iFree S&P500インデックスは、米国株式市場の動向を示す代表的な株価指数であるS&P500をベンチマークとするインデックスファンドです。
S&P500をベンチマークとするインデックスファンドは新しく低コストなファンドも登場してきていますが、その中でも運用期間が長いiFree S&P500インデックスはどんな内容なのか確認してみました。
iFree S&P500インデックスの特徴
投資対象
iFree S&P500インデックスは、米国株式市場の動向を示す代表的な株価指数であるS&P500(円ベース)の動きに連動させることを目指すインデックスファンドです。
S&P500は、ニューヨーク証券取引所、アメリカン証券取引所、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出される時価総額加重平均型株価指数で、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしています。
米国株式市場の動向を表す株価指数としてはダウ平均が最も有名ですが、ダウ平均の構成銘柄30銘柄に対してS&P500の構成銘柄は500銘柄と分散性という観点ではS&P500の方が勝っています。
※下記はiFree S&P500インデックス「月報(2022年11月)」からの情報です。
資産別構成
外国株式だけでなく外国投資信託や先物などで構成されているようですが、特に外国投資信託の比率が高く、運用上影響があるのかは懸念されるところです。
業種別構成
組入上位10銘柄
ファンドの仕組み
iFree S&P500インデックスはファミリーファンド方式で運用され、実質的な運用はS&P500インデックス・マザーファンドにて行われます。
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
購入時手数料 | なし |
信託報酬(税込) | 0.2475% |
実質コスト(税込) | 0.277% |
信託財産留保額 | なし |
分配金
本ファンドは設定来一度も分配金が出ていないので効率的な運用がされています。
ファンドで投資している株式や債券などから得られた利子や配当、売買益などを分配せず、さらに運用に回すことにより複利効果が期待できます。
つみたてNISA(積立NISA)・iDeCo対応状況
iFree S&P500インデックスはつみたてNISAの対象ですが、iDeCoで取り扱っているネット証券はありません。
参考 NISA、つみたてNISA(積立NISA)、iDeCoの比較については下記も参考にしてみてください。
⇒ NISA・つみたてNISA(積立NISA)・iDeCoを比較!どれがおすすめでお得?過去の運用成績(リターン・リスク)
リターン・リスク
年 | 1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) |
トータルリターン | 4.99%(122位) | 18.13%(30位) | 14.78%(18位) | –(–) |
リスク(標準偏差) | 20.41(98位) | 18.85(52位) | 17.77(35位) | –(–) |
シャープレシオ | 0.24(121位) | 0.96(10位) | 0.83(10位) | –(–) |
対象ファンド数※ | 282本 | 215本 | 168本 | — |
※:「国際株式・北米(為替ヘッジ無し)」カテゴリ
基準価額騰落率
ファンド | ベンチマーク | |
1ヶ月 | ー4.8% | ー5.0% |
3ヶ月 | ー0.2% | ー0.5% |
6ヶ月 | +3.7% | +3.1% |
1年 | +5.0% | +3.8% |
3年 | +64.9% | +59.1% |
5年 | +99.2% | +86.8% |
設定来 | +116.0% | +102.5% |
※iFree S&P500インデックス「月報(2022年11月)」より
※ファンド設定日は2017年8月31日
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
基準価額・純資産の推移
所感
ファンドが設定されてから約5年が経過しているので、単純な年率平均は約20%となっていて、設定来でみるとベンチマークよりパフォーマンスが良くなっています。
iFree S&P500インデックスはS&P500の構成銘柄の株式を保有しているので、それらの株式から配当金が出ます。
そのため、ベンチマークは配当込みのS&P500であるべきですが、配当を考慮しないS&P500をベンチ膜としているのでパフォーマンスが良くなっているだけで特段このファンドの成績がいいわけではありません。
類似ファンドとの比較
「S&P500」をベンチマークとする低コストなインデックスファンドを比較したのが下記となっています。
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト (税込) | マザーファンド規模 | 純資産残高 年間増加額 (百万円) | 1年間の リターン |
---|---|---|---|---|---|
SBI・V・S&P500 インデックス・ファンド | 0.0938% | 0.105% | ー | +295,020 | 5.07% |
iシェアーズ 米国株式(S&P500) インデックス・ファンド | 0.0938% | 0.108% ※ | ー | +4,940 | 4.82% |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.0968% | 0.112% | 1,050,354 | +747,292 | 5.14% |
つみたて米国株式(S&P500) | 0.22% | 0.238% | 1,050,354 | +4,525 | 5.01% |
Smart-i S&P500インデックス | 0.242% | 0.386% | 5,098 | +3,453 | 4.72% |
iFree S&P500インデックス | 0.2475% | 0.277% | 34,350 | +31,403 | 4.99% |
NZAM・ベータ S&P500 | 0.220% | 0.440% | 12,009 | +133 | 4.94% |
※:信託報酬引き下げ前の運用報告書からの参考値
信託報酬や実質コストが低いのは「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」ですが、1年のリターンでは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の方が良いパフォーマンスとなっています。
過去3年のリターンもeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が最もパフォーマンスが良かったので、「S&P500」をベンチマークとする投資信託では「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」がおすすめです。
当ファンドの情報
- ベンチマーク:S&P500(円換算ベース)
- 為替ヘッジ:なし
- 購入時手数料:なし
- 信託報酬(税込):0.2475%(実質コスト:0.277%)
- 信託財産留保額:なし
- 純資産残高:約730億円
- 分配金利回り:なし
- 決算:年1回(9月7日)
- 買付単位:100円以上1円単位、積立も100円から(SBI証券などのネット証券)
- 償還日:無期限(設定日:2017年8月31日)
- つみたてNISA:対象
- iDeCo:取扱いネット証券なし
評価・まとめ
iFree S&P500インデックスは、米国株式市場の動向を示す代表的な株価指数であるS&P500(円ベース)の動きに連動させることを目指すインデックスファンドで、米国の株式市場に上場している500銘柄に分散投資ができます。
以前はS&P500に連動する投資信託としては低コストなファンドだったのですが、後発のファンドがより低コストで登場してきたことから当ファンドの魅力が薄れています。
今からS&P500に連動する投資信託に投資するなら、低コストで人気の高い「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などを検討してみてください。
iFree S&P500インデックスにおすすめな証券会社は?
投資信託はネット証券なら購入時にクレジットカードを利用した積立と保有している間はポイントが自動付与されるのでおすすめです。
iFree S&P500インデックスを取り扱っていてポイントが貰えるネット証券は下記となっています。
SBI証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 | |
クレカ積立 | 三井住友カード | マネックスカード | auPayカード |
クレカ積立 ポイント還元率 | 0.5~2.0% | 1.1% | 1% |
クレカ積立 付与されるポイント | Vポイント | マネックスポイント | Pontaポイント |
投資信託保有時 ポイント還元率 | 0.05% | 0.03% | 0.005% |
投資信託保有時 付与されるポイント | ・Tポイント ・Pontaポイント ・dポイント ・JALのマイル 上記のいずれか | マネックスポイント | Pontaポイント |
※楽天証券は投資信託保有時のポイント付与が条件達成時の一度のみなので対象外
下記は毎月3万円のクレカ積立をする場合ですが、トータルでのポイント還元率が高いのはSBI証券で三井住友カードのプラチナやゴールドを利用する場合です。
ただ、SBI証券で三井住友カードの一般カードではポイント還元率は低いので、マネックス証券やauカブコム証券を利用したほうがお得です。
楽天証券では、保有残高によるポイント還元率が「一定の残高をはじめて達成した場合」のみポイントが還元されるルールに変更され、実質保有残高によるポイント還元はほぼなくなりました。
また、クレジットカード積立では楽天キャッシュを利用すると0.5%の還元率とはなりますが、還元率は他社と比較すると見劣りするし、楽天キャッシュを利用するのでやや複雑になります。
それでも楽天ポイントは楽天経済圏では貯めやすく、様々なサービスで利用できるので、楽天ポイントを貯めたい方は楽天証券という選択肢もあるかと思います。
その他下記の証券会社でも購入できます。
>> GMOクリック証券
参考 口座開設時に必ず選ぶ特定口座については下記も参考にしてみてください。
⇒ 特定口座とは?証券会社の口座種類のまとめ!結局どれがいい?
投資信託で失敗しない証券会社選び!
これから投資信託で資産運用を始める方は、ネット証券選びで失敗しないようにこちらも参考にしてみてください。
参考 【投資信託】ネット証券おすすめ比較ランキング!お得な口座は?個人投資家に人気の投資信託ランキングをチェックしたい方はこちら!
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