フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)は、米国のリート(不動産投資信託)に分散投資ができる毎月分配型のアクティブファンドです。
過去には純資産残高1兆円を超えるほどの資金を集める人気があったファンドですが、毎月分配型の人気低迷とともに資金が流出しましたが、どんな内容のファンドなのか確認してみました。
フィデリティ・USリート・ファンドBの特徴
投資対象
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)は、ファンドの利回りが「FTSE NAREIT Equity REITs インデックス(税引前配当金込/円ベース指数)」以上の配当利回りとなることを目指すアクティブファンドです。
「FTSE NAREIT Equity REITsインデックス」は、米国の代表的なリート指数で米国市場に上場するリート(不動産投資信託)で構成され、森林リート・インフラストラクチャリートに分類されないすべてのリートが含まれます。
※下記はフィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)「月報(2020年6月)」からの情報です。
資産別組入状況
業種別組入状況
組入上位10銘柄
※組入銘柄数:45銘柄
実績配当利回り
ファンドの仕組み
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)はファミリーファンド方式で運用され、実質的な運用はフィデリティ・USリート・マザーファンドにて行われます。
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
購入時手数料(税込) | 3.85%を上限 |
信託報酬(税込) | 1.54% |
実質コスト(税込) | 1.562% |
信託財産留保額 | 0.3% |
分配金
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)の分配金の実績は下記となっていて、分配金利回りは14.4%(2020年8月時点)となっています。
運用報告書の分配原資の内訳は下記のようになっていて、ファンドで得た利益(当期の収益)だけで分配金が賄えていない月も多くタコ足配当となっているようです。
つみたてNISA(積立NISA)・iDeCo対応状況
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)はつみたてNISA対象外で、iDeCoで取り扱っているネット証券もありません。
参考 NISA、つみたてNISA(積立NISA)、iDeCoの比較については下記も参考にしてみてください。
⇒ NISA・つみたてNISA(積立NISA)・iDeCoを比較!どれがおすすめでお得?過去の運用成績(リターン・リスク)
リターン・リスク
1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) | |
リターン | ー9.36%(24位) | 0.50%(26位) | 1.35%(16位) | 10.42%(1位) |
リスク(標準偏差) | 23.52(17位) | 17.98(31位) | 16.88(32位) | 17.15(8位) |
シャープレシオ | ー0.40(26位) | 0.03(25位) | 0.08(16位) | 0.61(1位) |
対象ファンド数※ | 103本 | 98本 | 73本 | 16本 |
※:「国際REIT・特定地域(為替ヘッジなし)」カテゴリ
基準価額騰落率
ファンド | ベンチマーク | |
1ヶ月 | +0.15% | +3.26% |
3ヶ月 | +6.72% | +10.70% |
6ヶ月 | ー16.76% | ー19.39% |
1年 | ー9.99% | ー13.08% |
3年 | ー2.51% | ー3.72% |
5年 | +8.94% | +7.38% |
10年 | +173.36% | +189.71% |
設定来 | +185.05% | +243.91% |
※フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)「月報(2020年6月)」より
※ファンド設定日は2003年12月9日
※分配金を再投資した収益率で、購入時手数料および分配金にかかる税金は考慮されてません
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
基準価額・純資産の推移
所感
ファンドが設定されてから約17年が経過したので、単純な年率平均は約10.9%となっていて、過去10年では同一のカテゴリのファンドの中でリターン、シャープレシオ(運用効率)は1位となっています。
設定来でみるとベンチマークよりパフォーマンスは悪いですが、直近5年以内ではベンチマークよりいいパフォーマンスとなっているようです。
また、米国の主要な株価指数である、ダウ平均やS&P500、ナスダック総合指数と比較したのが下記となります。
(引用元:モーニングスター)
オレンジがフィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)、赤がダウ平均(配当込、円ベース)、緑がナスダック総合指数、青がS&P500(配当込み、円ベース)の過去3年のトータルリターンのチャートです。
コロナウィルスの影響によって米国は政策金利を引き下げたので、資金を借りて投資を行うREIT市場には追い風となりますが、フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)は他の株価指数に比べると戻りが鈍いようです。
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)では、コロナ禍で米国経済の減速が想定される中、在宅勤務の拡大などによるデータ消費量の増加、クラウド化の進展といった流れの中でデータセンターをポジティブな見方を維持し、短期的にはオフィス需要が減少するとして慎重に見ています。
また、Eコマースの発展ともに物流施設もポジティブな見方を維持するなど、ポートフォリオ戦略を公開していますが、果たして思惑通りの値動きとなってくれるのか注目されます。
参考 フィデリティ投信「米国リート市場の動向およびポートフォリオ戦略」
当ファンドの情報
- ベンチマーク:FTSE NAREIT Equity REITs インデックス(税引前配当金込/円ベース指数)
- 購入時手数料(税込):3.85%を上限
- 信託報酬(税込):1.54%(実質コスト:1.562%)
- 信託財産留保額:0.3%
- 純資産残高:約5,600億円
- 分配金利回り:14.4%
- 決算:年12回(毎月15日)
- 買付単位:100円以上1円単位、積立も100円から(SBI証券などのネット証券)
- 償還日:無期限(設定日:2003年12月9日)
- つみたてNISA:対象外
- iDeCo:取り扱いネット証券なし
評価・まとめ
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)は、ファンドの利回りが「FTSE NAREIT Equity REITs インデックス(税引前配当金込/円ベース指数)」以上の配当利回りとなることを目指すアクティブファンドで、米国市場に上場するリート(不動産投資信託)に分散投資ができます。
過去10年では同一のカテゴリのファンドの中でリターン、シャープレシオ(運用効率)は1位となっていて、設定来ではベンチマークとよりパフォーマンスは悪いですが直近5年ではベンチマークを上回るパフォーマンスとなっています。
コロナ禍で米国経済の減速が想定される中で、データセンターや物流をポジティブな見方を維持し、短期的にはオフィス需要が減少するとして慎重に見るなどポートフォリオ戦略を公開していますが今後どんな値動きをするのか注目です。
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)に投資するならネット証券がおすすめ
フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)は、購入時手数料が必要なファンドですが、SBI証券、楽天証券、マネックス証券なら通常注文・積立注文どちらも購入時手数料が無料で投資できます。
また、ネット証券では投資信託を保有しているだけで下記のようなポイントが貰えます。
貰えるポイント | 付与率(年率) | ポイント 投資 | |
SBI証券 | Tポイント | 0.10%(※1,000万円未満) 0.20%(※1,000万円以上) | ○ |
楽天証券 | 楽天ポイント | 0.048% | ○ |
マネックス証券 | マネックスポイント | 0.08% | × |
※月間保有金額
ネット証券によって貰えるポイントが異なりますが、付与率が最も高いのはSBI証券となります。もちろん口座開設・維持費用は無料です。
楽天証券なら、SBI証券同様にポイントで投資信託の購入もできたり、楽天銀行との連携で普通預金の金利がメガバンクの100倍の0.1%になったり、楽天カードで投資信託の積立を行えば1%のポイントが付与されたりとメリットが多いです。
楽天証券だけでなく、楽天銀行や楽天カードも口座開設・維持費用は無料です。
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参考 楽天証券の投資信託の積立は楽天カードを利用してポイントGet!デメリットはない?
マネックス証券は独自ポイントなので上記2社と比較すると利用できる場面は少ないですが、ビットコインなどの仮想通貨へも交換可能です。
また、フィデリティ証券でもフィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)は購入時手数料は無料で購入でき、姉妹ファンドである為替ヘッジありなどのファンドにスイッチング可能です。
- フィデリティUSリートファンドA(為替ヘッジあり)
- フィデリティUSリートファンド(資産成長型)C(為替ヘッジあり)
- フィデリティUSリートファンド(資産成長型)D(為替ヘッジなし)
低コストなインデックスファンドでも毎月分配金を得ることは可能!
リートへ投資して毎月分配金を得たいなら、リートへ投資する低コストなインデックスファンド+投資信託の定期売却サービス(無料)を利用するという選択肢もあります。
参考 国内リートインデックスファンド(投資信託)を比較!おすすめは?
参考 海外リートインデックスファンド(投資信託)を比較!おすすめは?
投資信託の定期売却サービスを利用すれば、自動で定期的にファンドの一部を売却してくれるので毎月分配金のように毎月現金を受け取ることが可能です。
また、売却した残りはそのまま運用されることとなるので、資産の寿命を引き延ばすことができ今まで作り上げた資産を有効活用する「投資信託を運用しながら切り崩す」という方法となりますのでこちらも検討してみてください。
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