トラリピには様々な売買戦略がありますが、両建ても売買戦略の1つです。
トラリピの両建ては、高いリターンを追求する一方で、一定のリスクも伴います。トラリピの両建てとはどういうもので、メリットとデメリットについて掘り下げて解説します。
トラリピの両建てとは?
トラリピは、「このくらいのレンジでレートが動きそう」と予想した範囲内でレートが上下することにより利益を積み重ねていきます。
参考 トラリピの評判や評価ってどう?メリットやデメリットを解説!
トラリピの両建てとは、想定されるレンジに買いのトラリピと売りのトラリピの両方を仕掛ける戦略で、公式サイトではBuy&Sell戦略と呼んでいます。
例えば想定レンジが80円から100円であれば下記のように同じレンジに対して買いと売りの注文をすることとなります。
- 80円から100円の間に「買い」注文
- 80円から100円の間に「売り」注文
買いだけもしくは売りだけといった片方向の場合、例えば買いの場合はレートが上がれば利益を積み重ねることができますが、レートが下がれば利益を積み重ねることができず再度上がるのを待つことになります。
両建ての場合は買いも売りも仕掛けている、レートが上にいっても下にいっても利益を積み重ねることができます。
トラリピの両建てのメリットは?
利益が倍増する
両建てはレートが上がっても下がっても利益を積み重ねることができるので、買いだけもしくは売りだけといった片方向の場合と比べて利益は倍増します。
買いだけの場合は、レートの上昇局面で利益を積み上げることができます。
売りだけの場合は、レートの下落局面で利益を積み上げることができます。
しかし、両建ての場合はレートの上下双方で利益を積み上げることができます。
必要な資金は買いか売りのどちらかだけでいい
トラリピを運営するマネースクエアのルールでは、「同一通貨ペアで売りと買い双方の注文があるときは、いずれか一方の金額の高い方のみを必要証拠金とする」となっています。
買いも売りも設定するので必要資金も2倍になりそうですが、買いと売りのどちらか多い方の必要証拠金があれば取引することは可能です。
そのため、買いだけもしくは売りだけの時と同じ資金で両建てにすることもできるということになります。
トラリピで両建てした時のデメリットは?
レンジの上下に損失リスクがある
例えば買いのトラリピだけの場合は、レートが上昇してレンジを上抜いても損失リスクはありませんが、レンジを下抜けると含み損が大きくなり最悪ロスカットされてしまう損失リスクがあります。
売りだけの場合もレートが下落してレンジを下抜いても損失リスクはありませんが、レンジの上方には損失リスクがあります。
両建ての場合は、レンジの上下双方に損失リスクが存在する形となります。
評価損がいつまでも消えない
両建ての場合は、評価損が0になる価格帯がないのでやめる時には必ず損切りが発生します。
例えば買いのトラリピだけの場合はレンジを上抜ければ評価損がすべて解消されます。
逆に売りのトラリピだけの場合もレンジを下抜ければ評価損は解消されます。
しかし両建ての場合はレンジを上抜けしたら売りのトラリピが、レンジを下抜けたら買いのトラリピが評価損となります。
レンジの中間地点でも買い、売り双方のポジションが評価損となり、両建ての場合は必ず評価損を抱えることになります。
マイナススワップポイントが発生する
両建ての場合、例えば買いはプラスのスワップポイントとして日々受け取れたとしても、売りはマイナスのスワップポイントとなり日々支払いが発生します。
参考 FXのスワップポイントとは?2カ国間の金利差を低リスクで日々もらうには?
多くの通貨ペアでは、プラスのスワップポイントよりもマイナススワップポイントの方が大きくなっていて、トラリピで人気の通貨ペアであるAUD/NZDもプラスのスワップポイントよりマイナスのスワップポイントの方が大きくなっています。
そのため、両建てをするとスワップポイントだけの収支ではマイナスとなることがほとんどです。
トラリピはレートが上下することによる為替差益がメインの収益源ではありますが、マイナスのスワップポイントも利益に直結するのであまり無視できないデメリットと言えます。
両建てする時の注意点は?
トラリピで両建てする時は、レンジ上限から下限まで買いと売りの注文をすべて設定するかについてはチャートを見て判断が必要です。
例えば下記は豪ドル/ニュージーランドドル(AUD/NZD)の過去20年分の月足チャートです。
過去20年ではレンジ下限が約1、レンジ上限が1.38の間で為替レートが推移していました。
過去20年でレンジ下限である1に到達したことがあるのは数回しかないので、1に近いレートでは売りではなく買いだけの仕掛けにしておきたいところです。
このように過去の為替レートからレンジ幅を予測する際に、レンジの下限と上限すべてを網羅するように両建て設定をすると収益を圧迫するような場合があります(この場合1に近いレートでの売りの設定)
そのため、単純な両建てよりはそれを応用したハーフ&ハーフやダイヤモンド戦略といった戦略の方が向いている場合もあるので、そのような戦略も検討してみてください。
参考 【トラリピ】ハーフ&ハーフのメリットやデメリットは?おすすめの通貨ペアはどれ?
参考 トラリピのダイヤモンド戦略のメリットやデメリットとは?
まとめ
トラリピの両建てのメリット・デメリットについては下記のような点が挙げられます。
両建ては高いリターンは期待できるものの、リスクも高い戦略です。
両建ては想定レンジ内にすべて注文を設定すると、何年もポジション保有をしなければいけない場合もあるので、買いと売りを設定する範囲を限定したハーフ&ハーフやダイヤモンド戦略といった戦略もあるので、こちらも検討してみてください。