グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)は、日本を含む世界各国の株式、不動産投信(REIT)および債券などに分散投資ができるバランス型ファンドです。
先物取引を利用することによりレバレッジをかけ、預けた資産の3倍相当額の投資を行いますが、どんな内容のファンドなのか確認してみました。
グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)の特徴
投資対象
グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)は、日本を含む世界各国の株式、不動産投信(REIT)および債券などに分散投資ができるバランス型ファンドです。
世界の株式やREITに加えて、日本株式および各国国債への投資には先物取引を活用することによって、純資産残高の3倍相当額の投資を行うこととなります。
実際には、「海外先進国株式」「海外新興国株式」「日本REIT」「海外先進国REIT」は現物で、「日本株式」と「先進国国債」は先物に投資をする形となっています。
債券先物投資を利用することにより為替変動リスクを低減できる効果も期待できるとのことです。
債券先物取引の場合だと、為替変動リスクは差し入れる証拠金部分と債券の評価損益部分のみにしかかかりません。つまり、債券投資の「元本部分」が為替の影響を受けません。そのため、為替リスクが極めて限定され、株式やREITが逆方向の値動きになる、いわゆる逆相関の状態が生まれやすくなる
また、各国債の先物と他の資産クラスとは逆相関になっているので、株式やREITが下落した際には逆の動きが期待でき、全体の下落率を抑制する効果が期待できるので、分散投資として有効といえそうです。
※下記はグローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)「月報(2019年12月)」からの情報です。
資産構成比
通貨別構成比
ファンドの仕組み
グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)はファンド・オブ・ファンズ方式で運用され、実質的な運用は下記のマザーファンド等にて行われます。
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
購入時手数料(税込) | 3.3%以内 |
信託報酬(税込) | 0.484% |
実質コスト(税込) | 0.506%※ |
信託財産留保額 | なし |
※第1期運用報告書(2018年10月4日~2019年9月24日)より年換算した想定値
分配金
第1期決算では分配金が出ていません。
グローバル3倍3分法ファンドでは1年決算型と隔月分配型があり、隔月分配型では2か月に一度分配金が出されていますが、中長期での資産形成には分配金が出されないほうが有利です。
つみたてNISA(積立NISA)・iDeCo対応状況
グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)はつみたてNISA対象外で、iDeCoも取り扱っているネット証券はないようです。
参考 NISA、つみたてNISA(積立NISA)、iDeCoの比較については下記も参考にしてみてください。
⇒ NISA・つみたてNISA(積立NISA)・iDeCoを比較!どれがおすすめでお得?過去の運用成績(リターン・リスク)
1年 | |
リターン | 31.80%(2位) |
リスク(標準偏差) | 8.56(300位) |
シャープレシオ | 3.72(2位) |
対象ファンド数※ | 333本 |
※:「安定成長」カテゴリ
基準価額騰落率
ファンド | |
1ヶ月 | ー0.69% |
3ヶ月 | +2.40% |
6ヶ月 | +10.60% |
1年 | +31.80% |
設定来 | +27.71% |
※グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)「月報(2019年12月)」より
※ファンド設定日は2018年10月4日
※分配金を再投資した収益率で、購入時手数料および分配金にかかる税金は考慮されてません
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
基準価額・純資産の推移
所感
ファンドが設定されてから約1年以上が経過しましたが、1年で30%以上と好成績となっています。
グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)はバランス型ファンドなので、投資比率は異なりますが株式や債券、REITに均等に分散投資ができ低コストなバランス型ファンドである「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」と、TOPIX、S&P500と比較したのが下記となります。
参考 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の評価って?利回りや実質コストは?
(引用元:モーニングスター)
オレンジがグローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)、赤がeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)、緑がS&P500(配当込み)、青がTOPIXの2018年10月からのトータルリターンのチャートです。
対象期間では、2018年後半に株価が下落したこともあり、TOPIX、S&P500の成績が悪かったこともありますが、グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)は株式のインデックスよりは下落率は抑制されていて、その後の株価上昇期では「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」より大きく上昇しています。
まだ対象期間が短いですが、バランス型ファンドにみられる株価が下落基調の時は下落率が抑制されるが、株価上昇期も上昇率が抑制されてしまうといったことなく、上昇期も他のバランス型ファンドよりしっかりと上昇してくれそうです。
リターンを追い求めるなら株価指数に単純に投資したほうが、リターンはよりよくなる期待は持てますが、リターンは多少悪くても株価下落時のリスクを抑制したいなら「グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)」という選択肢もありかと思います。
また、2019年4月ころから人気が出始めていて、純資産残高を大きく伸ばしています。
当ファンドの情報
- ベンチマーク:なし
- 購入時手数料(税込):3.3%を上限
- 信託報酬(税込):0.484%(実質コスト:ー%)
- 信託財産留保額:なし
- 純資産残高:約3,870億円
- 分配金利回り:ー
- 決算:年1回(9月21日)
- 買付単位:100円以上1円単位、積立も100円から(SBI証券などのネット証券)
- 償還日:2028年9月21日(設定日:2018年10月4日)
- つみたてNISA:対象外
- iDeCo:取り扱いネット証券なし
評価・まとめ
グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)は、日本を含む世界各国の株式、不動産投信(REIT)および債券などに分散投資ができるバランス型ファンドです。
世界の株式やREITに加えて、日本株式および各国国債への投資には先物取引を活用することによって、純資産残高の3倍相当額の投資を行うこととなりますが、実際には「日本株式」と「先進国国債」だけが先物取引を行っています。
そのため、純資産残高が3倍だからリスクやリターンも3倍というわけではなく、100万円投資したら300万円投資した時と同じ効果を期待できるということになります。
リターンを追い求めるなら株価指数に単純に投資したほうが、リターンはよりよくなる期待は持てますが、リターンは多少悪くても株価下落時のリスクを抑制したいなら「グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)」という選択肢もあり得ます。
また、投資比率は異なりますが株式や債券、REITに均等に分散投資ができ低コストなバランス型ファンドである「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」よりもリターンは期待できそうです。
参考 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の評価って?利回りや実質コストは?
ただ、「グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)」は償還日が設定されているので、延長される可能性はあるものの、株価下落時に償還されてしまうといったリスクがある点には注意が必要です。
グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)に投資するならネット証券がおすすめ
グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)は、購入時手数料が必要なファンドですが、SBI証券、楽天証券、マネックス証券なら通常注文・積立注文どちらも購入時手数料が無料で投資できます。
また、ネット証券では投資信託を保有しているだけで下記のようなポイントが貰えます。
貰えるポイント | 付与率(年率) | ポイント 投資 | |
SBI証券 | Tポイント | 0.10%(※1,000万円未満) 0.20%(※1,000万円以上) | ○ |
楽天証券 | 楽天ポイント | 0.048% | ○ |
マネックス証券 | マネックスポイント | 0.08% | × |
※月間保有金額
ネット証券によって貰えるポイントが異なりますが、付与率が最も高いのはSBI証券となります。もちろん口座開設・維持費用は無料です。
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