ETFは投資信託のインデックスファンドと同じように、例えば日経平均やTOPIXといった特定の指数に連動する運用成果を期待でき、信託報酬が安いので長期で保有するならコストを抑えられるメリットがあります。
そんなETFを、投資信託のように自動で積立できるネット証券会社はどこなのか、手数料や対象銘柄などについて確認してみました。
ETFとは?
ETFは、「Exchange Traded Funds」の略で、証券取引所に上場している投資信託のことで「上場投資信託」と呼ばれていて、例えば日経平均やTOPIXといった指数に連動することを目的として運用されています。
投資信託のインデックスファンドも同様に特定の指数に連動する成果が期待できますが、違いとしては下記のような点が挙げられます。
ETF | インデックスファンド | |
売買場所 | 証券会社 | 証券会社、銀行、郵便局など |
売買価格 | リアルタイムに売買 | 1日1回 |
売買手数料 | 証券会社の株式売買手数料による | 多くは0%(購入時手数料) ※売却時に信託財産留保額が 必要なファンドもある |
信託報酬 | 投資信託より安い | 0.1%~0.5% |
最低投資金額 | 数千円から | ネット証券なら100円から |
分配金 | 元本払戻金(特別分配金) はありません | 元本払戻金(特別分配金) となる場合があります |
分配金自動再投資 | できない (米国ETFは一部のネット証券で可能) | できる |
自動積立 | 基本できない (一部のネット証券で可能) | できる |
参考 ETFと投資信託の違いって?投資するならどっちがいいか徹底比較!
ETFは、売買手数料が必要なものの、投資信託より信託報酬が低コストなため長期で見ればコストメリットがあります。
例えば100万円をTOPIX連動型の「iシェアーズ TOPIX ETF(1475)」と「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」に10年間投資した場合を比較すると下記のような感じとなります。(正確には100万円ぴったり買うことにはなりませんが概算として約100万円分購入した場合で算出)
売買手数料 | 年間コスト(税込) | 10年間のコスト | |
iシェアーズ TOPIX ETF | 0円 ※ | 0.0495%×100万=495円 | 4,950円 |
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 0円 | 0.143%×100万=1,430円 | 14,300円 |
※ETFの売買手数料は100万円まで無料のSBI証券や楽天証券などを想定
参考 【国内株式・ETF】ネット証券口座おすすめ比較ランキング!手数料が安いのは?
ETFは、売却時にも手数料がかかる場合もありますが、それを加味したとしてもETFの方が低コストで投資を行うことができます。
国内ETFを自動積立できるネット証券会社は?
ETFは、証券取引所に上場する投資信託ですが、日本国内の取引所に上場しているものは国内ETFと呼ばれます。
国内ETFの自動売買はSBI証券や楽天証券ではできませんが、auカブコム証券の「プチ株(単元未満株取引)」を積み立ててできる「プレミアム積立(プチ株)」というサービスを利用することで国内ETFの自動積立が行えます。
積立は500円以上から1円単位と少額からの投資が可能となっていて、auカブコム証券の口座からの引き落としだけでなく下記の銀行であれば入金手数料無料で自動引落も可能です。
auカブコム証券のプレミアム積立(プチ株)の手数料
通常のプチ株の取引手数料は約定代金の0.55%で最低手数料は52円となっています。(ただし、売り約定代金が110円以下の場合は、手数料は無料)
ただ、「プレミアム積立(プチ株)」の買付手数料は無料で積立することができます。
売却時の手数料は単元株数未満であればプチ株取引と同様、単元株数以上の場合は通常の現物取引と同様となります。
auカブコム証券で自動積立できる国内ETFの銘柄
auカブコム証券では「フリーETF」という売買手数料無料で取引ができるETFがあるのですが、残念ながら「フリーETF」対象の銘柄は対象外で、その他1単元が1口の銘柄も対象外となっています。
積立が可能なETFは約100銘柄ありますが、主なインデックスに連動する銘柄で信託報酬が低コストな銘柄としては下記のようなものがあります。
名称 | コード | ベンチマーク | 信託報酬(税込) |
上場インデックスファンド225 | 1330 | 日経平均 | 0.2475% |
iFreeETF TOPIX(年1回決算型) | 1305 | TOPIX | 0.066% |
NEXT FUNDS 国内債券・ NOMURA-BPI総合連動型上場投信 | 2510 | NOMURA-BPI総合 | 0.077% |
MAXIS Jリート上場投信 | 1597 | 東証REIT指数 | 0.1595% |
MAXIS NYダウ上場投信 | 2241 | NYダウ | 0.22% |
iシェアーズ S&P500 米国株 ETF | 1655 | S&P500 | 0.0825% |
MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信 | 1550 | MSCI-KOKUSAI指数 | 0.165% |
NEXT FUNDS 外国債券・ FTSE世界国債インデックス (除く日本・為替ヘッジなし) 連動型上場投信 | 2511 | FTSE世界国債インデックス (除く日本、ヘッジなし) | 0.132% |
>> auカブコム証券(公式サイト)
米国ETFを自動積立できるネット証券会社は?
ETFで海外の取引所に上場しているものを海外ETFと呼んでいて、特に米国市場に上場するETFは米国ETFと呼ばれています。
海外ETFの中でも米国ETFについては自動積立することが可能で、SBI証券、楽天証券、マネックス証券で米国ETFの自動積立が可能です。
米国ETFの手数料
米国ETFの手数料は大きく2つあり、国内株式同様に売買手数料と日本円で買い付ける場合は米国ドルへの交換が必要となるため為替手数料が必要となります。
証券会社 | 売買手数料(税込) | 為替手数料(米ドルの場合) |
SBI証券 | 約定代金の0.495% 最低:0ドル 最高:22ドル | 25銭 ※住信SBIネット銀行を利用すると6銭(外貨積立なら3銭) ※SBI FXαを利用すると0.2銭(1万通貨以上) |
楽天証券 | 25銭 | |
マネックス証券 | 買付時:0銭 売却時:25銭 |
積立前に住信SBIネット銀行を利用して米国ドルへ交換して、SBI証券に外貨入金すれば為替手数料が最も低コストで米国ETFを積立することができます。
事前に外貨を交換するのが面倒であれば、買付時の為替手数料がかからないマネックス証券を利用するという手もあります。
自動積立できる米国ETFの銘柄
SBI証券、楽天証券、マネックス証券では各ネット証券で取り扱っている米国ETFのすべてで自動積立が可能です。
各ネット証券で取り扱い銘柄に違いはあるものの、各社とも米国ETFについては大体360銘柄前後の取扱いがあります。
その中でも特に下記の銘柄はSBI証券、楽天証券、マネックス証券では買付時の手数料無料で積立することができます。
銘柄 | 経費率 | 概要 |
バンガード・トータル・ワールド・ ストックETF(VT) | 0.07% | 全世界の大型・中型・小型株式に分散投資 |
バンガード・トータル・ストック・ マーケットETF(VTI) | 0.03% | 米国株式市場全体に分散投資 |
バンガード・S&P500ETF(VOO) | 0.03% | 米国株式市場に上場する 代表的な500銘柄に分散投資 |
インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ETF | 0.20% | ナスダックに上場する金融セクターを 除外した時価総額上位100銘柄に分散投資 |
SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF | 0.07% | S&P500指数の採用銘柄のう ち配当支払い上位80銘柄に分散投資 |
SBI証券なら貸株もできる
SBI証券では保有している米国ETFをSBI証券に貸し出すことで、金利を受け取ることができる貸株を利用することができます。
ETFでは、ETFの売却益や配当金で利益を上げることができますが、それ以外の以外の利益を得ることも可能となっています。
参考 SBI証券の米国貸株サービスの金利ってどのくらい?ETFも対象!
>> SBI証券(公式サイト)
マネックス証券なら配当金を自動再投資することも可能
ETFは通常配当金が出ますが、複利効果を得るために配当金を再投資するためには手動で行う必要があります。
しかしマネックス証券なら配当金(源泉徴収後)を上限に自動で再投資することが可能です。
また、配当金額が1株未満に満たない場合はオプション機能を設定することにより外国株口座に預けている資金より充当して注文するようなことも可能です。
>> マネックス証券(公式サイト)
ロボアドバイザーで海外ETFを自動積立
ロボアドバイザーも海外ETFを通した資産運用を行うサービスなので、実質的に海外ETFへの自動積立を行うことができます。
ロボアドバイザーは、ノーベル賞を受賞した現代ポートフォリオ理論に基づいた、平均分散法をベースとし、
ロボアドバイザーとは、いくつかの質問に答えることにより、資産規模やリスク許容度をロボットが判断し、その人に最適な資産配分(どの資産にどれくらいの割合で投資するか)を提案してくれます。
また、具体的な投資先として、どの銘柄に投資すべきかも提案してくれます。これにより、投資初心者でも国際的に分散した投資を効果的に行うことができます。
ロボアドバイザーの多くは投資銘柄としてETFを利用しているので、銘柄を指定することはできませんが、例えば株式や債券、株式でも日本株式や米国株式などの先進国株式や新興国株式などに投資ができます。
ロボアドバイザーで預かり資産、運用者数No1のウェルスナビ(WealthNavi)や資産運用初心者の方に人気のテオ(THEO)が海外ETFを投資対象としています。
また、従来のロボアドバイザーより、AIを活用したマーケット予測に応じてダイナミックにポートフォリオを変更することで、積極的な利益の追求や損失の軽減が期待できるROBOPRO(ロボプロ)といったロボアドバイザーもあります。
参考 【投資実績を公開】ROBOPRO(ロボプロ)の評判・口コミってどう?メリット・デメリットは?
まとめ
ETFは投資信託のインデックスファンドと同じように、例えば日経平均やTOPIXといった特定の指数に連動する運用成果を期待でき、信託報酬が安いので長期で保有するならコストを抑えられるメリットがあります。
ただ、投資信託のように手軽に自動で積立できるネット証券会社は限られていて、国内ETFを投資対象とするならauカブコム証券の「プレミアム積立(プチ株)」なら500円から、米国ETFならSBI証券、楽天証券、マネックス証券が自動積み立てすることができます。
また、特定のETFへの投資だけでなく国際分散投資を気軽に始めたいなら、ロボアドバイザーを利用するという選択肢もあり、ロボアドバイザー大手の「ウェルスナビ」や「テオ」や、従来のロボアドバイザーよりも進んだAIの使い方をしているROBOPRO(ロボプロ)といったロボアドバイザーもあります。
国内ETFを自動積立するならauカブコム証券
自動積立できるETFは、信託報酬が0.1%前後の低コストなETFも多くあります。もちろん口座開設・維持費用は無料です。
>> auカブコム証券(公式サイト)
米国ETFを自動積み立てするならSBI証券
SBI証券の「米国株式・ETF定期買付サービス」では、SBI証券で取り扱いがある米国市場に上場するETFの自動積立が行えます。NISA口座を利用すれば買付手数料は無料で、米国ETFの貸株サービスも行っているので、株式売却益や配当金以外の収入を得ることも可能です。
もちろん口座開設・維持費用は無料です。
>> SBI証券(公式サイト)
ロボアドバイザーでも海外ETFの自動積立が可能
SBI証券のように個別のETFではなく、全世界への分散投資を手間なく行いたいならロボアドバイザーという選択肢もあります。
一歩進んだAIの利用により、一般的なロボアドバイザーよりも良いパフォーマンスの実績を残しているROBOPRO(ロボプロ)も面白いと思うので検討してみてください。
>> ROBOPRO(ロボプロ)(公式サイト)