スマート・ファイブ(毎月決算型)は中長期的に収益が期待できる5つの資産(日本国債、海外債券、グローバル株式、グローバルREIT、金)を主要投資対象とするバランス型ファンドです。
以前はゆうちょ銀行のみで販売されてましたが、今ではネット証券でも取り扱っている当ファンドはどんな内容のファンドなのか確認してみました。
スマート・ファイブ(毎月決算型)の特徴とは?
基本概要
ファンド名 | スマート・ファイブ(毎月決算型) |
運用会社 | 日興アセットマネジメント |
ベンチマーク | ー |
為替ヘッジ | なし |
インデックスファンド | × |
ファンドの仕組み | ファンド・オブ・ファンズ |
購入時手数料(税込) | 上限2.2% |
信託報酬(税込) | 1.47175% |
実質コスト(税込) | 1.47675% |
信託財産留保額 | なし |
純資産残高 | 約2,900億円 |
分配金利回り | 5.25% |
NISA | 対象外 |
iDeCo | 取扱いネット証券なし |
決算 | 毎月8日 |
設定日 | 2013年7月16日 |
償還日 | 無期限 |
投資対象
スマート・ファイブ(毎月決算型)は、中長期的に収益が期待できる日本国債、海外債券、グローバル株式、グローバルREIT、金を主要投資対象とするアクティブファンドです。
資産の配分比率は、各資産の基準価額への影響度合いが、5資産の間で概ね均等になるような資産配分戦略(スマート・ファイブ戦略)を用いて、基準価額が、特定の資産から受ける影響を抑えることを目指すとしています。
当ファンドでスマート・ファイブ戦略と呼んでいる戦略は、一般的には「リスク・パリティ戦略」として年金運用では広く知られています。
価格変動の状況に応じて定期的に資産配分を見直すような動きをするファンドとなります。
「リスク・パリティ戦略」は、相場が急落した時に損失を最小限に抑えるようにリスクをコントロールすることを目的としています。
資産構成比率は、日本国債の比率が最も高く、次いで金や高金利海外債券の比率が高くなっています。
※引用:スマート・ファイブ(毎月決算型)「マンスリーレポート(2024年5月末)」
資産構成の比率は下記のように推移していて、直近ではやや金や高金利海外債券の比率が高くなっていますが、基本的には日本国債の比率が高めの構成比率となっています。
※引用:スマート・ファイブ(毎月決算型)「マンスリーレポート(2024年5月末)」
ファンドと各資産の価格推移を確認すると、グローバル高配当株式、グローバルREIT、金といった資産の価格が大きく伸びてますが、ファンド自体は日本国債の比率が高いので下落も抑えられてますが上昇も抑えられている値動きとなっています。
※引用:スマート・ファイブ(毎月決算型)「マンスリーレポート(2024年5月末)」
ファンドの仕組み
スマート・ファイブ(毎月決算型)は他の投資信託等に投資するファンド・オブ・ファンズ方式で運用されます。
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
買付手数料(税込) | 2.2%以内 |
信託報酬(税込) | 1.47175% |
実質コスト(税込) | 1.47675% |
信託財産留保額 | なし |
分配金
スマート・ファイブ(毎月決算型)の分配金の実績は下記となっていて、分配金利回りは5.25%となっています。
運用報告書の分配原資の内訳は下記のようになっていて、ファンドで得た利益(当期の収益)より分配金が多いタコ足配当となっています。
新NISA及びiDeCoの対応状況
スマート・ファイブ(毎月決算型)はNISA対象外で、iDeCoでも取り扱いネット証券はありません。
参考 NISAとiDeCoの違いの比較については下記も参考にしてみてください。
スマート・ファイブ(毎月決算型)のパフォーマンスは?
過去の運用成績(リターン・リスク)
1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) | |
トータルリターン | 8.63%(21位) | 3.25%(15位) | 3.68%(13位) | 3.43%(5位) |
リスク(標準偏差) | 6.47(109位) | 5.44(91位) | 5.40(79位) | 4.96(36位) |
シャープレシオ | 1.33(23位) | 0.60(17位) | 0.68(16位) | 0.69(4位) |
対象ファンド数※ | 147本 | 130本 | 108本 | 46本 |
※:「安定」カテゴリ
基準価額騰落率
ファンド | |
1ヶ月 | ー1.03% |
3ヶ月 | +3.27% |
6ヶ月 | +6.24% |
1年 | +8.63% |
3年 | +10.07% |
設定来 | +49.81% |
※スマート・ファイブ(毎月決算型)「マンスリーレポート(2024年5月末)」より
※分配金を再投資した収益率で、購入時手数料および分配金にかかる税金は考慮されてません
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
ベンチマークや参考指標との比較がないので、当ファンドが妥当なパフォーマンスかは不明です。
基準価額・純資産の推移
※引用:スマート・ファイブ(毎月決算型)「マンスリーレポート(2024年5月末)」
スマート・ファイブ(毎月決算型)は、毎月分配金を出すために元本を削っているタコ足配当となっているので当然ですが基準価額は右肩下がりとなります。
純資産残高は一時期大きく伸ばしましたが、その後は緩やかながら右肩下がりと資金流出しています。
より詳細な毎月の資金流出入額を確認すると2021年から資金流出が続いていて、当ファンドでの運用をやめた方が多くいると言えます。
他のファンドと比較すると?
スマート・ファイブ(毎月決算型)のようなアクティブファンドにはベンチマークとする指標がないため、パフォーマンスが良いのか悪いのか判断がつきません。
そこで投資対象が異なりますが、世界の債券、株式、不動産投信などに幅広く均等に投資を行う「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」と国内債券のみに投資し信託報酬が低コストである「eMAXIS Slim 国内債券インデックス」と比較すると下記のようになります。
参考 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の評価って?利回りや実質コストは?
参考 eMAXIS Slim 国内債券インデックスの評価・評判ってどう?利回りや実質コストは?
(引用:ウエルスアドバイザー)
赤がスマート・ファイブ(毎月決算型)、黄色がeMAXIS Slim 国内債券インデックス、青がeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の分配金を再投資した場合の過去約3年間のチャートです。
直近3年では「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」が最もパフォーマンスが良く、「スマート・ファイブ(毎月決算型)」は、「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」と「eMAXIS Slim 国内債券インデックス」の中間の様な動きをしています。
より長期の10年で見ても「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」の方がパフォーマンスは上回っています。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は資産配分は変更しないファンドですが、その分信託報酬は0.143%と「スマート・ファイブ(毎月決算型)」の10分の1と低コストです。
「スマート・ファイブ(毎月決算型)」は資産配分を動的に変更するのでその分コストもかかりますが、過去10年間は結局資産配分を変更していない「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」の方がパフォーマンスよく運用できていました。
評価・まとめ
スマート・ファイブ(毎月決算型)は、中長期的に収益が期待できる5つの資産(日本国債、海外債券、グローバル株式、グローバルREIT、金)を主要投資対象とするバランス型ファンドです。
資産の配分比率は、各資産の基準価額への影響度合いが、5資産の間で概ね均等になるような資産配分戦略として「リスク・パリティ戦略」を用いてますが、リターンではなくリスクに主眼を置いてるため、低リスク資産である日本国債の比率が高くなる傾向となるためリターンはあまり期待できません。
日本国債を中心に投資しているファンドで信託報酬約1.5%は高く、資産形成できるファンドではなくおすすめできるファンドではありません。
また、今回確認した運用報告書ではタコ足配当となっているので、分配金利回りは約5%程度ですが、基準価額は下がり続けることになります。
そのためか、ここ数年は資金は流出し続けていてスマート・ファイブ(毎月決算型)を見限った方が多くいます。
スマート・ファイブ(毎月決算型)とは投資対象が異なりますが、世界の債券、株式、不動産投信などに幅広く均等に投資を行う「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」ならコストは10分の1でよりよりパフォーマンスを得られるので、こちらも検討してみてください。
参考 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の評価って?利回りや実質コストは?
スマート・ファイブ(毎月決算型)を購入するのにおすすめの証券会社は?
スマート・ファイブ(毎月決算型)は、購入時手数料がかかる投資信託ですが、下記のネット証券なら購入時手数料が無料です。
さらにネット証券なら投資信託を保有しているだけでポイントが貯まり、積立するならクレジットカードを利用すればさらにポイントが貯まるのでお得です。下記のネット証券なら新NISA口座もポイント還元の対象です。
スマート・ファイブ(毎月決算型)のポイント還元率は下記となっています。
参考 投資信託でポイントが貯まるネット証券を比較!おすすめはどこ?
松井証券 | SBI証券 | マネックス 証券 | auカブコム 証券 | |
投資信託保有時 ポイント還元率 | 0.6% | 0.1%※1 | 0.08% | 0.05%※2 |
投資信託保有時 付与されるポイント | 松井証券ポイント | ・Tポイント ・Pontaポイント ・dポイント ・JALのマイル ※3 上記のいずれか | マネックスポイント | Pontaポイント |
クレカ積立 ポイント還元率 | ー | 0.5~5.0% 三井住友カード | 1.1% マネックスカード | 1% auPayカード |
クレカ積立 付与されるポイント | Vポイント | マネックスポイント | Pontaポイント |
※楽天証券は投資信託保有時のポイント付与が条件達成時の一度のみなので対象外
※1:月間平均保有金額1,000万円以上の場合は0.2%
※2:月間平均保有金額100万円以上~3,000万円未満の場合は0.12%、3,000万円以上の場合は0.24%
※3:JALのマイルの場合は記載還元率の半分
松井証券(公式サイト)はクレカ積立に対応していませんが、投資信託保有時のポイント還元率は最高水準となっています。
クレジットカード積立のポイント還元率は、年会費がかかるカードであれば SBI証券が最高水準ですが、実質年会費がかからない一般カードであればマネックス証券が最高水準です。
投資信託保有時のポイント還元率は最高水準の松井証券
信託報酬が低コストな投資信託も投資信託保有時のポイント還元率は業界最高水準です。他社で買い付けた投資信託を松井証券へ移管する際には実質無料で移管することができます。
還元される松井証券ポイントは、PayPayポイントやdポイントなどに交換することができます。
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
一般カードのクレジットカード積立でポイント還元率が最高水準のマネックス証券
クレジットカード積立を利用するならトータルのポイント還元率が業界最高水準なのがマネックス証券です。
クレジットカード積立で必要なマネックスカードは、初年度の年会費は無料、次年度以降の年会費550円(税込)ですが、年間に1回以上のクレジットカードの利用で無料になり、マネックスカードによる投信つみたてもカード利用の対象となります。
還元されるマネックスポイントは下記のように様々な用途に利用することができます。
- 投資信託の購入
- 株式手数料に充当
- 暗号資産(ビットコイン・イーサリアム・リップル)
- 他のポイントへの交換(dポイント・Tポイント・Pontaポイント・nanaco・waonポイント・ANAのマイル・JALのマイル・Amazonギフトカード)
- 日本赤十字社などへの寄付
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
保有残高によるポイント還元率が高くクレカ積立でもポイント還元されるSBI証券
投資信託の保有残高によるポイント還元率は、低コストな投資信託でも松井証券と同レベルのポイント還元率です。
クレジットカード積立で一般カードだと還元率は低いですが、ゴールドカードは年間で100万円以上利用すれば翌年以降の年会費永年無料となるので条件クリアできそうであればゴールドカードの方がおすすめです。(ただしクレジットカード積立は集計対象外です)
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
Pontaポイントを貯めるならauカブコム証券
投資信託の保有残高によるポイント還元は低いのですが、クレジットカード積立によるポイント還元率は1%と還元率は高いです。
スマホでauを利用していると貯めやすいPontaポイントが貯まり、auじぶん銀行と連携すれば普通預金の金利が年率0.1%となり、au Payなどとも連携すれば0.2%になるメリットがあります。
またauマネ活プランに入ればauじぶん銀行の普通預金の金利が最大0.3%になったり、クレジットカード積立によるポイント還元率が最大3%と優遇されます。
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
楽天ポイントを貯めるなら楽天証券
楽天証券では、保有残高によるポイント還元率が「一定の残高をはじめて達成した場合」のみポイントが還元されるルールに変更され、保有残高によるポイント還元はほぼなくなりました。(一部のファンドは保有残高によるポイントが還元される)
また、楽天証券ではクレジットカード積立だけでなく楽天キャッシュを利用してもポイント還元が受けられ併用することが可能です。
通常設定可能上限は5万円/月ですが、併用することで10万円/月までポイント還元を上けることが可能です。
楽天ポイントは楽天経済圏では貯めやすく、様々なサービスで利用できるので、楽天ポイントを貯めたい方は楽天証券という選択肢もあるかと思います。
NISA口座も同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
今利用している証券会社から他の証券会社に投資信託などは移管することが可能です。
通常は移管元の証券会社で手数料が必要になりますが、下記のネット証券なら移管元で支払った移管手数料をキャッシュバックしてくれるので実質無料で移管することができます。また、他社で購入した投資信託もポイント還元の対象となります。
各資産クラスのインデックスファンドの比較についてはこちら!
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参考 【最新】投資信託ランキング!個人投資家が選ぶ人気のファンドは?
低コストなインデックスファンドでも毎月分配金を得ることは可能!
「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」のような低コストな投資信託は分配金は出ませんが、ネット証券のサービスを利用することで毎月分配金を得ることが可能です。
SBI証券と楽天証券では、自動で定期的に投資信託の一部を売却してくれるので毎月分配金のように毎月現金を受け取ることが可能です。
また、売却した残りはそのまま運用されることとなるので、資産の寿命を引き延ばすことができ今まで作り上げた資産を有効活用する「投資信託を運用しながら切り崩す」という方法となりますのでこちらも検討してみてください。