iFree年金バランスは、国内株式・先進国株式・国内債券・先進国債券に分散投資ができるバランス型ファンドです。
資産クラスおよび配分比率はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の基本ポートフォリオに近づけることを目標とするとのことですがどのようなファンドなのか内容について確認してみました。
iFree年金バランスの特徴
投資対象
iFree年金バランスは、国内株式・先進国株式・国内債券・先進国債券に分散投資し、資産クラスおよび配分比率はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の基本ポートフォリオに近づけることを目標とするバランス型ファンドです。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)とは?
GPIFは、日本の公的年金のうち、厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行っている厚生労働省が所轄する独立行政法人です。
GPIFが運用しているのは年金積立金と呼ばれるもので、約150兆円を運用する世界最大の機関投資家で、クジラとも呼ばれています。
日本の年金の給付の内訳は下記のように、約9割を現役世代からの保険料収入と国庫負担(税金)でまかなっていて、残り1割を年金積立金で補っています。
年金積立金は年金の給付の一部に積立金の運用収入を充て、一定期間後には運用収入と積立金を少しずつ取り崩し、約100年後に年金給付の1年分程度の積立金が残るような財政計画が定められています。
(引用元:GPIF「年金財政における積立金の役割」)
過去のGPIFの運用成績は、2001年からは下記のようになっていて、年率2.73%とプラスで推移しています。
そんなGPIFの基本ポートフォリオは下記となっています。
GPIIFでの運用手法は、市場平均並みの収益率が期待できるパッシブ運用(いわゆるインデックス投資)と、市場予測などを行い、市場平均を上回る収益率を目指すアクティブ運用の併用した手法となっていて、パッシブ運用とアクティブ運用の比率は下記となっています。
パッシブ運用部分に関して、iFree年金バランスとGPIFのベンチマークは下記となります。
iFree年金バランス | GPIF | |
国内債券 | ー (アクティブ運用) | 下記ベンチマークの複合インデックス ・NOMURA-BPI「除くABS」 ・NOMURA-BPI国債 ・NOMURA-BPI/GPIF Customized ・NOMURA物価連動国債インデックス(フロアアリ) ・NOMURA-BPI 物価連動国債プラス |
国内株式 | TOPIX | TOPIX(配当込み) |
外国債券 | FTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース) | |
外国株式 | MSCIコクサイ指数 (円ベース) | MSCI ACWI (除く日本、円ベース、配当込み、管理運用法人の配当課税要因考慮後) |
外国債券以外は異なるベンチマークとなっていて、GPIFはアクティブ運用も併用していることからGPIFとの連動性はそれほど高くはないことが想定されます。
※下記はiFree年金バランス「月報(2019年5月)」からの情報です。
資産別構成
先物の使用は、「利便性に優れ、売買コストが低い」利点がある反面、必ずしも指数の値動きと一致しないことから、ベンチマークからの乖離を生む可能性があります。
通貨別構成
組入上位10銘柄(除く債券)
債券 組入上位10銘柄
債券 格付け別構成・ポートフォリオ特性値
ファンドの仕組み
iFree年金バランスはファミリーファンド方式で運用され、実質的な運用は下記のマザーファンドにて行われます。
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
購入時手数料(税込) | なし |
信託報酬(税込) | 0.17172% |
実質コスト(税込) | ー |
信託財産留保額 | なし |
分配金
決算を迎えてないので分配金を出すかは不明ですが、iFreeシリーズなら分配金を出さずに運用されるのではと思われます。
つみたてNISA(積立NISA)・iDeCo対応状況
iFree年金バランスはつみたてNISAの対象外ですが、iDeCoではSBI証券で取り扱いがあります。
参考 NISA、つみたてNISA(積立NISA)、iDeCoの比較については下記も参考にしてみてください。
⇒ NISA・つみたてNISA(積立NISA)・iDeCoを比較!どれがおすすめでお得?過去の運用成績
基準価額騰落率
ファンド | |
1ヶ月 | ー3.1% |
3ヶ月 | ー1.1% |
6ヶ月 | ー1.2% |
設定来 | ー3.1% |
※iFree年金バランス「月報(2019年5月)」より
※ファンド設定日は2018年8月31日
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
基準価額・純資産の推移
所感
ファンドが設定されてから約2年近くが経過しましたが、国内債券がアクティブ運用ということもありベンチマークとの比較はありません。
似たようなファンドとして、国内株式、国内債券、海外株式、海外債券の4つの資産へ均等に分散投資を行う「ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」と、新興国株式・債券、国内と海外の不動産投資信託へも分散投資する「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」とパフォーマンスを比較すると下記のようになります。
参考 ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)の評価って?利回りは?
参考 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の評価って?利回りや実質コストは?
(引用元:モーニングスター)
オレンジがiFree年金バランス、赤がニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)、緑がeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の過去1年のトータルリターンのチャートです。
対象期間が1年と短いのでこれだけでファンドの善し悪しは判断できませんが、「ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」よりは若干パフォーマンスがいいですが、「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」よりは大分パフォーマンスが悪かったようです。
純資産残高は右肩上がりとなってはいますが、それほど人気とはなっていないようです。
当ファンドの情報
- ベンチマーク:ー
- 購入時手数料(税込):なし
- 信託報酬(税込):0.17172%(実質コスト:ー)
- 信託財産留保額:なし
- 純資産残高:約2億円
- 分配金利回り:なし
- 決算:年1回(6月5日)
- 買付単位:100円以上1円単位、積立も100円から(SBI証券などのネット証券)
- 償還日:無期限(設定日:2018年8月31日)
- つみたてNISA:対象外
- iDeCo:SBI証券で取扱いあり
評価・まとめ
iFree年金バランスは、国内株式・先進国株式・国内債券・先進国債券に分散投資し、資産クラスおよび配分比率はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の基本ポートフォリオに近づけることを目標とするバランス型ファンドです。
ただ、GPIFはパッシブ運用とアクティブ運用を併用した手法となっていて、パッシブ運用部分もiFree年金とGPIFではベンチマークがすべて同じというわけではないので、GPIFとの連動性はそれほど高くはないことが想定されます。
また、GPIFの運用は、運用収入と積立金を少しずつ取り崩し、約100年後に年金給付の1年分程度の積立金が残るような財政計画のもとで考えられているポートフォリオなので、この比率が個人のポートフォリオに合うかというのはちょっと疑問です。
それでもiFree年金バランスは低コストではあるので、このファンドをコアとして、他の低コストなインデックスファンドと併用して、リスクを調整するという使い方はあるかもしれません。
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