野村インデックスファンド・米国株式配当貴族(Funds-i フォーカス 米国株式配当貴族)は、米国の株価指数であるS&P500の構成銘柄のうち25年以上連続で増配している銘柄に分散投資ができるインデックスファンドです。
為替ヘッジなし以外にも為替ヘッジ型のファンドも設定されていますが、どのような内容のファンドなのか確認してみました。
野村インデックスファンド・米国株式配当貴族の特徴
投資対象
野村インデックスファンド・米国株式配当貴族(Funds-i フォーカス 米国株式配当貴族)は、「S&P500配当貴族指数(配当込み)※」の動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドで、為替ヘッジなしと為替ヘッジ型の2つのファンドが設定されています。(ともにマザーファンドは同じ「米国株式配当貴族インデックスマザーファンド」を通じて投資が行われます)
※為替ヘッジなしは円換算ベース、為替ヘッジ型は円ヘッジ
S&P500配当貴族指数は下記のような特徴があるインデックスです。
- 米国の株価指数であるS&P500の構成銘柄
- 25年以上連続で増配している
- 時価総額が30億ドル以上
- 1日当たりの売買代金が500万ドル以上
- 各銘柄のウエイトは均等
構成銘柄数は最低40銘柄とし、25年以上連続で増配している銘柄が40銘柄を下回る場合は、20年以上連続で増配している銘柄を配当利回りの高い順に40銘柄になるまで追加され、それでも40銘柄に満たない場合は、配当利回りの高い順に40銘柄になるまで追加されます。
※下記は野村インデックスファンド・米国株式配当貴族「月報(2018年4月)」、野村インデックスファンド・米国株式配当貴族・為替ヘッジ型「月報(2018年4月)」からの情報です。
業種別配分
為替ヘッジなし | 為替ヘッジあり | |
化学 | 9.5% | 9.7% |
機械 | 6.9% | 7.1% |
家庭用品 | 6.7% | 6.9% |
食品 | 6.4% | 6.5% |
ヘルスケア機器・用品 | 5.7% | 5.9% |
その他の業種 | 63.8% | 65.0% |
その他の資産 | 0.9% | ー1.1% |
組入上位10銘柄
業種 | 為替ヘッジなし | 為替ヘッジあり | |
ARCHER DANIELS MIDLAND | 食品 | 2.1% | 2.2% |
MCCORMICK & CO INC. | 食品 | 2.1% | 2.2% |
ECOLAB INC | 化学 | 2.1% | 2.2% |
HORMEL FOODS CORP | 食品 | 2.1% | 2.1% |
CINTAS CORP | 商業サービス・用品 | 2.1% | 2.1% |
S&P GLOBAL INC | 資本市場 | 2.1% | 2.1% |
AFLAC INC | 保険 | 2.1% | 2.1% |
GRAINGER(W.W.) INC | 商社・流通業 | 2.0% | 2.1% |
BROWN-FORMAN CORP-CL B | 飲料 | 2.0% | 2.1% |
CONSOLIDATED EDISON INC | 総合公益事業業 | 2.0% | 2.0% |
ポートフォリオ特性値
為替ヘッジなし | 為替ヘッジあり | |
配当利回り(年率) | 2.5% | |
配当利回り(年率)(為替ヘッジ後) | ー | ー0.0% |
実質外貨比率 | 99.9% | 0.9% |
購入時手数料・信託報酬(実質コスト)などのコスト
為替ヘッジなし | 為替ヘッジあり | |
購入時手数料 | 2.0%以内 | |
信託報酬(税抜) | 0.50%以内 | |
実質コスト(税抜)※ | 2.47% | 2.28% |
信託財産留保額 | 0.1% |
※第1期運用報告書(2017年1月10日~2017年4月24日)より
両ファンドともに信託報酬は0.50%と比較的低コストですが、実質コストがかなり高いといった印象です。
分配金
両ファンドとも分配金は出されておらず、効率的に運用がされています。
つみたてNISA(積立NISA)・iDeCo対応状況
野村インデックスファンド・米国株式配当貴族の2つのファンドはつみたてNISAは対象外で、iDeCoでも取り扱っているネット証券はなさそうです。(2018年5月時点)
参考 NISA、つみたてNISA(積立NISA)、iDeCoの比較については下記も参考にしてみてください。
⇒ NISA・つみたてNISA(積立NISA)・iDeCoを比較!どれがおすすめでお得?過去の運用成績・利回り
基準価額騰落率
為替ヘッジなし | 為替ヘッジあり | |||
ファンド | ベンチマーク | ファンド | ベンチマーク | |
1ヶ月 | +2.6% | +2.7% | ー0.4% | ー0.3% |
3ヶ月 | ー6.2% | ー5.9% | ー7.0% | ー6.8% |
6ヶ月 | ー0.0% | +0.6% | +2.4% | +3.1% |
1年 | +7.3% | +9.0% | +7.3% | +9.0% |
設定来 | +9.4% | +11.5% | +13.1% | +15.7% |
※野村インデックスファンド・米国株式配当貴族「月報(2018年4月)」、野村インデックスファンド・米国株式配当貴族・為替ヘッジ型「月報(2018年4月)」より
※ファンド設定日は2017年1月10日
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
基準価額・純資産の推移
【為替ヘッジなし】
【為替ヘッジあり】
所感
両ファンドともに設定されてから約1年が経過しましたが、設定来でベンチマークと比較すると下方乖離しているのが目立ちます。
運用報告書によるベンチマークとの差異の原因としては、
- コスト負担(当ファンドの信託報酬や、マザーファンドにおける売買コストや保管費用など)
- 配当金に対する課税(ファンドでは税引き後の配当金が計上される一方、ベンチマークは
税引き前で計算されるため)
の2点があげられていますが、保管費用が大分かかっているように思えます。
まだ1年間通しての運用報告書が公開されていないので、実際どの程度の実質コストなるのか次の運用報告書での確認が必要です。
純資産残高は両ファンドともに右肩上がりとなっていますが、マザーファンドは両ファンド専用のようなので、純資産残高の規模はそれほど大きくはありません。
当ファンドの情報
- ベンチマーク
為替ヘッジなし:S&P500配当貴族指数(配当込み、円換算ベース)
為替ヘッジ型:S&P500配当貴族指数(配当込み、円ヘッジ) - 購入時手数料:2.0%以内(SBI証券や楽天証券ではなし)
- 信託報酬(税抜):0.50%以内
(実質コスト:2.47%(為替ヘッジなし)、2.28%(為替ヘッジ型)) - 信託財産留保額:0.1%
- 純資産残高
為替ヘッジなし:約30億円
為替ヘッジ型:約15億円 - 分配金利回り:なし
- 決算:年1回(4月22日)
- 買付単位:100円以上1円単位、積立も100円から(SBI証券などのネット証券)
- 償還日:無期限(設定日:2017年1月10日)
- つみたてNISA、iDeCo:対象外
評価・まとめ
野村インデックスファンド・米国株式配当貴族(Funds-i フォーカス 米国株式配当貴族)は、「S&P500配当貴族指数(配当込み)※」の動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドで、為替ヘッジなしと為替ヘッジ型の2つのファンドが設定されています。
S&P500配当貴族指数は下記のような特徴があるインデックスです。
- 米国の株価指数であるS&P500の構成銘柄
- 25年以上連続で増配している
- 時価総額が30億ドル以上
- 1日当たりの売買代金が500万ドル以上
- 各銘柄のウエイトは均等
増配を続けられる企業は、安定した収益基盤があり、財務内容も良好なため安定的なパフォーマンスが期待でき、下記の様にS&P500(配当込み)と比較してもパフォーマンスが大分良かったようです。
(引用元:SBI証券)
ただ、設定日の2017年1月10日からでS&P500(配当込み)やダウ平均(配当込み)と比較してみると下記の様にパフォーマンスはあまり良くありませんでした。
(引用元:モーニングスター)
オレンジが野村インデックスファンド・米国株式配当貴族、赤が野村インデックスファンド・米国株式配当貴族(為替ヘッジ型)、緑がダウ平均(配当込み)、青がS&P500(配当込み)の2017年1月10日からのチャートです。
米国経済を牽引しているIT企業などは、組入上位10銘柄には入ってないなどの要因もあるかとは思いますが、相場環境もあまりS&P500配当貴族指数向きではなかったことも考えられるので、比較した期間だけで良し悪しは決められないかとは思います。
ただ、野村インデックスファンド・米国株式配当貴族は、信託報酬は0.50%ですが、実質コストが高い点が気になるところで、1年通しての実質コストはまだ不明ですが、為替ヘッジなしなら同じベンチマークの「SMT米国株配当貴族インデックス・オープン」の方が信託報酬は若干高いですが、実質コストは低コストで済む可能性があります。
参考 SMT米国株配当貴族インデックス・オープンの評価ってどう?利回りはどのくらい?
また、設定来で見ると為替ヘッジ型の方がパフォーマンスが良かったようですが、米国の金利が上昇傾向で、日米の金利差が徐々に開いているので今後はよりヘッジコストの負担が大きくなっていくことが想定され、今後のパフォーマンスを悪化させる要因となります。
既に「ポートフォリオ特性値」によると為替ヘッジなしでは2.5%の配当利回りが得られたのが、為替ヘッジ型では0%となっているので、為替リスクを低減できる期待が持てる反面マイナス要因もあり、実際為替ヘッジなしの方が純資産残高は大きくなっています。
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