SBI証券では国内初となる米国株式や米国ETFを対象とした貸株サービスであるカストック「Kastock」を利用することができます。
米国株は大型株でも高配当銘柄も多く、中には50年以上も連続増配しているような銘柄がある投資先に国内同様に貸株金利まで付くのでより収益が期待できます。
メリット・デメリットやどのくらいの金利が提示されているかめ確認してみました。
SBI証券の米国貸株サービスとは?
貸株サービスとは、国内株式では既に各証券会社でサービスが開始されていますが、SBI証券では保有している米国株式・米国ETFを対象に証券会社に貸し出すことで、貸し出した米国株式や米国ETFに応じた貸株金利を受け取ることができるサービスです。
株式投資での利益と言えば、
- 株式の売買による売却益
- 株式保有によって得られる配当
が基本となりますが、貸株ではさらに追加で利益を得ることが可能です。
米国貸株サービスのメリットとは?
貸株金利を得ることができる
貸株を利用すれば、配当金とは別に安定的な貸株金利を受け取ることができます。
貸株金利は、銘柄によって2%から0.01%となっています。
貸株金利(年率) | 銘柄数 |
2.00% | 20 |
1.50% | 30 |
1.00% | 25 |
0.50% | 40 |
0.30% | 15 |
0.10% | 25 |
0.05% | 360 |
0.01% | 5067 |
※2023年3月1日より
※非対象銘柄は109銘柄
約9割の銘柄が0.01%程度とあまり金利は高くないですが、中には1%を超えるものもあるので一度チェックしてみてください。(外貨建商品取引サイトログイン後、「口座管理」>「口座情報」>「貸株」>「貸株金利」画面にて確認できます)
貸株中でも配当金を受け取ることができる
貸株を利用していても配当金を受け取ることができるので、株式を保有している間は貸株金利と配当金の両方をインカムゲインとして安定的・継続的に受け取ることができます。
貸株金利はSBI証券が設定した金利で日々計算され、貸株金利(米ドル)の合計金額が翌月第5営業日にSBI証券の外国株式口座に入金されます。
得られた貸株金利を日本円にして出金することもできますが、受け取った米ドルを外貨建てMMFで運用したり、他の米国株式や米国ETFに買付に利用することもでき、為替手数料がかからない分お得に取引することができます。
貸株中にいつでも売却可能
貸株を利用している米国株式・米国ETFは、特に手続することなく好きな時に売却することが可能です。
貸株を停止しないと売却できないといったこともないので、売却タイミングを逃さず取引することができます、
米国貸株サービスのデメリットとは?
配当金が配当相当額になる可能性がある
貸株では通常は配当金として受け取ることができますが、まれに配当金相当額として受け取る場合があります。
配当金相当額は、配当金とは異なり雑所得または事業所得となり総合課税の対象となり、配当金とは下記のように異なります。
配当金 | 配当金相当額 | |
所得の分類 | 配当所得 | 雑所得または事業所得 |
株式等の譲渡益との損益通算 | できる | できない |
外国税額控除 | 対象 | 対象外 |
多くの方が利用する特定口座(源泉徴収あり)では、配当金は20.315%が自動で源泉徴収され確定申告が不要と手軽に利用することができます。
配当金相当額は総合課税の対象となるので、給与所得や退職所得以外の配当金相当額を含む所得金額の合計が20万円以内であれば確定申告は不要ですが、20万円超える場合は確定申告が必要となります。(20万円以内でも給与の収入金額が2,000万円を超える場合などは確定申告が必要です)
また、総合課税なので税率は給与所得などと合算して所得控除を差し引いたうえで税率が決まり、住民税約10%に下記の所得税が必要となるので、課税される所得金額によっては配当金の20.315%より税金が高くなります。
貸株中に証券会社が倒産したら損失となる可能性がある
貸株では、証券会社に自分の保有する株式を無担保で貸し出すので、SBI証券が倒産した場合には損失となる可能性があります。
通常であれば株式やETFなどは、証券会社の資産と顧客の資産は切り離して分別管理されているので、証券会社が倒産した場合でも顧客の資産は返還されます。
投資者保護基金の対象とはならない
投資者保護基金は、もし証券会社が倒産し分別管理の義務に違反し資産の返還が円滑に行われない場合でも、一人当たり上限1,000万円まで補償を行ってくれ、国内の証券会社は投資者保護基金への加入義務があります。
そのため通常であれば、証券会社が倒産し分別管理を怠っていたとしても1,000万円までは補償されますが、貸株を利用している場合は、名義が証券会社のものとなるので投資者保護基金の対象とはなりません。
まとめ
SBI証券では、日本株式と同様に米国株や米国ETFでも貸株金利を受け取ることができ、メリット・デメリットとしては下記のような点が挙げられます。
米国貸株サービスのメリット
- 貸株金利を得ることができる
- 貸株中でも配当金を受け取ることができる
- 貸株中にいつでも売却可能
米国貸株サービスのデメリット
- 配当金が配当相当額になる可能性がある
- 貸株中に証券会社が倒産したら損失となる可能性がある
- 投資者保護基金の対象とはならない
貸株は、株式売却益・配当金に続く第三の収入源となってくれ株式を保有していればほったらかしていても貸株金利を受け取ることができます。
ただ、多くの銘柄で0.01%と決して金利は高くはなく、配当金が配当相当額となった場合には損益通算や外国税額控除ができなくなるデメリットがあるので、メリット・デメリットを比較しメリットがありそうなら利用を検討してみてください。
米国株式・ETFで貸株金利がもらえるのはSBI証券だけ!
口座開設・維持費は無料で米国貸株サービスを利用するのももちろん無料です。
>> SBI証券(公式サイト)
参考 ちょっと手間はかかりますが、米国株や米国ETFの為替リスクを軽減する方法もあるので参考にしてください。