アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は、成長の可能性が高いと判断される米国株式に分散投資を行うアクティブファンドです。
為替ヘッジありや毎月分配型などAコースからDコースの4つのコースが設定されているファンドですが、どんな内容のファンドで過去の成績はどうだったのか確認してみました。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の特徴
投資対象
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は、成長の可能性が高いと判断される米国株式の中で、企業のファンダメンタルズ分析と株価バリュエーションに基づく銘柄選択を基本としたアクティブファンドです。
銘柄はグロース特性に基づきスクリーニングされた約300銘柄について、ファンダメンタルズ・リサーチを参考に約100銘柄に絞り込みます。
最終的には、ファンダメンタルズ分析の確信度やリスク特性を考慮し、有望と判断される50~70銘柄を選定し投資を行います。
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信には下記の様に4つのコースがあり、アクティブファンドでは珍しくS&P500(配当込み、円ベースもしくは円ヘッジベース)をベンチマークとしています。
為替ヘッジあり | 為替ヘッジなし | |
年2回分配 | Aコース | Bコース |
毎月分配 | Cコース | Dコース |
また、アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は第三者機関からの評価も高く、特にBコースは下記の賞を受賞していて、R&Iファンド大賞 2019 「優秀ファンド賞」はDコースも受賞しています。
- モーニングスターファンド オブ ザ イヤー2018 「最優秀ファンド賞」受賞 (国際株式型(グローバル・除く日本)部門)
- R&Iファンド大賞 2019 「優秀ファンド賞」受賞 (投資信託/北米株式部門)
- リッパー・ファンド・アワード・フロム・リフィニティブ 2019 ジャパン「最優秀ファンド賞」受賞(投資信託/株式型 米国株(評価期間5年))
※下記は4つのコースの中で純資産残高が最も大きいDコース「月報(2019年6月)」からの情報です。
資産配分
市場別配分
セクター別配分
組入上位10銘柄
※銘柄数:48銘柄
ファンドの仕組み
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の4つのコースはファミリーファンド方式で運用され、実質的な運用は下記のアライアンス・バーンスタイン・米国大型グロース株マザーファンドにて行われます。
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
購入時手数料 | (SBI証券の場合) 1億円未満 3.24% 1億円以上 1.62% |
信託報酬(税込) | 1.6956% |
実質コスト(税込) | Aコース:1.737% Bコース:1.74% Cコース:1.731% Dコース:1.734% |
信託財産留保額 | なし |
分配金
各コースの直近の分配金は下記の様になっています。
- Aコース:200円(分配金利回り1.75%)
- Bコース:230円(分配金利回り1.76%)
- Cコース:100円(分配金利回り9.28%)
- Dコース:100円(分配金利回り13.26%)
毎月分配型であるC・Dコースの分配金の内訳は下記となっています。
【Cコース】
【Dコース】
どちらのコースもファンドの運用収益である「当期の収益」だけでは分配金は賄えておらず、元本が返還されているだけのたこ足配当となっています。
参考 投資信託の分配金利回りランキングはあてにならない?日本証券業協会から注意喚起!
過去の運用成績・利回り
基準価額騰落率
Aコース | Cコース | ベンチマーク S&P500(配当込み、円ヘッジベース) | |
1ヶ月 | +4.8% | +4.8% | +4.8% |
3ヶ月 | +3.3% | +3.3% | +3.7% |
6ヶ月 | +18.2% | +18.2% | +17.1% |
1年 | +9.0% | +8.8% | +7.0% |
3年 | +57.0% | +56.6% | +42.4% |
設定来 | +158.0% | +75.0% | +158.9%(53.6%※Cコースと同時期の場合) |
※アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信「月報(2019年6月)」より
※ファンド設定日はAコースは2006年5月25日、Cコースは2014年9月16日
※分配金を再投資した収益率で、購入時手数料および分配金にかかる税金は考慮されてません
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
Bコース | Dコース | ベンチマーク S&P500(配当込み、円ベース) | |
1ヶ月 | +3.6% | +3.6% | +3.5% |
3ヶ月 | +1.1% | +1.1% | +1.4% |
6ヶ月 | +16.7% | +16.7% | +15.3% |
1年 | +9.4% | +9.3% | +7.1% |
3年 | +75.7% | +75.0% | +57.2% |
設定来 | +189.6% | +87.1% | +192.8%(63.6%※Dコースと同時期の場合) |
※アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信「月報(2019年6月)」より
※ファンド設定日はBコースは2006年5月25日、Dコースは2014年9月16日
※分配金を再投資した収益率で、購入時手数料および分配金にかかる税金は考慮されてません
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
基準価額・純資産残高の推移
【Aコース】
【Bコース】
【Cコース】
【Dコース】
所感
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の4つのコースで設定来のパフォーマンスが良いのが為替ヘッジなしのB・Dコースで、それぞれ単純な年率平均は約14.6%、約17.4%とどちらも高いパフォーマンスとなっています。
ベンチマークがS&P500なので、低コストなインデックスファンドでS&P500(配当込み)をベンチマークとする「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と比較したのが下記となります。
参考 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の評価って?つみたてNISAやiDeCoの対象?
(引用元:モーニングスター)
オレンジがDコース、赤がBコース、緑がeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の2018年7月からのトータルリターンのチャートです。
信託報酬が0.16%と低コストな「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」よりパフォーマンスが悪かったり良かったりしてますが、該当期間ではアライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信の方が良いパフォーマンスとなっています。
ただ、アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は税引き前分配金を再投資したチャートなので実際にはこれよりパフォーマンスが落ちます。
当ファンドの情報
- ベンチマーク:S&P500(配当込み、円ベースもしくは円ヘッジベース)
- 為替ヘッジ:A・Cコースは為替ヘッジあり
- 購入時手数料:(SBI証券の場合)1億円未満 3.24%、1億円以上 1.62%
- 信託報酬(税込):1.6956%(実質コスト:1.73~1.74%程度)
- 信託財産留保額:なし
- 純資産残高:
Aコース:約240億円
Bコース:約540億円
Cコース:約1,390億円
Dコース:約2,980億円 - 分配金利回り:
- Aコース:1.75%
Bコース:1.76%
Cコース:9.28%
Dコース:13.26% - 決算:
A・Bコース:年2回(6、12月の15日)
C・Dコース:毎月15日 - 買付単位:100円以上1円単位、積立も100円から(SBI証券などのネット証券)
- 償還日:
A・Bコース:2024年6月17日(設定日:2006年5月25日)
C・Dコース:2024年6月17日(設定日:2014年9月16日)
評価・まとめ
アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信は、成長の可能性が高いと判断される米国株式の中で、企業のファンダメンタルズ分析と株価バリュエーションに基づく銘柄選択を基本とし、大体50から70銘柄に分散投資を行うアクティブファンドです。
アクティブファンドには珍しくベンチマークが設定されていて、S&P500(配当込み、円ベースもしくは円ヘッジベース)となっています。
S&P500(配当込み)をベンチマークとする低コストなインデックスファンドである「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と比較しても期間によっては良いパフォーマンスとなっていて優良なアクティブファンドと言えます。
ただ、償還日が設定されていて、延長される可能性もありますが長期投資には向かず、購入時手数料が必要だったり信託報酬も高いといった高コストなファンドなので、低コストな「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に投資した方が良いように思えます。
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