トライオートETFは、上場している投資信託であるETFを自動売買できるサービスで、JASDAQに上場するインヴァスト証券が運営しています。
トライオートETFではVXX・ARKK・SLVという銘柄を新たに取り扱っているのでどのような銘柄なのか特徴やトレード戦略について確認してみました。
トライオートETFとは?
トライオートETFとは、ETFをCFDの仕組みを使って自動で売買できる仕組みで下記のような特徴があります。
- 元本に対する為替リスクの影響がない
- 売買手数料や為替手数料が無料で取引できる
- レバレッジをかけることができる
- 分配相当額を受け取ることができる
トライオートETFの自動売買では、セレクトと呼ばれるリストから選んで資金に合わせ手数料を調整すればすぐに取引を開始することができます。
また、オリジナルの自動売買のロジックを作成することができるので、自分のアイデアを形にして取引することも可能です。
>> トライオートETF(公式サイト)
トライオートETFに追加された銘柄とは?
トライオートETFでは日経225やTOPIX、S&P500・ナスダック100といった株価指数や、世界の株式市場の85%をカバーするMSCI ACWIといった株価指数に連動するETFなどの銘柄を取引することができます。
そんなトライオートETFでは下記の3つの銘柄が新たに取引できる銘柄として加わりました。
ティッカー | 銘柄名 | 連動するインデックス |
VXX | S&P500 恐怖指数連動 ETN iPath Series B S&P 500 VIX Short-Term Futures ETN | S&P500 VIX短期先物 |
ARKK | アーク・イノベーションETF | ー |
SLV | iシェアーズ シルバー・トラスト | LBMA銀価格 |
S&P500 恐怖指数連動 ETN(VXX)とは?
S&P500 恐怖指数連動 ETN(iPath Series B S&P 500 VIX Short-Term Futures ETN)は、S&P500 VIX短期先物をベンチマークとしたETNです。
ETNはETF同様に上場しているので、リアルタイムに売買できたりほとんど同じような金融商品ですが、ETFとは異なり裏付けとなる現物資産は保有していないという特徴があります。
参考 ETFとETNの違いとは?ETNはどんなメリット・デメリットがある?
VIX指数は「ボラティリティ・インデックス(Volatility Index)」の略称で、恐怖指数とも呼ばれ、投資家心理を表す指数です。
2008年のリーマンショックや2020年のコロナショックの時のように株式相場の先行きに不安があると予測する投資家が増えれば値は上昇するといった特徴があります。
VXXのベンチマークはVIX指数ではなく、S&P500 VIX短期先物に連動するので、VIX指数とは異なる動きとなり、株式相場の先行きに不安があると予測する投資家が増えればVIX指数同様に値は上昇しますが、通常の株式相場では値は下落し続けることが特徴です。
アーク・イノベーションETF(ARKK)とは?
アーク・イノベーションETF(ARKK)は、アーク・インベストメント社(ARK社)が設定する「破壊的イノベーション」を生み出す企業を構成銘柄としたアクティブ運用型のETFです。
参考 【ARKK】アーク・イノベーションETFの評価ってどう?購入できる証券会社は?
破壊的イノベーションとは下記の3つの条件を上げています。
- 劇的に生産性の向上をもたらすこと
- 急激なコスト低下をもたらすこと
- 他のイノベーションを創出するプラットフォームであること
構成銘柄の上位10銘柄は下記となります。
ティッカー | 企業名 | 業種 | 比率 |
TSLA | TESLA INC | 電気自動車 | 10.2% |
TDOC | TELADOC HEALTH INC | 遠隔医療サービス | 5.6% |
ROKU | ROKU INC | ストリーミングサービス | 5.6% |
COIN | COINBASE GLOBAL INC -CLASS A | 暗号資産取引所 | 5.1% |
U | UNITY SOFTWARE INC | ゲームエンジン | 5.0% |
ZM | ZOOM VIDEO COMMUNICATIONS-A | WEB会議サービス | 4.5% |
SQ | SQUARE INC – A | モバイル決済サービス | 4.0% |
SPOT | SPOTIFY TECHNOLOGY SA | 音楽配信サービス | 3.8% |
SHOP | SHOPIFY INC – CLASS A | ECプラットフォーム | 3.8% |
TWLO | TWILIO INC – A | クラウドコミュニケーション プラットフォーム | 3.43% |
米国の代表的な株価指数であるS&P500でみられるようなApple、Amazon、Microsoft、Google、Facebookといった超大型株は入っておらず、今注目されている銘柄や、今後大きな成長が期待できる銘柄などが含まれています。
アーク・イノベーションETFと米国の代表的な株価指数であるS&P500とハイテク株銘柄を中心に構成されているNASDAQ100と過去5年間を比較すると下記のようになっています。
(出典:TradingView)
青がアーク・イノベーションETF(ARKK)、赤がNASDAQ100、オレンジがS&P500の過去5年間のチャートです。
アーク・イノベーションETFはNASDAQ100やS&P500よりもかなり良いパフォーマンスとなっています。
ただ、2021年2月ころのように値を大きく下げるなどハイリスク・ハイリターンな値動きとなっていると言えます。
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iシェアーズ シルバー・トラスト(SLV)とは?
iシェアーズ シルバー・トラスト(SLV)は、LBMA銀価格をベンチマークとしたETFです。
銀は基本的には金と連動して動きますが、市場規模が小さいため価格の変動幅が大きいといった特徴があります。
(出典:TradingView)
青がiシェアーズ シルバー・トラスト、オレンジがSPDR Gold Trust(GLD)の2006年4月からのチャートです。
赤枠で囲まれた部分は金との相関係数を表していますが、2013年や2018年頃に相関係数は0に近くなり相関はない時期もありますが、概ね相関係数は+1に近いので似たような値動きとなっている期間が長いことがわかります。
また、銀の需要の約6割が半導体や太陽光発電など工業用のため、景気動向に影響を受けやすく、好景気であれば銀価格は上がり、不況となると銀価格が下がるといった傾向があるといわれてます。
(出典:TradingView)
青がiシェアーズ シルバー・トラスト、オレンジがS&P500の2006年4月からのチャートです。
しかし、相関係数を見ると相関が高い時期もありますが、逆に全く逆の動きとなる時期もあるといった値動きをしています。
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銘柄別のトレード戦略とは?
S&P500 恐怖指数連動 ETN(VXX)
S&P500 恐怖指数連動 ETN(VXX)は、下記のような特徴があります。
- 株式相場の先行きに不安があると予測する投資家が増えればVXXは上昇する
- 株式相場の先行きは安定的と予測する投資家が増えればVXXは下落する
例えばS&P500のような米国株式に投資していて、株式相場が大きく下落しそうな時にVXXを保有していればS&P500とは逆の動きをするので、もともと持っていた米国株式の損失の穴埋めをすることが可能です。
トライオートETFではナスダック100やS&P500と組み合わせたロジックがすぐに選べるようになっていて、株価上昇時には利益を積み上げ、株価下落時のリスクヘッジとして恐怖指数ETNを組み合わさったロジックをすぐに選んで実行させることができます。
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ただ、株式相場が長期間安定的な値動きをするような場合には、VXXは下落し続けるのでVXXを保有していると含み損が膨らんでいく点は注意が必要です。
一般的にVIX指数(VXXの値ではない)が20以下なら安定的、20を超えると不安がある相場といわれているので、手間はかかりますがリスクヘッジを行うならVIX指数が20前後になってきてからVXXの保有を検討する方が含み損をあまり抱えないで済みます。
また、VXXは株式相場が安定的な時には下落し続けることから、売りだけを行うという戦略も考えられます。
ただ、株式相場の先行きに対して不安があると予測する投資家が増えるとVXXは急激に上昇する場合があるので資金管理が重要になります。
アーク・イノベーションETF(ARKK)
アーク・イノベーションETFは直近5年ではNASDAQ100やS&P500よりもかなり良いパフォーマンスで右肩上がりに成長しています。
ただ、短期的には大きな値下がりをすることもあるので、ハイリスク・ハイリターンな値動きとなっています。
トライオートETFでは下記のロジック選んで実行させることができます。
過去の成績では「テクノロジー株_カウンター」よりは劣りますが、「ナスダック100_カウンター」よりパフォーマンスは良くなっています。
アーク・イノベーションETFは、今注目されている銘柄や、今後大きな成長が期待できる銘柄で構成されていくと思われます。
そのため、ハイリスク・ハイリターンな値動きとはなりますが、その方がトライオートETFのような自動売買では利益を積み上げやすいです。
今後も世界経済や米国経済の拡大が期待される中では、買いだけを行い、含み損が出ても資金管理を怠らずに運用すれば利益を出せる期待が持てます。
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iシェアーズ シルバー・トラスト(SLV)
iシェアーズ シルバー・トラスト(SLV)は、銀価格をベンチマークとしていますが、銀は基本的には金と連動して動きますが、市場規模が小さいため価格の変動幅が大きといった特徴があります。
トライオートETFでは、ナスダック100やS&P500との組み合わせのロジックが設定されていて、シルバーはコアレンジャーというレンジ相場を狙った設定となっています。
iシェアーズ シルバー・トラスト(SLV)の過去10年を見ると概ね10~35ドルの間の値動きとなっていていてトライオートETFでは赤枠の値動きを参考にコアレンジャーの値を決めているようです。
ただ、iシェアーズ シルバー・トラスト(SLV)はS&P500と相関が高いときもあれば逆相関の時もあるので、相関が高いときに両方とも下落となってしまうとあまり分散させている意味がなくなる設定かと思われます。
それでも、トライオートETFの複数の資産に投資するハイブリッドのロジックで、「ハイブリッド_ナスダック100_シルバー」は2番目にパフォーマンスが高かったので、興味があれば検討してみてください。
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まとめ
トライオートETFでは新規に下記のような特徴がある3銘柄の取り扱いを開始しました。
- 恐怖指数ETN:米国株式と逆相関の値動きをする
- 破壊的イノベーション:NASDAQ100やS&P500よりも高いパフォーマンスのETF
- シルバー:金よりも価格の変動幅が大きい
それぞれ特徴がある銘柄ですが、特にトライオートETFで人気の高かったナスダック100トリプルが新規の自動売買が出来なくなってるので、破壊的イノベーションのようなハイリスク・ハイリターンな銘柄は注目が集まりそうです。
トライオートETFのような自動売買は値動きが大きければ大きいほど利益を出しやすい傾向にあり、株式市場は今後の成長も見込めるので一時的に値が下落して含み損になってもロスカットさえ注意すれば、将来取り戻してくれることが期待できます。
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