バンガード・超長期米国債ETF(EDV)は、残存期間が20~30年の米国債(ストリップス債)に分散投資ができる米国ETFです。
ブルームバーグ米国債STRIPS(20-30年)均等額面インデックスへの連動を目指すETFですが、過去はどの程度の利回りとなっていたのか内容について確認してみました。
バンガード・超長期米国債ETF(EDV)の特徴とは?
基本概要
ファンド名 | バンガード・超長期米国債ETF |
TICKER | EDV |
国籍 | 米国 |
管理会社 | ザ・バンガード・グループ・インク |
ベンチマーク | ブルームバーグ米国債STRIPS(20-30年)均等額面インデックス |
購入時手数料(税込) | 約定代金の0.495%(0ドル~22ドル) ※主要ネット証券の場合 |
総経費率 | 0.06% |
純資産総額(百万米ドル) | 3,401 |
月間出来高 | 984万株 |
配当利回り | 3.81% |
分配金回数 | 年4回 |
NISA | 成長投資枠対象 |
設定日 | 2007年12月6日 |
投資対象
バンガード・超長期米国債ETF(EDV)は、「ブルームバーグ・バークレイズ米国債STRIPS(20-30年)均等額面インデックス」の動きに連動する投資成果を目指す海外ETFです。
「ブルームバーグ・バークレイズ米国債STRIPS(20-30年)均等額面インデックス」は、残存期間が20~30年の米国財務省証券ストリップス債のパフォーマンスを測定する指数です。
ストリップス債は、野村證券の用語解説によると下記のような説明がされています。
米国財務省によって開発されたもので、利付債の元本部分と利札部分が分離され、それぞれの部分がゼロクーポンの割引債として販売されるものをいう。
利付債は通常元本部分と利札で構成されるが、元本部分をこの利付債の償還日を満期とする割引債(ゼロクーポン債)、各利札をそのクーポンの支払期日が満期の割引債(ゼロクーポン債)として、販売するものがストリップスである。
トレジャリー・ノート・ベーシック、トレジャリー・ボンド・ベーシックが元本部分のストリップスであり、日本国内の投資家も買付が可能となっている。(引用元:野村證券 証券用語解説「ストリップス債」
債券というと定期的に利息が貰える利付債券をイメージする方も多いかと思いますが、ストリップス債は利息が貰えない代わりに額面金額より低い価格で発行される債券で、長期になればなるほど低い価格となります。
ストリップス債はネット証券で直接購入することは可能で、例えばSBI証券でも下記のように取扱いがあります。
発行者はすべて米国政府で残存期間が20年以上の債券で占められていて、平均デュレーションは24.1年です。
※引用:バンガード・超長期米国債ETF(EDV)の2024年6月末時点の情報より
一般的に金利が上昇すれば債券価格は下落し、金利が低下すれば債券価格は上昇します。
※引用:三菱UFJアセットマネジメント
その際にデュレーションが長いほど債券価格の変動幅は大きくなります。
信託報酬などのコスト
売買手数料 | 各証券会社により異なるが、為替手数料・スプレッドも加味すると松井証券が最安 【海外株式・ETF】ネット証券口座おすすめ比較ランキング!手数料が安いのは? |
総経費率 | 0.06% |
米国ETFは株式同様に売買手数料と為替手数料がかかりますが、下記のネット証券のNISA口座を利用すれば、国内株式・ETFや米国株式・ETFの売買手数料が無料となります。
純資産残高・出来高
純資産残高は3,401(百万米ドル)なので、米ドル円が150円とすると約5,100億円となります。
また、月間出来高は約984万株と流動性もそこそこあります。
配当利回りや配当実績
配当利回りは3.81%で直近の分配金は下記のとおりです。
ETFの分配金はファンドでの運用益からのみ出されるため、投資信託(非上場)でみられる自己資産を切り崩したタコ足配当がないので安心して受け取れます。
ただ、海外ETFの分配金は二重課税されていたり、再投資は手動で行う必要があるなど取り扱いがちょっと面倒なところがあるので注意が必要です。
参考 ETFとJDRの違いって?複雑な分配金に対する税金をまとめてみました!
NISAの対応状況
バンガード・超長期米国債ETF(EDV)は、新NISA(2024年以降)の「成長投資枠」の対象となるのでNISA口座を利用すれば売却益などが非課税となります。
参考 金融庁「新しいNISA」
成長投資枠は、年間240万円まで投資ができ、限度額最大1,200万円までなら無期限で非課税となるので節税効果は大きいです。
ただし、配当金・分配金は現地の米国で10%課税されていて、この部分の税金はNISAでも非課税とはなりません。
参考 NISAとiDeCoの違いの比較については下記も参考にしてみてください。
バンガード・超長期米国債ETF(EDV)のパフォーマンスは?
運用実績・利回り
ETF(年率) | ベンチマーク | |
1年 | ー12.62% | ー12.49% |
3年 | ー16.22% | ー16.17% |
5年 | ー7.37% | ー7.32% |
10年 | ー0.06% | ー0.06% |
設定来 | +3.14% | +3.3% |
※バンガード・超長期米国債ETF(EDV)の2024年6月末時点の情報より
※税引前分配金を再投資したものとして算出されたもので、ファンドに関する費用(管理報酬およびその他の経費)は控除後
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
EDVの過去のチャートや他のETFとの比較
同じバンガード社のETFで残存期間が10年超の米国債(利付債)を構成銘柄とする「バンガード・米国長期国債ETF (VGLT)」と、米国の残存期間が10年超の米国債や社債などを構成銘柄とする「バンガード・米国長期債券ETF(BLV)」とのトータルリターン(税引前配当金を再投資した場合)の比較は下記の様になっています。
参考 【VGLT】バンガード 米国長期国債 ETFの評価・評判ってどう?米国株式の暴落に強い?
参考 【BLV】バンガード・米国長期債券ETFの評価や評判は?配当利回りはどのくらい?
※引用:ETFreplay.com
緑がバンガード・超長期米国債ETF(EDV)、青がバンガード・米国長期国債ETF (VGLT)、黄がバンガード・米国長期債券ETF(BLV)の2009年11月19日からのトータルリターンのチャートです。(設定日が一番若いVGLTに合わせるため)
「バンガード・超長期米国債ETF(EDV)」が対象期間のほとんどの期間でパフォーマンスが良かったのですが、直近まで含めると「バンガード・米国長期債券ETF(BLV)」の方が上回った感じとなっています。
また、ボラティリティ(価格変動の大きさ)は、平均デュレーションが最も長い「バンガード・超長期米国債ETF(EDV)」が大きく、価格変動が大きいことがわかります。
そのため、3つの長期債券に投資するETFでは、「バンガード・米国長期債券ETF(BLV)」が最もパフォーマンスが良く、より安定した値動きとなっています。
また、「バンガード・超長期米国債ETF(EDV)」と米国の代表的な株価指数であるS&P500と連動する「iシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)」とのトータルリターン(税引前配当金を再投資した場合)を比較すると下記の様になっています。
参考 iシェアーズ・コア S&P500 ETF(IVV)の評価って?利回りや配当はどのくらい?
※引用:ETFreplay.com
緑がバンガード・超長期米国債ETF(EDV)、青がiシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)の、2007年12月6日(EDVの設定日)からのトータルリターンのチャートです。
トータルリターンは債券より値動きが大きい株式に投資する「iシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)」の方がパフォーマンスは良くなっていますが、ボラティリティ(価格変動の大きさ)では「バンガード・超長期米国債ETF(EDV)」の方が大きくなっています。
それでも株式と逆相関の関係になっている場面もあり、両方保有していれば大きく資産が減ることは避けられ分散効果を享受できていたということになります。
ただ、「バンガード・超長期米国債ETF(EDV)」ボラティリティが大きいので、よりデュレーションが短い下記のようなETFを利用した方がより安定的な値動きとなる期待が持てます。
参考 【BND】バンガード・米国トータル債券市場ETFの評価や評判は?配当利回りはどのくらい?
参考 【BSV】バンガード・米国短期債券ETFの評価や評判ってどう?配当利回りはどのくらい?
評価・まとめ
バンガード・超長期米国債ETF(EDV)は、「ブルームバーグ米国債STRIPS(20-30年)均等額面インデックス」の動きに連動する投資成果を上げることを目標とし、残存期間が20~30年の米国財務省証券ストリップス債に分散投資ができる海外ETFです。
平均デュレーションが長いので、ボラティリティが大きくなりがちなので株式との分散投資先としてはやや値動きが大きいように思われます。
よりデュレーションが短い下記のようなETFを利用した方がより安定的な値動きとなる期待が持てます。
参考 【BND】バンガード・米国トータル債券市場ETFの評価や評判は?配当利回りはどのくらい?
参考 【BSV】バンガード・米国短期債券ETFの評価や評判ってどう?配当利回りはどのくらい?
米国株式や米国ETFを購入するのにおすすめの証券会社は?
バンガード・超長期米国債ETF(EDV)は、NISA口座の成長投資枠を利用して購入すれば、売却益と配当・分配金は非課税(米国で10%課税はされる)となります。
主要ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券)ではNISA口座での米国株・ETFの売買手数料が無料となるので、ぜひ活用を検討してください。
参考 米国ETFをNISAで購入するメリットやデメリットとは?
売買手数料が業界最安水準で為替手数料(スプレッド含む)が無料の松井証券
売買手数料が業界最安水準で、為替手数料が無料なので低コストで取引できます。
また、米国株・ETFの銘柄選び、売買の材料探し、最適な取引タイミングなど、個別銘柄に関する疑問や悩みを無料で相談できる窓口が設置されているので初心者の方でも安心して米国株・ETFへの投資を始められます。
もちろん口座開設・維持費は無料でNISA口座を利用すれば米国株・ETFの売買手数料は無料となります。
米国株・ETFの自動積立が可能で貸株にも対応しているSBI証券
SBI証券は売買手数料が業界最安水準で、リアルタイム為替取引時の為替手数料は無料となっています。(別途買値と売値の差であるスプレッドはコストとしてかかります)
10,000通貨以上ならSBI FXαを使えば0.2銭で両替できるので低コストで米ドルへ両替ができ、10,000通貨未満であれば住信SBIネット銀行で外貨に交換(片道6銭)するか、外貨積立を利用すれば買付時の為替手数料はかかりません。
また、米国株・ETFの自動積立が可能で、貸株にも対応しています。
参考 ETFを自動積立できるネット証券会社は?手数料や対象銘柄は?
参考 SBI証券の米国貸株サービスの金利ってどのくらい?ETFも対象!
米国株・ETFの自動積立が可能で配当金も自動で再投資できるマネックス証券
マネックス証券は売買手数料が業界最安水準で、為替手数料は円貨決済時も買付時は無料です。(米ドルを円に交換する時は25銭の手数料が発生します)
米国株・ETFの自動積立が可能で、配当金を自動で再投資して複利効果を得ることも可能です。
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