サクソバンク証券は、1992年に設立されたデンマーク金融監督庁の認可を受け、世界170カ国の顧客にサービスを提供しているサクソバンクA/Sの100%子会社です。
海外FXの会社のように思えるかもしれませんが、日本の第一種金融商品取引業に登録されている国内FX会社です。
そんなサクソバンク証券のスプレッドやスワップなどのサービス内容について確認してみました。
サクソバンク証券とは?
サクソバンク証券は、サクソバンクA/Sの100%子会社として2009年にアストマックスFX株式会社を買収してサクソバンクFX株式会社という名称で日本市場でサービスを開始しています。(2016年に現在のサクソバンク証券株式会社に変更)
親会社であるサクソバンクA/Sは1992年に設立されたデンマーク金融監督庁の認可を受けた投資銀行で、世界170カ国の顧客にFX・CFD・先物取引のオンライントレードサービスを提供しています。
特に取引ツールは世界中の業界各紙からの評判が高く、多くのアワードを受賞しています。
そんなサクソバンクA/Sを親会社に持つサクソバンク証券は、第一種金融商品取引業者(関東財務局長(金商)第239号)に登録されている国内FX会社なので、他のGMOクリック証券やDMM FXなどで取引するのと同様に国内のルール(税制やレバレッジ25倍までなど)が適用されます。
サクソバンク証券の特徴は?
口座は2種類だけど基本はスタンダート
サクソバンク証券のFX口座は2種類あり下記のような違いがあります。
スタンダート | アクティブトレーダー | |
特徴 | 取引手数料が無料の分かりやすい口座 スワップ運用向け | インターバンク市場直結型 のNDD方式で透明性が高い スキャルピング向け |
口座開設・ 維持費用 | 0円 | |
手数料 | なし | 総約定代金×0.003% ※1ドル100円の場合 1000通貨取引した場合は片道30円 ステージによって片道10円まで減額 |
標準金額の設定 | なし | あり |
スプレッド | アクティブトレーダーと比較して広い | スタンダードと比較して狭い |
プライス提供者 | SaxoBank A/S | インターバンクを構成する銀行等 |
取引数量の制限 | あり(銘柄によって異なる) | あり(スタンダードコースよりも 大口注文に適する) |
取り扱い 通貨ペア数 | 158通貨ペア | 53通貨ペア |
以前必要だった口座維持費用は廃止され、どちらのコースも口座開設・維持費用は無料となっています。
「アクティブトレーダー」コースはプロ向けの口座として公開はされてませんが、希望すればコース変更は可能です。
ただ、取引数量が大きく頻繁に取引する方以外は、通常の「スタンダード」コースの方が取引手数料が無料でわかりやすく、取り扱い通貨ペア数も多かったり十分ではないかと思います。
※以降「スタンダード」コースについて記載します
取り扱い通貨ペア数は業界最多の158通貨ペア
主要通貨である「日本円」「米ドル」「ユーロ」「英ポンド」はもちろんのこと、「豪ドル」「ニュージーランドドル」「中国元」「香港ドル」「シンガポールドル」以外にも下記のような高金利通貨も取り扱いがあります。
それ以外にも他のFX会社ではあまり見かけないような通貨ペアの取扱いもあります。
取引通貨ペアが多ければその分取引チャンスが増えるといったメリットはありますが、マイナーな通貨は流動性が低く値動きが荒くなる傾向があり、複数の通貨ペアをチェックする時間などがかかるといったデメリットもあるので、まずは主要通貨(スワップ狙いなら高金利通貨も)を中心に少ない通貨ペアをチェックしてみてください。
スプレッドは変動制で相場急変局面に強い
最近のFX会社ではスプレッドは固定制としている多い中、変動制となっていて「スタンダード」コースは「アクティブトレーダー」コースのスプレッド+αといった感じとなっているようです。
下記は「スタンダード」コースのスプレッドの実績値です。
最小スプレッド | 平均スプレッド | (参考)GMOクリック証券 | |
ドル円 | 0.1銭 | 0.2銭 | 0.2銭 |
ユーロ円 | 0.4銭 | 0.5銭 | 0.5銭 |
ポンド円 | 0.6銭 | 1.3銭 | 1.0銭 |
豪ドル円 | 0.2銭 | 0.8銭 | 0.7銭 |
NZドル円 | 1.0銭 | 3.3銭 | 1.2銭 |
カナダドル円 | 0.6銭 | 1.2銭 | 1.7銭 |
トルコリラ円 | 0.6銭 | 1.9銭 | 1.7銭 |
南アフリカランド円 | 0.4銭 | 0.7銭 | 1.0銭 |
ユーロドル | 0.2pips | 0.3pips | 0.4pips |
※サクソバンク証券のスプレッドは変動制で2020年5月実績のコアタイム(日本時間17時から翌日1時)でのスプレッド
※注文数量は各通貨ペアで最小のもの
※GMOクリック証券のスプレッド原則固定(例外あり)
参考にスプレッドが業界最狭水準のGMOクリック証券と比較してみると、平均スプレッドでは多くの通貨ペアで低コストで取引ができる可能性があります。
参考 GMOクリック証券(FXネオ)の評価・評判って?手数料やスワップポイントってどう?
また、米国雇用統計のような指標発表時でも約定率100%でスプレッドも最狭水準であったとの実態調査(矢野経済研究所)もあり、相場が急変するような局面でも安定したスプレッドが期待できます。
>> サクソバンク証券(公式サイト)
スキャルピングもOKなので、主に短期売買される方には向いているFX会社です。
参考 FXでスキャルピングOKのおすすめ口座ってどこ?スプレッドが狭いだけでいい?
高金利通貨のスワップポイントは高水準
買い | 売り | |
ドル円 | ー12円 | ー27円 |
ユーロ円 | ー34円 | ー10円 |
ポンド円 | ー28円 | ー43円 |
豪ドル円 | ー16円 | ー24円 |
NZドル円 | ー15円 | ー22円 |
カナダドル円 | ー13円 | ー29円 |
トルコリラ円 | ー10円 | ー10円 |
南アフリカランド円 | 6円 | ー9円 |
メキシコペソ円 | 4.9円 | ー10円 |
※2020年6月5日前後適用分
コロナウィルスの影響により、各国政策金利が段階的に引き下げられた状況ではありますが、先進国通貨は買いのポジションでもスワップポイントの支払が発生状態となっています。
そんな中で南アフリカランド円やメキシコペソ円はプラスとなっていて、特に南アフリカランド円のスワップポイントは業界でも高めとなっています。
参考 南アフリカランド円のスワップポイント比較ランキング!おすすめのFX会社は?
サクソバンク証券でのスワップポイントの取り扱いは、ポジションが未決済でも日々実現損益として付与されるので、付与されたスワップポイントは税申告の対象となるデメリットがありますが、スワップポイントを余力の範囲内で出金できるといったメリットもあります。
参考 スワップポイントが引き出し(出金)できるFX会社を比較!税金ってどうなる?
参考 FXのスワップポイントを複利運用するには?FX会社を選ぶポイントは?
サクソバンク証券では通貨ペアが多いので、南アフリカランドやトルコリラといった高金利通貨に円を売るといった通貨ペアを選ぶのが一般的ですが、為替変動の少ないスイスフランや、EU離脱に揺れる英ポンドを売る通貨に加えて分散投資させるようなことも可能です。
実際にスワップポイントで10%以上の利益を得られる分散投資手法の例などのレポートについては下記も参考にしてみてください。
参考 サクソバンク証券「実際の数字を使った、分散投資事例」
参考 ザイFX!「サクソバンク証券だからできる高金利通貨への分散投資」
最小取引数量
サクソバンクは1,000通貨から取引することができますが、流動性の低いマイナー通貨やエマージング通貨を含む通貨ペアでは、1,000通貨単位以上の数量となっている場合があります。
例えば高金利通貨であるトルコリラ円は5,000通貨以上、南アフリカランド円は50,000通貨以上となっています。
取引時間
サクソバンク証券の他のFX会社にないメリットとして、国内のFX会社では月曜日早朝7時前後から取引を開始できるのが一般的ですが、サクソバンク証券では月曜日早朝3時(サマータイムは4時から)から取引することができます。
※月曜日午前3時から土曜日午前7時まで(サマータイム:月曜日午前4時から土曜日午前6時)
週末に突発的なニュースがあると、週明け月曜日早朝は値動きが大きくなり利益を得るチャンスとなる場合がありますが、サクソバンク証券なら他のFX会社より早く取引することができます。
取引ツール
サクソバンク証券では取引ツールは2つ用意されていて、マルチデバイスに対応した「SaxoTraderGo」とプロフェッショナル向けの「SaxoTraderPRO」が無料で利用できます。
※「SaxoTrader」が2019年12月14日以降は利用できなくなり、「SaxoTraderPRO」か「SaxoTraderGo」に移行する必要があります。
マルチデバイスに対応した「SaxoTraderGo」が一般的に利用されると思われますが、FXだけでなく日経平均やNYダウといった株価指数、米国株・中国株、金・銀などの貴金属などのCFDも取引することができます。
チャートもテクニカル指標を用いた分析や、FXの通貨ペアと各種CFDとの比較をすることもできます。
また、テクニカル分析に基づいたトレードチャンスを自動的に検出し、リアルタイムに通知してくれるオートチャーティストというツールが「SaxoTraderGo」に組み込まれていて、無料で利用することができます。
参考 サクソバンク証券のオートチャーティストの使い方を解説!勝率を上げるには?
ただ、ニュースや市況、経済指標のカレンダーが見れるのですがすべて英語(一部日本語の情報もあり)なのが、ちょっと残念な感じがします。
日本語でのニュースなどをみたい方はセミナーなども充実している「外為オンライン」や、FX初心者の方や中上級者にも参考になる情報を幅広く提供している「FXプライムbyGMO」のようなFX会社と併用するといいかもしれません。
参考 FXの為替ニュースなど情報収集するのにおすすめのFX口座はどこ?
>> 外為オンライン(公式サイト)
>> FXプライムbyGMO(公式サイト)[詳細解説]
入出金
入金は通常の振込手数料が必要となる銀行振込以外に、下記の金融機関については振込手数料が無料となるクイック入金に対応しています。(初回最低入金額は20万円から)
- 三菱東京UFJ銀行
- 三井住友銀行
- みずほ銀行
- ジャパンネット銀行
- ゆうちょ銀行
- 住信SBIネット銀行
- 楽天銀行
出金は1ヶ月に3回までなら手数料は無料です。
100%信託保全
国内のFX会社なので当然ですが、取引証拠金は証券金融会社の最大手のである日本証券金融株式会社の完全子会社である日証金信託銀行に預け入れることによって保全されています。
【通常時】
【サクソバンク証券破たん時】
まとめ
サクソバンク証券は、1992年に設立されたデンマーク金融監督庁の認可を受けた投資銀行であるサクソバンクA/Sの完全子会社で、第一種金融商品取引業者に登録された国内FX会社で、下記のような特徴があります。
- 取引通貨ペア数は業界最多の158通貨ペア
- スプレッドは変動制で相場急変局面に強い
- スキャルピングOKで指標発表時でも約定率100%でスプレッドも最狭水準
- 高金利通貨のスワップポイントは高水準
- 月曜日午前3時から取引可能
スプレッドは「ドル円」や「ユーロドル」のようなメジャー通貨や「トルコリラ円」「南アフリカランド円」といった高金利通貨も低コストで取引することが可能です。
スワップポイントは、日々実現損益として付与され税申告する必要があるので、スワップポイントを複利運用するには適してませんが、毎月の生活費の一部に充てたい方に向いています。
特にトルコリラ円や南アフリカランド円などは高水準のスワップポイントとなっていて、政策金利が低く為替変動の少ないスイスフランや、EU離脱に揺れる英ポンドを売る通貨ペアを加えて分散投資させるようなことも可能です。
また、約定力の高さには定評がありスキャルピングもOKなので、短期取引をするための条件も整っています。
参考 FXの約定力が高くスリッページが発生しにくいFX会社はどこ?
参考 FXでスキャルピングOKのおすすめ口座ってどこ?スプレッドが狭いだけでいい?
高金利通貨を分散投資してスワップポイントで10%以上の投資をするならサクソバンク証券
口座開設・維持費用は無料ですし、スキャルピングもOKです。
>> サクソバンク証券(公式サイト)
ただ、ニュースなどは英語(一部日本語もあり)なので日本語でニュースなどをみたい方はセミナーなども充実している「外為オンライン」や、FX初心者の方や中上級者にも参考になる情報を幅広く提供している「FXプライムbyGMO」のようなFX会社と併用も検討してみてください。
参考 FXの為替ニュースなど情報収集するのにおすすめのFX口座はどこ?
>> 外為オンライン(公式サイト)
>> FXプライムbyGMO(公式サイト)[詳細解説]