米国NASDAQオープンは、米国のNASDAQ上場株式に分散投資ができるアクティブファンドで、為替ヘッジありのAコースと為替ヘッジなしのBコースがあります。
米国経済をけん引してきたハイテク、IT企業が多く上場するナスダックへ投資ができる米国NASDAQオープンはどのような内容のファンドなのか確認してみました。
米国NASDAQオープンの特徴とは?
基本概要
ファンド名 | 米国NASDAQオープン |
運用会社 | 野村アセットマネジメント |
ベンチマーク | Aコース:Nasdaq総合指数(税引前配当込み、円ヘッジベース) Bコース:Nasdaq総合指数(税引前配当込み、円換算ベース) |
為替ヘッジ | Aコースは為替ヘッジあり |
インデックスファンド | × |
ファンドの仕組み | ファミリーファンド |
購入時手数料(税込) | 3.3%以内 |
信託報酬(税込) | 1.694% |
実質コスト(税込) | Aコース:1.755% Bコース:1.758% |
信託財産留保額 | 0.3% |
純資産残高 | Aコース:120億円 Bコース:750億円 |
分配金利回り | Aコース:4.63% Bコース:5.95% |
NISA | 成長投資枠対象 |
iDeCo | 取扱いネット証券なし |
決算 | 5、11月の28日 |
設定日 | 2000年11月29日 |
償還日 | 無期限 |
投資対象
米国NASDAQオープンは、米国のNASDAQ上場株式を主要投資対象とし、「成長性」「収益性」「安定性」の観点から銘柄を選別して投資を行うアクティブファンドです。
実際には、下記のプロセスに沿ってポートフォリオが構築されます。
ナスダック(NASDAQ)は、1971年に全米証券業協会(NASD)が開設・運営する株式市場で、ハイテク産業を中心に約3,000社以上が上場している新興企業(ベンチャー)向け株式市場です。
ただ、当初はベンチャーだったIT企業がそのままナスダックに残っていることも多く「アップル」「グーグル」「フェイスブック」「アマゾン」といった企業が時価総額上位に名を連ねています。
参考 ナスダック(NASDAQ)に連動する投資信託やETFを比較!おすすめなのは?
米国NASDAQオープンは、為替ヘッジありのAコースと為替ヘッジなしのBコースがあり、アクティブファンドには珍しくベンチマークを設定していて、それぞれのベンチマークは下記となっています。
ナスダックに連動するインデックスファンドの多くはNASDAQ100指数をベンチマークとしていますが、米国NASDAQオープンはナスダックに上場するすべての銘柄を対象として算出されたNASDAQ総合指数をベンチマークとしています。
業種別配分では半導体やソフトウェア、コンピュータといったIT関連業種が上位の比率となっています。
※引用:米国NASDAQオープン「月報(2024年6月)」
組入銘柄数は35銘柄で上位10銘柄はエヌビディアやアップル、マイクロソフトなど時価総額が大きい銘柄の比率が高くなっています。
※引用:米国NASDAQオープン「月報(2024年6月)」
ファンドの仕組み
米国NASDAQオープンはファミリーファンド方式で運用され、実質的な運用は米国NASDAQオープンマザーファンドにて行われます。
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
Aコース 為替ヘッジあり | Bコース 為替ヘッジなし | |
購入時手数料(税込) | 3.3% | 3.3% |
信託報酬(税込) | 1.694% | 1.694% |
実質コスト(税込) | 1.755% | 1.758% |
信託財産留保額 | 0.3% | 0.3% |
米国NASDAQオープンは銀行や証券会社など多くの金融機関で購入することが可能ですが、購入時手数料が必要となる金融機関があります。
SBI証券や楽天証券などのネット証券で購入すれば購入時手数料が無料なので、その分多く投資することができ、さらに投資信託を保有しているだけでもポイントが貰えたり、クレジットカードを利用すればさらにポイントが貰えるのでお得です。
参考 投資信託でポイントが貯まるネット証券を比較!おすすめはどこ?
分配金
米国NASDAQオープンは年2回決算型で、直近での分配実績は下記となっていて、Aコースの分配金利回りは4.73%、Bコースの分配金利回りは6.18%となっています。
【Aコース】
※設定来累計:4,830円
【Bコース】
※設定来累計:9,070円
米国NASDAQオープンは分配金を出していますが、下記のように「当期の収益」のみで分配金が出されているのでタコ足配当とはなっていません。
【Aコース】
【Bコース】
新NISA及びiDeCoの対応状況
米国NASDAQオープンは新NISA(2024年以降)の「成長投資枠」対象となるのでNISA口座で投資することができます。
参考 金融庁「新しいNISA」
ただ、iDeCoで取り扱っているネット証券はありません。
参考 NISAとiDeCoの違いの比較については下記も参考にしてみてください。
米国NASDAQオープンのパフォーマンスは?
過去の運用成績(リターン・リスク)
【Aコース】
1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) | |
トータルリターン | 39.80%(2位) | 7.61%(7位) | 17.20%(2位) | 14.50%(1位) |
リスク(標準偏差) | 19.79(72位) | 21.61(57位) | 19.74(27位) | 17.14(10位) |
シャープレシオ | 2.01(7位) | 0.35(9位) | 0.87(1位) | 0.85(1位) |
対象ファンド数※ | 98本 | 80本 | 57本 | 25本 |
※:「国際株式・北米・ヘッジあり」カテゴリ
【Bコース】
1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) | |
トータルリターン | 64.37%(7位) | 25.91%(16位) | 30.03%(8位) | 22.10%(2位) |
リスク(標準偏差) | 18.40(273位) | 22.32(204位) | 19.82(110位) | 19.00(50位) |
シャープレシオ | 3.50(20位) | 1.16(104位) | 1.52(5位) | 1.16(3位) |
対象ファンド数※ | 324本 | 250本 | 187本 | 82本 |
※:「国際株式・北米・ヘッジなし」カテゴリ
基準価額騰落率
Aコース | Bコース | |||
ファンド | ベンチマーク | ファンド | ベンチマーク | |
1ヶ月 | +8.4% | +6.3% | +11.7% | +9.7% |
3ヶ月 | +9.1% | +7.7% | +17.5% | +16.2% |
6ヶ月 | +25.1% | +15.5% | +45.5% | +34.8% |
1年 | +39.8% | +25.1% | +64.4% | +47.1% |
3年 | +24.6% | +13.2% | +99.6% | +83.3% |
設定来 | +203.5% | +389.9% | +524.3% | +1,000.1% |
※米国NASDAQオープン「月報(2024年6月)」より
※ファンド設定日はAコース、Bコースともに2000年11月29日
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
Aコース、Bコースともに直近3年ではベンチマークを上回るパフォーマンスとなっています。
直近の運用報告書によると、一部の銘柄をベンチマークより比率が高く保有していたことが要因のようです。
米国NASDAQオープンは組み入れている銘柄を選別し比率もベンチマークから変えているため、必ずしもベンチマークを上回るパフォーマンスとなるわけではなく、特に設定来ではベンチマークよりかなりパフォーマンスは悪くなっています。
基準価額・純資産の推移
【Aコース】
【Bコース】
月次レポートでは純資産の動きがわからないので、より詳細な毎月の資金流出入額を確認すると下記のようになります。
Aコースは2022年に大きな流出がありましたが、その後は資金流出が続いていて、Bコースの方は直近でも資金流入が大きくなってます。
【Aコース】
【Bコース】
他のファンドと比較すると?
米国NASDAQオープンは、ナスダックに投資するアクティブファンドですが、ナスダックへはナスダック100指数に連動するより低コストなインデックスファンドもあります。
参考 ナスダック(NASDAQ)に連動する投資信託やETFを比較!おすすめなのは?
その中でも比較的運用期間が長い「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」と米国NASDAQオープンBコースの直近3年の値動きを比較すると下記のようになります。
(引用:ウエルスアドバイザー)
赤が米国NASDAQオープンBコース、黄色がiFreeNEXT NASDAQ100インデックスの分配金を再投資した場合の過去約3年間のチャートです。
比較した期間の多くで「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」の方がパフォーマンスは上回ってましたが、直近までではやや「米国NASDAQオープンBコース」の方がパフォーマンスが上回りました。
米国NASDAQオープンは直近3年はベンチマークを上回るパフォーマンスとなっているので、選定銘柄の比率を高くしたことが功を奏しています。
ただ、設定来ではベンチマークよりパフォーマンスが悪くなってることより銘柄選定およびその比率が常に思い通りとなってるわけでもないので、より長期間に渡って安定的にナスダック市場の成長を享受できそうなのはNASDAQ100指数に連動した低コストなインデックスファンドではないかと思われます。
評価・まとめ
米国NASDAQオープンは、米国のNASDAQ上場株式を主要投資対象とし、「成長性」「収益性」「安定性」の観点から銘柄を選別して投資を行うアクティブファンドで、為替ヘッジありのAコースと為替ヘッジなしのBコースがあります。
アクティブファンドには珍しくベンチマークを設定していて、ナスダック総合指数をベンチマークとしていますが、ナスダック総合指数は約3,000銘柄で構成されているのに対し、米国NASDAQオープンは約40銘柄まで厳選しているので、分散性という観点では劣っています。
直近3年ではベンチマークよりいいパフォーマンスとなっていますが、約24年運用されていて設定来で見るとベンチマークよりは大きくパフォーマンスが悪くなっています。
ナスダック市場へ投資できる投資信託はあまり多くはないので、米国NASDAQオープンは貴重なファンドではありますが、ナスダック市場の時価総額上位100銘柄を構成銘柄とするナスダック100指数に連動する低コストなインデックスファンドも登場しているので、こちらも検討してみてください。
参考 ナスダック(NASDAQ)に連動する投資信託やETFを比較!おすすめなのは?
米国NASDAQオープンを購入するのにおすすめの証券会社は?
米国NASDAQオープンは、購入時手数料がかかる投資信託ですが、下記のネット証券なら購入時手数料が無料です。
さらにネット証券なら投資信託を保有しているだけでポイントが貯まり、積立するならクレジットカードを利用すればさらにポイントが貯まるのでお得です。下記のネット証券なら新NISA口座もポイント還元の対象です。
米国NASDAQオープンのポイント還元率は下記となっています。
参考 投資信託でポイントが貯まるネット証券を比較!おすすめはどこ?
松井証券 | SBI証券 | マネックス 証券 | auカブコム 証券 | |
投資信託保有時 ポイント還元率 | 0.7% | 0.1%※1 | 0.08% | 0.05%※2 |
投資信託保有時 付与されるポイント | 松井証券ポイント | ・Tポイント ・Pontaポイント ・dポイント ・JALのマイル ※3 上記のいずれか | マネックスポイント | Pontaポイント |
クレカ積立 ポイント還元率 | ー | 0.5~5.0% 三井住友カード | 1.1% マネックスカード | 1% auPayカード |
クレカ積立 付与されるポイント | Vポイント | マネックスポイント | Pontaポイント |
※楽天証券は投資信託保有時のポイント付与が条件達成時の一度のみなので対象外
※1:月間平均保有金額1,000万円以上の場合は0.2%
※2:月間平均保有金額100万円以上~3,000万円未満の場合は0.12%、3,000万円以上の場合は0.24%
※3:JALのマイルの場合は記載還元率の半分
松井証券(公式サイト)はクレカ積立に対応していませんが、投資信託保有時のポイント還元率は最高水準となっています。
クレジットカード積立のポイント還元率は、年会費がかかるカードであれば SBI証券が最高水準ですが、実質年会費がかからない一般カードであればマネックス証券が最高水準です。
投資信託保有時のポイント還元率は最高水準の松井証券
信託報酬が低コストな投資信託も投資信託保有時のポイント還元率は業界最高水準です。他社で買い付けた投資信託を松井証券へ移管する際には実質無料で移管することができます。
還元される松井証券ポイントは、PayPayポイントやdポイントなどに交換することができます。
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
一般カードのクレジットカード積立でポイント還元率が最高水準のマネックス証券
クレジットカード積立を利用するならトータルのポイント還元率が業界最高水準なのがマネックス証券です。
クレジットカード積立で必要なマネックスカードは、初年度の年会費は無料、次年度以降の年会費550円(税込)ですが、年間に1回以上のクレジットカードの利用で無料になり、マネックスカードによる投信つみたてもカード利用の対象となります。
還元されるマネックスポイントは下記のように様々な用途に利用することができます。
- 投資信託の購入
- 株式手数料に充当
- 暗号資産(ビットコイン・イーサリアム・リップル)
- 他のポイントへの交換(dポイント・Tポイント・Pontaポイント・nanaco・waonポイント・ANAのマイル・JALのマイル・Amazonギフトカード)
- 日本赤十字社などへの寄付
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
保有残高によるポイント還元率が高くクレカ積立でもポイント還元されるSBI証券
投資信託の保有残高によるポイント還元率は、低コストな投資信託でも松井証券と同レベルのポイント還元率です。
クレジットカード積立で一般カードだと還元率は低いですが、ゴールドカードは年間で100万円以上利用すれば翌年以降の年会費永年無料となるので条件クリアできそうであればゴールドカードの方がおすすめです。(ただしクレジットカード積立は集計対象外です)
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
Pontaポイントを貯めるならauカブコム証券
投資信託の保有残高によるポイント還元は低いのですが、クレジットカード積立によるポイント還元率は1%と還元率は高いです。
スマホでauを利用していると貯めやすいPontaポイントが貯まり、auじぶん銀行と連携すれば普通預金の金利が年率0.1%となり、au Payなどとも連携すれば0.2%になるメリットがあります。
またauマネ活プランに入ればauじぶん銀行の普通預金の金利が最大0.3%になったり、クレジットカード積立によるポイント還元率が最大3%と優遇されます。
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
楽天ポイントを貯めるなら楽天証券
楽天証券では、保有残高によるポイント還元率が「一定の残高をはじめて達成した場合」のみポイントが還元されるルールに変更され、保有残高によるポイント還元はほぼなくなりました。(一部のファンドは保有残高によるポイントが還元される)
また、楽天証券ではクレジットカード積立だけでなく楽天キャッシュを利用してもポイント還元が受けられ併用することが可能です。
通常設定可能上限は5万円/月ですが、併用することで10万円/月までポイント還元を上けることが可能です。
楽天ポイントは楽天経済圏では貯めやすく、様々なサービスで利用できるので、楽天ポイントを貯めたい方は楽天証券という選択肢もあるかと思います。
NISA口座も同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
今利用している証券会社から他の証券会社に投資信託などは移管することが可能です。
通常は移管元の証券会社で手数料が必要になりますが、下記のネット証券なら移管元で支払った移管手数料をキャッシュバックしてくれるので実質無料で移管することができます。また、他社で購入した投資信託もポイント還元の対象となります。
各資産クラスのインデックスファンドの比較についてはこちら!
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低コストなインデックスファンドでも分配金を得ることは可能!
NASDAQ100指数に連動し低コストな「ニッセイ NASDAQ100インデックスファンド」のような低コストな分配金は出ませんが、ネット証券のサービスを利用することで分配金を得ることが可能です。
SBI証券と楽天証券では、自動で定期的に投資信託の一部を売却してくれるので毎月分配金のように毎月現金を受け取るようなことが可能です。
また、売却した残りはそのまま運用されることとなるので、資産の寿命を引き延ばすことができ今まで作り上げた資産を有効活用する「投資信託を運用しながら切り崩す」という方法となりますのでこちらも検討してみてください。