楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)は全世界の株式に分散投資できるインデックスファンドです。
日本を含む先進国と新興国49ヵ国の大型株・中型・小型株に幅広く分散投資ができる米国ETFのバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)に当ファンドを通じて投資するファンドですがどんな内容か確認してみました。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドの特徴とは?
基本概要
ファンド名 | 楽天・全世界株式インデックス・ファンド |
運用会社 | 楽天投信投資顧問 |
ベンチマーク | FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース) |
為替ヘッジ | なし |
インデックスファンド | 〇 |
ファンドの仕組み | ファミリーファンド |
購入時手数料 | なし |
信託報酬(税込) | 0.132%+0.06%(投資対象ファンドの信託報酬等)=0.192% |
実質コスト(税込) | 0.218% |
信託財産留保額 | なし |
純資産残高 | 約4,600億円 |
分配金利回り | ー |
NISA | つみたて投資枠・成長投資枠対象 |
iDeCo | 楽天証券、松井証券 |
決算 | 年1回(7月15日) |
設定日 | 2017年9月29日 |
償還日 | 無期限 |
投資対象
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは、「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)」の動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。
「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」は日本を含む先進国と新興国49ヵ国の大型株・中型・小型株約10,000銘柄で構成されるインデックスです。
参考 FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスの過去のリターンなどは下記を参照してください。
⇒全世界株式インデックスファンド(投資信託)を比較!おすすめは?
楽天・全世界株式インデックス・ファンドで主に投資している「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」のないようですが、米国への比率が約6割と一番比率が高く、次いで日本や英国、カナダの比率が高くなっていて、業種別ではテクノロジーが約25%の比率と高くなっています。
※引用:楽天・全世界株式インデックス・ファンド「月報(2024年2月末)」
組入上位10銘柄は、米国の大手IT企業が上位を多く占めています。
※引用:楽天・全世界株式インデックス・ファンド「月報(2024年2月末)」
ファンドの仕組み
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは、ファミリーファンド方式で運用され、実質的な運用は楽天・全世界株式インデックス・マザーファンドにて行われます。
マザーファンドは、「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」を主要投資対象としていましたが、「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」と「バンガード・トータル・インターナショナル・ストックETF(VXUS)」の2つを追加しています。
「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)」の動きに連動する投資成果を達成しながら運用パフォーマンスのさらなる改善を目的として追加したようです。
今後は追加した2つのETFの比率を高め、中長期的に「実質的に負担いただく運用管理費用」の引き下げを期待できるとのことです。
※楽天投信投資顧問「「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」投資対象銘柄(組入れETF)の追加について」
直近ではVTとVTI+VXUSの比率は同じくらいまで比率を高めています。
投資対象ファンドの概要は下記となりますが、「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)」との連動を高められるか確認が必要です。
参考 【VT】バンガード・トータル・ワールド・ストックETFの評価って?利回りや配当金はどのくらい?
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
購入時手数料 | なし |
信託報酬(税込) | 0.132%+0.06%(投資対象ファンドの信託報酬等)=0.192% |
実質コスト(税込) | 0.218% |
信託財産留保額 | なし |
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは、マザーファンドを通じて複数のETFに投資を行っているので、通常の信託報酬以外に投資対象のETFにも信託報酬がかかります。
その両方を加味した実質的にかかる信託報酬は0.192%となります。
分配金
本ファンドは設定来一度も分配金が出ていないので効率的な運用がされています。
ファンドで投資している株式や債券などから得られた利子や配当、売買益などを分配せず、さらに運用に回すことにより複利効果が期待できます。
新NISA及びiDeCoの対応状況
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは新NISA(2024年以降)の「つみたて投資枠」「成長投資枠」の両方の対象となるので好きなほうを選んで投資することができます。
参考 金融庁「新しいNISA」
また、iDeCoで取り扱いがあるネット証券もあり、NISAと合わせると主要ネット証券の対応状況は下記となります。
参考 NISAとiDeCoの違いの比較については下記も参考にしてみてください。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドのパフォーマンスは?
過去の運用成績(リターン・リスク)
1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) | |
トータルリターン | 33.38%(95位) | 18.54%(76位) | 16.75%(56位) | –(–) |
リスク(標準偏差) | 12.34(106位) | 13.88(74位) | 16.30(66位) | –(–) |
シャープレシオ | 2.71(55位) | 1.34(74位) | 1.03(40位) | –(–) |
対象ファンド数※ | 355本 | 277本 | 202本 | — |
※:「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジ無し)」カテゴリ
過去5年で見ると同一カテゴリに分類されている202本の投資信託の中で、トータルリターンは56位と平均よりは良好なパフォーマンスとなっています。
ベンチマークとの比較
ファンド | ベンチマーク | |
1ヶ月 | +4.9% | +5.0% |
3ヶ月 | +12.3% | +12.5% |
6ヶ月 | +13.7% | +14.1% |
1年 | +33.4% | +34.2% |
3年 | +66.6% | +68.3% |
設定来 | +123.0% | +133.0% |
※楽天・全世界株式インデックス・ファンド「月報(2024年2月末)」
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
インデックスファンドなので、ベンチマークから信託報酬(実質コスト)を差し引いたくらいのパフォーマンスとなっていることが理想ですが、信託報酬(実質コスト)以上の乖離が見られます。
運用報告書にはベンチマークとの差異の要因は、信託報酬等のコスト以外に投資先ETFからの分配金に対する課税、継続的な資金流出入に伴う投資先ETFの売買執行コストの積み重なりを上げています。
ちょっと気になるのが、投資先ETFの売買執行コストが積み重なって実質コストがかかっているなら運用面での改善がされない限りベンチマークとの乖離がどんどん大きくなりそうです。
基準価額・純資産残高の推移
※引用:楽天・全世界株式インデックス・ファンド「月報(2024年2月末)」
ファンドの純資産残高は設定来右肩上がりに推移していて、順調に純資産残高を増やしています。
毎月の資金流出入額を確認しても、資金流入が続き、直近はやや伸び悩んでますが人気がある投資信託です。
類似ファンドと比較すると?
「FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス」をベンチマークとする低コストなインデックスファンドを比較したのが下記となっています。
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト (税込) | マザーファンド規模 (百万円) | 純資産残高 年間増加額 (百万円) | 1年間の リターン |
---|---|---|---|---|---|
SBI・全世界株式インデックス・ ファンド | 0.1102% | 0.124% | 79,462 | +76,201 | 29.45% |
SBI・V・全世界株式インデックス・ ファンド | 0.1338% | 0.16304% ※1 | 18,779 | +16,549 | 29.38% |
楽天・全世界株式インデックス・ ファンド | 0.192% | 0.218% | 322,902 | +165,383 | 29.31% |
※1:直近運用報告書から年率換算した参考値
参考 全世界株式インデックスファンド(投資信託)を比較!おすすめは?
信託報酬は、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」が最安値で、実質コストも「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」が調査時点では低コストとなっていそうです。(ただし、実質コストは固定ではなく運用状況により変動します)
純資産残高年間増加額は「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の方が多く、より人気とはなっていますが、1年間のリターンは「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」の方がパフォーマンスが良かったです。
ただ、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」は厳密には「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」への連動性はやや低そうなので、「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」への連動を重視するなら「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」の方が良さそうです。
評価・まとめ
楽天・全世界株式インデックス・ファンドの特徴としては下記となります。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドの特徴
同じベンチマークであれば「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」の方が低コストで、直近1年のパフォーマンスも良好です。
また、ベンチマークは異なりますが、同じ日本を含む全世界の現物株式に分散投資し、低コストな「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」なら100円から投資できます。
参考 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の評価・評判は?利回りや実質コストは?
楽天・全世界株式インデックス・ファンドを購入するのにおすすめの証券会社は?
投資信託はネット証券なら投資信託を保有しているだけでポイントが貯まり、積立するならクレジットカードを利用すればさらにポイントが貯まるのでお得です。下記のネット証券なら新NISA口座もポイント還元の対象です。
楽天・全世界株式インデックス・ファンドのポイント還元率は下記となっています。
参考 投資信託でポイントが貯まるネット証券を比較!おすすめはどこ?
松井証券 | SBI証券 | マネックス 証券 | auカブコム 証券 | |
投資信託保有時 ポイント還元率 | 0.05% | 0.05% | 0.03% | 0.005% |
投資信託保有時 付与されるポイント | 松井証券ポイント | ・Tポイント ・Pontaポイント ・dポイント ・JALのマイル ※1 上記のいずれか | マネックスポイント | Pontaポイント |
クレカ積立 ポイント還元率 | ー | 0.5~5.0% 三井住友カード | 1.1% マネックスカード | 1% auPayカード |
クレカ積立 付与されるポイント | Vポイント | マネックスポイント | Pontaポイント |
※楽天証券は投資信託保有時のポイント付与が条件達成時の一度のみなので対象外
※1:JALのマイルの場合は記載還元率の半分
松井証券(公式サイト)はクレカ積立に対応していませんが、投資信託保有時のポイント還元率は最高水準となっています。
クレジットカード積立のポイント還元率は、年会費がかかるカードであれば SBI証券が最高水準ですが、実質年会費がかからない一般カードであればマネックス証券が最高水準です。
投資信託保有時のポイント還元率は最高水準の松井証券
信託報酬が低コストな投資信託も投資信託保有時のポイント還元率は業界最高水準です。他社で買い付けた投資信託を松井証券へ移管する際には実質無料で移管することができます。
還元される松井証券ポイントは、PayPayポイントやdポイントなどに交換することができます。
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
一般カードのクレジットカード積立でポイント還元率が最高水準のマネックス証券
クレジットカード積立を利用するならトータルのポイント還元率が業界最高水準なのがマネックス証券です。
クレジットカード積立で必要なマネックスカードは、初年度の年会費は無料、次年度以降の年会費550円(税込)ですが、年間に1回以上のクレジットカードの利用で無料になり、マネックスカードによる投信つみたてもカード利用の対象となります。
還元されるマネックスポイントは下記のように様々な用途に利用することができます。
- 投資信託の購入
- 株式手数料に充当
- 暗号資産(ビットコイン・イーサリアム・リップル)
- 他のポイントへの交換(dポイント・Tポイント・Pontaポイント・nanaco・waonポイント・ANAのマイル・JALのマイル・Amazonギフトカード)
- 日本赤十字社などへの寄付
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
保有残高によるポイント還元率が高くクレカ積立でもポイント還元されるSBI証券
投資信託の保有残高によるポイント還元率は、低コストな投資信託でも松井証券と同レベルのポイント還元率です。
クレジットカード積立で一般カードだと還元率は低いですが、ゴールドカードは年間で100万円以上利用すれば翌年以降の年会費永年無料となるので条件クリアできそうであればゴールドカードの方がおすすめです。(ただしクレジットカード積立は集計対象外です)
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
Pontaポイントを貯めるならauカブコム証券
投資信託の保有残高によるポイント還元は低いのですが、クレジットカード積立によるポイント還元率は1%と還元率は高いです。
スマホでauを利用していると貯めやすいPontaポイントが貯まり、auじぶん銀行と連携すれば普通預金の金利が年率0.1%となり、au Payなどとも連携すれば0.2%になるメリットがあります。
またauマネ活プランに入ればauじぶん銀行の普通預金の金利が最大0.3%になったり、クレジットカード積立によるポイント還元率が最大3%と優遇されます。
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
楽天ポイントを貯めるなら楽天証券
楽天証券では、保有残高によるポイント還元率が「一定の残高をはじめて達成した場合」のみポイントが還元されるルールに変更され、保有残高によるポイント還元はほぼなくなりました。(一部のファンドは保有残高によるポイントが還元される)
また、楽天証券ではクレジットカード積立だけでなく楽天キャッシュを利用してもポイント還元が受けられ併用することが可能です。
通常設定可能上限は5万円/月ですが、併用することで10万円/月までポイント還元を上けることが可能です。
楽天ポイントは楽天経済圏では貯めやすく、様々なサービスで利用できるので、楽天ポイントを貯めたい方は楽天証券という選択肢もあるかと思います。
NISA口座も同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
今利用している証券会社から他の証券会社に投資信託などは移管することが可能です。
通常は移管元の証券会社で手数料が必要になりますが、下記のネット証券なら移管元で支払った移管手数料をキャッシュバックしてくれるので実質無料で移管することができます。また、他社で購入した投資信託もポイント還元の対象となります。
その他下記の証券会社でも購入できます。
>> GMOクリック証券
投資信託の基準価額(投資信託の値段)が日本円で表示されていても、海外に投資する投資信託であれば為替の影響は基本的には避けることができません。
投資信託の購入時より円安ならば利益となりますが、円高となると為替は損失となるので投資信託を通じて購入している海外の株式等が値上がりしても利益を押し下げる要因となります。
そんな為替変動リスクを追加資金なしで小さくできるのがauカブコムFXです。
auカブコムFXはauカブコム証券で保有している株式だけでなく投資信託も担保にFXの取引が可能なので、追加で資金は必要なくFXを利用して為替ヘッジを行うことができます。(掛目の70%をFXの証拠金として利用できる)
円高が気になるなら検討してみてください!
投資信託に投資するのにおすすめの証券会社は?
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参考 【投資信託】ネット証券おすすめ比較ランキング!お得な口座は?
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