証券会社の口座開設の時に必ず選ぶことになる口座種類は「一般口座」「特定口座・源泉徴収あり」「特定口座・源泉徴収なし」の3種類があります。
それぞれの口座には特徴があり、ちゃんと理解をしてないと余計な税金などを払わなければいけなかったりしてしまいます。
ここでは損しないように3種類の口座種類の違いをまとめたいと思います。
証券会社の口座種類
ネット証券などの証券会社に口座開設するときに個人情報の入力とともに必ず入力するのが、口座の種類で下記の3つがあります。
- 一般口座
- 特定口座(源泉徴収なし)
- 特定口座(源泉徴収あり)
特定口座とは株式や投資信託の売買にかかる税金の計算を証券会社が代理で行ってくれるので、投資家の確定申告の負担が軽減されるような仕組みとなっています。
株式や投資信託の売買にかかる税金は、給与所得者で、年収2,000万円以下かつ、1ヶ所から給与が支払われている場合、年間利益が20万円以下なら確定申告が不要となっているので、実質税金がかかりません。
確定申告の仕方、税金の引かれ方が3つの口座で異なりますので、それぞれの違い確認してみます。
一般口座
年間取引で利益が出た場合、自分で集計・計算をして確定申告が必要となりますが、年間の利益が20万円以下であれば税金を払う必要がないので確定申告は免除されます。
一般口座のメリットは売買のたびに税金が引かれないので、その分投資をすることができますので、投資効率はよいです。
特定口座(源泉徴収なし)
一般口座同様に年間利益が20万円以下であれば確定申告は不要ですが、それ以上の利益が出た場合は確定申告は必要です。
ただ、一般口座と違って年間取引報告書を証券会社が作成して郵送してくれるので確定申告は比較的容易に行うことができます。
また、売買のたびに税金が引かれないので、その分を投資に回すことができるので一般口座と同様に投資効率は上がります。
特定口座(源泉徴収あり)
年間での取引利益がいくらでも確定申告をする必要はありません。(確定申告を行うこともできます)
また、「配偶者特別控除」や「扶養控除」の適用を受けている方で38万円以上の年間利益が出てしまうと、控除適用外となってしまい税負担が増えることになるりますが、特定口座(源泉徴収あり)にしておけば、どれだけ利益が出ても控除の適用外にはなりません。
ただ、特定口座(源泉徴収あり)は確定申告しなくていいのでおすすめな口座なのですが、その分デメリットがあります。
この口座の場合取引ごとに自動納税されるのですが、年間利益が20万円以下であってもすでに納税してしまった税金は還付されません。
これは、年間利益が20万円以下なら免税されるわけではなく確定申告が不要なためです。
そのため年間利益が20万円ですでに4万円納税していたら確定申告をしても還付はされないので注意が必要です。
ただし、一つの証券会社の特定口座(源泉徴収あり)で複数の取引をして損失が出る場合
株式売買 | +20万円 | 4万円の源泉徴収額 |
株式売買 | -50万円 | ー |
投資信託分配金 | +10万円 | 2万円の源泉徴収額 |
このような場合トータルでー20万円となるため、4+2=6万円の税金は還付されます。
株やETF、投資信託の分配金・配当金は?
株式やETF、投資信託から出される配当金・分配金は源泉徴収された後の金額が振り込まれます。
源泉徴収された配当金・分配金は株式や投資信託の売買益と損益通算されて、過納分は翌年の年初に還付されます。
ただ、投資信託の特別分配金はもともと元本の切り崩しということもあり、税金はかかりませんので、課税対象は普通分配金のみとなります。
まとめると?
特定口座 (源泉徴収あり) | 特定口座 (源泉徴収なし) | 一般口座 | |
---|---|---|---|
確定申告 | 不要 | 年間利益が20万円を超える場合は必要※ | 年間利益が20万円を超える場合は必要※ |
年間取引報告書 | 証券会社が作成 | 証券会社が作成 | 自分で作成 |
「配偶者特別控除」や「扶養控除」の適用 | 無条件で可能 | 不可になる場合あり | 不可になる場合あり |
年間利益20万円以下の納税 | 自動納税 | 不要 | 不要 |
投資効率 | 自動納税のため投資効率は悪い | 売買利益すべてを投資可能 | 売買利益すべてを投資可能 |
※給与所得者で、年収2,000万円以下かつ、1ヶ所から給与が支払われている場合
複数の証券会社の口座を持ってる場合は?
- A証券会社で+10万円(2万円の源泉徴収)
- B証券会社でー20万円
- C証券会社で+30万円(6万円の源泉徴収)
※それぞれ特定口座(源泉徴収あり)と仮定
といった場合、年間利益は+20万円となり納税額は4万円ですが、8万円納税していますので、確定申告することにより4万円の還付が受けられます。
また、昨年年間利益が-30万円で確定申告をしていたすると「損失の3年間繰越控除」も適用されるので、年間利益は0円となるので、すでに納税済の8万円の還付が受けられます。
昨年、今年の年間利益の合計額は-10万円となるので、来年にこの分を繰越することができます。
複数の証券会社で口座開設されている方は、上記を注意して確定申告をするようにすると節税対策にもなります。
参考 複数の口座を保有するメリット・デメリットについては下記も参考にしてみてください。
まとめ
特定口座とは株式や投資信託の売買にかかる税金の計算を証券会社が代理で行ってくれるので、投資家の確定申告の負担が軽減されるような仕組みです。
基本的には一般口座にはメリットがほぼないため、基本的には特定口座(源泉徴収あり/なし)を選択しましょう。
「配偶者特別控除」や「扶養控除」の適用を受けてる方は、特定口座(源泉聴取あり)以外では適用外となる可能性があるため、特定口座(源泉聴取あり)を選択するのがいいでしょう。
それ以外の方で特定口座(源泉徴収あり/なし)を選ぶポイントは下記となります。
- 確定申告はとにかく面倒という方は「源泉徴収あり」
- 少しでも投資効率を上げたい方は「源泉徴収なし」
- 年間利益が20万円以下の方は「源泉徴収なし」
- 年間利益が20万円超の方は「源泉徴収あり」
このポイントのどこを重視するかで源泉徴収ありかなしかを選ぶのがいいでしょう。
また、複数証券口座を持っている方も多いと思いますが、そのような方は特定口座(源泉徴収なし)を選んでおくと複数の証券会社の年間利益の合計で納税額が決まるので得となる場合があります。
口座開設するのにお得な証券会社は?
投資信託
投資信託は取り扱い投資信託の多さや、投資信託保有時にポイントがもらえるサービスを実施しているので、自分に合ったサービス内容はどれか確認してみてください。
参考 【投資信託】ネット証券おすすめ比較ランキング!お得な口座は?
株式・国内ETF
株式や国内ETFでは取引手数料がなるべく安いところがいいですが、それ以外にも貸株を実施しているかや投資情報・投資ツールなどが充実しているかなども確認してみてください。
参考 【国内株式・ETF】ネット証券口座おすすめ比較ランキング!手数料が安いのは?
海外株式・海外ETF
海外株式・海外ETFは取引手数料以外にも為替手数料も必要となるので、トータルコストを確認してみてください。また、証券会社によって取引できる市場や銘柄数も異なるので確認してみてください。
参考 【海外株式・ETF】ネット証券口座おすすめ比較ランキング!手数料が安いのは?