iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)は、残存期間20年超の米国長期国債に分散投資ができる海外ETFです。
ICE米国国債20年超指数への連動を目指すETFですが、過去はどの程度の利回りとなっていたのか、債券は株式暴落時に値を上げるというが実際どんな値動きとなっていたかなど確認してみました。
iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)の特徴
投資対象
iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)は、「ICE米国国債20年超指数」の動きに連動する投資成果を目指す米国ETFです。
「ICE米国国債20年超指数」は、残存期間が20年超の米国財務省証券で構成された指数です。
※下記はiシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)2022年9月末時点の情報です。
業種
残存年数
約99%が残存年数20年以上となっています。
信用格付
保有している債券はどれも最上位のAAAの格付けとなっています。
組入上位10銘柄
ポートフォリオの特性
実効デュレーション | 17.74年 |
加重平均残存期間 | 25.61年 |
標準偏差(過去3年) | 15.13% |
ベータ値※ | 0.35 |
※ベータ値はファンドと市場(S&P500)の値動きの連動性を示すリスク指標
ベータ値が0.35ということなので、S&P500が1%上昇すれば当ETFは0.35%上昇し、逆にS&P500が1%下落すれば当ETFは0.35%下落することを意味します。
コスト
売買手数料 | 各証券会社により異なるが、為替手数料も加味するとSBI証券が最安 参考 【海外株式・ETF】ネット証券口座おすすめ比較ランキング!手数料が安いのは? |
総経費率 | 0.15% |
純資産残高・出来高
純資産残高は約3兆5,000億円で、月間出来高は約47,000万株と流動性も高い状態にあります。
配当・分配金
分配金利回りは2.50%(2023年1月)で直近の分配金は下記のとおりです。
ETFの分配金はファンドでの運用益からのみ出されるため、投資信託(非上場)でみられる自己資産を切り崩したタコ足配当がないので安心して受け取れます。
ただ、海外ETFの分配金は二重課税されていたり、再投資は手動で行う必要があるなど取り扱いがちょっと面倒なところがあるので注意が必要です。
参考 ETFとJDRの違いって?複雑な分配金に対する税金をまとめてみました!
運用実績・利回り
ETF(年率) | インデックス | |
1年 | ー31.41% | ー30.76% |
3年 | ー8.33% | ー8.00% |
5年 | ー2.81% | ー2.56% |
10年 | +0.32% | +0.48% |
設定来 | +4.33% | +4.47% |
※iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)2022年12月末時点より
※設定日は2002年7月22日
※税引前分配金を再投資したものとして算出されたもので、ファンドに関する費用(管理報酬およびその他の経費)は控除後です
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
過去のチャート(類似ETFとの比較)
「iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)」とはインデックスが異なりますが、同じく米国の長期国債に投資ができ、総経費率が0.04%と低コストな「バンガード 米国長期国債 ETF(VGLT)」と比較したのが下記のチャートとなります。
(引用元:TradingView)
青がiシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)、橙がバンガード 米国長期国債 ETF(VGLT)の直近5年のチャートです。
ほとんど同じ動きとなっていて、一時期「iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)」の方がパフォーマンスが良かった時もありますが、5年では「バンガード 米国長期国債 ETF(VGLT)」の方がパフォーマンスがやや良くなってます。
また、配当金・分配金(課税前)を再投資した場合の比較としては下記のようになります。
(引用元:ETFreplay.com)
緑がiシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)、青がバンガード 米国長期国債 ETF(VGLT)の直近5年間のチャートです。
対象期間では、「バンガード 米国長期国債 ETF(VGLT)」の方がパフォーマンスが良く、ボラティリティ(価格変動)も小さくなっていて、「iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)」より安定的な動きでパフォーマンスも良くなっています。
対象期間によっては異なる結果となる可能性はあるものの、総経費率が低コストな「バンガード 米国長期国債 ETF(VGLT)」の方が良さそうです。
参考 【VGLT】バンガード 米国長期国債 ETFの評価・評判ってどう?米国株式の暴落に強い?
当ETFの情報
- 分類:海外ETF(上場市場:ナスダック)
- ベンチマーク:ICE米国国債20年超指数
- 売買手数料:各証券会社により異なる
- 総経費率:0.15%
- 純資産残高:約3兆5,000億円
- 分配金利回り:2.50%
- 売買単位:1株(約14,000円(2023年1月))
- 決算:年12回
- 設定日:2002年7月22日
iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)は米国株式暴落時に強い?
債券は株式と逆の動きをする傾向にあるといわれていますが、実際どんな動きをしているのか米国株式市場の動向を表す代表的なインデックスの一つあるS&P500に連動する「iシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)」と比較したのが下記のチャートです。
(引用元:TradingView)
青がiシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)、橙がiシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)の2002年7月からのチャートです。
赤枠で囲った部分は明確に株式相場が上がれば債券が下がり、逆に株式相場が下がれば債券が上昇するといった動きをしていたので、ポートフォリオに債券を組み入れていれば株式相場が下落しても全体のポートフォリオでは下落幅は抑えられていたと言えます。
逆に株式相場が上昇時には債券は下落していますが、株式相場の上昇幅の方が大きいのでトータルでは株式相場の上昇分の恩恵は受けれていたと思われます。
また、チャートの下の緑で囲った部分はTLTとIVVの相関係数を表していて、+1に近いほど同じような値動きとなっていることを表し、ー1に近いほど逆の値動きをしていることを表しています。
赤枠で囲った部分ではー1に近くなっていて逆の動きとなっていることを表していますが、例えば2022年以降は株式相場が株式相場が下落傾向にもかかわらず債券も下落していて相関係数は+1に近くなっています。
このように必ずしも債券の価格が株式相場と逆の値動きとならないという点はご留意ください。
評価・まとめ
iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)は、「ICE米国国債20年超指数」の動きに連動する投資成果を目指し、残存期間が20年超の米国財務省証券に分散投資ができる海外ETFで下記のような特徴があります。
- 毎月配当・分配金が貰える
- 株式に比べて価格変動は小さく安定的な値動きとなっている
- 株式相場が下落時に逆に上昇する傾向にあるが必ずしもそうならない局面もある
債券は守りの資産なので、将来資産を大きく増やしてくれるわけではありませんが、債券にも投資しておくことで株式相場が下落しても含み損を抑えてくれる可能性があります。
また、債券は株式相場が良いときでも悪いときでも毎月配当・分配金が得られるといったメリットもあります。
ただ、iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)よりは総経費率が低コストな「バンガード 米国長期国債 ETF(VGLT)」の方が直近5年ではより安定的な動きでパフォーマンスも良くなっているのでこちらも検討してみてください。
参考 【VGLT】バンガード 米国長期国債 ETFの評価・評判ってどう?米国株式の暴落に強い?
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参考 SBI証券の米国ETFでの貸株サービスや自動積立については下記も参考にしてみてください。
⇒ SBI証券の米国貸株サービスの金利ってどのくらい?海外ETFも対象!
⇒ 米国株式・ETF定期買付サービスとは?NISAを有効に活用するには?
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参考 【海外株式・ETF】ネット証券口座おすすめ比較ランキング!手数料が安いのは?米国株・ETFでは為替変動リスクがありますが、リスク軽減策については下記を参考にしてみてください。
参考 米国株への投資は為替変動リスクが気になる?軽減する方法はある?