低コストインデックスファンドシリーズのたわらノーロードシリーズの中で先進国株式に広く分散投資ができるのがたわらノーロード先進国株式です。
先進国株式に分散投資ができるノーロード(買付手数料無料)ファンドは各社信託報酬を引き下げ低コスト化されていますが、たわらノーロード先進国株式の特徴や、どの程度の利回りなのか確認してみました。
たわらノーロード先進国株式の特徴
投資対象
たわらノーロード先進国株式は、「MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)」をベンチマークとするインデックスファンドで、為替ヘッジは行いません。(為替ヘッジありのファンドもあります)
「MSCI KOKUSAIインデックス」は、日本を除く先進国22ヵ国の大型株・中型株約1,300銘柄で構成され、先進国株式型の投資信託の多くで利用されているインデックスで、時価総額(価格×流通株数)が大きい銘柄から採用されるため市場規模が大きい米国の比率が高いという特徴があります。
参考 先進国株式インデックスファンド(投資信託)を比較!おすすめは?
※下記はたわらノーロード先進国株式「月報(2022年5月)」からの情報です。
ポートフォリオ構成
国・地域別構成比
業種別構成比
組入上位10銘柄
ファンドの仕組み
たわらノーロード先進国株式はファミリーファンド方式で運用され、実質的な運用は外国株式パッシブ・ファンド・マザーファンドにて行われます。
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
購入時手数料 | なし |
信託報酬(税込) | 0.10989% |
実質コスト(税込) | 0.179% |
信託財産留保額 | なし |
分配金
本ファンドは設定来一度も分配金が出ていないので効率的な運用がされています。
ファンドで投資している株式や債券などから得られた利子や配当、売買益などを分配せず、さらに運用に回すことにより複利効果が期待できます。
つみたてNISA(積立NISA)・iDeCo対応状況
たわらノーロード先進国株式はつみたてNISA対象商品で、つみたてNISAやiDeCoを利用して購入ができる主なネット証券は下記となっています。
参考 NISA、つみたてNISA(積立NISA)、iDeCoの比較については下記も参考にしてみてください。
⇒ NISA・つみたてNISA(積立NISA)・iDeCoを比較!どれがおすすめでお得?過去の運用成績(リターン・リスク)
リターン・リスク
年 | 1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) |
トータルリターン | 12.75%(62位) | 19.40%(23位) | 13.74%(15位) | –(–) |
リスク(標準偏差) | 16.70(97位) | 18.47(102位) | 17.24(88位) | –(–) |
シャープレシオ | 0.76(64位) | 1.05(17位) | 0.80(16位) | –(–) |
対象ファンド数※ | 189本 | 171本 | 146本 | — |
※:「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジ無し)」カテゴリ
基準価額騰落率
ファンド | ベンチマーク | |
1ヶ月 | ー0.29% | ー0.12% |
3ヶ月 | +5.55% | +5.69% |
6ヶ月 | +1.44% | +1.78% |
1年 | +12.75% | +13.27% |
2年 | +63.79% | +65.19% |
3年 | +70.21% | +72.43% |
※たわらノーロード先進国株式「月報(2022年5月)」より
※ファンド設定日は2015年12月18日
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
基準価額・純資産の推移
所感
ファンドが設定されてから約6年半が経過しましたが、直近1年を見ると信託報酬(実質コスト)を考慮しても若干ベンチマークより下方乖離しています。
ただ、類似ファンドと比較してもパフォーマンスはそれほど悪い訳ではなく、あまり心配する必要はなさそうです。
類似ファンドとの比較
「MSCI KOKUSAIインデックス(為替ヘッジなし)」をベンチマークとする低コストなインデックスファンドを比較したのが下記となっています。
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト (税込) | マザーファンド規模 (百万円) | 純資産残高 年間増加額 (百万円) | 1年間の リターン |
---|---|---|---|---|---|
野村スリーゼロ先進国株式投信 | 0% ※ | 0.033% | 927,648 | +2854 | 12.96% |
eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 0.1023% | 0.143% | 974,704 | +102,450 | 12.87% |
ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.1023% | 0.16% | 513,761 | +81,232 | 12.70% |
たわらノーロード 先進国株式 | 0.10989% | 0.179% | 349,689 | +69,281 | 12.75% |
iFree外国株式インデックス | 0.209% | 0.256% | 250,978 | +8,474 | 12.74% |
i-SMT グローバル株式 インデックス(ノーロード) | 0.209% | 0.247% | 345,116 | +282 | 12.70% |
Smart-i 先進国株式インデックス | 0.22% | 0.286% | 85,145 | +9,561 | 12.75% |
つみたて先進国株式 | 0.22% | 0.266% | 449,841 | +32,770 | 12.73% |
東京海上セレクション・ 外国株式インデックス | 0.22% | 0.295% | 61,829 | -12,349 | 12.99% |
【参考】SBI・先進国株式インデックス・ ファンド(雪だるま(先進国株式)) | 0.1022% | 0.119% | 8,186 | +4,308 | 9.25% |
※2030年12月31日まで。その後は0.11%(税込)
参考 先進国株式インデックスファンド(投資信託)を比較!おすすめは?
信託報酬は、「野村スリーゼロ先進国株式投信」を除くと「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」「ニッセイ外国株式インデックスファンド」が最安値ですが、実質コストは「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」が調査時点では低コストとなっています。(ただし、実質コストは毎年変わります)
機動的に信託報酬を引き下げることによって、業界最低水準の信託報酬を目指すファンドである「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」は常に他のファンドの動向を見て信託報酬を引き下げ続けているので、今後も低コストであり続けることが期待され、純資産残高の年間増加額、1年間のリターンも加味すると、「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」がいいように思えます。
参考 eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの評価ってどう?利回りはどのくらい?
野村スリーゼロ先進国株式投信は2030年末まで信託報酬を0%とする思い切った戦略となっていて、現在の実質コストを考慮すると2031年以降も「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」と同等レベルの低コストとなりそうです。
ただ、取り扱っている金融機関は少なく、ネット証券ではLINE証券のみで積立は1,000円からとなります。
>> LINE証券(公式サイト)
当ファンドの情報のまとめ
- ベンチマーク:MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)
- 購入時手数料:なし
- 信託報酬(税込):0.10989%(実質コスト:0.179%)
- 信託財産留保額:なし
- 純資産残高:約2,000億円
- 分配金利回り:なし
- 決算:年1回(10月12日)
- 買付単位:100円以上1円単位、積立も100円から(SBI証券などのネット証券)
- 償還日:無期限(設定日:2015年12月18日)
- つみたてNISA:対応
- iDeCo:楽天証券
まとめ
たわらノーロード先進国株式は「MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)」をベンチマークとするインデックスファンドで、日本を除く先進国22ヵ国、約1300銘柄に分散投資するのと同じ効果が期待できます。
信託報酬や実質コストは「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」「ニッセイ外国株式インデックスファンド」よりやや高く中長期でみるとパフォーマンスにやや差が出る可能性があります。
運用面では定評のあるたわらノーロードシリーズなので、今後期待したいところです。
たわらノーロード先進国株式を購入するのにおすすめの証券会社は?
各ネット証券では投資信託に関して保有残高に応じたポイント還元と、クレジットカード積立によるポイント還元があり、積立するならトータルでのポイント還元率が高い方がお得です。(クレジットカード積立はつみたてNISA銘柄も対象)
参考 投資信託でポイントが貯まるネット証券を比較!おすすめはどこ?
トータルのポイント還元率が業界最高水準のマネックス証券
- 保有残高によるポイント還元率:0.03%
- クレジットカード積立によるポイント還元率:1.1%
クレジットカード積立を利用するならトータルのポイント還元率が業界最高水準なのがマネックス証券です。
クレジットカード積立で必要なマネックスカードは、マネックス証券を口座開設すれば作ることができ、貯まったポイントは株式手数料や暗号資産に交換することや、他のポイントサービス(dポイント・Tポイント・Pontaポイントなど)に交換することも可能です。
au回線を利用していて積立するならauカブコム証券
- 保有残高によるポイント還元率:0.005%
- クレジットカード積立によるポイント還元率:1%
au回線利用なら最大1年間5%・UQ mobile利用なら最大1年間3%
投資信託の保有残高によるポイント還元は低いのですが、au回線を利用していればクレジットカード積立によるポイント還元率は最大1年間は5%と高還元率です。
au回線やUQ mobileを利用している特典は最大1年だけですが、それでも初年度の特典である上乗せの還元率は大きくマネックス証券に次いでトータルで高い還元率となっています。
au回線もしくはUQ mobileを利用していない場合は、マネックス証券の方がおすすめです。
保有残高によるポイント還元率は業界最高水準のSBI証券
- 保有残高によるポイント還元率:0.05%
- クレジットカード積立によるポイント還元率:0.5%(一般カード)
ゴールドカードなら1%・プラチナカードなら2%
投資信託の保有残高によるポイント還元率は業界でも最高水準で、クレジットカード積立を利用しない場合にはおすすめです。
クレジットカード積立で一般カードだと還元率は低いですが、ゴールドカードは年間で100万円以上利用すれば翌年以降の年会費永年無料となるので条件クリアできそうであればゴールドカードの方がおすすめです。(ただしクレジットカード積立は集計対象外です)
>> 三井住友カード(NL)
楽天ポイントが貰える楽天証券
- 保有残高によるポイント還元率:ー
- クレジットカード積立によるポイント還元率:0.2%
(一般カード)
楽天証券では、保有残高によるポイント還元率が「一定の残高をはじめて達成した場合」のみポイントが還元されるルールに変更され、実質保有残高によるポイント還元はほぼなくなりました。
またクレジットカード積立も低コストなファンドは0.2%(※)と還元率が下がり、ポイント還元率は他社と比較すると見劣りする感は否めません。
※2022年9月買付分より信託報酬のうち楽天証券が受け取る手数料が年率0.4%(税込)未満の銘柄
それでも楽天ポイントは楽天経済圏では貯めやすく、様々なサービスで利用できるので、楽天ポイントを貯めたい方は楽天証券という選択肢もあるかと思います。
>> 楽天カード(公式サイト)
その他下記の証券会社でも購入できます。
参考 口座開設時に必ず選ぶ特定口座については下記も参考にしてみてください。
⇒ 特定口座とは?証券会社の口座種類のまとめ!結局どれがいい?
投資信託に投資するのにおすすめの証券会社は?
ネット証券では投資信託に関するポイント還元など様々なサービスを行っていますが、どのような違いがあるのか、おすすめはどこかは下記も参考にしてみてください。
参考 【投資信託】ネット証券おすすめ比較ランキング!お得な口座は?
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