バンガード・米国グロースETF(VUG)は、米国の大型グロース株に分散投資ができる米国ETFです。
CRSP USラージキャップ・グロース・インデックスへの連動を目指すETFですが、過去はどの程度の利回りとなっていたのか内容について確認してみました。
バンガード・米国グロースETF(VUG)の特徴
投資対象
バンガード・米国グロースETF(VUG)は、「CRSP USラージキャップ・グロース・インデックス」の動きに連動する投資成果を目指す米国ETFです。
「CRSP USラージキャップ・グロース・インデックス」は、米国の投資可能時価総額の上位85%を占める銘柄で構成されている「CRSP USラージキャップ・インデックス」の内、グロース株と判断された銘柄で構成されています。
グロース株は、1株あたりの利益(EPS)の将来の長期・短期成長率、1株あたり売上高の過去3年間の成長率、現在の投資対資産比率および総資産利益率などから判断されています。
※下記はバンガード・米国グロースETF(VUG)2023年6月末時点の情報です。
業種別構成比率
情報技術の比率が突出して高く、バンガード・米国バリューETF(VTV)と比べると情報技術以外にも一般消費財の比率が高くなっています。
保有上位10銘柄
ティッカー | 銘柄 | 比率 |
AAPL | Apple Inc. | 13.79 % |
MSFT | Microsoft Corp. | 12.05 % |
AMZN | Amazon.com Inc. | 5.41 % |
NVDA | NVIDIA Corp. | 4.73 % |
GOOGL | Alphabet Inc. Class A | 3.38 % |
TSLA | Tesla Inc. | 3.35 % |
META | Facebook Inc. Class A | 3.02 % |
GOOG | Alphabet Inc. Class C | 2.87 % |
LLY | Eli Lilly & Co. | 1.91 % |
V | Visa Inc. Class A | 1.77 % |
ETFの主なデータ
当ETF | ベンチマーク | |
銘柄数 | 235 | 234 |
株価収益率(PER) | 37.1倍 | 37.1倍 |
株価純資産倍率(PBR) | 9.1倍 | 9.1倍 |
自己資本利益率(ROE) | 33.6% | 33.6% |
コスト
売買手数料 | 各証券会社により異なるが、為替手数料も加味するとSBI証券が最安 参考 【海外株式・ETF】ネット証券口座おすすめ比較ランキング!手数料が安いのは? |
総経費率 | 0.04% |
純資産残高・出来高
純資産残高は約13兆円で、月間出来高は約1,800万株と流動性も高い状態にあります。
配当・分配金
分配金利回りは0.59%で直近の分配金は下記のとおりです。
ETFの分配金はファンドでの運用益からのみ出されるため、投資信託(非上場)でみられる自己資産を切り崩したタコ足配当がないので安心して受け取れます。
ただ、海外ETFの分配金は二重課税されていたり、再投資は手動で行う必要があるなど取り扱いがちょっと面倒なところがあるので注意が必要です。
参考 ETFとJDRの違いって?複雑な分配金に対する税金をまとめてみました!
バンガード・米国グロースETF(VUG)のパフォーマンスは?
運用実績・利回り
ETF(年率) | ベンチマーク | |
1年 | +27.98% | +28.02% |
3年 | +12.60% | +12.63% |
5年 | +14.5% | +14.53% |
10年 | +14.92% | +14.97% |
設定来 | +10.49% | +10.55% |
※バンガード・米国グロースETF(VUG)2023年6月末時点の情報より
※設定日は2004年1月26日
※税引前分配金を再投資したものとして算出されたもので、ファンドに関する費用(管理報酬およびその他の経費)は控除後
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
※ベンチマークは2003年5月16日まではS&P500グロース指数(旧S&P500/Barraグロース指数)、2013年4月16日まではMSCI USプライム・マーケット・グロース・インデックス、その後はCRSP USラージキャップ・グロース・インデックスを合成したもの
過去のチャート
米国株式市場の動向を表す代表的なインデックスの一つあるS&P500に連動する「iシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)」と、米国の大型グロース株に分散投資ができる「バンガード・米国バリューETF(VTV)」比較したのが下記のチャートとなります。(同じバンガード社からS&P500に連動する「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」もありますが、設定日がより古いIVVと比較してます)
参考 iシェアーズ・コア S&P500 ETF(IVV)の評価って?利回りや配当はどのくらい?
参考 バンガード・米国バリュー ETF【VTV】の評価って?利回りや配当金はどのくらい?
※引用:ETFreplay.com
青がバンガード・米国グロース ETF(VUG)、緑がバンガード・米国バリューETF(VTV)、黄色がiシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)の、2004年1月26日からのトータルリターン(配当金・分配金(課税前)を再投資)のチャートです。
2008年あたりまではバンガード・米国バリューETF(VTV)がややパフォーマンスが良かったですが、その後はバンガード・米国グロース ETF(VUG)が一段と成長しています。
バンガード・米国グロースETF(VUG)は、米国経済を牽引してきたApple・Amazon・Goole・Facebookといった大手IT企業への投資比率が高いのが起因し、他のETFよりリターンが良くなっています。
配当金・分配金はそれほど期待はできないものの株価上昇による利益を期待できるのがバンガード・米国グロースETF(VUG)です。
当ETFの情報
- 分類:海外ETF(上場市場:NYSE Arca)
- ベンチマーク:CRSP USラージキャップ・グロース・インデックス
- 売買手数料:各証券会社により異なる
- 総経費率:0.04%
- 純資産残高:約13兆円
- 分配金利回り:0.59%
- 売買単位:1株(約40,000円)
- 決算:年4回
- 設定日:2004年1月26日
評価・まとめ
バンガード・米国グロースETF(VTV)は、「CRSP USラージキャップ・グロース・インデックス」をベンチマークとし、米国の大型株でグロース株と判断された銘柄に分散投資ができる海外ETFです。
過去約20年間のトータルリターンでは、2008年のリーマンショック前は「バンガード・米国バリューETF(VTV)」、それ以降は、「バンガード・米国グロースETF(VUG)」の成績が上回っていて、時々によってグロース株が強かったりバリュー株が強かったりといった動きとなっています。
特に2008年以降に米国経済を牽引したアップルやアマゾン、Google、フェイスブックなどのIT企業への比率が高い「バンガード・米国グロースETF(VUG)」が成績が良かったようです。
ただ、より長期で見るとバリュー株の方が成績は上回っていて、特に2000年前後に発生したITバブルによってグロース株は大きく下落しました。
(引用元:野村アセットマネジメント「米国株スタイル別指数の特徴」)
また、バリュー優位とグロース優位は過去には概ね交互に入れ替わってきていたようです。
(引用元:野村アセットマネジメント「米国株スタイル別指数の特徴」)
今はグロース株優位の状態が長く続いていますが、いつかはグロース株優位からバリュー株優位の局面が来る可能性は高そうです。
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⇒ SBI証券の米国貸株サービスの金利ってどのくらい?海外ETFも対象!
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参考 米国株への投資は為替変動リスクが気になる?軽減する方法はある?