S&P500は、米国株式市場の動向を示す代表的な株価指数(インデックス)の一つで、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が身内にすすめたことで話題になりました。
過去ずっと右肩上がりで成長している米国株式市場に気軽に投資ができる株価指数(インデックス)がS&P500ですが、投資信託やETFで投資できますがどういう違いがあるのか紹介します。
参考 投資信託とETFの違いについては下記も参考にしてみてください。
⇒ ETFと投資信託の違いって?投資するならどっちがいいか徹底比較!
S&P500とは?
S&P500(エス アンド ピー ファイブハンドレッド、Standard & Poor’s 500 Stock Index)は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカの代表的な株価指数の一つです。
ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の時価総額を元に算出される時価総額加重平均型株価指数で、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしています。
組入銘柄の時価総額合計を、基準となる一時点での時価総額合計で除算して求める。日本のTOPIXなど世界の多くの株価指数がこの方式を採用している。
単純な株価平均の場合と比較して値がさ株(株価の高い会社の株価)の影響を受けにくいというメリットがあるが、時価総額の高い大型株の割合が大きくなるという問題があり、最近では浮動株基準株価指数への移行が進んでいる。
1957年3月4日にスタンダード&プアーズにより現在の形で算出が開始され、1941年から1943年における平均指数を10として算出されています。
米国株式市場の動向を表す株価指数としてはダウ平均株価も有名ですが、ダウ平均株価は構成銘柄数が30銘柄の株価を単純に株数と除数で割った株価平均型の株価指数です(指数の連続性を確保するため株式分割などの株価変動要因を調整するために除数を調整して算出)。
ダウ平均とS&P500では構成する銘柄の数や、インデックスの算出方法に違いがあり、ダウ平均は株価が高い銘柄(値がさ株)の影響を受けやすく、S&P500は時価総額の大きな銘柄の値動きに影響を受けやすいといった違いがあります。
また、S&P500は長期で見れば右肩上がりとなっていて、日経平均と比較した約30年間の過去のチャートは下記となっています。
(引用元:Yahooファイナンス)
赤がS&P500、青が日経平均の過去30年間のチャートです。
日経平均はかろうじてプラスとなっていますが、S&P500は途中大きな下落もありますが30年前に投資していれば資産は約8倍にまで膨れ上がっています。(実際には為替の影響を受けます)
直近ではコロナショックやインフレ抑制のための金利上昇で株価は下落してしまいましたが、それまでは1,000%を超えるほどの成長をしていました。
S&P500に投資するには?
S&P500は約500銘柄で構成されているので、個人でその500銘柄を適切な配分で個別銘柄を購入してい維持し続けるというのは現実的ではありません。
投資信託やETFならS&P500に連動した動きとなるように設計されたファンドがあるので、それらを利用すれば手軽にS&P500に投資することが可能です。
投資信託を利用する
投資信託ではS&P500に連動する低コストなファンドがいくつかありので、それらを利用すれば簡単にS&P500に投資することが可能です。
投資信託は銀行や証券会社で取り扱いがありますが、中でもネット証券を利用すれば投資信託を保有しているだけで自動でポイントが付与されるのでお得です。
参考 投資信託でポイントが貯まるネット証券を比較!おすすめは?
また、ネット証券なら100円からと少額から投資が可能で、複数のファンドへの分散投資も少額から投資できます。
ETFを利用する
ETFは、株式と同様に市場に上場している投資信託のことで、S&P500や日経平均などのインデックスと連動した動きを目指した金融商品です。
日本であれば東証などに上場しているETFを国内ETF、米国であればニューヨーク証券取引所などに上場するのは海外ETFとも呼ばれ、特に米国の株式市場に上場しているETFは米国ETFとも呼ばれたりします。
ETFは国内でも海外でもS&P500に連動するファンドがあるので、ETFでも投資信託同様にS&P500に手軽に投資することが可能です。
S&P500に連動する投資信託とETFの比較
S&P500に連動する投資信託で信託報酬が低コストで人気の高い「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、国内ETF・米国ETFで信託報酬が最低水準の「MAXIS米国株式(S&P500)(2558)」「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」を比較してみます。
eMAXIS Slim 米国株式 | MAXIS米国株式 | バンガード・S&P500 ETF | |
売買手数料 | 無料 | 一部の証券会社で無料 | 一部の証券会社で無料 |
保有コスト (信託報酬・経費率) | 0.0968% | 0.077% | 0.03% |
最低投資額 | 100円 | 約16,000円 | 約50,000円 |
為替手数料 | なし | なし | 証券会社により異なる |
積立投資 | 可能 | 不可能 | 一部の証券会社で可能 |
分配金の自動再投資 | 可能 | 不可能 | 一部の証券会社で可能 |
NISA・iDeCo | 一般・積立NISA iDeCo | 一般NISA | 一般NISA |
分配金の 外国税額控除 | 不要 | 不要 | 必要 |
売買手数料
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は売買手数料が無料のファンドなので、どこで購入しても売買時に手数料は必要ありません。
国内ETFの「MAXIS米国株式(S&P500)(2558)」は、通常は現物株式同様に売買時に手数料が必要となりますが、SBI証券と楽天証券なら手数料無料で売買することができます。
米国ETFの「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」も通常は売買時に手数料が必要となりますが、SBI証券・マネックス証券・楽天証券なら買付時の手数料は無料、DMM 株なら買いだけでなく売りの時も手数料は無料となっています。
保有コスト(信託報酬・経費率)
投資信託やETFは、保有している間は信託報酬や経費率と呼ばれる保有コストが必要となります。
一般的に投資信託の方がETFより保有コストは高い傾向にあり、特に海外ETFは超低コストなETFがあり、今回比較している「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」でも「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の方が3倍以上のコストの差があります。
最低投資額
投資信託である「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、ネット証券なら100円から購入できます。
ETFは国内ETFの「MAXIS米国株式(S&P500)(2558)」でも16,000円からで「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」は約50,000円からと投資額は投資信託と比べると大きくなります。
為替手数料
投資信託や国内ETFは日本円で購入可能なので為替手数料はありません。
米国ETFは、外貨建てとなるので例えば米国上場のETFであれば日本円を米ドルに交換してから購入することになります。
証券会社によって為替手数料は異なり、為替手数料はSBI証券が最も低コストで海外ETFに投資することが可能で、為替の交換などの手間なく取引したいならマネックス証券が買付時の為替手数料が0銭なのでお得です。
証券会社 | 為替手数料(米ドルの場合) |
SBI証券 | 25銭 ※住信SBIネット銀行を利用すると4銭(外貨積立なら2銭) ※SBI FXαを利用すると0.2銭(1万通貨以上) |
楽天証券 | 25銭 |
マネックス証券 | 買付時:0銭 売却時:25銭 |
サクソバンク証券 | 0.25% ※1ドル100円なら25銭のコストがかかる |
DMM 株 | 25銭 ※配当金受取時は100銭 |
積立投資
投資信託である「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、ネット証券なら100円から自動で積立投資ができるので、少額から気軽に投資することができます。
国内ETFである「MAXIS米国株式(S&P500)(2558)」は積立投資はできません。
米国ETFである「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」は、SBI証券・マネックス証券・楽天証券なら自動積立を行うことができます。
分配金の自動再投資
S&P500に連動する投資信託やETFは実際には米国の個別株式を保有しているので、配当金が出ています。
投資信託である「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、株式から得られた配当金を投資家に分配金としては出しておらず、ファンド内で再投資してくれるので手間なく長期積立ができ複利的な効果が期待できます。
ETFは基本的に株式から得られた配当金は、ETFを保有していれば投資家に分配金(信託報酬などの費用控除後)として出されるので、再投資せずに生活費に充てたい方などに向いています。
ETFで複利効果を出すには分配金・配当金を手動で再投資する必要があり、しかも分配金・配当金は課税され、課税後の分配金・配当金が1株単位分の資金が貯まるまで再投資ができないので投資信託に比べて複利効果は悪くなります。
ただ、米国ETFである「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」などは信託報酬が非常に低コストなので海外ETFを利用しつつ分配金を自動で再投資するにはマネックス証券とサクソバンク証券が対応しています。
>> マネックス証券 (公式サイト)
>> サクソバンク証券(公式サイト)
NISA・iDeCo
NISA(一般・つみたて)、iDeCoといった税制優遇制度は投資信託である「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が対応していて、NISAなどは取り扱いがあるネット証券であれば利用できます。
iDeCoは、SBI証券、マネックス証券、松井証券で取り扱いがあるのでまだ利用されてない方は検討してみてください。
国内・米国ETFは一般NISAのみ利用できます。
分配金の外国税額控除
投資信託やETFが海外の資産に投資している場合は、配当等に対して現地(海外)で源泉徴収され、さらに投資信託やETFが日本国内で分配金を出す際には国内でも所得税・住民税の課税が行われるといった二重課税が発生します。(対象投資信託等をNISA口座で保有している場合は国内の税金は非課税となるので対象外です)
そのため海外で課税された分を日本で課税される金額から控除することで二重課税を調整する制度が外国税額控除で確定申告することによって控除を受けられます。(現地と国内で源泉徴収されているので確定申告は必須ではありません)
投資信託である「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や国内ETFである「MAXIS米国株式(S&P500)(2558)」は二重課税を調整するために自動で海外での課税分は国内での課税分から控除されますが、米国ETFである「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」はそのような措置が取られてないので二重に課税されることになります。
米国ETFで分配金を受けたときには確定申告をすれば外国税額控除を受けることができますが、手間がかかるので、この点では投資信託や国内ETFの方がメリットがあります。
投資信託・国内ETF・米国ETFはどれがいい?
投資信託が向いている方は?
- 最低100円からと少額から始めてみたい方
- なるべく手間なく積立投資した方
- NISA(一般・積立)やiDeCoを利用したい方
少額から投資ができ、自動積立にも対応し分配金も投資信託内で再投資をしてくれるので特に手間をかけずに複利的な効果が期待できます。
NISAやiDeCoも利用できるので、長期に渡って投資をしたい方に向いています。
また、ネット証券ではクレジットカードを利用した積立投資や、投資信託を保有しているだけでポイントが貰え、マネックス証券やauカブコム証券などがトータルでの還元ポイントが高くなっています。
参考 投資信託でポイントが貯まるネット証券を比較!おすすめはどこ?
国内ETFが向いている方は?
- 日本円で分配金を受け取りたい方
- 日本円で急落時に買い増しするなど相場状況を見て取引したい方
投資をしているからにはやはり分配金を得たいといった要望も数多くあり、ETFなら投資信託と違って実際に運用した利益からしか分配金が出ないので、一生涯に渡って分配金を受け取ることができ、国内ETFなら日本円で受け取ることができます。
S&P500は過去大きな下落もありましたが、結局は下落した以上に上昇を続けているので売却さえしなければ資産は常に増え続けることが期待できます。
参考 【国内株式・ETF】ネット証券口座おすすめ比較ランキング!手数料が安いのは?
米国ETFが向いている方は?
- 保有時のコストを低コストにしたい方
- 分配金を米ドルで受け取りたい方
- 急落時に買い増しするなど相場状況を見て取引したい方
米国ETFは保有時のコストが低コストなので、長期で保有すればするほどメリットがあります。
分配金は米ドルとなりますが、再度米国株や米国ETFに投資するなら為替手数料が必要なく投資ができ、余っている米ドルをMMFなどで運用することも可能です。
また、国内ETFは日本の株式市場が開いているときしかリアルタイムで取引できませんが、米国ETFなら米国市場が開いているときにリアルタイムで取引できます。
参考 【海外株式・ETF】ネット証券口座おすすめ比較ランキング!手数料が安いのは?
まとめ
世界経済の中心国である米国の株式市場の動向を示す代表的な株価指数の一つがS&P500で、最も有名なダウ平均より構成銘柄数が多いのでより分散性に優れた株価指数です。
S&P500は途中大きな下落もありますが30年前に投資していれば資産は約8倍にまで膨れ上がっています。
そんなS&P500への投資は投資信託やETFを使えば簡単に投資ができ、投資信託なら最低100円程度から投資することも可能です。
投資信託を購入するのにおすすめの証券会社は?
クレジットカード積立などトータルでポイント還元率が高いマネックス証券
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」のような低コストなファンドで、クレジットカード積立や投資信託保有時のポイントをトータルするとマネックス証券が一番ポイントを多くもらえます。
貰えるマネックスポイントは再度投資信託に投資することはできませんが、コインチェックを通して暗号資産(ビットコイン、イーサリアム、リップル)に交換できたり、dポイントやTポイント、JALやANAのマイルに交換可能です。
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低コストな投資信託の保有時のポイント還元率も高く、投資信託の取り扱い数も業界トップレベルなので、投資したい投資信託が必ず見つかります。
投資信託だけでなく日本株式や海外株式なども低コストで多くのサービスを提供しているので、投資するなら口座を持っておいて損はないネット証券です。
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