バンガード・米国長期国債ETF(VGLT)は、残存期間が10年超の米国長期国債に分散投資ができる米国ETFです。
米国の長期政府債に投資ができるETFですが、過去はどの程度の利回りとなっていたのか、債券は株式暴落時に値を上げるというが実際どんな値動きとなっていたかなど確認してみました。
バンガード・米国長期国債ETF(VGLT)の特徴とは?
基本概要
ファンド名 | バンガード・米国長期国債ETF |
TICKER | VGLT |
国籍 | 米国 |
管理会社 | ザ・バンガード・グループ・インク |
ベンチマーク | ブルームバーグ米国長期国債インデックス |
購入時手数料(税込) | 約定代金の0.495%(0ドル~22ドル) ※主要ネット証券の場合 |
総経費率 | 0.04% |
純資産総額(百万米ドル) | 13,041 |
月間出来高 | 3,284万株 |
配当利回り | 3.77% |
分配金回数 | 年12回 |
NISA | × |
設定日 | 2009年11月19日 |
投資対象
バンガード・米国長期国債ETF(VGLT)は、「ブルームバーグ米国長期国債インデックス」の動きに連動する投資成果を目指す米国ETFです。
「ブルームバーグ米国長期国債インデックス」は、残存期間が10年超の米国債および政府機関債で構成されています。
構成銘柄数は84銘柄で、残存年数(債券が償還されるまでの期間)が15年以上の長期債券でほとんど占められていて、平均デュレーションは14.9年です。
※引用:バンガード・米国長期国債ETF(VGLT)の2024年6月末時点の情報より
信託報酬などのコスト
売買手数料 | 各証券会社により異なるが、為替手数料・スプレッドも加味すると松井証券が最安 【海外株式・ETF】ネット証券口座おすすめ比較ランキング!手数料が安いのは? |
総経費率 | 0.04% |
米国ETFは株式同様に売買手数料と為替手数料がかかりますが、下記のネット証券のNISA口座を利用すれば、国内株式・ETFや米国株式・ETFの売買手数料が無料となります。
純資産残高・出来高
純資産残高は13,041(百万米ドル)なので、米ドル円が150円とすると約1兆9,500億円となります。
また、月間出来高は約3,284万株と流動性もそこそこあります。
配当利回りや配当実績
配当利回りは3.77%で直近の分配金は下記のとおりです。
ETFの分配金はファンドでの運用益からのみ出されるため、投資信託(非上場)でみられる自己資産を切り崩したタコ足配当がないので安心して受け取れます。
ただ、海外ETFの分配金は二重課税されていたり、再投資は手動で行う必要があるなど取り扱いがちょっと面倒なところがあるので注意が必要です。
参考 ETFとJDRの違いって?複雑な分配金に対する税金をまとめてみました!
NISAの対応状況
バンガード・米国長期国債ETF(VGLT)は、新NISA(2024年以降)の対象外となっているので非課税の恩恵を受けることはできません。
参考 金融庁「新しいNISA」
参考 NISAとiDeCoの違いの比較については下記も参考にしてみてください。
バンガード・米国長期国債ETF(VGLT)のパフォーマンスは?
運用実績・利回り
ETF(年率) | インデックス | |
1年 | ー12.62% | ー12.49% |
3年 | ー16.22% | ー16.17% |
5年 | ー7.37% | ー7.32% |
10年 | ー0.06% | ー0.06% |
設定来 | +3.14% | +3.30% |
※バンガード・米国長期国債ETF(VGLT)の2024年6月末時点の情報より
※税引前分配金を再投資したものとして算出されたもので、ファンドに関する費用(管理報酬およびその他の経費)は控除後です
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
VGLTの過去のチャートや他のETFとの比較
「バンガード・米国長期国債ETF(VGLT)」とよく比較される「iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)」とのトータルリターン(税引前配当金を再投資した場合)の比較は下記の様になっています。
参考 【TLT】iシェアーズ 米国国債 20年超 ETFの評価・評判とは?株式暴落時に強い?
※引用:ETFreplay.com
緑がバンガード・米国長期国債ETF(VGLT)、青がiシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)の直近5年のトータルリターンのチャートです。
「バンガード・米国長期国債ETF(VGLT)」の方がトータルリターンが良くボラティリティ(価格変動の大きさ)が小さいので、「iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)」より安定的な値動きをしながらパフォーマンスが良いと言えます。
バンガード 米国長期国債 ETF(VGLT)は米国株式暴落時に強い?
債券は株式と逆の動きをする傾向にあるといわれていますが、実際どんな動きをしているのか米国株式市場の動向を表す代表的なインデックスの一つあるS&P500に連動する「iシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)」と比較したのが下記のチャートです。
(引用元:TradingView)
青がバンガード 米国長期国債 ETF(VGLT)、橙がiシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)の2009年11月からのチャートです。
赤枠で囲った部分は明確に株式相場が上がれば債券が下がり、逆に株式相場が下がれば債券が上昇するといった動きをしていたので、ポートフォリオに債券を組み入れていれば株式相場が下落しても全体のポートフォリオでは下落幅は抑えられていたと言えます。
逆に株式相場が上昇時には債券は下落していますが、株式相場の上昇幅の方が大きいのでトータルでは株式相場の上昇分の恩恵は受けれていたと思われます。
また、チャートの下の緑で囲った部分はVGLTとIVVの相関係数を表していて、+1に近いほど同じような値動きとなっていることを表し、ー1に近いほど逆の値動きをしていることを表しています。
赤枠で囲った部分ではー1に近くなっていて逆の動きとなっていることを表していますが、例えば2022年以降は株式相場が株式相場が下落傾向にもかかわらず債券も下落していて相関係数は+1に近くなっています。
このように必ずしも債券の価格が株式相場と逆の値動きとならないという点はご留意ください。
評価・まとめ
バンガード・米国長期国債ETF(VGLT)は、「ブルームバーグ米国長期国債インデックス」の動きに連動する投資成果を目指し、残存期間が10年超の米国債および政府機関債に分散投資ができる米国ETFで下記のような特徴があります。
- 毎月配当・分配金が貰える
- 株式に比べて価格変動は小さく安定的な値動きとなっている
- 株式相場が下落時に逆に上昇する傾向にあるが必ずしもそうならない局面もある
債券は守りの資産なので、将来資産を大きく増やしてくれるわけではありませんが、債券にも投資しておくことで株式相場が下落しても含み損を抑えてくれる可能性があります。
また、債券は株式相場が良いときでも悪いときでも毎月配当・分配金が得られるといったメリットもあります。
よく比較される「iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)」より「バンガード 米国長期国債 ETF(VGLT)」の方が直近5年ではより安定的な動きでパフォーマンスも良くなってます。
米国株式や米国ETFを購入するのにおすすめの証券会社は?
バンガード・米国長期債券ETF(BLV)は、NISA口座の成長投資枠を利用して購入すれば、売却益と配当・分配金は非課税(米国で10%課税はされる)となります。
主要ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券)ではNISA口座での米国株・ETFの売買手数料が無料となるので、ぜひ活用を検討してください。
参考 米国ETFをNISAで購入するメリットやデメリットとは?
売買手数料が業界最安水準で為替手数料(スプレッド含む)が無料の松井証券
売買手数料が業界最安水準で、為替手数料が無料なので低コストで取引できます。
また、米国株・ETFの銘柄選び、売買の材料探し、最適な取引タイミングなど、個別銘柄に関する疑問や悩みを無料で相談できる窓口が設置されているので初心者の方でも安心して米国株・ETFへの投資を始められます。
もちろん口座開設・維持費は無料でNISA口座を利用すれば米国株・ETFの売買手数料は無料となります。
米国株・ETFの自動積立が可能で貸株にも対応しているSBI証券
SBI証券は売買手数料が業界最安水準で、リアルタイム為替取引時の為替手数料は無料となっています。(別途買値と売値の差であるスプレッドはコストとしてかかります)
10,000通貨以上ならSBI FXαを使えば0.2銭で両替できるので低コストで米ドルへ両替ができ、10,000通貨未満であれば住信SBIネット銀行で外貨に交換(片道6銭)するか、外貨積立を利用すれば買付時の為替手数料はかかりません。
また、米国株・ETFの自動積立が可能で、貸株にも対応しています。
参考 ETFを自動積立できるネット証券会社は?手数料や対象銘柄は?
参考 SBI証券の米国貸株サービスの金利ってどのくらい?ETFも対象!
米国株・ETFの自動積立が可能で配当金も自動で再投資できるマネックス証券
マネックス証券は売買手数料が業界最安水準で、為替手数料は円貨決済時も買付時は無料です。(米ドルを円に交換する時は25銭の手数料が発生します)
米国株・ETFの自動積立が可能で、配当金を自動で再投資して複利効果を得ることも可能です。
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