純金上場信託(金の果実)(1540)は、金地金1gの現在価値(理論価格)と連動し、現物の金(gold)と交換が可能という特徴を持つ国内ETFです。
現物の金(gold)は全世界どこでも貨幣と交換が可能で、有事の際には値上がりしやすいといった特徴を持つ守りの資産として人気があります。
そんな金へETFで手軽に投資できながら、現物の金への交換が可能な純金上場信託「金の果実」(1540)の内容を確認してみました。
純金上場信託(金の果実)(1540)の特徴とは?
基本概要
ファンド名 | 純金上場信託(現物国内保管型) |
管理会社 | 三菱UFJ信託銀行 |
ベンチマーク | 金地金1gの現在価値(理論価格) |
為替ヘッジ | なし |
購入時手数料 | 各証券会社により異なる |
信託報酬(税込) | 0.44% |
信託財産留保額 | なし |
純資産残高 | 約3,000億円 |
分配金利回り | ー |
NISA | 成長投資枠対象 |
iDeCo | ー |
決算 | 年1回(1月20日) |
上場日 | 2010年7月2日 |
投資対象
純金上場信託「金の果実」は「金地金1gの現在価値(理論価格)」への連動を目指し、実際に金の現物を購入・保管している国内ETFです。(金地金とは金の延べ棒のことです)
東京商品取引所における金地金1グラムあたりの先物価格をベースとしているため、指標価格は「グラム・円」単位となっています。
純金上場信託の大きな特徴として、金の現物である金地金との交換が可能なETFとなり、実際転換する単位としては下記となります。
- 【小口転換】金地金1kg以上5kg以内(1kgの整数倍)の質量に対応する受益権口数
- 【大口転換】30万口以上の金地金の質量に対応する受益権口数
例えば小口転換で1kgを転換するのに必要な口数は約1,000口が必要となるので、直近の基準価額で算出すると約1,100万円投資すれば金地金と交換が可能となります。
また、実際の小口転換の手続きの流れは下記の様になります。
(引用元:金の果実シリーズ「転換(交換)の流れ」)
①小口転換取証券会社に金地金1kgへの転換を請求
②証券会社は、三菱UFJ信託に対して、転換請求者情報を取り次ぎ
③三菱UFJ信託は、証券会社を通じて、受益者に実際にかかる費用を請求
④三菱UFJ信託銀行から三菱商事RtMジャパンに金地金発送の連絡
⑤三菱UFJ信託銀行側から受益者に金地金を発送
③でかかる転換取扱手数料は、下記のa~cの合計額(税込)が必要です。
- 事務取扱手数料:請求1回あたり5,500円
- 金地金改鋳費用相当額:金地金1kg あたり22,000円
- 運送関係諸費用:請求1回あたり3,300円
これ以外に、転換価格の消費税相当額を支払う必要があり、転換は税務上有価証券の譲渡とみなされるため、特定口座(源泉徴収あり)を利用していて譲渡益が発生する場合は申告分離課税による約20%の税金を支払う必要があります。
(引用元:金の果実シリーズ「転換(交換)の手続き」)
ネット証券ではSBI証券とauカブコム証券が小口転換取証券会社となっていて、auカブコム証券では上記とは別に証券会社での事務取扱手数料5,500円(税込)が必要となりますが、SBI証券なら無料です。
信託報酬などのコスト
売買手数料 | 各証券会社により異なる 参考 おすすめネット証券比較(国内株式・ETF編) |
信託報酬(税込) | 0.44% |
信託財産留保額 | なし |
ETFは株式同様に売買手数料がかかりますが、SBI証券と楽天証券なら簡単な設定を行えば売買手数料が無料になります。
また、下記のネット証券のNISA口座を利用すれば、国内株式・ETFや米国株式・ETFの売買手数料が無料となります。
分配金・配当金
株式や債券と異なり、金(gold)自体は収益を生み出すものではないので、配当金や分配金のようなものはありません。
平均売買高・マーケットメイカー
純金上場信託「金の果実」(1540)は、平均売買高(直近90日)約167,000口と流動性はそこそこあり、マーケットメイク制度の対象銘柄なので、公正な価格で売買することができます。
参考 日本取引所グループ「マーケットメイク制度」
マーケットメイク制度は、ETFの流動性を高めるために設けられた制度です。野村証券などのマーケットメイカーが、常に売買注文を出すことで、投資家がいつでも取引しやすい環境を提供しています
ETFは市場でいつでも売買できるのがメリットですが、買いたい時に買って、売りたい時に売るためには、出来高や売買代金が多い等の流動性が重要になってきます。
純金上場信託「金の果実」(1540)は、マーケットメイク制度の対象でもあるので心配する必要はなさそうです。
スプレッド・最良気配平均執行可能金額
ETFの流動性でチェックしたい指標としてはスプレッドとデプスもあります。
- 平均スプレッド:0.034%
- 最良買い気配平均執行可能金額:4,080,955円
- 最良売り気配平均執行可能金額:12,001,126円
※2022年11月平均
繰上償還
純金上場信託「金の果実」(1540)は、信託期間は無期限で、信託終了する条件がいくつかありますが、「純資産総額が20億円を下回った時」という条件があります。
純金上場信託「金の果実」(1540)は純資産総額は約3,000億円あるので当面は繰上償還となるリスクは低そうです。
NISAの対応状況
純金上場信託「金の果実」(1540)は新NISA(2024年以降)の「成長投資枠」の対象となるのでNISA口座を利用すれば売却益などが非課税となります。
参考 金融庁「新しいNISA」
成長投資枠は、年間240万円まで投資ができ、限度額最大1,200万円までなら無期限で非課税となるので節税効果は大きいです。
参考 NISAとiDeCoの違いの比較については下記も参考にしてみてください。
純金上場信託「金の果実」(1540)のパフォーマンスは?
騰落率
当ETF | (参考)TOPIX | |
3ヶ月 | +0.35% | +13.20% |
6ヶ月 | +8.29% | +9.84% |
1年 | +20.10% | +29.15% |
3年 | +52.76% | +41.04% |
5年 | +104.59% | +62.75% |
※2024年1月31日時点
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
過去のチャート
金相場は株式とは逆相関にあると言われてますが、この期間ではあまりそのような値動きとはなっていなさそうです。
過去のデータを見ると、金とTOPIXの価格は逆方向に動く傾向があることは確かですが、常に一定の関係があるわけではなく、経済状況や金利などの様々な要因によって、関係性が変化することもあります。
評価・まとめ
純金上場信託「金の果実」(1540)は、「金地金1gの現在価値(理論価格)」との連動を目指す国内ETFです。
このETFは、金の現物である金地金と交換することができるという特徴がありますが、交換するには小口転換の場合は1kg以上の口数が必要なので約1,000口(約1,100万円程度)等ETFを保有している必要があります。
純金上場信託「金の果実」(1540)を購入するのにおすすめのネット証券は?
SBI証券や楽天証券なら簡単な設定をするだけで国内株式・ETFの売買手数料が無料となり、将来的に金地金への交換を考えているなら小口転換取証券会社であるSBI証券なら移管する必要もなく直接交換ができるのでおすすめです。
>> SBI証券(公式サイト)
また、下記のネット証券のNISA口座を利用すれば、国内株式・ETFや米国株式・ETFの売買手数料が無料となります。
CFDなら金(gold)を簡単にレバレッジをかけて取引することも可能
CFDを利用すれば金(gold)の買いや売りの取引もでき、簡単にレバレッジをかけて取引することが可能です。
参考 CFDとは?取引の仕組みや投資する上でのメリット・デメリットは?
通常はレバレッジ1倍と同じ取引となるので、100万円の資金に対して100万円分の取引しかできませんが、例えばレバレッジを2倍にすれば100万円の資金に対して200万円分の取引をすることが可能です。
参考 FXのレバレッジとは?レバレッジ1倍でも借金することはある?
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金(gold)は自動売買も可能
金(gold)はCFDで取り扱いがあるので、自動売買を行うことも可能です。
CFDを自動売買するメリットとしては下記のような点が挙げられます。
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- 長期運用も可能
参考 CFDの自動売買ができる証券会社を徹底比較!おすすめはどれ?
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