楽天・全米株式インデックス・ファンドは楽天投信投資顧問とバンガード社が立ち上げた楽天・バンガード・ファンドシリーズの全米の株式に分散投資できるインデックスファンドです。
米国株式市場をほぼ100%カバーするバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)に当ファンドを通じて投資するファンドですがどんな内容か確認してみました。
目次
楽天・全米株式インデックス・ファンドの特徴
投資対象
楽天・全米株式インデックス・ファンドは米国株式市場の動きをとらえることを目指して、「CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)」に連動する投資成果を目指し、米国株式市場の大型・中型・小型株に分散投資を行うのと同等の成績が期待できるインデックスファンドです。
「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」は、米国株式市場の大型・中型・小型株約3,600銘柄で構成され、米国株式市場をほぼ100%カバーするインデックスです。
米国市場のインデックスと言えば、NYダウやS&P500がありますが、NYダウは30銘柄、S&P500は500銘柄で主に大型・中型銘柄を対象としていますが、「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」は構成銘柄数が多く小型株までカバーするのが特徴です。
※下記は楽天・全米株式インデックス・ファンド「月報(2019年4月)」からの情報です。
業種別構成比
組入上位10銘柄
※組入銘柄数:3,588銘柄
ファンドの仕組み
楽天・全米株式インデックス・ファンドはファミリーファンド方式で運用され、実質的な運用は下記の楽天・全米株式インデックス・マザーファンドにて行われます。
楽天・全米株式インデックス・マザーファンドは、「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」をベンチマークとするバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)へ投資を行います。
参考 バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)の評価って?利回りはどのくらい?
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
購入時手数料 | なし |
信託報酬(税込) | 0.1296%+0.03%(VTIのコスト)=0.1596% |
実質コスト(税抜) | 0.293% |
信託財産留保額 | なし |
実質コストは第1期運用報告書(2017年9月29日~2018年7月17日)より年率換算し、VTIのコスト引き下げ後を加味すると0.293%程度となりそうです。
分配金
分配金は出されておらず、効率的に運用がされています。
つみたてNISA(積立NISA)・iDeCo対応状況
楽天・全米株式インデックス・ファンドはつみたてNISA対象商品で、つみたてNISAやiDeCoを利用できる主なネット証券は下記となっています。
参考 NISA、つみたてNISA(積立NISA)、iDeCoの比較については下記も参考にしてみてください。
⇒ NISA・つみたてNISA(積立NISA)・iDeCoを比較!どれがおすすめでお得?過去の運用成績(リターン・リスク)
リターン・リスク
1年 | |
リターン | 3.41%(77位) |
リスク(標準偏差) | 20.62(78位) |
シャープレシオ | 0.17(74位) |
対象ファンド数※ | 205本 |
※:「国際株式・北米(為替ヘッジ無し)」カテゴリ
基準価額騰落率
ファンド | ベンチマーク | |
1ヶ月 | +4.7% | +4.7% |
3ヶ月 | +12.1% | +12.2% |
6ヶ月 | +8.5% | +8.8% |
1年 | +13.1% | +13.6% |
設定来 | +16.2% | +17.8% |
※楽天・全米株式インデックス・ファンド「月報(2019年4月)」より
※ファンド設定日は2017年9月29日
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
基準価額・純資産残高の推移
所感
ファンドが設定されてから約2年近くが経過しましたが、ベンチマークとの乖離が発生しています。
運用報告書によると信託報酬以外には、マザーファンドにおける継続的な資金流出入に伴う投資先ETFの売買執行コストの積み重なりや投資先ETFからの分配金に対する課税などが上げられています。
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018」では実質コストがやや高めといことが明らかになっても4位に入る人気があるファンドで、次回決算時の実質コストが注目されています。
参考 【最新】投資信託ランキング!個人投資家が選ぶ人気のファンドは?
純資産残高も右肩上がりに増えていて、一時期ほどの伸びはないものの着実に純資産残高を増やしています。
当ファンドの情報
- ベンチマーク:CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)
- 為替ヘッジ:なし
- 購入時手数料:無料
- 信託報酬(税込):0.1596%(実質コスト:0.293%)
- 信託財産留保額:なし
- 純資産残高:約440億円
- 分配金利回り:なし
- 決算:年1回(7月15日)
- 買付単位:100円以上1円単位、積立も100円から(SBI証券)
- 償還日:無期限(設定日:2017年9月29日)
- つみたてNISA:対象
- iDeCo:楽天証券で取り扱いあり
楽天・全米株式インデックス・ファンドとVTIとの違いは?
楽天・全米株式インデックス・ファンドは、海外ETFであるバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)を主要投資対象としていますが、海外ETFとしてVTIを直接購入することも可能で、下記のような点が異なります。
VTI | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | |
最低投資金額 | 約16,000円 (2019年6月時点) | 100円 |
自動積立 | 〇(SBI証券のみ) | 〇 |
手数料 | 売買手数料+為替手数料 | なし |
通貨 | ドル建て | 円建て |
保有時のコスト | 0.03% | 0.1596%+その他費用 |
分配金再投資 | × | (分配金がでなければ) ファンド内で自動で再投資 |
外国税額控除の適用 | 〇 | × |
※SBI証券の「米国株式・ETF定期買付サービス」なら米国ETFも自動積立が可能となりました。
参考 米国株式・ETF定期買付サービスとは?NISAを有効に活用するには?
バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)の方は、手数料がかかるので低額からの投資では不利となりますが、一括である程度購入するのであれば保有時のコストは安いので、分配金をもらいながら株価上昇に期待するのに向いています。(分配金は米国での課税(10%)と国内での課税(20.315%)の二重課税となっているので外国税額控除を行えば米国での課税(10%)は、所得に応じて一定の金額を所得税から差し引くことができます)
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは保有時のコストは高いですが、100円から自動積立でき、分配金がでなければファンド内で分配金も運用されるので手間がかからず投資ができるのがメリットです。
評価
楽天・全米株式インデックス・ファンドは、海外ETFであるバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)を通じてCRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目指し、米国株式市場の大型・中型・小型株約3,600銘柄で構成され、米国株式市場をほぼ100%カバーするインデックスファンドです。
海外ETFのVTIへ直接投資することも可能ですが、楽天・全米株式インデックス・ファンドは100円から投資可能で自動積立にも対応し、(分配金がでなければ)ファンド内で自動で再投資してくれるメリットがあります。
デメリットは、保有時のコストはVTIと比較すると割高で分配金の外国税額控除が適用できない点があります。(まだ決算を迎えていないので実質コストが不明というリスクもあります)
ただVTIへ投資する際には、売買手数料+為替手数料が必要となるので、低額での投資では手数料が割高となってしまうので、ある程度の金額を一括投資し分配金を再投資しないといった方以外は楽天・全米株式インデックス・ファンドの方が手間がかからないといったメリットがあります。
楽天・バンガード・ファンドシリーズでは、米国だけでなく先進国や新興国を含む47ヶ国の約8,000銘柄で構成され、全世界の投資可能な市場時価総額の98%以上をカバーする「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」というファンドもあります。
参考 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)の評価って?利回りや実質コストは?
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>> マネックス証券(詳細解説)
>> auカブコム証券(詳細解説)
>> 松井証券(詳細解説)
>> GMOクリック証券
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参考 口座開設時に必ず選ぶ特定口座については下記も参考にしてみてください。
⇒ 特定口座とは?証券会社の口座種類のまとめ!結局どれがいい?
投資信託で失敗しない証券会社選び!
これから投資信託で資産運用を始める方は、ネット証券選びで失敗しないようにこちらも参考にしてみてください。
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