バンガード米国高配当株式ETF(VYM)は低コストETFとして有名なバンガード社のETFで、米国の高配当株式に分散投資ができる一本です。
一般的に下落相場に強いと言われる高配当株ですが、過去どのような成績で利回りはどのくらいなのか確認してみました。
バンガード米国高配当株式ETF(VYM)の特徴とは?
基本概要
ファンド名 | バンガード米国高配当株式ETF |
TICKER | VYM |
国籍 | 米国 |
管理会社 | ザ・バンガード・グループ・インク |
ベンチマーク | FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス |
為替ヘッジ | なし |
購入時手数料(税込) | 約定代金の0.495%(0ドル~22ドル) ※主要ネット証券の場合 |
総経費率 | 0.06% |
純資産総額(百万米ドル) | 53,993 |
月間出来高 | 1,537万株 |
配当利回り | 2.88% |
分配金回数 | 年4回 |
NISA | 成長投資枠対象 |
設定日 | 2006年11月10日 |
投資対象
バンガード米国高配当株式ETF(VYM)は、「FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス」との連動を目指す米国ETFです。
「FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス」は、米国の大型株の中でも予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄を重点的に組入れ、構成銘柄数は約550銘柄となっています。
セクター別では金融や資本財といった景気に敏感なセクターの比率がやや高くなっています。
セクター | 比率 |
金融 | 20.5% |
資本財 | 12.6% |
ヘルスケア | 11.8% |
情報技術 | 11.1% |
生活必需品 | 11.0% |
エネルギー | 10.4% |
一般消費財 | 9.7% |
公益事業 | 6.8% |
電気通信サービス | 4.1% |
素材 | 2.0% |
不動産 | 0.0% |
その他 | 0.0% |
※引用:バンガード米国高配当株式ETF(VYM)の2024年6月末時点の情報より
JPモルガンなどの金融銘柄の比率も高いですが、P&GやJohnson & Johnsonなど60年以上増配しててる銘柄などの比率も高くなっています。
銘柄 | 比率 |
Broadcom Inc. | 4.4% |
JPMorgan Chase & Co. | 3.5% |
Exxon Mobil Corp. | 3.1% |
Procter & Gamble Co. | 2.4% |
Johnson & Johnson | 2.1% |
Home Depot Inc. | 2.1% |
Merck & Co. Inc. | 1.9% |
AbbVie Inc. | 1.8% |
Walmart Inc. | 1.8% |
Bank of America Corp. | 1.6% |
※引用:バンガード米国高配当株式ETF(VYM)の2024年6月末時点の情報より
構成銘柄数は約550銘柄で、PERは15倍以上で、PBRも1倍以上となっているのでやや割高感があります。
構成銘柄数 | 553銘柄 |
PER | 18.5倍 |
PBR | 2.6倍 |
※引用:バンガード米国高配当株式ETF(VYM)の2024年6月末時点の情報より
信託報酬などのコスト
売買手数料 | 各証券会社により異なるが、為替手数料・スプレッドも加味すると松井証券が最安 【海外株式・ETF】ネット証券口座おすすめ比較ランキング!手数料が安いのは? |
総経費率 | 0.06% |
米国ETFは株式同様に売買手数料と為替手数料がかかりますが、下記のネット証券のNISA口座を利用すれば、国内株式・ETFや米国株式・ETFの売買手数料が無料となります。
純資産残高・出来高
純資産残高は53,993(百万米ドル)なので、米ドル円が150円とすると約8兆1,000億円となります。
また、月間出来高は約1,537万株と流動性もあります。
配当利回りや配当実績
配当利回りは3.11%で直近の分配金実績は下記のとおりです。
ETFの分配金はファンドでの運用益からのみ出されるため、投資信託(非上場)でみられる自己資産を切り崩したタコ足配当がないので安心して受け取れます。
ただ、海外ETFの分配金は二重課税されていたり、再投資は手動で行う必要があるなど取り扱いがちょっと面倒なところがあるので注意が必要です。
参考 ETFとJDRの違いって?複雑な分配金に対する税金をまとめてみました!
NISAの対応状況
バンガード米国高配当株式ETF(VYM)は新NISA(2024年以降)の「成長投資枠」の対象となるのでNISA口座を利用すれば売却益などが非課税となります。
参考 金融庁「新しいNISA」
成長投資枠は、年間240万円まで投資ができ、限度額最大1,200万円までなら無期限で非課税となるので節税効果は大きいです。
ただし、配当金・分配金は現地の米国で10%課税されていて、この部分の税金はNISAでも非課税とはなりません。
参考 NISAとiDeCoの違いの比較については下記も参考にしてみてください。
バンガード米国高配当株式ETF(VYM)のパフォーマンスは?
運用実績・利回り
ETF(年率) | ベンチマーク(年率) | |
1年 | +15.37% | +15.42% |
3年 | +7.53% | +7.59% |
5年 | +9.76% | +9.81% |
10年 | +9.38% | +9.43% |
設定来 | +8.33% | +8.41% |
※バンガード米国高配当株式ETF(VYM)2024年6月末時点の情報より
※税引前分配金を再投資したものとして算出されたもので、ファンドに関する費用(管理報酬およびその他の経費)は控除後
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
過去のチャート
米国の代表的な株価指数であるS&P500をベンチマークとする「バンガード・S&P500 ETF」と、配当含むトータルリターンの過去のチャートを比較すると下記のようになっています。
参考 バンガード・S&P500 ETF(VOO)の評価ってどう?利回りはどのくらい?
(引用元:ETFreplay.com)
緑がバンガード米国高配当株式ETF(VYM)、青がバンガード・S&P500 ETF(VOO)のVOOの設定日である2010年9月7日からのトータルリターンのチャートです。
比較した期間では、コロナショック前まではほぼ同じようなパフォーマンスだったのですが、コロナショック後は「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」の方がパフォーマンスが良くなっています。
バンガード米国高配当株式ETF(VYM)の方がボラティリティが小さいのでより安定的な値動きとはなっていて、配当利回りも高いので投資信託とは違ってETFの健全な配当金を受け取り続けたい方に向いてそうです。
まとめ・所感
バンガード米国高配当株式ETF(VYM)はFTSEハイディビデンド・イールド・インデックスへの連動を目指すETFで、米国の大型株の中でも予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄を重点的に組入れ、構成銘柄数は約550銘柄となっています。
高配当銘柄は、企業業績が景気に左右されにくいディフェンシブ銘柄で構成される場合が多いですが、バンガード米国高配当株式ETF(VYM)では金融や資本財といった景気に敏感なセクターの比率が高めな点は注意が必要です。
それでも米国の代表的な指数であるS&P500に連動する「バンガード・S&P500 ETF」より配当利回りが高いので、配当金を得たい場合には検討してみてください。
参考 バンガード・S&P500 ETF(VOO)の評価ってどう?利回りはどのくらい?
米国株式や米国ETFを購入するのにおすすめの証券会社は?
バンガード米国高配当株式ETF(VYM)は、NISA口座の成長投資枠を利用して購入すれば、売却益と配当・分配金は非課税(米国で10%課税はされる)となります。
主要ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券)ではNISA口座での米国株・ETFの売買手数料が無料となるので、ぜひ活用を検討してください。
参考 米国ETFをNISAで購入するメリットやデメリットとは?
売買手数料が業界最安水準で為替手数料(スプレッド含む)が無料の松井証券
売買手数料が業界最安水準で、為替手数料が無料なので低コストで取引できます。
また、米国株・ETFの銘柄選び、売買の材料探し、最適な取引タイミングなど、個別銘柄に関する疑問や悩みを無料で相談できる窓口が設置されているので初心者の方でも安心して米国株・ETFへの投資を始められます。
もちろん口座開設・維持費は無料でNISA口座を利用すれば米国株・ETFの売買手数料は無料となります。
米国株・ETFの自動積立が可能で貸株にも対応しているSBI証券
SBI証券は売買手数料が業界最安水準で、リアルタイム為替取引時の為替手数料は無料となっています。(別途買値と売値の差であるスプレッドはコストとしてかかります)
10,000通貨以上ならSBI FXαを使えば0.2銭で両替できるので低コストで米ドルへ両替ができ、10,000通貨未満であれば住信SBIネット銀行で外貨に交換(片道6銭)するか、外貨積立を利用すれば買付時の為替手数料はかかりません。
また、米国株・ETFの自動積立が可能で、貸株にも対応しています。
参考 ETFを自動積立できるネット証券会社は?手数料や対象銘柄は?
参考 SBI証券の米国貸株サービスの金利ってどのくらい?ETFも対象!
米国株・ETFの自動積立が可能で配当金も自動で再投資できるマネックス証券
マネックス証券は売買手数料が業界最安水準で、為替手数料は円貨決済時も買付時は無料です。(米ドルを円に交換する時は25銭の手数料が発生します)
米国株・ETFの自動積立が可能で、配当金を自動で再投資して複利効果を得ることも可能です。
>> マネックス証券(公式サイト)