東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)(愛称:円奏会)は、国内の複数の資産(債券、株式、REIT)に分散投資ができる毎月分配型のバランス型ファンドです。
一時資金を大きく集め人気があった投資信託ですが、どれほどのパフォーマンスとなっているのか内容含め確認してみました。
東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)(愛称:円奏会)の特徴とは?
基本概要
ファンド名 | 東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型) |
運用会社 | 東京海上アセットマネジメント |
ベンチマーク | ー |
為替ヘッジ | なし |
インデックスファンド | × |
ファンドの仕組み | ファミリーファンド |
購入時手数料(税込) | 上限1.65% |
信託報酬(税込) | 0.924% |
実質コスト(税込) | 0.943% |
信託財産留保額 | なし |
純資産残高 | 約2,950億円 |
分配金利回り | 2.69% |
NISA | 対象外 |
iDeCo | 取扱いネット証券なし |
決算 | 毎月23日 |
設定日 | 2012年11月09日 |
償還日 | 2032年7月23日 |
投資対象
東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)は、国内の複数の資産(債券、株式、REIT)に分散投資を行うバランス型ファンドです。
基本的な資産配分比率は日本債券70%、日本株式15%、日本REIT15%とし、当ファンドの基準価額の変動リスクが大きくなった場合には、基準価額の変動リスクを年率3%程度に抑制することを目標として、株式とREITの資産配分比率をそれぞれ引き下げ、その引き下げた部分は短期金融資産等により運用することとしています。
そのため、相場状況に応じて日本株式や日本REITなどは最小2.5%まで引き下げられる可能性があるということになります。
各資産の配分比率の推移を見ると株式やREITは相場状況に応じて組み入れ比率が大きく変わっています。
※引用:東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)「月報(2024年6月)」
直近では日経平均は最高値更新と上昇傾向ですが、価格変動が大きいと判断しているのか株式の比率は10%程度とせっかくの上昇傾向でも利益を取り損ねてそうです。
※引用:東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)「月報(2024年6月)」
また、投資比率が最も高い日本債券は、円建てのBBB格以上の社債を主要投資対象としているので、債券といっても国債が主要な投資対象というわけではありません。
※引用:東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)「月報(2024年6月)」
ファンドの仕組み
東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)はファミリーファンド方式で運用され、実質的な運用は下記のマザーファンドにて行われます。
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
購入時手数料(税込) | 1.65%を上限 |
信託報酬(税込) | 0.924% |
実質コスト(税込) | 0.943% |
信託財産留保額 | なし |
東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)は銀行や証券会社など多くの金融機関で購入することが可能ですが、購入時手数料が必要となる金融機関があります。
SBI証券や楽天証券などのネット証券で購入すれば購入時手数料が無料なので、その分多く投資することができ、さらに投資信託を保有しているだけでもポイントが貰えたり、クレジットカードを利用すればさらにポイントが貰えるのでお得です。
参考 投資信託でポイントが貯まるネット証券を比較!おすすめはどこ?
分配金
東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)の分配金の実績は下記となっていて、分配金利回りは2.69%となっています。
運用報告書の分配原資の内訳は下記のようになっていて、ファンドで得た利益(下記の当期の収益)だけで分配金が賄えていないのでタコ足配当となっています。
タコ足配当とは投資信託の運用で得た利益ではなく、元本を取り崩して分配金として支払うことを言います。
投資信託の運用で得た利益は分配金として支払われるため、今後の成長のための資金が増えにくいので複利効果が得られないなどのデメリットがあります。
東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)のように分配金を多く払って基準価額が下がり続けてれば、運用する元本が減ってることになるのでそれだけ将来の成長も期待できなくなります。
新NISA及びiDeCoの対応状況
東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)はNISA対象外で、iDeCoでも取り扱っているネット証券はありません。
参考 NISAとiDeCoの違いの比較については下記も参考にしてみてください。
東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)のパフォーマンスは?
過去の運用成績(リターン・リスク)
1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) | |
トータルリターン | -2.47%(144位) | -2.36%(102位) | -1.56%(94位) | 0.59%(34位) |
リスク(標準偏差) | 3.57(20位) | 3.01(17位) | 3.87(34位) | 3.19(9位) |
シャープレシオ | -0.70(144位) | -0.79(123位) | -0.41(103位) | 0.18(34位) |
対象ファンド数※ | 151本 | 135本 | 111本 | 44本 |
※:「安定成長」カテゴリ
基準価額騰落率
ファンド | |
1ヶ月 | ー1.59% |
3ヶ月 | ー1.46% |
6ヶ月 | ー1.41% |
1年 | ー2.06% |
3年 | ー6.25% |
設定来 | +25.44% |
※東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)「月報(2024年6月)」より
※分配金を再投資した収益率で、購入時手数料および分配金にかかる税金は考慮されてません
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
基準価額・純資産の推移
※引用:東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)「月報(2024年6月)」
東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)は、毎月分配金を出すために元本を削っているタコ足配当となっているので当然ですが基準価額は右肩下がりとなります。
純資産残高は一時期大きく伸ばしましたが、その後は右肩下がりと資金流出が続いています。
より詳細な毎月の資金流出入額を確認すると2020年頃から資金流出が続いていて、当ファンドでの運用をやめた方が多くいると言えます。
他のファンドと比較すると?
東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)にはベンチマークとする指標がないため、パフォーマンスが良いのか悪いのか判断がつきません。
そこで投資対象が異なりますが、世界の債券、株式、不動産投信などに幅広く均等に投資を行う「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」と日本国債の比率が約90%で信託報酬が低コストである「eMAXIS Slim 国内債券インデックス」と比較すると下記のようになります。
参考 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の評価って?利回りや実質コストは?
参考 eMAXIS Slim 国内債券インデックスの評価・評判ってどう?利回りや実質コストは?
(引用:ウエルスアドバイザー)
赤が東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)、黄色がeMAXIS Slim 国内債券インデックス、青がeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の分配金を再投資した場合の過去約3年間のチャートです。
直近3年では「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」が最もパフォーマンスが良く、「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)」は、「eMAXIS Slim 国内債券インデックス」と似たような値動きとなっています。
「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)」は国債よりも利率が高い社債の比率が高かったり、株式やREITなどを組み入れてますが過去3年の多くの期間で「eMAXIS Slim 国内債券インデックス」よりパフォーマンスが悪くなってます。
直近では日本株式は上昇しているもののあまりその恩恵を受けられているようには見られず、他の投資信託で運用したほうが利益を上げられる可能性は高そうです。
株式相場が下落基調となれば下落幅は抑えられるとは思われますが、資産配分を変更するファンドでは、どれだけ機動的に資産配分を変えられるかといったファンドマネージャーの腕次第でパフォーマンスは大きく変わるといったリスクがあります。
評価・まとめ
東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)は、日本債券70%、日本株式15%、日本REIT15%を基本の配分比率とするバランス型ファンドです。
当ファンドの基準価額の変動リスクが大きくなった場合には、基準価額の変動リスクを年率3%程度に抑制することを目標として、株式とREITの資産配分比率をそれぞれ引き下げるといった運用を行うといった特徴があります。
ただ、株式やREITの比率はファンドマネージャーの腕次第でパフォーマンスは大きく変わるリスクがあり、償還日が設定されているので長期投資にはそもそも向いてないファンドです。
毎月分配金を得たいなら、日本債券や日本株式、日本REITに投資する信託報酬が低コストなインデックスファンドに投資をし、投資信託定期売却サービスを利用して投資信託を運用しながら自動で定期的に売却することにより同様のことが可能なのでこちらも検討してみてください。
参考 投資信託の定期売却サービスとは?どんなメリットがある?
東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)を購入するのにおすすめの証券会社は?
東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)は、購入時手数料がかかる投資信託ですが、下記のネット証券なら購入時手数料が無料です。
さらにネット証券なら投資信託を保有しているだけでポイントが貯まり、積立するならクレジットカードを利用すればさらにポイントが貯まるのでお得です。下記のネット証券なら新NISA口座もポイント還元の対象です。
東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)のポイント還元率は下記となっています。
参考 投資信託でポイントが貯まるネット証券を比較!おすすめはどこ?
松井証券 | SBI証券 | マネックス 証券 |
auカブコム 証券 |
|
投資信託保有時 ポイント還元率 |
0.41% | 0.1% ※1 | 0.08% | 0.05% ※2 |
投資信託保有時 付与されるポイント |
松井証券ポイント | ・Tポイント ・Pontaポイント ・dポイント ・JALのマイル ※3 上記のいずれか |
マネックスポイント | Pontaポイント |
クレカ積立 ポイント還元率 |
ー | 0.5~5.0% 三井住友カード |
1.1% マネックスカード |
1% auPayカード |
クレカ積立 付与されるポイント |
Vポイント | マネックスポイント | Pontaポイント |
※楽天証券は投資信託保有時のポイント付与が条件達成時の一度のみなので対象外
※1:月間平均保有金額1,000万円以上の場合は0.2%
※2:月間平均保有金額100万円以上~3,000万円未満の場合は0.12%、3,000万円以上の場合は0.24%
※3:JALのマイルの場合は記載還元率の半分
松井証券(公式サイト)はクレカ積立に対応していませんが、投資信託保有時のポイント還元率は最高水準となっています。
クレジットカード積立のポイント還元率は、年会費がかかるカードであれば SBI証券 が最高水準ですが、実質年会費がかからない一般カードであればマネックス証券が最高水準です。
投資信託保有時のポイント還元率は最高水準の松井証券
信託報酬が低コストな投資信託も投資信託保有時のポイント還元率は業界最高水準です。他社で買い付けた投資信託を松井証券へ移管する際には実質無料で移管することができます。
還元される松井証券ポイントは、PayPayポイントやdポイントなどに交換することができます。
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
一般カードのクレジットカード積立でポイント還元率が最高水準のマネックス証券
クレジットカード積立を利用するならトータルのポイント還元率が業界最高水準なのがマネックス証券です。
クレジットカード積立で必要なマネックスカードは、初年度の年会費は無料、次年度以降の年会費550円(税込)ですが、年間に1回以上のクレジットカードの利用で無料になり、マネックスカードによる投信つみたてもカード利用の対象となります。
還元されるマネックスポイントは下記のように様々な用途に利用することができます。
- 投資信託の購入
- 株式手数料に充当
- 暗号資産(ビットコイン・イーサリアム・リップル)
- 他のポイントへの交換(dポイント・Tポイント・Pontaポイント・nanaco・waonポイント・ANAのマイル・JALのマイル・Amazonギフトカード)
- 日本赤十字社などへの寄付
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
保有残高によるポイント還元率が高くクレカ積立でもポイント還元されるSBI証券
投資信託の保有残高によるポイント還元率は、低コストな投資信託でも松井証券と同レベルのポイント還元率です。
クレジットカード積立で一般カードだと還元率は低いですが、ゴールドカードは年間で100万円以上利用すれば翌年以降の年会費永年無料となるので条件クリアできそうであればゴールドカードの方がおすすめです。(ただしクレジットカード積立は集計対象外です)
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
Pontaポイントを貯めるならauカブコム証券
投資信託の保有残高によるポイント還元は低いのですが、クレジットカード積立によるポイント還元率は1%と還元率は高いです。
スマホでauを利用していると貯めやすいPontaポイントが貯まり、auじぶん銀行と連携すれば普通預金の金利が年率0.1%となり、au Payなどとも連携すれば0.2%になるメリットがあります。
またauマネ活プランに入ればauじぶん銀行の普通預金の金利が最大0.3%になったり、クレジットカード積立によるポイント還元率が最大3%と優遇されます。
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
楽天ポイントを貯めるなら楽天証券
楽天証券では、保有残高によるポイント還元率が「一定の残高をはじめて達成した場合」のみポイントが還元されるルールに変更され、保有残高によるポイント還元はほぼなくなりました。(一部のファンドは保有残高によるポイントが還元される)
また、楽天証券ではクレジットカード積立だけでなく楽天キャッシュを利用してもポイント還元が受けられ併用することが可能です。
通常設定可能上限は5万円/月ですが、併用することで10万円/月までポイント還元を上けることが可能です。
楽天ポイントは楽天経済圏では貯めやすく、様々なサービスで利用できるので、楽天ポイントを貯めたい方は楽天証券という選択肢もあるかと思います。
NISA口座も同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
今利用している証券会社から他の証券会社に投資信託などは移管することが可能です。
通常は移管元の証券会社で手数料が必要になりますが、下記のネット証券なら移管元で支払った移管手数料をキャッシュバックしてくれるので実質無料で移管することができます。また、他社で購入した投資信託もポイント還元の対象となります。
各資産クラスのインデックスファンドの比較についてはこちら!
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参考 【最新】投資信託ランキング!個人投資家が選ぶ人気のファンドは?
低コストなインデックスファンドでも毎月分配金を得ることは可能!
「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」のような低コストな投資信託は分配金は出ませんが、ネット証券のサービスを利用することで毎月分配金を得ることが可能です。
SBI証券と楽天証券では、自動で定期的に投資信託の一部を売却してくれるので毎月分配金のように毎月現金を受け取ることが可能です。
また、売却した残りはそのまま運用されることとなるので、資産の寿命を引き延ばすことができ今まで作り上げた資産を有効活用する「投資信託を運用しながら切り崩す」という方法となりますのでこちらも検討してみてください。