iFree S&P500インデックスは、米国株式市場の動向を示す代表的な株価指数であるS&P500をベンチマークとするインデックスファンドです。
S&P500をベンチマークとするインデックスファンドは新しく低コストなファンドも登場してきていますが、その中でも運用期間が長いiFree S&P500インデックスはどんな内容なのか確認してみました。
iFree S&P500インデックスの特徴
投資対象
iFree S&P500インデックスは、米国株式市場の動向を示す代表的な株価指数であるS&P500(円ベース)の動きに連動させることを目指すインデックスファンドです。
S&P500は、ニューヨーク証券取引所、アメリカン証券取引所、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出される時価総額加重平均型株価指数で、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしています。
米国株式市場の動向を表す株価指数としてはダウ平均が最も有名ですが、ダウ平均の構成銘柄30銘柄に対してS&P500の構成銘柄は500銘柄と分散性という観点ではS&P500の方が勝っています。
参考 NYダウに連動する投資信託やETFを比較!おすすめなのは?
※下記はiFree S&P500インデックス「月報(2023年11月末)」からの情報です。
資産別構成
外国株式だけでなく外国投資信託や先物などで構成されているようですが、特に外国投資信託の比率が高く、運用上影響がないのか懸念されるところです。
業種別構成
組入上位10銘柄
ファンドの仕組み
iFree S&P500インデックスはファミリーファンド方式で運用され、実質的な運用はS&P500インデックス・マザーファンドにて行われます。
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
購入時手数料 | なし |
信託報酬(税込) | 0.198% |
実質コスト(税込) | 0.257% |
信託財産留保額 | なし |
分配金
本ファンドは設定来一度も分配金が出ていないので効率的な運用がされています。
ファンドで投資している株式や債券などから得られた利子や配当、売買益などを分配せず、さらに運用に回すことにより複利効果が期待できます。
NISA(2024年以降)及びiDeCoの対応状況
iFree S&P500インデックスはNISA(2024年以降)の「つみたて投資枠」「成長投資枠」の両方の対象となるので好きなほうを選んで投資することができます。
参考 金融庁「新しいNISA」
ただ、iDeCoで取り扱っているネット証券はありません。
参考 NISAとiDeCoの違いの比較については下記も参考にしてみてください。
iFree S&P500インデックスのパフォーマンスは?
過去の運用成績(リターン・リスク)
年 | 1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) |
トータルリターン | 23.30%(112位) | 22.36%(47位) | 18.07%(29位) | –(–) |
リスク(標準偏差) | 15.72(117位) | 15.71(79位) | 18.05(48位) | –(–) |
シャープレシオ | 1.48(98位) | 1.42(35位) | 1.00(12位) | –(–) |
対象ファンド数※ | 302本 | 231本 | 188本 | — |
※:「国際株式・北米(為替ヘッジ無し)」カテゴリ
ベンチマークとの比較
ファンド | ベンチマーク | |
1ヶ月 | +7.6% | +7.6% |
3ヶ月 | +1.7% | +1.7% |
6ヶ月 | +14.5% | +14.5% |
1年 | +23.3% | +23.2% |
3年 | +83.2% | +83.0% |
5年 | +129.4% | +128.7% |
設定来 | +166.3% | +166.3% |
※iFree S&P500インデックス「月報(2023年11月末)」より
※ファンド設定日は2017年8月31日
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
基準価額・純資産の推移
所感
ファンドが設定されてから約6年半が経過しているので、単純な年率平均は約25.6%となっていて、直近1年などベンチマークよりパフォーマンスが良くなっています。
iFree S&P500インデックスはS&P500の構成銘柄の株式を保有しているので、それらの株式から配当金が出ます。
そのため、ベンチマークは配当込みのS&P500であるべきですが、配当を考慮しないS&P500をベンチマークとしているのでパフォーマンスが良くなっているだけで特段このファンドの成績がいいわけではありません。
他の類似ファンドと比較すると?
「S&P500」をベンチマークとする低コストなインデックスファンドを比較したのが下記となっています。
ファンド名 | 信託報酬 (税込) | 実質コスト (税込) | マザーファンド 規模(百万円) | 純資産残高 年間増加額 (百万円) | 1年間の リターン |
---|---|---|---|---|---|
つみたてiシェアーズ 米国株(S&P500)インデックス・ファンド | 0.0586% ※1 | ー | ー | ー | -- |
楽天・S&P500インデックス・ファンド | 0.077% | ー | ー | ー | -- |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.09372% | 0.108% | 1,941,316 | +1,412,879 | 23.46% |
たわらノーロード S&P500 | 0.09372% | 0.133% ※2 | 43,259 | ー | -- |
はじめてのNISA・米国株式(S&P500) | 0.09372% | ー | ー | ー | -- |
iシェアーズ 米国株式(S&P500) インデックス・ファンド | 0.0938% | 0.102% | ー | +14,013 | 23.46% |
SBI・V・S&P500 インデックス・ファンド | 0.0938% | 0.104% | ー | +520,942 | 23.38% |
My SMT S&P500インデックス (ノーロード) | 0.0968% | 0.291% | 6,724 | ー | 23.09% |
iFree S&P500インデックス | 0.198% | 0.257% | 133,181 | +68,394 | 23.30% |
つみたて米国株式(S&P500) | 0.22% | 0.234% | 1,941,316 | +16,852 | 23.30% |
NZAM・ベータ S&P500 | 0.22% | 0.334% | 25,116 | +1,587 | 23.18% |
Smart-i S&P500インデックス | 0.242% | 0.300% | 7,763 | +4,387 | 22.99% |
※:「楽天・S&P500インデックス・ファンド」「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」「iFree S&P500インデックス」が配当なし指数をベンチマークとし、それ以外は配当込指数をベンチマークとしている
※1:2026年5月7日まで。それ以降は0.09072%。
※2:直近運用報告書から年率換算した参考値
信託報酬は2023年12月に信託報酬を引き下げを行った「楽天・S&P500インデックス・ファンド」が、実質コストは「iシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンド」が低コストとなっています。
ただ、純資産残高年間増加額では「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が最も多く、純資産残高も約3兆円と人気を集めていて、過去1・3・5年のパフォーマンスも良くおすすめです。
当ファンドの情報
- ベンチマーク:S&P500(円換算ベース)
- 為替ヘッジ:なし
- 購入時手数料:なし
- 信託報酬(税込):0.198%(実質コスト:0.257%)
- 信託財産留保額:なし
- 純資産残高:約1,400億円
- 分配金利回り:なし
- 決算:年1回(9月7日)
- 買付単位:100円以上1円単位、積立も100円から(SBI証券などのネット証券)
- 償還日:無期限(設定日:2017年8月31日)
- NISA:「つみたて投資枠」「成長投資枠」の両方対象
- iDeCo:取扱いネット証券なし
評価・まとめ
iFree S&P500インデックスは、米国株式市場の動向を示す代表的な株価指数であるS&P500(円ベース)の動きに連動させることを目指すインデックスファンドで、米国の株式市場に上場している500銘柄に分散投資ができます。
以前はS&P500に連動する投資信託としては低コストなファンドだったのですが、後発のファンドがより低コストで登場してきたことから当ファンドの魅力が薄れています。
今からS&P500に連動する投資信託に投資するなら、低コストで人気の高い「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などを検討してみてください。
参考 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の評価・評判は?利回りや実質コストは?
iFree S&P500インデックスにおすすめな証券会社は?
投資信託はネット証券なら投資信託を保有しているだけでポイントが貯まり、積立するならクレジットカードを利用すればさらにポイントが貯まるのでお得です。下記のネット証券なら新NISA口座もポイント還元の対象です。
iFree S&P500インデックスのポイント還元率は下記となっています。
参考 投資信託でポイントが貯まるネット証券を比較!おすすめはどこ?
松井証券 | SBI証券 | マネックス 証券 | auカブコム 証券 | |
投資信託保有時 ポイント還元率 | 0.09% | 0.05% | 0.03% | 0.005% |
投資信託保有時 付与されるポイント | 松井証券ポイント | ・Tポイント ・Pontaポイント ・dポイント ・JALのマイル ※1 上記のいずれか | マネックスポイント | Pontaポイント |
クレカ積立 ポイント還元率 | ー | 0.5~5.0% 三井住友カード | 1.1% マネックスカード | 1% auPayカード |
クレカ積立 付与されるポイント | Vポイント | マネックスポイント | Pontaポイント |
※楽天証券は投資信託保有時のポイント付与が条件達成時の一度のみなので対象外
※1:JALのマイルの場合は記載還元率の半分
松井証券(公式サイト)はクレカ積立に対応していませんが、投資信託保有時のポイント還元率は最高水準となっています。
クレジットカード積立のポイント還元率は、年会費がかかるカードであれば SBI証券が最高水準ですが、実質年会費がかからない一般カードであればマネックス証券が最高水準です。
投資信託保有時のポイント還元率は最高水準の松井証券
信託報酬が低コストな投資信託も投資信託保有時のポイント還元率は業界最高水準です。他社で買い付けた投資信託を松井証券へ移管する際には実質無料で移管することができます。
還元される松井証券ポイントは、PayPayポイントやdポイントなどに交換することができます。
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
一般カードのクレジットカード積立でポイント還元率が最高水準のマネックス証券
クレジットカード積立を利用するならトータルのポイント還元率が業界最高水準なのがマネックス証券です。
クレジットカード積立で必要なマネックスカードは、初年度の年会費は無料、次年度以降の年会費550円(税込)ですが、年間に1回以上のクレジットカードの利用で無料になり、マネックスカードによる投信つみたてもカード利用の対象となります。
還元されるマネックスポイントは下記のように様々な用途に利用することができます。
- 投資信託の購入
- 株式手数料に充当
- 暗号資産(ビットコイン・イーサリアム・リップル)
- 他のポイントへの交換(dポイント・Tポイント・Pontaポイント・nanaco・waonポイント・ANAのマイル・JALのマイル・Amazonギフトカード)
- 日本赤十字社などへの寄付
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
保有残高によるポイント還元率が高くクレカ積立でもポイント還元されるSBI証券
投資信託の保有残高によるポイント還元率は、低コストな投資信託でも松井証券と同レベルのポイント還元率です。
クレジットカード積立で一般カードだと還元率は低いですが、ゴールドカードは年間で100万円以上利用すれば翌年以降の年会費永年無料となるので条件クリアできそうであればゴールドカードの方がおすすめです。(ただしクレジットカード積立は集計対象外です)
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
Pontaポイントを貯めるならauカブコム証券
投資信託の保有残高によるポイント還元は低いのですが、クレジットカード積立によるポイント還元率は1%と還元率は高いです。
スマホでauを利用していると貯めやすいPontaポイントが貯まり、auじぶん銀行と連携すれば普通預金の金利が年率0.1%となり、au Payなどとも連携すれば0.2%になるメリットがあります。
またauマネ活プランに入ればauじぶん銀行の普通預金の金利が最大0.3%になったり、クレジットカード積立によるポイント還元率が最大3%と優遇されます。
下記よりNISAも同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
楽天ポイントを貯めるなら楽天証券
楽天証券では、保有残高によるポイント還元率が「一定の残高をはじめて達成した場合」のみポイントが還元されるルールに変更され、保有残高によるポイント還元はほぼなくなりました。(一部のファンドは保有残高によるポイントが還元される)
また、楽天証券ではクレジットカード積立だけでなく楽天キャッシュを利用してもポイント還元が受けられ併用することが可能です。
通常設定可能上限は5万円/月ですが、併用することで10万円/月までポイント還元を上けることが可能です。
楽天ポイントは楽天経済圏では貯めやすく、様々なサービスで利用できるので、楽天ポイントを貯めたい方は楽天証券という選択肢もあるかと思います。
NISA口座も同時に申し込み可能で、口座開設・維持費用は無料です。
今利用している証券会社から他の証券会社に投資信託などは移管することが可能です。
通常は移管元の証券会社で手数料が必要になりますが、下記のネット証券なら移管元で支払った移管手数料をキャッシュバックしてくれるので実質無料で移管することができます。また、他社で購入した投資信託もポイント還元の対象となります。
その他下記の証券会社でも購入できます。
>> GMOクリック証券
投資信託の基準価額(投資信託の値段)が日本円で表示されていても、海外に投資する投資信託であれば為替の影響は基本的には避けることができません。
投資信託の購入時より円安ならば利益となりますが、円高となると為替は損失となるので投資信託を通じて購入している海外の株式等が値上がりしても利益を押し下げる要因となります。
そんな為替変動リスクを追加資金なしで小さくできるのがauカブコムFXです。
auカブコムFXはauカブコム証券で保有している株式だけでなく投資信託も担保にFXの取引が可能なので、追加で資金は必要なくFXを利用して為替ヘッジを行うことができます。(掛目の70%をFXの証拠金として利用できる)
円高が気になるなら検討してみてください!
投資信託に投資するのにおすすめの証券会社は?
ネット証券では投資信託に関するポイント還元など様々なサービスを行っていますが、どのような違いがあるのか、おすすめはどこかは下記も参考にしてみてください。
参考 【投資信託】ネット証券おすすめ比較ランキング!お得な口座は?
各資産クラスのインデックスファンドの比較についてはこちら!
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