新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)は米国のリート(不動産投資信託)に分散投資ができ、毎月分配金が貰えるアクティブファンドです。
過去は人気が高く純資産残高が1兆円を超えていたファンドですが、毎月分配型ファンドが人気がなくなり資金流出が続いたファンドですが、直近の状況について確認してみました。
※新光US-REITオープンには毎月分配型、年1回決算型、隔月決算型がありますが、当記事では毎月分配型を対象としています。
新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)の特徴とは?
基本概要
ファンド名 | 新光US-REITオープン |
運用会社 | アセットマネジメントOne |
ベンチマーク | ー |
為替ヘッジ | なし |
インデックスファンド | × |
投資形態 | ファンド・オブ・ファンズ |
購入時手数料(税込) | 上限3.3% |
信託報酬(税込) | 1.683% |
実質コスト(税込) | 1.695% |
信託財産留保額 | 0.1% |
純資産残高 | 約4,400億円 |
分配金利回り | 16.8% |
NISA | 対象外 |
iDeCo | 取扱いネット証券なし |
決算 | 毎月17日 |
設定日 | 2004年9月30日 |
償還日 | 2034年9月5日 |
投資対象
新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)は、米国のリート(不動産投資信託)に分散投資を行い、市場平均よりも高い水準の配当収益の確保と長期的な値上がり益の獲得を目指した運用を行うアクティブファンドです。
特にベンチマークは設定されていませんが、参考指標として「FTSE NAREIT Equity REITs インデックス(配当込み)」が月次レポート等に記載されているので、「FTSE NAREIT Equity REITs インデックス(配当込み)」を市場平均とみなしていると考えられます。
新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)は償還日が決まっていて、基本的には償還日で運用は終了し、償還日時点の純資産総額を保有口数で割った償還金が投資家に返還されます。(新光US-REITオープンは過去に償還日を延長しています)
業種別比率では産業施設や通信、住居といったセクターの比率が高くなっています。
※引用:新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)「月報(2024年2月末)」
28銘柄に投資をしていて、上位10銘柄が約6割の比率となっています。
※引用:新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)「月報(2024年2月末)」
ファンドの仕組み
新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)はファンド・オブ・ファンズ方式で運用されます。
また、US-REITの運用は世界的な独立系運用会社の一つであるインベスト・リミテッドの一員であるインベスコ・アドバイザーズ・インクに運用の指図に関する権限を委託しています。
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
購入時手数料(税込) | 3.3%を上限 |
信託報酬(税込) | 1.683% |
実質コスト(税込) | 1.695% |
信託財産留保額 | 0.1% |
分配金
新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)の分配金の推移は下記となっていて、分配金利回りは16.8%となっています。
運用報告書の分配原資の内訳は下記のようになっていて、ファンドで得た利益(当期の収益)より分配金が多いタコ足配当となっています。
新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)の構成銘柄の配当利回りは3.84%となっているのに対し、分配金利回りが16.8%となっているのでその差額は元本を切り崩して分配金を支払っているということになります。
参考 投資信託の分配金利回りランキングはあてにならない?日本証券業協会からの注意喚起とは?
実際の配当利回り以上の分配金を出せば出すほど元本が減り、その分将来得られる利益が減少することになるので、長期での資産形成には向かないファンドと言えます。
新NISA及びiDeCoの対応状況
新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)はNISA対象外で、iDeCoでも取り扱っているネット証券はありません。
参考 NISAとiDeCoの違いの比較については下記も参考にしてみてください。
新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)のパフォーマンスは?
過去の運用成績(リターン・リスク)
年 | 1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) |
トータルリターン | 8.20%(57位) | 12.50%(43位) | 7.81%(35位) | 7.99%(15位) |
リスク(標準偏差) | 18.08(49位) | 18.88(44位) | 18.45(23位) | 16.82(15位) |
シャープレシオ | 0.45(57位) | 0.66(42位) | 0.42(26位) | 0.48(16位) |
対象ファンド数※ | 97本 | 89本 | 84本 | 42本 |
※:「国際REIT・特定地域(為替ヘッジなし)」カテゴリ
同一カテゴリには低コストなインデックスファンドはなく、主にアクティブファンドが中心のカテゴリですが、その中でもパフォーマンスは平均程度といった感じです。
基準価額騰落率
ファンド | |
1ヶ月 | +3.9% |
3ヶ月 | +4.2% |
6ヶ月 | +8.1% |
1年 | +11.2% |
3年 | +51.1% |
5年 | +48.7% |
設定来 | +232.4% |
※新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)「月報(2024年2月末)」より
※ファンド設定日は2004年9月30日
※分配金を再投資した収益率で、購入時手数料および分配金にかかる税金は考慮されてません
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
ベンチマークや参考指標との比較がないので、当ファンドが妥当なパフォーマンスかは不明なので、下記で類似ファンドと比較しています。
基準価額・純資産の推移
※新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)「月報(2024年2月末)」より
新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)は、毎月分配金を出すために元本を削っているタコ足配当となっているので当然ですが基準価額は右肩下がりとなります。
純資産残高は一時期大きく伸ばしましたが、その後は4分の1程度のところで横ばい傾向となっています。
毎月の資金流出入額を確認すると2022年から2023年は資金流入していましたが、資金流出している月の方が多く当ファンドを見限った人も多くいたことが想定されます。
他の類似ファンドと比較すると?
米国のリート(不動産投資信託)に投資を行うファンドで、純資産残高が大きいのが下記の3つのファンドです。
- ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース
- フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)
- 新光US-REITオープン
この3つのファンドの直近3年のトータルリターンを(税引前分配金を再投資した場合)比較したのが下記となります。
(引用元:モーニングスター)
赤がダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース、オレンジがフィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)、青が新光US-REITオープンの過去3年のトータルリターンのチャートです。
直近3年では新光US-REITオープンは他の2ファンドよりパフォーマンスが悪くなっています。
より長期の5年や10年でも他の2つのファンドよりトータルリターンは悪く、投資効率を示すシャープレシオも数値が一番低くなっています。
この3つのファンドでは「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース」が安定的に良いパフォーマンスであったと言えます。
ただ、リスクの大きさを表す標準偏差(価格のブレ幅)の直近1年の値が「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース」が一番大きいのでややリスクは高くなってます。
参考 ダイワ・US-REIT(ダイワUSリートb)の評判ってどう?利回りはどのくらい?
参考 フィデリティ・USリート・ファンドBの評価ってどう?過去の利回りは?
評価・まとめ
新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)は、米国のリート(不動産投資信託)に分散投資を行い、市場平均よりも高い水準の配当収益の確保と長期的な値上がり益の獲得を目指した運用を行うアクティブファンドです。
同一カテゴリには低コストなインデックスファンドはなく、主にアクティブファンドが中心のカテゴリですが、そのカテゴリ内でのパフォーマンスは平均程度といった感じです。
新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)は、毎月分配金を受け取ることができる投資信託ですが、分配金は投資元本を食い潰す「たこ足配当」で償還日も決まっているので、長期的な資産形成には向きません。
生活費の一部を補いたい方にとっては選択肢の一つとなりますが、長期的な資産形成を目的とする場合は、低コストなインデックスファンドを検討することをおすすめします。
また、新光US-REITオープン同様に米国リートに投資し毎月分配金が貰える類似ファンドでは「ダイワ・US-REIT・オープン(毎月決算型)Bコース」の方が過去良いパフォーマンスとなっているので米国リートに投資したいならこちらも検討してみてください。
参考 ダイワ・US-REIT(ダイワUSリートb)の評判ってどう?利回りはどのくらい?
新光US-REITオープンを購入するのにおすすめの証券会社は?
新光US-REITオープンは、購入時手数料がかかる投資信託ですが、下記のネット証券なら購入時手数料が無料です。
さらにネット証券なら投資信託を保有しているだけでポイントが貯まり、積立するならクレジットカードを利用すればさらにポイントが貯まるのでお得です。下記のネット証券なら新NISA口座もポイント還元の対象です。
新光US-REITオープンのポイント還元率は下記となっています。
参考 投資信託でポイントが貯まるネット証券を比較!おすすめはどこ?
松井証券 | SBI証券 | マネックス 証券 |
auカブコム 証券 |
|
投資信託保有時 ポイント還元率 |
0.6% | 0.1% ※1 | 0.08% | 0.05% ※2 |
投資信託保有時 付与されるポイント |
松井証券ポイント | ・Tポイント ・Pontaポイント ・dポイント ・JALのマイル ※3 上記のいずれか |
マネックスポイント | Pontaポイント |
クレカ積立 ポイント還元率 |
ー | 0.5~5.0% 三井住友カード |
1.1% マネックスカード |
1% auPayカード |
クレカ積立 付与されるポイント |
Vポイント | マネックスポイント | Pontaポイント |
※楽天証券は投資信託保有時のポイント付与が条件達成時の一度のみなので対象外
※1:月間平均保有金額1,000万円以上の場合は0.2%
※2:月間平均保有金額100万円以上~3,000万円未満の場合は0.12%、3,000万円以上の場合は0.24%
※3:JALのマイルの場合は記載還元率の半分
松井証券(公式サイト)はクレカ積立に対応していませんが、投資信託保有時のポイント還元率は最高水準となっています。
クレジットカード積立のポイント還元率は、年会費がかかるカードであれば SBI証券 が最高水準ですが、実質年会費がかからない一般カードであればマネックス証券が最高水準です。
投資信託保有時のポイント還元率は最高水準の松井証券
信託報酬が低コストな投資信託も投資信託保有時のポイント還元率は業界最高水準です。他社で買い付けた投資信託を松井証券へ移管する際には実質無料で移管することができます。
還元される松井証券ポイントは、PayPayポイントやdポイントなどに交換することができます。
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
一般カードのクレジットカード積立でポイント還元率が最高水準のマネックス証券
クレジットカード積立を利用するならトータルのポイント還元率が業界最高水準なのがマネックス証券です。
クレジットカード積立で必要なマネックスカードは、初年度の年会費は無料、次年度以降の年会費550円(税込)ですが、年間に1回以上のクレジットカードの利用で無料になり、マネックスカードによる投信つみたてもカード利用の対象となります。
還元されるマネックスポイントは下記のように様々な用途に利用することができます。
- 投資信託の購入
- 株式手数料に充当
- 暗号資産(ビットコイン・イーサリアム・リップル)
- 他のポイントへの交換(dポイント・Tポイント・Pontaポイント・nanaco・waonポイント・ANAのマイル・JALのマイル・Amazonギフトカード)
- 日本赤十字社などへの寄付
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
保有残高によるポイント還元率が高くクレカ積立でもポイント還元されるSBI証券
投資信託の保有残高によるポイント還元率は、低コストな投資信託でも松井証券と同レベルのポイント還元率です。
クレジットカード積立で一般カードだと還元率は低いですが、ゴールドカードは年間で100万円以上利用すれば翌年以降の年会費永年無料となるので条件クリアできそうであればゴールドカードの方がおすすめです。(ただしクレジットカード積立は集計対象外です)
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
Pontaポイントを貯めるならauカブコム証券
投資信託の保有残高によるポイント還元は低いのですが、クレジットカード積立によるポイント還元率は1%と還元率は高いです。
スマホでauを利用していると貯めやすいPontaポイントが貯まり、auじぶん銀行と連携すれば普通預金の金利が年率0.1%となり、au Payなどとも連携すれば0.2%になるメリットがあります。
またauマネ活プランに入ればauじぶん銀行の普通預金の金利が最大0.3%になったり、クレジットカード積立によるポイント還元率が最大3%と優遇されます。
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
楽天ポイントを貯めるなら楽天証券
楽天証券では、保有残高によるポイント還元率が「一定の残高をはじめて達成した場合」のみポイントが還元されるルールに変更され、保有残高によるポイント還元はほぼなくなりました。(一部のファンドは保有残高によるポイントが還元される)
また、楽天証券ではクレジットカード積立だけでなく楽天キャッシュを利用してもポイント還元が受けられ併用することが可能です。
通常設定可能上限は5万円/月ですが、併用することで10万円/月までポイント還元を上けることが可能です。
楽天ポイントは楽天経済圏では貯めやすく、様々なサービスで利用できるので、楽天ポイントを貯めたい方は楽天証券という選択肢もあるかと思います。
NISA口座も同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
今利用している証券会社から他の証券会社に投資信託などは移管することが可能です。
通常は移管元の証券会社で手数料が必要になりますが、下記のネット証券なら移管元で支払った移管手数料をキャッシュバックしてくれるので実質無料で移管することができます。また、他社で購入した投資信託もポイント還元の対象となります。
各資産クラスのインデックスファンドの比較についてはこちら!
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低コストなインデックスファンドでも毎月分配金を得ることは可能!
リートへ投資して毎月分配金を得たいなら、リートへ投資する低コストなインデックスファンド+投資信託の定期売却サービス(無料)を利用するという選択肢もあります。
参考 国内リートインデックスファンド(投資信託)を比較!おすすめは?
参考 海外リートインデックスファンド(投資信託)を比較!おすすめは?
投資信託の定期売却サービスを利用すれば、自動で定期的にファンドの一部を売却してくれるので毎月分配金のように毎月現金を受け取ることが可能です。
また、売却した残りはそのまま運用されることとなるので、資産の寿命を引き延ばすことができ今まで作り上げた資産を有効活用する「投資信託を運用しながら切り崩す」という方法となりますのでこちらも検討してみてください。