FX会社は多数ありますが、それぞれ一長一短がありどんなトレードスタイルにも万能なFX会社はなく複数のFX会社を使い分けるのが常識となっています。
FXで口座を複数持つメリット・デメリットや、トレードスタイルごとのおすすめのFX会社の組み合わせについて紹介します。
FX口座を複数持つメリットとは?
リスクを回避することができる
FX業者でのシステムトラブルは以前と比べるとだいぶ少なくはなりましたが、今後もシステムトラブルが発生しなというわけではありません。
システムトラブルが発生して取引ができなくなってしまうと、ポジションを持っていないのであれば損失はありませんが(機会損失はありますが)、例えば買いポジションを持っていて為替レートが勢いよく下落してしまったら含み損となってしまう場合もありますし、最悪ロスカットされてしまうといったこともあり得ます。
参考 FXのポジションとは?ポジションを持ち続けることは可能?
参考 FXの強制ロスカットとは?計算方法や証拠金維持率・レバレッジとの関係は?
複数口座を持っていれば、他のFX業者で同じ通貨ペアで逆のポジションを持つことによって損益を相殺することができます。
同じ取引数量で逆のポジションを持てば、その時点での損益を固定させることができ、逆のポジションの方が少ない取引数量でも損失を抑えることが可能です。
また、取引しようとしている通貨ペアのスプレッドが広がっているときには、他のFX業者ではより狭く有利に取引できるような場合もあります。
複数口座を保有していればスプレッドがより狭いFX口座で取引することにより、コストを抑えることも可能です。
トレードスタイルによって使い分けをすることができる
FXでは、中長期で取引するスイングトレードやポジショントレード、短期で取引するスキャルピングやデイトレードなどのトレードスタイルがあります。
参考 FXのトレードスタイルの種類と特徴って?初心者におすすめなのは?
普段はスイングトレードやポジショントレードなどで、中長期でトレードしているけれども、相場状況によっては短期で取引したい場合や、逆に普段は短期でトレードしているけれども、中長期で取引したいような時というのは結構あったりします。
ただ、普段のトレードスタイルで取引しているFX口座で普段とは違うトレードスタイルで取引すると、資金管理や損益状況などが管理しづらくなります。
そこで、スキャルピングやデイトレード用に実質的な取引コストであるスプレッドが狭く、約定力の高いFX口座を持っておいて、他にスイングトレードやポジショントレード用に最低取引数量が1千通貨以下に対応し、スワップポイントが高いFX口座を持っておいて使い分けるようなこともできます。
FX口座が別であれば、それぞれ資金管理や損益状況は別に行えるので管理しやすくなります。
また、例えばスワップポイントが高いFX口座でも通貨ペア別に管理したいといった時に、同じトレイダーズ証券が運営するみんなのFXとLIGHT FXのようにスプレッドやスワップポイントがほとんど同じ仕様の会社なら、両方に口座を持ち通貨ペアごとに使い分けをするといったことも可能です。
>> LIGHT FX(公式サイト)
参考 LIGHT FX(ライトFX)とみんなのFXの違いって?スプレッドやスワップポイントは異なる?
様々なツールを利用することができる
各FX会社では様々な取引ツールを無料で利用することができますが、機能はそれぞれ違いがあります。
例えば、サクソバンク証券などではテクニカル分析に基づいたトレードチャンスを自動的に検出し、リアルタイムに通知してくれるオートチャーティストといったツールを利用できたりします。
参考 サクソバンク証券のオートチャーティストの使い方を解説!勝率を上げるには?
ほかにもFXプライムbyGMOなどでは、最大約12年分(ローソク足3000本分)の過去チャートの中から、現在のチャートと形状が似ている時期を瞬時に探し出し、「過去の値動き」を参考にして「将来の値動き」を予測する分析ツールが無料で利用できます。
参考 FXのチャート分析でおすすめツールって?初心者でも簡単にテクニカル分析!?
このようなツールを利用して、テクニカル分析などを行い、実際のトレードはよりスプレッドが狭いFX会社であったり、スワップポイントがより高いFX会社で取引するといった使い方をすることによって有利に取引することができます。
参考 FX会社のスプレッドを比較!狭いだけでは低コストと言えない理由とは?
複数の情報を入手することができる
FX会社では様々なニュース配信会社と提携して、為替に関することや金融情報などのニュースを参照することができますが、FX会社によって参照できる情報は異なっています。
主な情報提供サービスとしては下記のような情報元があります。
為替情報
- FXi24
- MarketWin24
総合金融情報
- ロイター
- ダウ・ジョーンズ
特に為替情報に特化したマーケット情報やニュースが参照できるのが、「FXi24」「MarketWin24」で、両方とも無料で参照できるFX会社としては外為オンラインやマネーパートナーズ、FXプライムbyGMOなどがあります。
参考 FXの為替ニュースなど情報収集するのにおすすめのFX口座はどこ?
外為オンラインやマネーパートナーズではロイターの情報も参照することもできるので一通りの情報を参照することができます。
>> 外為オンライン(公式サイト)
>> マネーパートナーズFX(公式サイト)
また、FXで注目されている指標発表の結果が指標発表と同時にほぼリアルタイムに確認することができるのがヒロセ通商とJFXで、上記2社では参照できないダウ・ジョーンズの情報を参照することができるので、上記2社と合わせると多くの情報元を網羅することができます。
>> ヒロセ通商【LION FX】(公式サイト)[詳細解説]
>> JFX株式会社(公式サイト)
FX口座を複数持つデメリットとは?
損益通算する必要がある
FXでは、給与による収入が2,000万円以下で売買やスワップポイントなどによる所得が20万円を超えると確定申告が必要で、給与所得がない方ならFXなどでの所得が38万円を超えると確定申告が必要となります。
FXは税法上は「先物取引に係る雑所得等」に分類されるため、他の先物取引やオプション取引、CFDなども合算して算出されます。
そのため、FXを複数口座で取引していた場合は、取引したすべての口座の損益を合算する必要があるので、やや手間がかかります。
また、年間を通して損失となっていた場合は確定申告する必要はありませんが、繰越控除で最大3年間繰り越しがができます。
例えばその年に30万円の損失が出て、次の年に30万円の利益が出ても相殺されるので、損失が出ても確定申告しておけば節税することができます。
参考 税金についてより詳細を確認したい場合は税理士さんに相談するのが確実です。
資金が分散されるのでより多くの資金が必要
複数の口座で取引をする場合は、それぞれの口座に資金が必要となるので、1つのFX口座だけで取引する場合より、多くの資金が必要となる場合があります。
ただ、トレードスタイルによって複数のFX口座を使い分けるような場合などは、各トレードスタイルごとの資金を準備するので、複数口座の方が資金管理や損益状況などは管理しやすいです。
FX口座のおすすめの組み合わせは?
FXには様々なトレードスタイルがあり、短期から中長期まで取引期間の長さでいくつかに分けられていて、自分のライフスタイルに合ったトレードスタイルを確立させること必要で、FXで注文してから決済するまでのポジションの保有期間によってトレードスタイルは主に4つに分けられます。
参考 FXのトレードスタイルの種類と特徴って?初心者におすすめなのは?
参考 FXのポジションとは?ポジションを持ち続けることは可能?
トレードスタイル | ポジション保有期間 | 獲得pipis数(目安) |
スキャルピング | 数秒~数分 | 数pips~10pips |
デイトレード | 数分~1日 | 数十pips |
スイングトレード | 1日~数週間 | 数十pips~数百pips |
ポジショントレード | 数週間~数年 | 数百pips以上 |
参考 FXのpips(ピップス)とは?1pipsがいくらか簡単に計算するには?
トレードスタイルによって何を重視するかが変わりますが、トレードスタイル別のおすすめのFX会社は下記のようなFX会社が挙げられます。
スキャルピング・デイトレード
スキャルピングやデイトレードのように短期取引する場合、実質の取引コストとなるスプレッドが狭いだけでなく約定力が高いFX会社を選べば隠れコストと言われるスリッページを減らすことができ、結果利益を上げやすくなります。
参考 FXの約定力が高くスリッページが発生しにくいFX会社はどこ?
約定力が高いことで定評があり、スキャルピングを公認しているFXプライムbyGMO、マネーパートナーズの2社に口座を持っておけばリスク回避などにも対応ができます。
参考 FXでスキャルピングOKのおすすめ口座ってどこ?スプレッドが狭いだけでいい?
>> FXプライムbyGMO(公式サイト)[詳細解説]
>> マネーパートナーズFX(公式サイト)
少額から投資をするなら1,000通貨からの取引に対応し、やや約定力は落ちるものの、スキャルピングを公認しているヒロセ通商という選択肢もあります。
>> ヒロセ通商【LION FX】(公式サイト)[詳細解説]
特に指標発表を狙ったトレードを行うなら、指標発表の結果が指標発表と同時にほぼリアルタイムに確認することができるヒロセ通商は抑えておきたいFX会社で、米国雇用統計のような為替レートが大きく変動するときにも約定率が100%で、提示されているスプレッドが最も狭かったサクソバンク証券と組み合わせると有利に取引することができます。
>> ヒロセ通商【LION FX】(公式サイト)[詳細解説]
スイングトレード・ポジショントレード
スイングトレードやポジショントレードのように中長期取引する場合、1回のトレードで大きく利益を得ることを狙う一方で、一時的な為替レートの変動によって損切りされないように、損切り幅は大きめにするので、損切りとなった場合には損失が大きくなります。
参考 FXスイングトレードとは?利益を上げるためのやり方やコツってあるの?
参考 FXポジショントレードとは?利益を上げるためのやり方やコツってあるの?
例えば、米ドル円が100円だとして99円の時に損切りしたとすると、1万通貨で1万円、1千通貨で1千円の損失となるので、勝ちパターンを確立するまでは最低取引数量が1千通貨以下のFX会社でトレードすれば、負け続けても損失額は小さくなります。
また、実質的な取引コストであるスプレッドは狭いほうがいいですが、比較的長くポジションを保有するのでスワップポイントが高いFX会社を選んだほうが有利となり、1,000通貨以下で取引ができて、スプレッドが狭く、スワップポイントが高いFX会社としては、みんなのFX・LIGHT FXがおすすめです。
>> LIGHT FX(公式サイト)
参考 LIGHT FX(ライトFX)とみんなのFXの違いって?スプレッドやスワップポイントは異なる?
ただ、みんなのFX・LIGHT FXは提携している外部のニュース配信会社は少ないので、多くのニュース配信会社と提携していて、独自レポートやセミナーなどが充実している外為オンラインを組み合わせると情報収集も充実します。
>> 外為オンライン(公式サイト)
スワップトレード
スワップトレードは、スイングトレードやポジショントレードのように中長期のトレードスタイルですが、スイングトレードやポジショントレードが為替差益を狙いますが、スワップトレードの場合は、二国間の金利差であるスワップポイントを狙った取引となります。
FXでは高金利通貨を買って日本円のような低金利通貨を売った場合は、外貨預金の利息に相当するスワップポイントを日々得ることができます。
参考 FXのスワップポイントとは?2国間の金利差を低リスクで日々もらうには?
スワップトレードの場合は、同じ通貨ペアでもFX会社によってスワップポイントは異なるので、安定的に高いスワップポイントとなっているFX会社を選ぶこととなりますが、通貨ペアごとにFX会社を分けることによって資金管理や損益状況などは管理しやすくなります。
どの通貨ペアでもスワップポイントが高めなのがみんなのFX・LIGHT FXで、特にLIGHT FXは高金利通貨のスワップポイント高く、高金利通貨に投資するならおすすめです。
しかも、みんなのFXとLIGHT FXは1,000通貨からと少額から投資可能で、基本的にはみんなのFXとLIGHT FXのスプレッドやスワップポイントは同じ条件なので通貨ペアごとに使い分ける使い方も可能ですし、短期取引と中長期取引で使い分けるといった使い方も可能です。
>> LIGHT FX(公式サイト)
参考 LIGHT FX(ライトFX)とみんなのFXの違いって?スプレッドやスワップポイントは異なる?
まとめ
FX会社は多数ありますが、それぞれ一長一短がありどんなトレードスタイルにも万能なFX会社はなく複数のFX会社を使い分けるのが常識となっています。
FX口座を複数持った場合のメリット・デメリットとしては下記のような点が挙げられます。
メリット
- リスクを回避することができる
- トレードスタイルによって使い分けをすることができる
- 様々なツールを利用することができる
- 複数の情報を入手することができる
デメリット
- 損益通算する必要がある
- 資金が分散されるのでより多くの資金が必要
デメリットもありますが、メリットも大きく、口座開設・維持費用も無料なので複数の口座を保有していろいろ触ってみると自分にとって使いやすいFX会社を見つけてみてください。
取引スタイル別のおすすめのFX口座の組み合わせは下記となりますので、この機会に検討してみてください。
スキャルピング・デイトレード
スイングトレード・ポジショントレード
スワップトレード