iFree年金バランスは、「国内株式」「先進国株式」「国内債券」「先進国債券」に分散投資ができるバランス型ファンドです。
資産クラスおよび配分比率はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の基本ポートフォリオに近づけることを目標とするとのことですがどのようなファンドなのか内容について確認してみました。
iFree年金バランスの特徴とは?
基本概要
ファンド名 | iFree年金バランス |
運用会社 | 大和アセットマネジメント |
ベンチマーク | ー |
為替ヘッジ | なし |
インデックスファンド | ー |
投資形態 | ファミリーファンド |
購入時手数料 | なし |
信託報酬(税込) | 0.1749% |
実質コスト(税込) | 0.195% |
信託財産留保額 | なし |
純資産残高 | 約80億円 |
分配金利回り | ー |
NISA | ー |
iDeCo | SBI証券 |
決算 | 年1回(6月5日) |
設定日 | 2018年8月31日 |
償還日 | 無期限 |
投資対象
iFree年金バランスは、「国内株式」「先進国株式」「国内債券」「先進国債券」に分散投資し、資産クラスおよび配分比率はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の基本ポートフォリオに近づけることを目標とするバランス型ファンドです。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)とは?
GPIFは、日本の公的年金のうち、厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行っている厚生労働省が所轄する独立行政法人です。
GPIFが運用しているのは年金積立金と呼ばれるもので、約224兆円を運用する世界最大の機関投資家で、クジラとも呼ばれています。
日本の年金の給付の内訳は下記のように、約9割を現役世代からの保険料収入と国庫負担(税金)でまかなっていて、残り1割を年金積立金で補っています。
年金積立金は年金の給付の一部に積立金の運用収入を充て、一定期間後には運用収入と積立金を少しずつ取り崩し、約100年後に年金給付の1年分程度の積立金が残るような財政計画が定められています。
(引用元:GPIF「年金財政における積立金の役割」)
過去のGPIFの運用成績は、2001年からは下記のようになっていて、年率約4%のプラスで推移しています。
そんなGPIFの基本ポートフォリオは2023年12月末時点では下記のように各資産クラスに25%と均等に配分されています。
長期的に年金積立金の実質的な運用利回り(名目運用利回りから名目賃金上昇率を差し引いたもの)1.7%を満たしつつ、最もリスクの小さいポートフォリオとなっているとのことです。
GPIFでは基本ポートフォリオ策定に用いるベンチマークを政策ベンチマークと呼んでいて、政策ベンチマークとiFree年金バランスのベンチマークは下記となっています。
iFree年金バランス | GPIF | |
国内債券 | ー (アクティブ運用) | NOMURA-BPI「除くABS」 |
国内株式 | TOPIX(配当込み) | |
外国債券 | FTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース) | |
外国株式 | MSCIコクサイ指数 (税引後配当込、円ベース) | MSCI ACWI (除く日本、円ベース、配当込み) |
国内債券と外国株式では異なるベンチマークとなっているので、GPIFとの連動性はそれほど高くはないことが想定されます。
マザーファンド別構成ではGPIFの基本ポートフォリオ通りに約25%均等に配分されています。
※iFree年金バランス「月報(2024年1月末)」
資産別構成では、国内株式や外国株式で一部先物が利用されていますが、どの程度の比率となっているかレポートに記載してほしいところです。
というのも先物の利用は「利便性に優れ、売買コストが低い」利点がある反面、必ずしも指数の値動きと一致しないことから、ベンチマークからの乖離を生む可能性があります。
※iFree年金バランス「月報(2024年1月末)」
また、株や債券の組入上位銘柄を見ると、上位銘柄でも比率はあまり高くなく多くの銘柄に分散されていることがわかります。
※iFree年金バランス「月報(2024年1月末)」
投資形態
iFree年金バランスはファミリーファンド方式で運用され、実質的な運用は下記のマザーファンドにて行われます。
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
購入時手数料(税込) | なし |
信託報酬(税込) | 0.1749% |
実質コスト(税込) | 0.195% |
信託財産留保額 | なし |
分配金
本ファンドは設定来一度も分配金が出ていないので効率的な運用がされています。
ファンドで投資している株式や債券などから得られた利子や配当、売買益などを分配せず、さらに運用に回すことにより複利効果が期待できます。
新NISA及びiDeCoの対応状況
iFree年金バランスはつみたて新NISAの対象外ですが、iDeCoではSBI証券で取り扱いがあります。
参考 NISAとiDeCoの違いの比較については下記も参考にしてみてください。
iFree年金バランスのパフォーマンスは?
過去の運用成績
年 | 1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) |
トータルリターン | 21.30%(83位) | 10.28%(85位) | 9.14%(79位) | –(–) |
リスク(標準偏差) | 7.53(68位) | 7.93(55位) | 8.18(32位) | –(–) |
シャープレシオ | 2.83(34位) | 1.30(30位) | 1.12(5位) | –(–) |
対象ファンド数※ | 270本 | 250本 | 226本 | — |
※:「国内大型グロース」カテゴリ
基準価額騰落率
ファンド | |
1ヶ月 | +3.7% |
3ヶ月 | +9.1% |
6ヶ月 | +7.0% |
1年 | +20.0% |
3年 | +32.0% |
5年 | +54.2% |
設定来 | +47.6% |
※iFree年金バランス「月報(2024年1月末)」より
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
似たようなファンドとして、国内株式、国内債券、海外株式、海外債券の4つの資産へ均等に分散投資を行う「ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」と、新興国株式・債券、国内と海外の不動産投資信託へも分散投資する「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」とパフォーマンスを比較すると下記のようになります。
参考 ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)の評価って?利回りは?
参考 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の評価って?利回りや実質コストは?
(引用元:モーニングスター)
赤がiFree年金バランス、オレンジがニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)、青がeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の過去3年のトータルリターンのチャートです。
「iFree年金バランス」と「ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」はほぼ同じようなパフォーマンスとなっていますが、直近1年・3年では年率で0.1%程度「iFree年金バランス」の方がパフォーマンスが良かったようです。
「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」の方がパフォーマンスが良かった時期もありますが、今回の期間では「iFree年金バランス」の方がパフォーマンスが良くなっています。
ファンドの純資産残高は設定来右肩上がりに推移していて、順調に純資産残高を増やしています。
毎月の資金流出入額は、安定して流入額が多くなっています。
評価・まとめ
iFree年金バランスは、国内株式・先進国株式・国内債券・先進国債券に分散投資し、資産クラスおよび配分比率はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の基本ポートフォリオに近づけることを目標とするバランス型ファンドです。
現在のポートフォリオは実質的な運用利回り(名目運用利回りから名目賃金上昇率を差し引いたもの)1.7%を満たしつつ、最もリスクの小さいポートフォリオとなっています。
ただ、iFree年金バランスはGPIFとは一部異なるベンチマークとなているので、GPIFとはやや乖離すると思われます。
また、GPIFの運用は、運用収入と積立金を少しずつ取り崩し、約100年後に年金給付の1年分程度の積立金が残るような財政計画のもとで考えられているポートフォリオなので、この比率が個人のポートフォリオに合うかというのはちょっと疑問です。
またiFree年金バランスは新NISAの対象ファンドではないので、iFree年金バランスと同じ国内株式、国内債券、海外株式、海外債券の4つの資産へ均等に分散投資を行い、新NISAの対象ファンドである「ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」などの方が節税効果が期待できます。
iFree年金バランスを購入するのにおすすめの証券会社は?
投資信託はネット証券なら投資信託を保有しているだけでポイントが貯まり、積立するならクレジットカードを利用すればさらにポイントが貯まるのでお得です。下記のネット証券なら新NISA口座もポイント還元の対象です。
iFree年金バランスのポイント還元率は下記となっています。
参考 投資信託でポイントが貯まるネット証券を比較!おすすめはどこ?
松井証券 | SBI証券 | マネックス 証券 | auカブコム 証券 | |
投資信託保有時 ポイント還元率 | 0.07% | 0.05% | 0.03% | 0.005% |
投資信託保有時 付与されるポイント | 松井証券ポイント | ・Tポイント ・Pontaポイント ・dポイント ・JALのマイル ※1 上記のいずれか | マネックスポイント | Pontaポイント |
クレカ積立 ポイント還元率 | ー | 0.5~5.0% 三井住友カード | 1.1% マネックスカード | 1% auPayカード |
クレカ積立 付与されるポイント | Vポイント | マネックスポイント | Pontaポイント |
※楽天証券は投資信託保有時のポイント付与が条件達成時の一度のみなので対象外
※1:JALのマイルの場合は記載還元率の半分
松井証券(公式サイト)はクレカ積立に対応していませんが、投資信託保有時のポイント還元率は最高水準となっています。
クレジットカード積立のポイント還元率は、年会費がかかるカードであれば SBI証券が最高水準ですが、実質年会費がかからない一般カードであればマネックス証券が最高水準です。
投資信託保有時のポイント還元率は最高水準の松井証券
信託報酬が低コストな投資信託も投資信託保有時のポイント還元率は業界最高水準です。他社で買い付けた投資信託を松井証券へ移管する際には実質無料で移管することができます。
還元される松井証券ポイントは、PayPayポイントやdポイントなどに交換することができます。
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
一般カードのクレジットカード積立でポイント還元率が最高水準のマネックス証券
クレジットカード積立を利用するならトータルのポイント還元率が業界最高水準なのがマネックス証券です。
クレジットカード積立で必要なマネックスカードは、初年度の年会費は無料、次年度以降の年会費550円(税込)ですが、年間に1回以上のクレジットカードの利用で無料になり、マネックスカードによる投信つみたてもカード利用の対象となります。
還元されるマネックスポイントは下記のように様々な用途に利用することができます。
- 投資信託の購入
- 株式手数料に充当
- 暗号資産(ビットコイン・イーサリアム・リップル)
- 他のポイントへの交換(dポイント・Tポイント・Pontaポイント・nanaco・waonポイント・ANAのマイル・JALのマイル・Amazonギフトカード)
- 日本赤十字社などへの寄付
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
保有残高によるポイント還元率が高くクレカ積立でもポイント還元されるSBI証券
投資信託の保有残高によるポイント還元率は、低コストな投資信託でも松井証券と同レベルのポイント還元率です。
クレジットカード積立で一般カードだと還元率は低いですが、ゴールドカードは年間で100万円以上利用すれば翌年以降の年会費永年無料となるので条件クリアできそうであればゴールドカードの方がおすすめです。(ただしクレジットカード積立は集計対象外です)
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
Pontaポイントを貯めるならauカブコム証券
投資信託の保有残高によるポイント還元は低いのですが、クレジットカード積立によるポイント還元率は1%と還元率は高いです。
スマホでauを利用していると貯めやすいPontaポイントが貯まり、auじぶん銀行と連携すれば普通預金の金利が年率0.1%となり、au Payなどとも連携すれば0.2%になるメリットがあります。
またauマネ活プランに入ればauじぶん銀行の普通預金の金利が最大0.3%になったり、クレジットカード積立によるポイント還元率が最大3%と優遇されます。
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
楽天ポイントを貯めるなら楽天証券
楽天証券では、保有残高によるポイント還元率が「一定の残高をはじめて達成した場合」のみポイントが還元されるルールに変更され、保有残高によるポイント還元はほぼなくなりました。(一部のファンドは保有残高によるポイントが還元される)
また、楽天証券ではクレジットカード積立だけでなく楽天キャッシュを利用してもポイント還元が受けられ併用することが可能です。
通常設定可能上限は5万円/月ですが、併用することで10万円/月までポイント還元を上けることが可能です。
楽天ポイントは楽天経済圏では貯めやすく、様々なサービスで利用できるので、楽天ポイントを貯めたい方は楽天証券という選択肢もあるかと思います。
NISA口座も同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
今利用している証券会社から他の証券会社に投資信託などは移管することが可能です。
通常は移管元の証券会社で手数料が必要になりますが、下記のネット証券なら移管元で支払った移管手数料をキャッシュバックしてくれるので実質無料で移管することができます。また、他社で購入した投資信託もポイント還元の対象となります。
その他下記の証券会社でも購入できます。
参考 口座開設時に必ず選ぶ特定口座については下記も参考にしてみてください。
⇒ 特定口座とは?証券会社の口座種類のまとめ!結局どれがいい?
投資信託に投資するのにおすすめの証券会社は?
ネット証券では投資信託に関するポイント還元など様々なサービスを行っていますが、どのような違いがあるのか、おすすめはどこかは下記も参考にしてみてください。
参考 【投資信託】ネット証券おすすめ比較ランキング!お得な口座は?
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