バンガード・超長期米国債ETF(EDV)は、残存期間が20~30年の米国債(ストリップス債)に分散投資ができる海外ETFです。
ブルームバーグ・バークレイズ米国債STRIPS(20-30年)均等額面インデックスへの連動を目指すETFですが、過去はどの程度の利回りとなっていたのか内容について確認してみました。
バンガード・超長期米国債ETF(EDV)の特徴
投資対象
バンガード・超長期米国債ETF(EDV)は、「ブルームバーグ・バークレイズ米国債STRIPS(20-30年)均等額面インデックス」の動きに連動する投資成果を目指す海外ETFです。
「ブルームバーグ・バークレイズ米国債STRIPS(20-30年)均等額面インデックス」は、残存期間が20~30年の米国財務省証券ストリップス債のパフォーマンスを測定する指数です。
ストリップス債は、野村證券の用語解説によると下記のような説明がされています。
米国財務省によって開発されたもので、利付債の元本部分と利札部分が分離され、それぞれの部分がゼロクーポンの割引債として販売されるものをいう。
利付債は通常元本部分と利札で構成されるが、元本部分をこの利付債の償還日を満期とする割引債(ゼロクーポン債)、各利札をそのクーポンの支払期日が満期の割引債(ゼロクーポン債)として、販売するものがストリップスである。
トレジャリー・ノート・ベーシック、トレジャリー・ボンド・ベーシックが元本部分のストリップスであり、日本国内の投資家も買付が可能となっている。(引用元:野村證券 証券用語解説「ストリップス債」
通常債券というと定期的に利息が貰える利付債券をイメージする方も多いかと思いますが、ストリップス債は利息が貰えない代わりに額面金額より低い価格で発行される債券で、長期になればなるほど低い価格となります。
ストリップス債はネット証券で直接購入することは可能で、例えばSBI証券でも下記のように取扱いがあります。
例えば2045年償還のストリップス債であれば、参考単価は49.83なので償還日まで保有していれば2倍の100で売却することができます。
※下記はバンガード・超長期米国債ETF(EDV)2018年9月末時点の情報です。
発行体別構成比率
実行残存期間別構成比率
格付別構成比率
保有銘柄の詳細
バンガード・超長期米国債ETF(EDV)では元本部分と利札部分のストリップス債で構成されています。
ETFの主なデータ
コスト
売買手数料 | 各証券会社により異なるが、為替手数料も加味するとSBI証券が最安 参考 【海外株式・ETF】ネット証券口座おすすめ比較ランキング!手数料が安いのは? |
総経費率 | 0.07% |
純資産残高・出来高
純資産残高は約1,000億円で、月間出来高は約354万株とバンガード社の他のETFと比較すると流動性はそれほど高くはないようです。
配当・分配金
分配金利回りは2.81%(2019年5月)で直近の分配金は下記のとおりです。
ETFの分配金はファンドでの運用益からのみ出されるため、投資信託(非上場)でみられる自己資産を切り崩したタコ足配当がないので安心して受け取れます。
ただ、海外ETFの分配金は二重課税されていたり、再投資は手動で行う必要があるなど取り扱いがちょっと面倒なところがあるので注意が必要です。
参考 ETFとJDRの違いって?複雑な分配金に対する税金をまとめてみました!
運用実績・利回り
ETF(年率) | ベンチマーク | |
1年 | +7.04% | +6.05% |
3年 | +1.19% | +0.98% |
5年 | +6.48% | +6.38% |
10年 | +7.16% | +7.27% |
設定来 | +7.22% | ー |
※バンガード・超長期米国債ETF(EDV)2019年4月末時点の情報より
※設定日は2007年12月6日
※税引前分配金を再投資したものとして算出されたもので、ファンドに関する費用(管理報酬およびその他の経費)は控除後
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
過去のチャート
残存期間が10年超の米国債(利付債)を構成銘柄とする「バンガード・米国長期国債ETF (VGLT)」と、米国株式市場の動向を表す代表的なインデックスの一つあるS&P500に連動する「iシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)」と比較したのが下記のチャートとなります。
参考 iシェアーズ・コア S&P500 ETF(IVV)の評価って?利回りや配当はどのくらい?
(引用元:ETFreplay.com)
緑がバンガード・超長期米国債ETF(EDV)、青がバンガード・米国長期国債ETF (VGLT)、黄色がiシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)の、2009年11月19日からのトータルリターンのチャートです。(設定日が一番若いVGLTに合わせるため)
対象期間では、S&P500に連動する「iシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)」が最もトータルリターンが良く、次いで「バンガード・超長期米国債ETF(EDV)」が良くなっています。
ただ、「バンガード・米国長期国債ETF (VGLT)」を外して、リーマンショック前からで「バンガード・超長期米国債ETF(EDV)」と「iシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)」を比較したのが下記となります。
(引用元:ETFreplay.com)
緑がバンガード・超長期米国債ETF(EDV)、青がiシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)の、2007年12月6日からのトータルリターンのチャートです。
「バンガード・超長期米国債ETF(EDV)」と「iシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)」でトータルリターンは大体同じくらいとなっていて、特に赤で囲んだリーマンショックがあった時期は株式に投資する「iシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV)」が大きく下落している反面、「バンガード・超長期米国債ETF(EDV)」は大きく上昇していて、この時は株式と債券で逆相関の関係となっていて、両方保有していれば大きく資産が減ることは避けられていて分散効果を享受できていたということになります。
その他の期間では必ずしも逆相関となっているわけではありませんが、株式相場が下落しそうなときに、「バンガード・超長期米国債ETF(EDV)」を保有して、株式市場が上向きになったら手放すと行った一時的にリスクヘッジするような使い方も考えられそうです。
当ETFの情報
- 分類:海外ETF(上場市場:NYSE Arca)
- ベンチマーク:ブルームバーグ・バークレイズ米国債STRIPS(20-30年)均等額面インデックス
- 売買手数料:各証券会社により異なる
- 総経費率:0.07%
- 純資産残高:約1,000億円
- 分配金利回り:2.81%
- 売買単位:1株(約13,000円(2019年5月))
- 決算:年4回
- 設定日:2007年12月6日
評価・まとめ
バンガード・超長期米国債ETF(EDV)は、「ブルームバーグ・バークレイズ米国債STRIPS(20-30年)均等額面インデックス」の動きに連動する投資成果を上げることを目標とし、残存期間が20~30年の米国財務省証券ストリップス債に分散投資ができる海外ETFです。
過去10年で平均年率7%と債券でも高いパフォーマンスとなっていて、リーマンショックの時には米国株式市場の動向を表す代表的なインデックスの一つあるS&P500が下落している中でも上昇していたので、この時は株式と債券で逆相関の関係となっていて、両方保有していれば大きく資産が減ることは避けられていて分散効果を享受できいたと言えます。
ただ、必ずしも逆相関の関係とはなっていなさそうなのですが、分散投資先として保有し続けるという選択以外にも株式相場が下落しそうなときに、一時的に保有しリスクヘッジするといったような使い方もできそうです。
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⇒ SBI証券の米国貸株サービスの金利ってどのくらい?海外ETFも対象!
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参考 米国株への投資は為替変動リスクが気になる?軽減する方法はある?
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