投資信託は証券会社だけでなく、銀行やゆうちょなど様々な金融機関で取り扱いがありますが、特にネット証券では投資信託を保有しているだけでポイントが自動で付与されるサービスを行っています。
ポイントの付与率やポイント付与対象となる投資信託が各ネット証券で異なっていたり、貯まったポイントで再投資できるポイント投資のサービス内容についても比較してみました。
目次
投資信託のポイントサービスとは?
投資信託のポイントサービスとは、投資信託の保有残高に応じてポイントがもらえるサービスで、各ネット証券でそれぞれのサービスを展開しています。
ポイントは投資信託を保有しているだけで自動で付与され続けるので、手間なくポイントをコツコツ貯めていくことができます。
Tポイントや楽天ポイント、Pontaポイントなどは普段の買い物などにも利用することもでき、貯まったポイントで投資信託を再投資することも可能です。
ポイント付与率は決して高くはありませんが、投資信託は中長期的に投資を行うので長い目で見れば意外とポイントも貯まるので少しでもお得なネット証券の利用を検討してみてください。
SBI証券ならTポイントが貯まり還元率は最大0.2%/年
SBI証券では「投信マイレージサービス」で、投資信託の月間保有金額に応じてTポイントが自動で付与されます。
ポイント付与率
ポイント付与率は最大で0.2%ですが、残高や投資信託によって付与率が変わります。
参考 SBI証券「投信マイレージサービスポイント付与率一覧」
特に多くの低コストなインデックスファンドなどは残高に係わらず0.01%~0.05%の付与率となっています。
対象銘柄
SBI証券で取り扱っている全銘柄(国内公募株式投資信託)が投信マイレージサービスの対象となります。
ただし、MMF、中国F、MRF、外貨建MMF、ETF、REIT、外国籍投資信託、iDeCoでの買付などは対象外となります。
ポイント投資などの活用法
貯まったTポイントは下記のTカード番号登録を行えば、Tポイント提携先で利用でき、SBI証券では投資信託の買付にTポイントを利用することができ、利用するポイント数に制限なく1ポイント1円分として利用することが可能です。
SBI証券で扱っているほとんどの投資信託は100円から買付ることができるので、少額からでも投資することが可能です。
Tポイントには期間固定Tポイントという種類もありますが、通常のTポイントも期間固定ポイントもポイント投資することが可能です。
また、Tポイントを利用して投資信託以外にも、SBIネオモバイル証券(ネオモバ)で株式やFXの取引、bitFlyerでビットコインに交換することも可能です。
>> SBIネオモバイル証券(公式サイト)
>> SBIネオモバイル証券(FX)(公式サイト)
SBI証券の他の取引でもTポイントを貯められる
SBI証券では投資信託の保有だけでなく各種取引を行うことによってTポイントを貯めることができます。
国内株式手数料マイレージ (国内株式現物取引) | Tポイント | スタンダードプラン手数料及び現物PTS取引手数料の月間の合計手数料の1.1%相当のポイント |
金・プラチナ・銀マイレージ (金・プラチナ・銀取引) | Tポイント | スポット取引手数料、および積立買付手数料の月間合計手数料の1.0%相当のポイント |
新規口座開設 | 期間固定 Tポイント | 一律100ポイント |
国内株式入庫 | Tポイント | 1回の移管入庫につき100ポイント (異名義からの移管は対象外) |
Tカード番号登録を行えば、すでに持っているTカードのポイントとまとめることができるので、SBI証券でもSBI証券以外のTポイント提携先でも利用することができるようになります。
楽天証券なら楽天ポイントが貯まり還元率は0.048%/年
楽天証券では「ハッピープログラム」もしくは「投資信託 資産形成ポイント」で、投資信託の月間保有金額に応じて楽天ポイントもしくは楽天証券ポイントが自動で付与されます。
「ハッピープログラム」と「投資信託 資産形成ポイント」は、どちらか一方のポイントしか受け取ることはできず、「投資信託 資産形成ポイント」はもらえるポイントを楽天ポイントもしくは楽天証券ポイントを選ぶことができます。
「ハッピープログラム」は、楽天証券と楽天銀行を連携させることによって利用することができます。
ポイント付与率
ポイント付与率は「ハッピープログラム」の場合は0.048%で、「投資信託 資産形成ポイント」の場合は最大で0.12%ですが、残高や投資信託によって付与率が変わります。
ただし、「投資信託 資産形成ポイント」では、投資信託の残高が増えた分だけポイントが貰えるわけではなく、段階的にもらえるポイントが増えていくので、多くの場合「ハッピープログラム」の方が貰えるポイントが大きくなります。
「投資信託 資産形成ポイント」の方がポイントが多くもらえる、例えば投資信託の残高50万円だけを預けるなら、「投資信託 資産形成ポイント」の方が貰えるポイントは大きくなります。
ただ、積立で毎月買付するような場合は、「ハッピープログラム」の方が残高10万円からポイントが付与され、残高に応じてもらえるポイントも多くなるので「ハッピープログラム」の方がお得です。
対象銘柄
「ハッピープログラム」は、公社債投信、MMF、外貨建てMMF、楽ラップ専用ファンド、iDeCoによる投資信託の買付以外のほとんどの銘柄がポイント付与対象となっています。
「投資信託 資産形成ポイント」は、外貨建てMMF、楽ラップ専用ファンド、ブルベア型ファンド、iDeCoによる投資信託の買付などが対象外となっている他に一部のファンドも対象外となっています。
参考 楽天証券「投資信託 資産形成ポイントサービスの概要」
ポイント投資などの活用法
楽天ポイントはもちろん楽天グループの各社や街のお店でも貯めたり使えたりすることができ、貯まった楽天ポイントや楽天証券ポイントを投資信託の買付に利用することができ、1ポイント1円分として利用することが可能です。
楽天証券ポイントはポイント利用上限はありませんが、楽天ポイントは下記のような上限があります。
楽天証券もSBI証券同様に扱っているほとんどの投資信託は100円から買付ることができるので、少額からでも投資することが可能です。
期間限定ポイント(SPUで獲得した楽天ポイント含む)や他ポイントから交換した楽天ポイント(楽天証券ポイントコースのポイントを手動で交換された分を含む)はポイント投資には利用できない点は注意が必要です。
また、楽天ポイントなら国内株式(現物)の購入代金や手数料、バイナリーオプションの購入代金に利用することも可能です。
楽天証券の他の取引でもポイントを貯められる
楽天ポイントが貯められる「ハッピープログラム」では投資信託の保有残高以外にも楽天証券の他の取引でも楽天ポイントをもらうことができます。
他の楽天グループの利用なども合わせればコツコツポイントを貯めることができますし、もちろん他の楽天グループで利用することもできます。
マネックス証券はマネックスポイントが貯まり還元率は最大0.08%/年
マネックス証券では「投信ポイントプログラム」で、投資信託の月間保有金額に応じてマネックスポイントをもらうことができます。
ポイント付与率
ポイント付与率は最大0.08%で、投資信託の銘柄によって0.03%、0%のものもあります。
参考 マネックス証券「投信保有ポイント」
特に低コストなファンドの多くは0.03%とSBI証券や楽天証券と比較するとポイント付与率は落ち、下記のファンドは付与率は0%となります。
- SBI・新興国株式インデックス・ファンド
- SBI・先進国株式インデックス・ファンド
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド
- SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
- エマージング・ボンド・ファンド(マネープールファンド)
- 日本トレンド・セレクト 日本トレンド・マネーポートフォリオ
- ニッセイマネープールファンド(豪高配当株F)
対象銘柄
マネックス証券で取り扱っている国内株式投資信託、外貨建てMMF、外国製投資信託が投信ポイントプログラムの対象となります。
ただし、MRF、公社債投資信託、投資一任口座で保有する投資信託、iDeCoで保有する投資信託などは対象外となります。
ポイント投資などの活用法
マネックス証券ではポイント投資はできません。
ただ、株式手数料に1ポイント1円単位で充当できたり、コインチェックを通して仮想通貨(ビットコイン、イーサリアム、リップル)に1ポイント1円として交換することが可能です。
>> コインチェック(公式サイト)
また、下記のような他のポイントに交換することもできます。
dポイント | 1マネックスポイント=dポイント1ポイント |
amazonギフト券 | 1マネックスポイント=amazonギフト券1円相当 |
Tポイント | 50マネックスポイント=Tポイント50ポイント |
nanacoポイント | 50マネックスポイント=nanacoポイント50ポイント |
WAONポイント | 100マネックスポイント=WAONポイント100ポイント |
セゾン永久不滅ポイント | 250マネックスポイント=セゾン永久不滅ポイントの50ポイント |
ANA | 1,000マネックスポイント=ANAの250マイル |
JAL | 1,000マネックスポイント=JALの250マイル |
マネックス証券の他の取引でもポイントを貯められる
マネックス証券で株取引(国内ETFは株式と同様の扱い)を行い下記の条件に合致すれば、手数料の一部がマネックスポイントで還元されます。
auカブコム証券はPontaポイントが貯まり還元率は最大0.24%/年
auカブコム証券では「auカブコム証券の資産形成プログラム」で、投資信託の月間保有金額に応じてPontaポイントをもらうことができます。
ポイント付与率
ポイント付与率は最大で0.24%ですが、投資信託の月間平均保有額によって付与率が変わりま、月間平均保有額が24,000円以上からポイント付与の対象となります。
2.4万円~100万円未満 | 年率0.05% |
100万円以上~3,000万円未満 | 年率0.12% |
3,000万円以上 | 年率0.24% |
対象銘柄
auカブコム証券で取り扱っている公募株式投資信託がauカブコム証券の資産形成プログラムの対象となります。
ただし、公社債投資信託(MMF・中期国債ファンドなど)や販売会社の信託報酬率が0.24%未満(税込)の投資信託などは対象外となります。
参考 auカブコム証券「ポイントプログラム対象外投資信託」
ポイント付与率は残高が多いと高いですが、多くの低コストなファンドはポイント付与対象外となっています。
ポイント投資などの活用法
auIDを登録(auユーザでなくても登録可能)すればポイントが付与され、Pontaポイント提携先で利用できます。
auカブコム証券では投資信託の買付にPontaポイントを利用することができ、1ポイント1円分として利用することが可能です。
auカブコム証券もSBI証券や楽天証券同様に扱っているほとんどの投資信託は100円から買付ることができるので、少額からでも投資することが可能です。
投資信託のポイントサービスの比較
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 | |
付与されるポイント | Tポイント | 楽天ポイント | マネックスポイント | Pontaポイント |
付与率(年率) | 0.01%~0.20% | 0.048% | 0%~0.08% | 0%~0.24% |
最低保有残高 | なし | 10万円 | なし | 2.4万円 |
ポイント 有効期限 | 最終利用日(貯める、使う、交換する)から1年間 | 最後にポイントを獲得した月を含めた1年間 | ポイント獲得日の翌々年度末(3/31) | 最終のポイント加算日または、ポイント利用日から1年間 |
ポイント投資 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
※楽天証券は、ハッピープログラム使用時
※SBI証券、楽天証券のポイント有効期限は、期間限定や期間固定ポイントは除く
※SBI証券はMMF、中国F、MRF、外貨建MMF、ETF、REIT、外国籍投資信託は対象外
※楽天証券は公社債投信、MMF、外貨建てMMF、楽ラップ専用ファンド、iDeCoによる投資信託の買付は対象外
※マネックス証券はMRF、公社債投資信託、投資一任口座で保有する投資信託、iDeCoで保有する投資信託、一部の低コストファンドは対象外
※auカブコム証券は公社債投資信託(MMF・中期国債ファンドなど)、販売会社の信託報酬率が0.24%未満(税込)の投資信託は対象外
還元ポイントのみで比較するとauカブコム証券で月間平均保有額が3,000万円以上の場合。還元率が最も高い0.24%で、次にSBI証券で残高1,000万円以上であれば0.20%の還元率となっています。
ポイント付与対象となっているファンド(低コストなファンドは除く)で、平均保有残高別のポイントの付与率が高いネット証券をまとめると下記のようになります。
平均保有残高 | 付与率が高いネット証券 | 付与率 |
3,000万円以上 | auカブコム証券 | 0.24% |
1,000万円~3,000万円 | SBI証券 | 0.2% |
100万円~1,000万円 | auカブコム証券 | 0.12% |
100万円未満 | SBI証券 | 0.1% |
特にauカブコム証券は、販売会社の信託報酬率が0.24%未満(税込)の投資信託は対象外となっているので、ポイント付与対象かは各ファンドの交付目論見書に記載されている販売会社の信託報酬率を確認する必要がある点は注意が必要です。
低コストな投資信託に投資する場合にポイント付与率が高い証券会社は?
低コストなファンドでポイント付与されるのが、SBI証券、楽天証券、マネックス証券ですが、SBI証券とマネックス証券はファンドによって付与率が変わるので各ファンドの付与率を確認する必要があります。
参考 SBI証券「投信マイレージサービスポイント付与率一覧」
参考 マネックス証券「投信保有ポイント」
マネックス証券では多くの低コストファンドの付与率が0.03%に対してSBI証券が0.05%となっていて、ほとんどの低コストファンドの付与率はSBI証券の方が高くなっています。
そんな中でどんな低コストファンドでも一律で0.048%もらえるのが楽天証券で、SBI証券の0.05%とも付与率はほとんど変わらないので、いちいちファンドの付与率を調べるのが面倒であれば楽天証券であればどんなファンドでも業界でもトップ水準のポイントが付与されます。
SBI証券では一部のファンドで0.01%~0.03%となっていますが、それらのファンドでも楽天証券なら0.048%となっているのでお得です。
まとめ
投資信託のポイントサービスとは、投資信託の保有残高に応じてポイントがもらえるサービスで、各ネット証券でそれぞれのサービスを展開しています。
ポイントは投資信託を保有しているだけで自動で付与され続けるので、手間なくポイントをコツコツ貯めていくことができます。
投資対象となる投資信託によって各社付与率は変わりますが、まとめると下記のような感じとなります。
- 低コストでない投資信託を中心に投資するならauカブコム証券かSBI証券
- 低コストな投資信託を中心に投資するなら楽天証券かSBI証券
- どちらのファンドにも投資するならSBI証券
もちろん低コストでない投資信託と低コストな投資信託を保有する証券会社を分けて、それぞれで最高の付与率のポイントをもらうといったことも可能です。
もちろん各社口座開設・維持費は無料で、投資信託のポイントサービスも無料で利用できます。