各資産クラスで信託報酬最安値となっているeMAXIS Slimシリーズで8資産に均等に分散投資ができるのがeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)です。
eMAXIS Slimシリーズは、機動的に信託報酬を引き下げることによって、業界最低水準の信託報酬を目指すファンドですが、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)はどんな内容なのか確認してみました。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の特徴とは?
基本概要
ファンド名 | eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) |
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
ベンチマーク | 各資産クラスの代表的な指数を合成した指数 |
為替ヘッジ | なし |
インデックスファンド | ー |
投資形態 | ファミリーファンド |
購入時手数料 | なし |
信託報酬(税込) | 0.143% |
実質コスト(税込) | 0.194% |
信託財産留保額 | なし |
純資産残高 | 約3,440億円 |
分配金利回り | ー |
NISA | つみたて投資枠・成長投資枠対象 |
iDeCo | |
決算 | 年1回(4月25日) |
設定日 | 2017年5月9日 |
償還日 | 無期限 |
投資対象
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は、株式(国内・先進国・新興国)、債券(国内・先進国・新興国)、リート(国内・先進国)の8つの資産へ均等に12.5%の比率で分散投資を行うバランス型ファンドです。
各投資対象の資産のベンチマークは下記の様になっていて、各投資対象資産の指数を均等比率で組合せた合成ベンチマークの動きに連動する投資効果を目指します。
投資対象 | ベンチマーク | |
株式 | 国内 | TOPIX(配当込み) |
先進国 | MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース) | |
新興国 | MSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み、円換算ベース) | |
債券 | 国内 | NOMURA-BPI総合 |
先進国 | FTSE世界国債インデックス(除く日本、円換算ベース) | |
新興国 | JPモルガンGBI‐EMグローバル・ダイバーシファイド(円換算ベース) | |
リート | 国内 | 東証REIT指数(配当込み) |
先進国 | S&P先進国REITインデックス(除く日本、配当込み、円換算ベース) |
各資産クラスへの配分は基本的には12.5%と均等の比率となりますが、実際には若干のずれは生じています。
※eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)「月報(2025年4月末)」
ファンドの仕組み
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)はファミリーファンド方式で運用され、実質的な運用は下記のマザーファンドでにて行われます。
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
購入時手数料 | なし |
信託報酬(税込) | 0.143% |
実質コスト(税込) | 0.194% |
信託財産留保額 | なし |
また、信託報酬はファンドの純資産残高に応じて段階的に引き下がるようになっています。
純資産残高 | 信託報酬(税込) |
2,500億円未満の部分 | 0.143% |
2,500億円以上5,000億円未満の部分 | 0.14289% |
5,000億円以上の部分 | 0.14278% |
分配金
本ファンドは設定来一度も分配金が出ていないので効率的な運用がされています。
ファンドで投資している株式や債券などから得られた利子や配当、売買益などを分配せず、さらに運用に回すことにより複利効果が期待できます。
NISA(2024年以降)及びiDeCoの対応状況
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は、NISA(2024年以降)の「つみたて投資枠」「成長投資枠」の両方の対象となるので好きなほうを選んで投資することができます。
参考 金融庁「新しいNISA」
iDeCoでは
SBI証券
、マネックス証券、松井証券で取り扱いがあります。
参考 NISAとiDeCoの違いの比較については下記も参考にしてみてください。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)のパフォーマンスは?
過去の運用成績(リターン・リスク)
1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) | |
トータルリターン | 2.76%(70位) | 7.76%(117位) | 9.98%(90位) | –(–) |
リスク(標準偏差) | 7.22%(121位) | 7.91%(70位) | 8.09%(75位) | –(–) |
シャープレシオ | 0.34(62位) | 0.97(104位) | 1.23(50位) | –(–) |
対象ファンド数※ | 290本 | 248本 | 239本 | — |
※:「バランス」カテゴリ
ベンチマークとの比較
ファンド | ベンチマーク | |
1ヶ月 | ー1.9% | ー1.9% |
3ヶ月 | ー4.4% | ー4.5% |
6ヶ月 | ー4.2% | ー4.1% |
1年 | ー0.4% | ー0.2% |
3年 | +20.3% | +21.4% |
設定来 | +63.4% | +67.3% |
※eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)「月報(2025年4月末)」より
※ベンチマークは各資産クラスのインデックスを12.5%ずつ組み合わせた合成指数
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
基準価額・純資産残高の推移
※eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)「月報(2025年4月末)」
ファンドの純資産残高は設定来右肩上がりに推移していましが、直近ではやや伸び悩んでいて、解約した方も多くいたようです。
8資産均等型では人気が高いファンドでしたが、直近パフォーマンスもあまり良くないことも影響してそうです。
類似ファンドとの比較
バランス型ファンドで株式、REITの組入率が50%以上75%未満と比較的ミドルリスク・ミドルリターンのバランスカテゴリで低コストなファンドを比較したのが下記となっています。
ファンド名 | 信託報酬 | 純資産総額 | 各資産の割合 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
実質コスト | 資金流出入 (1か月) |
株式 | 債券 | REIT | その他 | |
eMAXIS Slimバランス (8資産均等型) |
0.143% | 340,123 | 37.5% | 37.5% | 25% | 0% |
0.194% | 4,632 | 12.5% 12.5% 12.5% |
12.5% 12.5% 12.5% |
12.5% 12.5% ー |
||
たわらノーロード バランス (8資産均等型) |
0.143% | 88,502 | 37.5% | 37.5% | 25% | 0% |
0.199% | 1,440 | 12.5% 12.5% 12.5% |
12.5% 12.5% 12.5% |
12.5% 12.5% ー |
||
ニッセイ・インデックス バランスファンド(4資産均等型) |
0.154% | 77,248 | 50.0% | 50.0% | 0% | 0% |
0.168% | 1,400 | 25% 25% ー |
25% 25% ー |
|||
DCニッセイワールド セレクトファンド(株式重視型) |
0.154% | 59,427 | 70% | 25% | 0% | 5% |
0.164% | 51 | 40% 30% ー |
15% 10% ー |
|||
DCニッセイワールド セレクトファンド(標準型) |
0.154% | 86,294 | 50% | 45% | 0% | 5% |
0.164% | 81 | 30% 20% ー |
30% 15% ー |
|||
ニッセイ・インデックス バランスファンド(6資産均等型) |
0.1749% | 2,535 | 33.4% | 33.4% | 33.4% | 0% |
0.210% | 27 | 16.7% 16.7% ー |
16.7% 16.7% ー |
16.7% 16.7% ー |
||
ニッセイ・インデックス バランスファンド(8資産均等型) |
0.1749% | 802 | 37.5% | 37.5% | 25% | 0% |
0.228% | -1 | 12.5% 12.5% 12.5% |
12.5% 12.5% 12.5% |
12.5% 12.5% ー |
||
Smart-i 8資産バランス 安定成長型 |
0.198% | 16,664 | 55% | 35% | 11% | 0% |
0.247% | 134 | 7% 41% 7% |
14.0% 3%(14%) 4% |
4% 7% ー |
バランス型ファンド(バランス)では8資産均等型のファンドが分類されていて、バランス型ファンドの中でも「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は純資産残高の資金流出入(1か月)が多く人気があるファンドです。
また、過去の運用成績では直近1年は「Smart-i 8資産バランス 安定成長型」が良かったが、過去3年、5年では「DCニッセイワールド セレクトファンド(株式重視型)」の方が良いパフォーマンスとなっています。
ファンド名 | 1年間の リターン |
3年間の リターン(年率) |
5年間の リターン(年率) |
---|---|---|---|
eMAXIS Slimバランス (8資産均等型) |
-0.40% | 6.36% | 10% |
たわらノーロード バランス (8資産均等型) |
-0.94% | 5.71% | 9.28% |
ニッセイ・インデックス バランスファンド(4資産均等型) |
-0.76% | 7.74% | 9.49% |
DCニッセイワールド セレクトファンド(株式重視型) |
-0.31% | 10.34% | 12.48% |
DCニッセイワールド セレクトファンド(標準型) |
-0.79% | 7.17% | 8.70% |
ニッセイ・インデックス バランスファンド(6資産均等型) |
-0.30% | 5.37% | 9.62% |
ニッセイ・インデックス バランスファンド(8資産均等型) |
-0.96% | 5.70% | 9.31% |
Smart-i 8資産バランス 安定成長型 |
0.36% | 7.19% | 9.97% |
「DCニッセイワールド セレクトファンド(株式重視型)」は実質コストも低コストで最も株式の比率が高いために過去3・5年で良いパフォーマンスとなっています。
直近1年で唯一プラスの運用成績である「Smart-i 8資産バランス 安定成長型」は、過去3・5年のパフォーマンスも比較的良く安定した運用成績となっています。
ただなぜこの資産比率なのか理由は明示されていないので、納得いく比率であれば検討してみてください。
評価・まとめ
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は、株式(国内・先進国・新興国)、債券(国内・先進国・新興国)、リート(国内・先進国)の8つの資産へ均等に12.5%の比率で分散投資を行うバランス型ファンドです。
各投資対象資産の指数を8分の1ずつ組合せた合成ベンチマークの動きに連動する投資効果を目指します。
これ一本で8資産に分散投資ができる手軽さが魅力で、資産配分比率が基本的に一定なので後に個別のインデックスファンドで重視したい資産に追加投資する際にも管理がし易いといったメリットもあります。
eMAXIS Slimシリーズは、機動的に信託報酬を引き下げることによって、業界最低水準の信託報酬を目指すファンドとなっているので、今のところ、より信託報酬が低コストなファンドが登場してもそれに追随し、信託報酬の引き下げを行い常に最安値水準を維持しています。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は、今後の世界経済全体の発展とともに成長することが期待でき、8資産に分散投資ができるのでリスクを抑え低コストでの運用が可能で、NISAやiDeCoを利用できるので税制優遇を受けることができます。
投資信託はネット証券なら投資信託を保有しているだけでポイントが貯まり、積立するならクレジットカードを利用すればさらにポイントが貯まるのでお得です。下記のネット証券なら新NISA口座もポイント還元の対象です。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)のポイント還元率は下記となっています。
参考 投資信託でポイントが貯まるネット証券を比較!おすすめはどこ?
松井証券 | SBI証券 | マネックス 証券 |
auカブコム 証券 |
|
投資信託保有時 ポイント還元率 |
0.055% | 0.05% | 0.03% | 0.005% |
投資信託保有時 付与されるポイント |
松井証券ポイント | ・Tポイント ・Pontaポイント ・dポイント ・JALのマイル ※1 上記のいずれか |
dポイント マネックスポイント |
Pontaポイント |
クレカ積立 ポイント還元率 |
ー | 0.5~5.0% 三井住友カード |
1.1% マネックスカード |
1% auPayカード |
クレカ積立 付与されるポイント |
Vポイント | dポイント マネックスポイント |
Pontaポイント |
※楽天証券は投資信託保有時のポイント付与が条件達成時の一度のみなので対象外
※1:JALのマイルの場合は記載還元率の半分
松井証券(公式サイト)はクレカ積立に対応していませんが、投資信託保有時のポイント還元率は最高水準となっています。
クレジットカード積立のポイント還元率は、年会費がかかるカードであれば SBI証券 が最高水準ですが、実質年会費がかからない一般カードであればマネックス証券が最高水準です。
投資信託保有時のポイント還元率は最高水準の松井証券
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還元されるポイントはdポイントかマネックスポイントを選ぶことができ、マネックスポイントは下記のように様々な用途に利用することができます。
- 投資信託の購入
- 株式手数料に充当
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>> 三菱UFJ eスマート証券(公式サイト)「詳細解説」
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通常設定可能上限は5万円/月ですが、併用することで10万円/月までポイント還元を上けることが可能です。
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その他下記の証券会社でも購入できます。
参考 口座開設時に必ず選ぶ特定口座については下記も参考にしてみてください。
⇒ 特定口座とは?証券会社の口座種類のまとめ!結局どれがいい?
投資信託に投資するのにおすすめの証券会社は?
ネット証券では投資信託に関するポイント還元など様々なサービスを行っていますが、どのような違いがあるのか、おすすめはどこかは下記も参考にしてみてください。
参考 【投資信託】ネット証券おすすめ比較ランキング!お得な口座は?
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