Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF(SPXL)は、米国の代表的な株価指数であるS&P500の3倍の値動きとなる投資成果を目指した海外ETFです。
レバレッジ型ETFは、一般的に長期投資には向かないと言われてますが、Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF(SPXL)は過去どのような値動きをしていたいのか確認してみました。
Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF(SPXL)の特徴
投資対象
Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF(SPXL)は、ファンドの日々の値動きが米国の代表的な株価指数であるS&P500の日々の値動きの3倍の値動きとなる投資成果を目指した海外ETFです。
S&P500は、ニューヨーク証券取引所、アメリカン証券取引所、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出される、時価総額加重平均型株価指数です。
参考 S&P500に連動する投資信託やETFを比較!おすすめなのは?
Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETFの日々の値動きは、原資産となるS&P500の3倍の値動きとなるので、原資産が前日比5%上昇すれば15%上昇し、5%下落すれば15%下落するような動きをします。
ただ、必ずしも3倍の値動きとなるわけではなく下記のような特徴があります。
【原資産が上昇局面にある場合】
原資産が1日目「+5%」、2日目「+10%」と値上がりした場合は、2日間で15.5%の上昇となるため、レバレッジ型ETFは3×15.5%=46.5%の上昇となりそうですが、実際には49.5%の上昇と必ずしも3倍の値動きとはなりません。
【原資産が下落局面にある場合】
原資産が1日目「ー5%」、2日目「ー10%」と値下がりした場合は、2日間でー14.5%の下落となるため、レバレッジ型ETFは3×ー14.5%=ー43.5%の下落となりそうですが、実際には40.5%の下落と必ずしも3倍の値動きとはなりません。
【原資産が上昇・下落を繰り返す場合】
原資産が1日目「+5%」、2日目「ー10%」、3日目「+6%」といった値動きをした場合は、3日目には基準日の値の水準に戻っていますが、レバレッジ型ETFは約-5%と基準日の値まで回復していません。
上昇と下落を繰り返すような相場ではレバレッジ型ETFはパフォーマンスが次第に悪化していくという特性があるため、長期で保有するほどベンチマークの動きから乖離していきます。
※下記はDirexion デイリーS&P500ブル3倍 ETF(SPXL)2018年12月末時点の情報です。
業種別構成比率
保有上位10銘柄
コスト
売買手数料 | 各証券会社により異なる |
総経費率 | 0.95% |
純資産残高・出来高
純資産残高は約1,150億円(2019年4月)で、月間出来高は約12,700万株と流動性は高い状態にあります。
配当・分配金
分配金利回りは0.68%(2019年4月)で直近の分配金は下記のとおりです。
ETFの分配金はファンドでの運用益からのみ出されるため、投資信託(非上場)でみられる自己資産を切り崩したタコ足配当がないので安心して受け取れます。
ただ、海外ETFの分配金は二重課税されていたり、再投資は手動で行う必要があるなど取り扱いがちょっと面倒なところがあるので注意が必要です。
参考 ETFとJDRの違いって?複雑な分配金に対する税金をまとめてみました!
運用実績・利回り
ETF(年率) | S&P500(配当込み) | |
1年 | +14.43% | ー4.36% |
3年 | +32.86% | +9.25% |
5年 | +24.31% | +8.49% |
10年 | +40.52% | +13.11% |
設定来 | +26.53% | +11.78% |
※Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF(SPXL)2019年3月末時点の情報より
※設定日は2008年11月5日
※税引前分配金を再投資したものとして算出されたもので、ファンドに関する費用(管理報酬およびその他の経費)は控除後
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
過去のチャート
下記はS&P500と比較したチャートです。
(引用元:モーニングスター)
緑がDirexion デイリーS&P500ブル3倍 ETF(SPXL)、オレンジがS&P500の2008年11月5日からのリターンのチャートです。
該当期間ではS&P500のリターンが190%に対して、SPXLは約1,100%と驚異的なリターンとなっています。
レバレッジ型ETFでは、上昇と下落を繰り返すような相場ではレバレッジ型ETFはパフォーマンスが次第に悪化していくという欠点があるもの、該当期間ではS&P500は下記のように右肩上がりの上昇相場となっていて、レバレッジ型ETFの弱点をものともしないパフォーマンスとなっています。
(引用元:モーニングスター)
S&P500の2008年11月5日からのリターンのチャートです。
ただ、例えば2018年9月から11月にかけてS&P500は約2,900ポイントから約2,500ポイントと約13.8%の下落をしていて、その期間でSPXLは約39.4%の下落と下落幅はかなり大きく、ハイリスク・ハイリターンな値動きとなることは忘れてはいけません。
当ETFの情報
- 分類:海外ETF(上場市場:NYSE Arca)
- ベンチマーク:S&P500の日々の値動きの3倍の値動き
- 売買手数料:各証券会社により異なる
- 総経費率:0.95%
- 純資産残高:約1,150億円
- 分配金利回り:0.68%
- 売買単位:1株(約5,600円(2019年4月))
- 決算:ー
- 設定日:2008年11月5日
評価・まとめ
Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF(SPXL)は、ファンドの日々の値動きが米国の代表的な株価指数であるS&P500の日々の値動きの3倍の値動きとなる投資成果を目指した海外ETFです。
参考 S&P500に連動する投資信託やETFを比較!おすすめなのは?
Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETFの日々の値動きは、原資産となるS&P500の3倍の値動きとなるので、原資産が前日比5%上昇すれば15%上昇し、5%下落すれば15%下落するような動きをしますが、必ずしも3倍の値動きとはならず、特に上昇と下落を繰り返すような相場ではレバレッジ型ETFはパフォーマンスが次第に悪化していくという特性があります。
それでも、設定来ではS&P500は右肩上がりの上昇相場だったため、該当期間ではS&P500のリターンが190%に対して、SPXLは約1,100%と驚異的なリターンとなっています。
今後相場が横ばいになったり下落局面となると、下落幅が大きくなる可能性はありハイリスク・ハイリターンではありますが、長期的に右肩上がりで成長してきたS&P500の今後の成長にかけ、資産の一部であれば投資してみるのは面白いのではないかと思います。
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⇒ SBI証券の米国貸株サービスの金利ってどのくらい?海外ETFも対象!
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