FXでは、トルコリラや南アフリカランド、メキシコペソなどの高金利通貨と日本円のような低金利通貨を組み合わせた通貨ペアを買いで保有していれば、日々スワップポイントをもらうことができます。
また、FX会社によってはポジションが未決済のまま(例えばアメリカドル円を買ったままの状態)スワップポイントを引き出し(出金)することも可能です。
スワップポイントを引き出したい場合どのFX会社を利用すればいいのか、その場合の税金がどうなるのか確認してみました。
スワップポイントとは?
FXのスワップポイントとは、通貨間の金利差調整分のことで、金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を買えば、2通貨間の金利差である差額としてスワップポイントを受け取ることができます。
参考 FXのスワップポイントとは?2国間の金利差を低リスクで日々もらうには?
逆に金利が低い通貨を売り、金利が高い通貨を買えばスワップポイントを支払うこととなります。
日本の金利は低水準となっているので、米ドルやトルコリラ円などを買い日本円を売れば、外貨預金の利息に相当するスワップポイントを受け取ることができ、FXのスワップポイントは外貨預金と異なり日々付与されます。
FXのスワップポイントを左右する大きな要因の一つである政策金利を高い順に並べると下記の様になっていて、2国間の金利差をスワップポイントとして得られるので、政策金利が高い通貨を買って、政策金利がほぼ0%の日本円を売ればその差分をスワップポイントとして受け取ることができます。
国名 | 政策金利 |
トルコ | 50% |
メキシコ | 10.25% |
南アフリカ | 8% |
ニュージーランド | 4.75% |
アメリカ | 4.75% |
イギリス | 4.75% |
オーストラリア | 4.35% |
カナダ | 3.75% |
ユーロ | 3.4% |
日本 | 0.25% |
※2024年11月時点
また、FXの特徴であるレバレッジをかけないで1倍で取引すれば外貨預金と同程度のリスクでより低コストで投資することができ、レバレッジを2倍にすればスワップポイントも2倍受け取ることが可能となります。
スワップポイントが引き出し(出金)できるFX会社の比較表
FXのスワップポイントは日々受け取ることができ、ポジションが未決済のままでも引き出すことが可能なので、貯まったスワップポイントを好きな時に出金し生活費の一部に充てるようなことができます。
ただ、ポジションが未決済でスワップポイントの引き出しが可能かどうかはFX会社によって異なっていて、引き出したスワップポイントが課税対象となるかもFX会社によって異なるので下記にまとめてみました。
引き出し可能 | 未決済ポジションの スワップポイントの課税 | 最低取引数量 (米ドル円) | |
---|---|---|---|
外為オンライン | ○ ※1 | 非課税 ※1 | 1,000通貨 |
松井証券のFX | ○ ※2 | 非課税(振替前) | 1通貨 |
外為どっとコム | ○ ※2 | 非課税(振替前) | 1,000通貨 |
みんなのFX | ○ ※2 | 非課税(受取前) | 1,000通貨 |
LIGHT FX | ○ ※2 | 非課税(受取前) | 1,000通貨 |
ヒロセ通商【LION FX】 | ○ ※2 | 非課税(振替前) | 1,000通貨 |
DMM FX | ○ ※2 | 非課税(振替前) | 10,000通貨 |
GMOクリック証券【FXネオ】 | ○ | 課税対象 | 1,000通貨 |
GMO外貨(外貨ex) | ○ | 課税対象 | 1,000通貨 |
サクソバンク証券 | ○ | 課税対象 | 1,000通貨 |
セントラル短資FX | ○ | 課税対象 | 1,000通貨 |
岡三オンライン【くりっく365】 | × | 非課税 | 10,000通貨 |
※1:出金可能額の範囲においてスワップポイント相当の金額を引き出し可能。ポジションを決済した時にスワップポイントは課税対処となる。
※2:スワップポイントの受け取りタイミングは任意で、受け取ったスワップポイントは課税対象となる
多くのFX会社でポジションが未決済でもスワップポイントを引き出すことが可能となっていますが、くりっく365のようにスワップポイントを引き出せない場合もあります。
引き出し可能なFX会社の中では、下記の3パターンに分類されます。
- スワップポイント相当額を引き出し可能(非課税)
- 手動振替してスワップポイントを引き出し可能(振替前は非課税)
- 自動振替が行われスワップポイントを引き出し可能(課税対象)
いずれの場合も、ポジション未決済のスワップポイントを引き出し(出金)した場合にはレバレッジが上がりリスクが高くなる点には注意しましょう。
また、引き出さずに貯めておけばレバレッジが下がり、強制ロスカットされにくくなるといった効果もあります。
スワップポイント相当額を引き出し可能(非課税)
外為オンラインは、未決済ポジションのスワップポイントを引き出し可能で税金はかかりません。
出金可能額は、預託金残高に未決済ポジションによる評価損益やスワップポイントを足して、出金依頼額やポジションを維持するのに必要な証拠金などを引いた金額となるので、その金額を上限としてスワップポイント相当額を引き出し(出金)することは可能です。
ただ、保有しているポジションを決済した時に、為替差益同様にスワップポイントも確定益となるため既にスワップポイント相当額を引き出していたとしてもその金額も含めて課税対象となる点は注意してください。
また、この方式の場合は課税の繰り延べができることとなるので、未決済ポジションのスワップポイントで効率的に追加のポジションを保有でき複利効果が期待できます。
手動振替でスワップポイントを引き出し可能(振替前は非課税)
松井FXや外為どっとコム、みんなのFX、LIGHT FXなどは未決済ポジションのスワップポイントは手動でFX口座に振替することが可能で、振替をすると出金可能で課税対象となります。
この方式の場合は課税のタイミングをコントロールすることができるメリットがあります。
FXの利益は為替差益とスワップポイントがありますが、年間損益合計がプラスであれば基本的には確定申告が必要です。
ただ、下記のケースの時には確定申告が不要となります。
確定申告が不要となるケース
- 年収2,000万円以下の給与所得者で給与を1カ所から受けていて、給与所得・退職所得を除いた年間の所得(為替差益含む)の合計額が20万円以下の場合
- 公的年金のみの所得があり、年金収入が400万円以下の場合で、年間の所得(為替差益含む)の合計額が20万円以下の場合
- 自営業者やフリーランス、無職などで、年間の所得(為替差益含む)の合計額が48万円以下(基礎控除額)の場合
年収2,000万円以下の給与所得者で、FX等の利益が20万円以下であれば確定申告は不要なので、例えば毎年20万円以下のスワップポイント振替を行えば確定申告する手間を省けます。
ヒロセ通商では、未決済ポジションのスワップポイントの振替時に振替金額を指定することができます。全額振替ではなく金額を指定したい場合はヒロセ通商なら可能です。
>> ヒロセ通商【LION FX】(公式サイト)
自動振替が行われスワップポイントを引き出し可能(課税対象)
GMOクリック証券やGMO外貨などは、未決済ポジションのスワップポイントは日々自動で確定益としてFX口座に反映されるので手間なく引き出しが可能です。
そのため、口座全体として出金可能額がマイナスでなければ未決済ポジションのスワップポイントを引き出し可能で課税対象となっています。
ただ、課税対象となるので確定申告を必ずする方は特に問題ないかと思いますが、それ以外の方は手動振替可能なほうが課税タイミングをコントロールできます。
またこの方式の場合は、毎年約20%課税されてしまうため未決済ポジションのスワップポイントで追加でポジションを保有したい場合は、他の方式に比べると複利効果はやや落ちます。
参考 FXのスワップポイントを複利運用するには?FX会社を選ぶポイントは?
まとめ
FXのスワップポイント(スワップ金利)は、通貨間の金利差調整分のことで、金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を買えば、2通貨間の金利差である差額としてスワップポイントを受け取ることができます。
そんなスワップポイントは、ポジションが未決済のままでも多くのFX会社で引き出し(出金)することが可能で、下記の3つのパターンがあります。
- スワップポイント相当額を引き出し可能(非課税)
- 手動振替してスワップポイントを引き出し可能(振替前は非課税)
- 自動振替が行われスワップポイントを引き出し可能(課税対象)
課税についてコントロールしたいのであれば手動振替ができるFX会社が自由度は高く、未決済ポジションのスワップポイントのみで追加ポジションを保有するなら非課税のFX会社を選べば複利効果は期待できます。
スワップポイントはそのまま貯めておけばレバレッジが下がり、強制ロスカットされにくくなるといった効果もあるので、未決済ポジションのスワップポイントをどうしたいかによって適切なFX会社を検討してみてください。
スワップポイント相当額を引き出し可能(非課税)なおすすめFX会社
この方式の場合は、課税の繰り延べができることとなるので、未決済ポジションのスワップポイントで効率的に追加のポジションを保有でき複利効果が期待できます。
外為オンラインがこの方式ですが、自動売買を得意としているので裁量(手動)取引にはスプレッドが広くやや不利となります。
裁量取引を主に行うなら下記の「手動振替してスワップポイントを引き出し可能」なFX会社の方がスプレッドも狭くおすすめです。
>> 外為オンライン(公式サイト)
手動振替してスワップポイントを引き出し可能なおすすめFX会社
この方式の場合は課税のタイミングをコントロールすることができるメリットがありますが、ヒロセ通商ならスワップポイント振替時に金額を指定することができます。
ヒロセ通商はスプレッドは業界でも狭く、特に高金利通貨であるメキシコペソ円、南アフリカランド円、トルコリラ円のスワップポイントが業界でも高水準です。
>> ヒロセ通商【LION FX】(公式サイト)
また、松井証券のFXなら1通貨から取引が可能なので、最低取引数量が1,000通貨のFX会社と比べると1,000分の1の資金で追加ポジションを保有することができるので、複利効果が最も期待できます。
FXで人気のリピート型自動売買も1通貨から取引できるので、より少額から試してみることができます。
>> 松井証券のFX(公式サイト)
他にもLIGHT FX独自のLIGHTペアならスプレッドが狭くスワップポイントが高水準なのでおすすめです。
>> LIGHT FX(公式サイト)
自動振替が行われスワップポイントを引き出し可能なおすすめFX会社
課税タイミングのコントロールが必要なく、追加ポジションも保有しないならこの方式を選ぶという選択肢はあります。
GMO外貨はスプレッドは通貨ペアによってはやや広い場合もありますが、スプレッドは全体的に高水準です。
>> GMO外貨(外貨ex)(公式サイト)
参考 スワップポイント狙いの投資をするのにおすすめな通貨ペアについては下記も参考にしてみてください。
コメント
tk様
コメントありがとうございます。
スワップ出金時に税金がかかる会社で評価損益とスワップの合計がマイナスの場合ですが、それらを加味した出金可能額がプラスならば出金は可能です。
出金可能額は、例えばDMM FXの場合ですが、下記の様に算出されます。
預託証拠金残高-(ポジション必要証拠金+注文証拠金+出金予約額)-約定評価損
※DMM FX「口座照会の見方」
スワップ出金時に税金がかからない会社は評価損益とスワップの合計が
プラスの時だけ出金できるとのことですが、スワップ出金時に税金が
かかる会社だと評価損益とスワップの合計がマイナスでも引き出せますか?