.1144% | 0.180% | 553,912 | +81,981 | 17.04% |
たわらノーロード 全世界株式 | 0.132% | 0.289% | 536,188 | +1,299 | 16.00% |
野村つみたて外国株投信 | 0.209% | 0.243% | 993,758 | +24,072 | 17.01% |
つみたて全世界株式 | 0.22% | 0.297% | 1,204,085 | +317 | 15.90% |
三井住友・DCつみたてNISA・ 全海外株式インデックスファンド | 0.275% | 0.355% | 371,366 | +45,089 | 16.84% |
上記ファンドはMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスをベンチマークとしていますが、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」「たわらノーロード 全世界株式」「つみたて全世界株式」は日本を含んでいて、その他のファンドは日本は対象外となっています。
信託報酬や実質コストが低コストで、純資産残高年間増加額も多い「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」がバランスが良く、調査時点ではベストなファンドと言えそうです。
参考 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の評価って?利回りや実質コストは?
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は日本を含んでいるので、日本以外の全世界株式市場に投資するなら「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」が信託報酬や実質コストが低コストで人気も高いです。
参考 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の評価って?つみたてNISAやiDeCoの対象?
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト (税込) | マザーファンド規模 (百万円) | 純資産残高 年間増加額 (百万円) | 1年間の リターン |
---|---|---|---|---|---|
SBI・全世界株式インデックス・ ファンド(雪だるま(全世界株式)) | 0.1102% | 0.122% | 41,913 | +36,640 | 15.38% |
SBI・V・全世界株式インデックス・ ファンド | 0.1338% | ー | ー | – | — |
楽天・全世界株式インデックス・ ファンド | 0.202% | 0.240% | 107,804 | +86,742 | 15.82% |
信託報酬は、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」が最安値で、実質コストも「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」が調査時点では低コストとなっていそうです。(ただし、実質コストは固定ではなく運用状況により変動します)
参考 SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま)の評価って?利回りや実質コストは?
ただ、1年間のリターンは「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の方がパフォーマンスが良く、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」は厳密には「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」への連動性はやや低そうなので、「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」への連動を重視するなら「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の方が良さそうです。
参考 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)の評価って?利回りや実質コストは?
もしくは、設定されて日が浅いですがSBI・V・全世界株式インデックス・ファンドの方が信託報酬が低コストで、実質コストはまだ不明ですが、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」より低コストで投資できる可能性があります。
3地域(国内・先進国・新興国)均等
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト (税込) | マザーファンド規模 (百万円) | 純資産残高 年間増加額 (百万円) | 1年間の リターン |
---|---|---|---|---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式 (3地域均等型) | 0.1144% | 0.19% | 1,060,137 | +1,829 | 5.76% |
「eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)」の信託報酬は、他の「eMAXIS Slim 全世界株式」シリーズ同様に引き下がり、低コストで投資することが可能です。
ただ、他の全世界株式のファンドと比較すると直近1年のリターンはちょっと見劣りする感じとなっているので、全世界株式のファンドに投資するなら他のファンドも検討してみてください。
参考 eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の評価って?つみたてNISAやiDeCoの対象?
つみたてNISA(積立NISA)やiDeCoの対応状況
全世界株式インデックスファンドで信託報酬が低コストなファンドのつみたてNISA(積立NISA)やiDeCoの対応状況は下記となっています。
すべてのファンドがつみたてNISAに対応していて、iDeCoはファンドによってネット証券での取り扱いがあるのでうまく利用してください。
参考 NISA、つみたてNISA(積立NISA)、iDeCoの比較については下記も参考にしてみてください。
⇒ NISA・つみたてNISA(積立NISA)・iDeCoを比較!どれがおすすめでお得?まとめ
全世界株式のインデックスファンドでは「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」「3地域(国内・先進国・新興国)均等」といったインデックスをベンチマークとしていて、先進国、新興国の株式に幅広く分散投資ができます。
「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)」では実質コストが低コストで、参考値ではありますが1年間のリターンがいい「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」がバランスが良さそうです。
参考 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の評価って?つみたてNISAやiDeCoの対象?
日本も含んだ「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」で全世界の株式市場に分散投資するなら実質コストが低コストで、人気も高い「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を検討してみてください。
参考 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の評価って?利回りや実質コストは?
「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」では、信託報酬や実質コストが最も低コストなのは「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」ですが、厳密には「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」への連動性はやや低そうなので、「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」を連動を重視するなら「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の方が良さそうです。
参考 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)の評価って?利回りや実質コストは?
ただ、設定されて日が浅いですがSBI・V・全世界株式インデックス・ファンドの方が信託報酬が低コストで、実質コストはまだ不明ですが、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」より低コストで投資できる可能性があります。
「3地域(国内・先進国・新興国)均等」は、信託報酬は、「eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)」が低コストです。
参考 eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の評価って?つみたてNISAやiDeCoの対象?
低コストの投資信託を購入するのにおすすめの証券会社は?
各ネット証券では投資信託に関して保有残高に応じたポイント還元と、クレジットカード積立によるポイント還元があり、積立するならトータルでのポイント還元率が高い方がお得です。(クレジットカード積立はつみたてNISA銘柄も対象)
参考 投資信託でポイントが貯まるネット証券を比較!おすすめはどこ?
トータルのポイント還元率が業界最高水準のマネックス証券
- 保有残高によるポイント還元率(低コストファンド):0.03%(一部0%)
- クレジットカード積立によるポイント還元率:1.1%
クレジットカード積立を利用するならトータルのポイント還元率が業界最高水準なのがマネックス証券です。
クレジットカード積立で必要なマネックスカードは、マネックス証券を口座開設すれば作ることができ、貯まったポイントは株式手数料や暗号資産に交換することや、他のポイントサービス(dポイント・Tポイント・Pontaポイントなど)に交換することも可能です。
保有残高によるポイント還元率は業界最高水準のSBI証券
- 保有残高によるポイント還元率(低コストファンド):0.02%~0.05%
- クレジットカード積立によるポイント還元率:0.5%(一般カード)
ゴールドカードなら1%・プラチナカードなら2%
投資信託の保有残高によるポイント還元率は業界でも最高水準で、クレジットカード積立を利用しない場合にはおすすめです。
クレジットカード積立で一般カードだと還元率は低いですが、ゴールドカードは年間で100万円以上利用すれば翌年以降の年会費永年無料となるので条件クリアできそうであればゴールドカードの方がおすすめです。(ただしクレジットカード積立は集計対象外です)
>> 三井住友カード(NL)
Pontaポイントが貰えるauカブコム証券
- 保有残高によるポイント還元率(低コストファンド):0.005%(一部0%)
- クレジットカード積立によるポイント還元率:1%
投資信託の保有残高によるポイント還元は低いのですが、クレジットカード積立によるポイント還元率は1%と高めの還元率です。
それでもマネックス証券やSBI証券(ゴールドカードやプラチナカード利用時)の方がトータルでの還元率は高いので、貯めたいポイントで選ぶという選択肢もあります。
楽天ポイントが貰える楽天証券
- 保有残高によるポイント還元率:ー
- クレジットカード積立によるポイント還元率:0.2%
(一般カード)
楽天証券では、保有残高によるポイント還元率が「一定の残高をはじめて達成した場合」のみポイントが還元されるルールに変更され、実質保有残高によるポイント還元はほぼなくなりました。
またクレジットカード積立も低コストなファンドは0.2%(※)と還元率が下がり、ポイント還元率は他社と比較すると見劣りする感は否めません。
※信託報酬のうち楽天証券が受け取る手数料が年率0.4%(税込)未満の銘柄
それでも楽天ポイントは楽天経済圏では貯めやすく、様々なサービスで利用できるので、楽天ポイントを貯めたい方は楽天証券という選択肢もあるかと思います。
>> 楽天カード(公式サイト)
投資信託に投資するのにおすすめの証券会社は?
ネット証券では投資信託に関するポイント還元など様々なサービスを行っていますが、どのような違いがあるのか、おすすめはどこかは下記も参考にしてみてください。
参考 【投資信託】ネット証券おすすめ比較ランキング!お得な口座は?
その他各資産クラスの投資信託の比較
各資産クラスの低コストな投資信託の比較については下記も参考にしてみてください。
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