三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンドは、もともと確定供出年金(DC)専用だったファンドが一般販売された商品で、これ一本で日本を除く先進国・新興国の株式市場へ分散投資できます。
どんな内容のファンドで、過去の成績はどのくらいだったのか確認してみました。
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンドの特徴
投資対象
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンドは、日本を除く先進国および新興国の株式市場の値動きに連動する投資成果を目指し、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、配当込み、円換算ベース)」をベンチマークとするインデックスファンドです。
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)は、日本を除く先進国22ヵ国と新興国25ヵ国の大型株・中型株で構成されたインデックスです。
参考 全世界株式インデックスファンド(投資信託)を比較!おすすめは?
※下記は三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンド「月報(2022年2月)」からの情報です。
資産構成比率
組入上位5カ国・地域
【外国株式インデックス・マザーファンド】
【エマージング株式インデックス・マザーファンド】
組入上位5業種
【外国株式インデックス・マザーファンド】
【エマージング株式インデックス・マザーファンド】
組入上位10銘柄
【外国株式インデックス・マザーファンド】
【エマージング株式インデックス・マザーファンド】
ファンドの仕組み
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンドはファミリーファンド方式で運用され、実質的な運用は下記2つのマザーファンドにて行われます。
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
購入時手数料 | なし |
信託報酬(税込) | 0.275% |
実質コスト(税込) | 0.355% |
信託財産留保額 | なし |
分配金
本ファンドは設定来一度も分配金が出ていないので効率的な運用がされています。
ファンドで投資している株式や債券などから得られた利子や配当、売買益などを分配せず、さらに運用に回すことにより複利効果が期待できます。
つみたてNISA(積立NISA)・iDeCo対応状況
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンドはつみたてNISAの対象ですが、iDeCoで取り扱っているネット証券はないようです。
参考 NISAとiDeCoの違いの比較については下記も参考にしてみてください。
過去の運用成績(リターン・リスク)
リターン・リスク
年 | 1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) |
トータルリターン | 21.38%(122位) | 18.59%(89位) | 13.96%(75位) | 14.50%(48位) |
リスク(標準偏差) | 14.76(50位) | 18.36(33位) | 16.62(25位) | 16.57(15位) |
シャープレシオ | 1.45(126位) | 1.01(76位) | 0.84(70位) | 0.88(48位) |
対象ファンド数※ | 186本 | 164本 | 145本 | 85本 |
※:「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジ無し)」カテゴリ
基準価額騰落率
ファンド | ベンチマーク | |
1ヶ月 | ー0.7% | ー0.7% |
3ヶ月 | ー3.7% | ー3.5% |
6ヶ月 | ー0.2% | +0.1% |
1年 | +16.8% | +17.3% |
3年 | +52.5% | +55.8% |
設定来 | +239.6% | +275.1% |
※三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンド「月報(2022年2月)」より
※ファンド設定日は2011年4月18日
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
基準価額・純資産残高の推移
所感
ファンドが設定されてから約11年が経過しましたが、ベンチマークと比較すると信託報酬や実質コストを加味してもやや下方乖離していますが連動性は高そうです。
運用報告書によると信託報酬以外のマイナス要因としては、保管費用や売買コスト、配当に対する現地源泉税が生じたことなどが挙げられています。
また、新興国株に投資するエマージング株式インデックス・マザーファンドの先物の比率が30%とやや高く、先物の利用は「利便性に優れ、売買コストが低い」利点がある反面、必ずしも指数の値動きと一致しないことから、ベンチマークからの乖離を生む可能性がある点が懸念されます。
【エマージング株式インデックス・マザーファンドの資産構成比率】
類似ファンドとの比較
「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」をベンチマークとする低コストなインデックスファンドを比較したのが下記となっています。
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト (税込) | マザーファンド 規模 (百万円) | 純資産残高 年間増加額 (百万円) | 1年間の リターン |
---|---|---|---|---|---|
SMT iPlus 全世界株式 | 0.055% | ー | ー | - | -- |
楽天・オールカントリー株式 インデックス・ファンド | 0.0561% | ー | ー | - | -- |
はじめてのNISA・全世界株式 (オール・カントリー) | 0.05775% | ー | ー | - | -- |
eMAXIS Slim全世界株式 (オール・カントリー) | 0.05775% | 0.11705% ※1 | 1,819,064 | +1,211,317 | 30.42% |
eMAXIS Slim 全世界株式 (除く日本) | 0.05775% | 0.11575% ※1 | 1,761,585 | +172,960 | 30.54% |
Tracers MSCIオール・カントリー (全世界株式) | 0.05775% | ー | ー | - | -- |
たわらノーロード 全世界株式 | 0.1133% | 0.187% | 948,752 | +9,606 | 30.40% |
Smart-i Select 全世界株式インデックス | 0.1144% | 0.218332% ※2 | 187,670 | +1,167 | 30.33% |
Smart-i Select 全世界株式インデックス(除く日本) | 0.1144% | 0.225756% ※2 | 186,915 | +359 | 30.42% |
※1:直近運用報告書から隠れコストを算出後に信託報酬引き下げ後の値を加算した参考値
※2:直近運用報告書から年率換算した参考値
上記ファンドはMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスをベンチマークとしていますが、「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」「Smart-i Select 全世界株式インデックス(除く日本)」は日本を除外したインデックスをベンチマークとしています。
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」はオルカンの名称で非常に人気が高い投資信託で、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」でも毎年1位を獲得しています。
参考 【最新】投資信託ランキング!個人投資家が選ぶ人気のファンドは?
より信託報酬が低コストなファンドも登場していますが、まだ実質コストが不明で、その点では「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は既に運用実績があり実質コストが低コストなことがわかっているので優位性があります。
信託報酬を引き下げさらに低コストとなり実質コストも低コストで、純資産残高年間増加額も多い「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が、調査時点ではベストなファンドと言えそうです。
参考 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の評価・評判は?利回りや実質コストは?
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は日本を含んでいるので、日本以外の全世界株式市場に投資するなら「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」が信託報酬や実質コストが低コストで人気も高いです。
参考 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の評価・評判って?利回りや実質コストは?
当ファンドの情報のまとめ
- ベンチマーク:MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、配当込み、円換算ベース)
- 為替ヘッジ:なし
- 購入時手数料:なし
- 信託報酬(税込):0.275%(実質コスト:0.355%)
- 信託財産留保額:なし
- 純資産残高:約980億円
- 分配金利回り:なし
- 決算:年1回(11月30日)
- 買付単位:100円以上1円単位、積立も100円から(SBI証券などのネット証券)
- 償還日:無期限(設定日:2011年4月18日)
- つみたてNISA:対応
- iDeCo:取り扱いネット証券なし
まとめ
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンドは、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、配当込み、円ベース)に連動する成果を目指した運用を行うインデックスファンドで、これ一本で日本を除く先進国22ヵ国と新興国25ヵ国の大型株・中型株に分散投資が行えます。
類似ファンドが信託報酬を引き下げている中ではコストが高く見える点は否めず、比率は低いものの新興国株式に投資するマザーファンドで先物の比率がやや高く、ベンチマークからの乖離を生む可能性がある点が懸念されます。
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株式インデックスファンドを購入するのにおすすめの証券会社は?
各ネット証券では投資信託に関して保有残高に応じたポイント還元と、クレジットカード積立によるポイント還元があり、積立するならトータルでのポイント還元率が高い方がお得です。(クレジットカード積立はつみたてNISA銘柄も対象)
参考 投資信託でポイントが貯まるネット証券を比較!おすすめはどこ?
トータルのポイント還元率が業界最高水準のマネックス証券
- 保有残高によるポイント還元率:0.03%
- クレジットカード積立によるポイント還元率:1.1%
クレジットカード積立を利用するならトータルのポイント還元率が業界最高水準なのがマネックス証券です。
クレジットカード積立で必要なマネックスカードは、マネックス証券を口座開設すれば作ることができ、貯まったポイントは株式手数料や暗号資産に交換することや、他のポイントサービス(dポイント・Tポイント・Pontaポイントなど)に交換することも可能です。
Pontaポイントを貯めるならauカブコム証券
- 保有残高によるポイント還元率:0.005%
- クレジットカード積立によるポイント還元率:1%
投資信託の保有残高によるポイント還元は低いのですが、クレジットカード積立によるポイント還元率は1%と還元率は高めです。
ただ、マネックス証券の方が保有残高による還元率も高いので還元率にこだわるならマネックス証券がおすすめです。
それでも
保有残高によるポイント還元率は業界最高水準のSBI証券
- 保有残高によるポイント還元率:0.05%
- クレジットカード積立によるポイント還元率:0.5%(一般カード)
ゴールドカードなら1%・プラチナカードなら2%・プラチナプリファードなら5%
投資信託の保有残高によるポイント還元率は業界でも最高水準で、クレジットカード積立を利用しない場合にはおすすめです。
クレジットカード積立で一般カードだと還元率は低いですが、ゴールドカードは年間で100万円以上利用すれば翌年以降の年会費永年無料となるので条件クリアできそうであればゴールドカードの方がおすすめです。(ただしクレジットカード積立は集計対象外です)
>> 三井住友カード(NL)
楽天ポイントが貰える楽天証券
- 保有残高によるポイント還元率:ー
- クレジットカード積立によるポイント還元率:0.2%
(一般カード)
楽天証券では、保有残高によるポイント還元率が「一定の残高をはじめて達成した場合」のみポイントが還元されるルールに変更され、実質保有残高によるポイント還元はほぼなくなりました。
またクレジットカード積立も低コストなファンドは0.2%(※)と還元率が下がり、ポイント還元率は他社と比較すると見劣りする感は否めません。
※2022年9月買付分より信託報酬のうち楽天証券が受け取る手数料が年率0.4%(税込)未満の銘柄
それでも楽天ポイントは楽天経済圏では貯めやすく、様々なサービスで利用できるので、楽天ポイントを貯めたい方は楽天証券という選択肢もあるかと思います。
>> 楽天カード(公式サイト)
その他下記の証券会社でも購入できます。
参考 口座開設時に必ず選ぶ特定口座については下記も参考にしてみてください。
⇒ 特定口座とは?証券会社の口座種類のまとめ!結局どれがいい?
投資信託に投資するのにおすすめの証券会社は?
ネット証券では投資信託に関するポイント還元など様々なサービスを行っていますが、どのような違いがあるのか、おすすめはどこかは下記も参考にしてみてください。
参考 【投資信託】ネット証券おすすめ比較ランキング!お得な口座は?
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