しんきんJリートオープン(毎月決算型)は、国内の金融商品取引所に上場している不動産投資信託証券(Jリート)に分散投資ができる毎月分配型のアクティブファンドです。
東証REIT指数(配当込み)をベンチマークとし、これを中長期的に上回る運用成果を目指して運用を行うとのことですが、どんな内容のファンドなのか確認してみました。
しんきんJリートオープン(毎月決算型)の特徴
投資対象
しんきんJリートオープン(毎月決算型)は、国内の金融商品取引所に上場(上場予定を含む)している不動産投資信託証券(Jリート)に投資し、ベンチマークである東証REIT指数(配当込み)を中長期的に上回る運用成果を目指して運用を行うアクティブファンドです。
東証REIT指数は、東京証券取引所に上場している約60銘柄の不動産投資信託(J-REIT)の全銘柄を対象とした、日本の不動産投資信託市場の動向を表す代表的な浮動株時価総額加重型のインデックスです。
参考 国内リートインデックスファンド(投資信託)を比較!おすすめは?
※下記はしんきんJリートオープン(毎月決算型)「月報(2019年9月)」からの情報です。
組入上位10銘柄
ファンドの仕組み
しんきんJリートオープン(毎月決算型)はファミリーファンド方式で運用され、実質的な運用はしんきんJリートマザーファンドにて行われます。
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
購入時手数料(税込) | 2.2%が上限 |
信託報酬(税込) | 1.045% |
実質コスト(税込) | 1.056%※ |
信託財産留保額 | 0.3% |
※実質コストは、直近半年の運用報告書しか公開されていなかったため、年率換算するために単純に2倍した値であり、消費税増税前の値です
分配金
しんきんJリートオープン(毎月決算型)は毎月分配型で、分配金の実績は下記となっていて、分配金利回りは16.22%(2019年10月時点)となっています。
高い分配金利回りとなっていますが、運用報告書の分配原資の内訳は下記のようになっています。
ファンドの運用収益である「当期の収益」だけでは分配金は賄えておらず、毎月というわけではありませんが元本が返還されているだけのたこ足配当となっている月の方が多いです。
参考 投資信託の分配金利回りランキングはあてにならない?日本証券業協会から注意喚起!
つみたてNISA(積立NISA)・iDeCo対応状況
しんきんJリートオープン(毎月決算型)はつみたてNISA対象外で、iDeCoもネット証券での取り扱いはありません。
参考 NISAとiDeCoの違いの比較については下記も参考にしてみてください。
過去の運用成績(リターン・リスク)
リターン・リスク
1年 | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) | |
リターン | 25.28%(99位) | 8.93%(92位) | 8.18%(63位) | 11.74%(33位) |
リスク(標準偏差) | 8.32(24位) | 7.99(43位) | 8.84(23位) | 15.97(11位) |
シャープレシオ | 3.04(94位) | 1.12(88位) | 0.92(60位) | 0.73(31位) |
対象ファンド数※ | 126本 | 112本 | 90本 | 37本 |
※:「国内REIT」カテゴリ
基準価額騰落率
ファンド | ベンチマーク (東証REIT指数(配当込み)) | |
1ヶ月 | +4.59% | +4.72% |
3ヶ月 | +12.81% | +13.43% |
6ヶ月 | +15.13% | +16.27% |
1年 | +25.28% | +27.45% |
3年 | +29.27% | +34.21% |
設定来 | +166.46% | +180.99% |
※しんきんJリートオープン(毎月決算型)「月報(2019年9月)」より
※ファンド設定日は2005年2月1日
※分配金を再投資した収益率で、購入時手数料および分配金にかかる税金は考慮されてません
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
基準価額・純資産の推移
所感
ファンドが設定されて約15年が経過しているので、単純な年率平均は約12.5%と高いパフォーマンスとなっていますが、税引き前の分配金を再投資したパフォーマンスなので、実際にはこれよりパフォーマンスは悪いです。
それでも高いパフォーマンスとなっていますが、同じ東証REIT指数(配当込み)をベンチマークとした低コストなインデックスファンドである「たわらノーロード 国内リート」(信託報酬(税込):0.275%)と比較したのが下記となります。
参考 国内リートインデックスファンド(投資信託)を比較!おすすめは?
(引用元:モーニングスター)
オレンジがしんきんJリートオープン(毎月決算型)、赤がたわらノーロード 国内リートの直近3年のトータルリターンのチャートです。
「しんきんJリートオープン(毎月決算型)」は、税引き前の分配金を再投資したパフォーマンスでも「たわらノーロード 国内リート」よりパフォーマンスは悪くなっていて、当ファンドのパフォーマンスがいいわけではなく、国内リート自体が高いパフォーマンスとなっているだけです。
参考 たわらノーロード 国内リートの評価ってどう?過去の利回りはどのくらい?
「しんきんJリートオープン(毎月決算型)」は、設定来でもベンチマークである東証REIT指数(配当込み)よりパフォーマンスは悪くなっていて、購入時手数料が必要で信託報酬も高い当ファンドに投資するなら、「たわらノーロード 国内リート」のような低コストなインデックスファンドに投資していた方がパフォーマンスは良かったということになります。
「たわらノーロード 国内リート」では分配金は出ませんが、毎月分配金が必要なら信託報酬が低コストな「たわらノーロード 国内リート」に投資して、SBI証券の定期売却サービスを利用すれば、より低コストなインデックスファンドに投資しながら毎月分配型と同様に定期的に資金を引き出すことができるので、このようなサービスを利用することも検討してみてください。
参考 SBI証券の投信定期売却サービスとは?毎月分配型ファンドは不要か?
当ファンドの情報
- ベンチマーク:東証REIT指数(配当込み)
- 購入時手数料:2.2%が上限
- 信託報酬(税抜):1.045%(実質コスト:1.056%)
- 信託財産留保額:0.3%
- 純資産残高:約3,300億円
- 分配金利回り:16.22%
- 決算:毎月20日
- 買付単位:販売会社が定める単位
- 償還日:無期限(設定日:2005年2月1日)
- つみたてNISA:対象外
- iDeCo:ネット証券で取扱い無し
評価・まとめ
しんきんJリートオープン(毎月決算型)は、国内の金融商品取引所に上場(上場予定を含む)している不動産投資信託証券(Jリート)に投資し、ベンチマークである東証REIT指数(配当込み)を中長期的に上回る運用成果を目指して運用を行うアクティブファンドです。
毎月決算型なので毎月分配金が出て、分配金利回りは高いですが、ファンドの運用収益だけでは分配金は賄えておらず、元本が返還されているだけのたこ足配当となっています。
また、ベンチマークである東証REIT指数(配当込み)を中長期的に上回る運用成果を目指すとありますが、同じ東証REIT指数(配当込み)をベンチマークとした低コストなインデックスファンドである「たわらノーロード 国内リート」の方がパフォーマンスは良く、このような低コストなインデックスファンドに投資をした方がリターンは良くなります。
参考 たわらノーロード 国内リートの評価ってどう?過去の利回りはどのくらい?
毎月分配金が必要な場合でも信託報酬が低コストな「たわらノーロード 国内リート」に投資して、SBI証券の定期売却サービスを利用すれば、より低コストなインデックスファンドに投資しながら毎月分配型と同様に定期的に資金を引き出すことができるので、このようなサービスを利用することも検討してみてください。
参考 SBI証券の投信定期売却サービスとは?毎月分配型ファンドは不要か?
低コストなインデックスファンドを購入するならSBI証券か楽天証券がおすすめ!
ネット証券では低コストなインデックスファンドでも保有しているだけで下記のようなポイントが貰えます。
貰えるポイント | 付与率(年率) | ポイント 投資 | |
SBI証券 | Tポイント | 0.022%~0.5% | ○ |
楽天証券 | 楽天ポイント | 0.048% | ○ |
マネックス証券 | マネックスポイント | 0%~0.03% | × |
参考 SBI証券「投信マイレージサービスポイント付与率一覧」
参考 マネックス証券「投信保有ポイント」
低コストなインデックスファンドはSBI証券やマネックス証券ではファンドによって付与率が変わりますが、楽天証券では、ほぼすべての低コストインデックスファンドで年率0.048%の楽天ポイントが貰え、貰ったポイントは投資信託の購入にも利用できます。
どのファンドがどのくらいの付与率か調べるのが面倒なら楽天証券が手間もかからず、どのファンドでも高水準のポイント付与率となっています。
さらに、楽天銀行との連携で普通預金の金利がメガバンクの100倍の0.1%になったり、楽天カードで投資信託の積立を行えば1%のポイントが付与されたりとメリットが多いです。
楽天証券だけでなく、楽天銀行や楽天カードも口座開設・維持費用は無料です。
参考 楽天証券ならポイントで投資信託を通常・積立で購入可能!しかも100円から!
参考 楽天証券と楽天銀行の連携で金利をメガバンクの100倍に!ポイントも貯まる!
参考 投資信託の積立は楽天証券と楽天カードの組み合わせが最強?デメリットはない?
SBI証券は一部のファンドを除いて低コストなインデックスファンドでも年率0.05%と高水準の付与率ですが、一部のファンドは0.022%~0.0462%と楽天証券の付与率が高いファンドもあります。もちろん口座開設・維持費は無料です。
マネックス証券は楽天証券やSBI証券の付与率は低くなっていますが、コインチェックを通して暗号資産(ビットコイン、イーサリアム、リップル)に1ポイント1円として交換することが可能です。
その他下記の証券会社でも低コストインデックスファンドの取り扱いがあります。
>>マネックス証券(詳細解説)
>> auカブコム証券(詳細解説)
>> 松井証券(詳細解説)
>> GMOクリック証券
>> 岡三オンライン(詳細解説)
参考 口座開設時に必ず選ぶ特定口座については下記も参考にしてみてください。
⇒ 特定口座とは?証券会社の口座種類のまとめ!結局どれがいい?
コメント