FOLIOのROBOPRO(ロボプロ)は、AIで金融市場を先読みし適切な資産へ自動で投資を行うETFを投資対象としたロボアドバイザーです。
AIにより大量データを活用し、先を読んだマーケット予測とダイナミックな運用を掛け合わせることでパフォーマンスの向上を目指すロボアドバイザーとのことですが、実際に投資してみた実績などを公開します。
ROBOPRO(ロボプロ)の投資実績は?
ROBOPRO(旧FOLIO ROBO PRO)に2020年7月8日に10万円投資をし、2022年4月より毎月1万円積立していますが、投資実績の推移は下記となっています。
配当・分配金、売買代金などを含めると約3年10ヵ月で約21.8%なので、年利にすると約7.6%と良好な成績となっています。
ポートフォリオの現時点(2024年6月)での詳細は下記のようになってます。
比率 | 含み損益 | ||
株式 | ー | ー | ー |
債券 | 米国債券(BND) | 35.64% | 4.12% |
不動産 | 米国リート(IYR) | 34.04% | 1.83% |
コモディティ | 金(GLD) | 29.20% | 24.34% |
現金 | 1.11% |
株式へ資金を割り振らず、債券や不動産、コモディティに大体同じくらいの比率にするといった大胆な割り振りとなっていて、過去最高値水準を推移している金の比率も29%と比較的高く含み益も多くなっています。
なかなか個人でこのような大胆なポートフォリオに変更するのは難しいですが、ROBOPROなら40以上のマーケットデータから相場を先読みして必要であればダイナミックにポートフォリオを変更してくれます。
ROBOPROは、一般的のロボアドバイザーとは異なりかなりダイナミックにポートフォリオを入れ替えるので、今後どのようなポートフォリオとなっていくのか見守りたいと思います。
>> ROBOPRO(ロボプロ)(公式サイト)
ROBOPRO(ロボプロ)と一般的なロボアドの実績を比較すると?
一般的なロボアドバイザーとは、ノーベル賞を受賞した現代ポートフォリオ理論に基づいた、平均分散法をベースとし、運用手数料を税込1.1%と想定した場合の実績との比較となります。
ROBOPROがリリースされた2020年1月15日から2024年2月末までのパフォーマンスでは一般的なロボアドと比べると約+11%、TOPIXと比較すると約+21%のプラスのリターンとなっています。
ただ、直近1年では一番パフォーマンスが悪くなっています。
AIが様々な指標から先読みしてはいますが、このようにパフォーマンスが振るわない時もあります。
ただ、リリース来の動きを見てる限りは相場が大きな下落局面でもうまく配分比率を変更して下落を抑制できたり安定的な値動きとなっています。
ROBOPROはリリース来約4年3ヵ月で80.06%と年率約18.8%の実績を上げながら、投資家は一切ほったらかしで運用を任せることができます。
>> ROBOPRO(ロボプロ)(公式サイト)
ROBOPRO(ロボプロ)とは?
FOLIOのROBOPRO(ロボプロ)は、金融機関のみに提供されていたAlpacaJapan社のAI技術を個人向けに利用し、ETFを投資対象とした他のロボアドバイザー同様に国際分散投資が行え、資産運用をすべて自動化したサービスでロボアドバイザーで下記のような特徴があります。
- 手数料は税込1.1%
- 最低投資金額は10万円からで、毎月1万円からの自動積立も可能
- リバランスは月に1回
手数料は税込1.1%(※)、最低投資金額は10万円からと他のロボットアドバイザーと比べても特段違いはないのですが、AIを活用して相場を先読みしポートフォリオ(資産配分)をダイナミックに変更するといった特徴があります。
※運用額が3000万円を超える部分には、年率0.55%(税込)の割引料率が適用される
ROBOPROを運営する株式会社FOLIOはROBOPRO以外にも運用をおまかせできる従来型のロボアドバイザー「おまかせ投資」なども提供しています。
また、ROBOPROを提供している株式会社FOLIOはネット証券No1のSBI証券などを有するSBIホールディングスのグループ会社です。
ROBOPRO(ロボプロ)のメリットとは?
長期だけでなく短期でもパフォーマンス向上を目指す
従来のロボアドバイザーは、1つの運用ロジック(現代ポートフォリオ理論)に従って、ポートフォリオを作成し、市況の変化に合わせてそのバランスが崩れないように調整するので、大体株式や債券などは同じ比率をキープする運用となっています。
ROBOPRO(ロボプロ)は、AIによって先行指標の分析等によって相場を先読みして毎月ダイナミックなリバランスを行うことによって従来のロボアドバイザーが対応していなかった、積極的な利益の追及や損失の軽減を目指すサービスとなっています。
従来のロボアドバイザーでは各資産の配分を決めたら、その比率を維持するような運用となりますが、ROBOPRO(ロボプロ)では、もし事前に株価が値下がりすることが見込まれるなら、株式の比率を下げて、債権の比率を上げれば影響を緩和できますが、どのタイミングでどの資産の比率を増減させるのかの判断にAIを活用しています。
過去の投資配分を見るとダイナミックに比率を変動させていることがわかります。
ROBOPRO(ロボプロ)のAIの特徴とは?
- 世界各国の40以上のマーケットデータを活用し、相場の先を読む
- AIを使って、膨大なデータを効率的かつ正確に分析
- パフォーマンスの最大化を目指し、投資配分を大胆に変更する
従来のロボアドバイザーで採用されている現代ポートフォリオ理論では、各資産の期待リターンとリスクを推定し、リターンを最大化しつつリスクを最小化するものですが、リターンの予測は難しいにもかかわらず、すべての資産の期待リターンを指定する必要があり、その期待リターンのわずかな変化でポートフォリオが大きく変わってしまうという問題点があります。
ROBOPRO(ロボプロ)では、この問題点を回避するために、ブラック・リッターマンモデルを採用しています。
ブラック・リッターマンモデルでは、すべての資産の期待リターンを指定せずに現在の市場の時価総額と推定リスクから市場が想定している期待リターンを逆算し、その期待リターンに、マーケットデータを学習したAIから導かれたリターン予測を、ベイズ推定を用いてブレンドし、各資産のリターン予測を更新します。
ここで算出されたリターン予測とリスクを用いて平均分散法でポートフォリオのバランスを決定していて、以下のような運用プロセスを行っています。
運用プロセス
- 世界各国の株式指数や債券・通貨など40種類以上のマーケットデータなどを収集し、統計的処理によって膨大な量のデータを計算
- 特徴量から機械学習の技術を用いて大量の予測スコアを生成して厳選
- 厳選された予測スコアをさらに厳密に評価して、平均精度が高く、かつ性能のばらつきが少ない予測スコアを採用
- 採用された予測スコアから期待リターンを推定し、マーケットリスクも考慮した上で最適な資産配分を計算。
ROBOPRO(ロボプロ)では、従来のロボアドバイザーで採用されている現代ポートフォリオ理論の問題点でもあり、算出するのが難しい各資産のリターンを予測することにAIを使った点が他のロボアドバイザーと大きく異なるポイントです。
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誰でも気軽にほったらかし投資ができる
ROBOPRO(ロボプロ)は10万円の初期投資があればだれでも始めることができます。
運用を始めてしまえばあとはAIが自動で相場を先読みし、株式や債券、コモディティ(金など)へ最適な比率で分散投資を行ってくれるので、投資家は運用成績の確認を行うだけです。
投資を始めるにあたって投資の知識や経験は必要なく、誰でも同じ運用成績を出すことが可能です。
強固なセキュリティ体制と資産保全対策
ROBOPRO(ロボプロ)では、データ送受信は256bit SSL通信で暗号化され、データ保管時も暗号化したセキュリティ対策を実施しています。
また、金融ISACやJPCERT/CC早期警戒網など外部機関と連携し、セキュリティ体制を敷いています。
ROBOPRO(ロボプロ)を運営する株式会社FOLIOでは、投資家から預かっている有価証券や預かり金は法令に従い「分別保管」を行っているので、もし株式会社FOLIOが倒産したとしても資産は投資家に返還されます。
さらに、日本投資者保護基金に加盟しているので、破綻証券会社が顧客資産の流用など分別保管のルールを遵守していなかった場合など、投資家一人につき1,000万円を上限として補償してくれます。
ETFの分配金は自動で再投資される
ROBOPRO(ロボプロ)の投資対象であるETFは銘柄によって分配金が出ますが、通常ETFに投資する場合は分配金はそのまま受け取るか、再投資する場合には手動で行う必要があります。
ROBOPRO(ロボプロ)は、リバランス時に今まで得られた分配金も含めてリバランスされるので自動で分配金が再投資され複利効果が期待できます。
最初は小さな利益でも投資期間が長ければ長いほど複利効果は大きくなるので、長期の資産形成に寄与してくれます。
長期積立すれば特典がある
ROBOPRO(ロボプロ)では、長期・積立投資を応援するための特典があります。
積立投資の継続回数が一定回数(最低15回)を超えると、3か月に一度自動で抽選を受けることができるようになります。
当選すると、直前の過去3か月分の手数料の一部または全部についてキャッシュバックを受けることができます。
キャッシュバック率は積立回数に応じて変動します。
ただ、積立を止めてしまうと継続回数は0回となり再スタートとなる点は注意してください。
特定口座に対応
ROBOPRO(ロボプロ)では、設定の際に「特定口座(源泉徴収あり)」を選ぶことができるので、収益があった場合でも税金の計算や徴収、納付を自動で行ってくれるので、原則、確定申告は不要となります。
ただし、損失が出た場合の損失繰越控除を行う場合や、他社の損益と通算する場合には確定申告が必要であったり、給与所得者や年金所得者で利益が年間20万円以下の場合は申告・納税が原則不要にもかかわらず税金が引かれてしまうといった点について認識しておく必要があります。
また、ROBOPRO(ロボプロ)が投資するのは海外ETFのため、分配金は米国と日本で二重課税されてしまっているので、確定申告で一定の金額を所得税の額から差し引くことができる外国税額控除を利用することができます。
参考 外国税額控除については下記のサイトでわかりやすく説明してくれています。
>> ROBOPRO(ロボプロ)(公式サイト)
ROBOPRO(ロボプロ)のデメリットは?
NISAには対応していない
NISAとは、毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度ですが、ROBOPRO(ロボプロ)はNISAには対応していません。
NISAでは年間投資枠が決まってますが、ROBOPRO(ロボプロ)は「機動的に投資配分を変更する」という特徴を持つため、一般的なロボアドバイザーと比較すると、毎月の売買額が膨らみやすい傾向にあり、比較的早いペースで年間投資枠が埋まってしまうことが想定されます。
そのため、ROBOPRO(ロボプロ)ではNISAへの対応は難しいとのことです。
※「ROBOPROを提供するFOLIOにおける「新NISA」への対応」
AIの実力は未知数
AIは、コンピューターや技術の発展により、例えば各国の株式や債券、通貨、先物などの時系列データといった膨大なデータを読み込み、人間では不可能な各数値の関係を分析するといったことが可能になっています。
しかし、あくまでAIが参照しているのは過去のデータなので、過去に起きたことがないような有事の際には予測精度が低下することが想定され、AIを利用しているからといっても決して万能ではない点は理解しておく必要があります。
またROBOPROのAIは、市場の傾向や変動要因の分析・学習を定期的に行うため、その分析と予測の精度は、年月の経過に合わせてさらなる向上が期待できそうです。
リスク許容度が選べない
従来のロボアドバイザーではいくつかの質問を答えることによって、その人のリスク許容度(どの程度の損失に耐えられるか)が設定され、それによってリスクが高い商品や低い商品の比率が決定されます。
例えば、下落相場となった時にリスク許容度を超えてしまうと、これ以上の損失を回避するために売却して損失を確定してしまうようなことがあります、
そのためリスク許容度にあったポートフォリオを設定することが重要となってきますが、ROBOPROでは、リスク許容度に応じたポートフォリオは設定することができません。
ROBOPRO(ロボプロ)で30年間資産運用を続けると?
以下はROBOPRO(ロボプロ)での運用スタート時に100万円投資し、その後月々3万円を積み立てて、30年後にどう変化するかをシミュレーションしたグラフです。
最新の運用戦略を使用して2012/1/4~2020/1/14まで運用を行ったと仮定したバックテストを行った結果と、2020/1/15~2020/12/30までの実績パフォーマンスを繋ぎ合わせた9年間の運用パフォーマンスから算出されています。
投資元本は30年間で1,180万円ですが、90%の確率で約3,000万円、50%の確率で約5,000万円まで資産が増える可能性があるとのことです。
老後の2,000万円問題が一時期話題になりましたが、25年運用できれば90%の確率で2,000万円を貯めることが出来そうです。
>> ROBOPRO(ロボプロ)(公式サイト)
ROBOPRO(ロボプロ)の口座開設の流れ
ROBOPRO(ロボプロ)の口座開設は下記の3ステップと簡単に口座開設することができ、スマホだけで完結し、最短翌営業日には口座開設が完了します。
まだ口座を持っていなければROBOPRO(ロボプロ)の公式サイトにアクセスし、「口座開設を申し込む」を押下して始めていきます。
マイナンバー(個人番号)カードまたは運転免許証で本人確認に「スマホで完結、本人確認」を利用する場合は、最短翌営業日には口座開設が完了しますが、それ以外の場合は「ウェルカムレター」を受けとることで口座開設は完了します。
口座開設時には本人確認書類と銀行の口座番号が必要なので、事前に準備しておきましょう。
まとめ
ROBOPRO(ロボプロ)は、金融機関のみに提供されていたAlpacaJapan社のAI技術を個人向けに初解禁し、ETFを投資対象としたロボアドバイザーで、下記のような特徴、デメリットが挙げられます。
ROBOPRO(ロボプロ)のメリット
- 長期だけでなく短期でもパフォーマンス向上を目指す
- 誰でも気軽にほったらかし投資ができる
- 強固なセキュリティ体制と資産保全対策
- ETFの分配金は自動で再投資される
- 長期積立すれば特典がある
- 特定口座に対応
ROBOPRO(ロボプロ)のデメリット
- NISAには対応していない
- AIの実力は未知数
- リスク許容度が選べない
ROBOPRO(ロボプロ)も従来のロボアドバイザー同様に国際分散投資が行え、資産運用をすべて自動化したサービスで、さらに、従来のロボアドバイザーより一歩踏み込んでAIを活用し、長期だけでなく短期的なパフォーマンス向上が期待できます。
従来のロボアドバイザーより、AIを活用したマーケット予測×ダイナミック運用で、積極的な利益の追求や損失の軽減を期待したいなら検討してみてください。
>> ROBOPRO(ロボプロ)(公式サイト)