フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドへの投資ってどう?フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドは純資産残高が1兆円に迫る大型ファンドで、米ドル建て高利回り事業債(ハイ・イールド・ボンド)を中心に分散投資を行い、高水準の利息等の収入を確保しながら値上り益も狙うというファンドです。
かなり資金を集めたファンドですが、どんな内容のファンドで過去の成績はどうだったのか確認してみました。
フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドの特徴
投資対象
米ドル建て高利回り事業債(ハイ・イールド・ボンド)を中心に分散投資を行い、高水準の利息等の収入を確保しながら値上り益も狙うというアクティブファンドで、組入銘柄数は556銘柄です。
主にBa格(ムーディーズ社)以下またはBB格(S&P社)以下の格付けの事業債に投資を行い、一部格付けを持たない債券や、米国以外の国の発行体の高利回り事業債を組入れることもあるファンドで、「バンクオブアメリカ・メリルリンチ・USハイ・イールド・コンストレインド・インデックス(円換算)」をベンチマークとしていてこれを上回る運用成果をあげることを目標としています。
高利回り事業債(ハイ・イールド・ボンド)は、ムーディーズ社やスタンダード&プアーズ社(S&P社)といった格付機関が「投資不適格債」と格付けされた債券のことで、信用力が低い代わりに利回りが高いという特徴があります。
(引用元:フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド「目論見書」)
格付別の組入状況は下記の様になっていて、平均格付は「B」となっています。
A以上 | ー |
BBB/Baa | 3.6% |
BB/Ba | 36.2% |
B | 40.7% |
CCC/Caa | 15.6% |
CC/Ca以下 | 0.3% |
格付なし | 3.7% |
※フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド「運用レポート(2018年2月)」より
コスト
購入時手数料 | (SBI証券の場合) なし |
信託報酬 | 1.58% |
実質コスト | 1.58% ※2017年11月22日+2017年5月23日の決算ベース |
信託財産留保額 | なし |
分配金
毎月分配型なので毎月分配金が出ていて、直近(2018年2月)では30円となっており、分配金利回りは15.18%(2018年3月)となっています。
ただ、分配金の原資となる債券の利息収入の目安となる直接利回りは6.4%(2018年2月末)と高い利回りとなっていますが、それ以上に分配金利回りが高い状態となっています。
分配金は相場状況に応じて変更されてきていて、下記の様に推移しています。(1万口当たり/税引前)
(引用元:フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド「運用レポート(2018年2月)」)
分配金が出ているということは、その分配金を再投資しようとしても約20%課税されてしまっていて複利効果が落ちるため長期投資という観点では効率よく運用されているとは言えません。
また、SBI証券での「分配金健全率」(分配金に占めるファンドの運用で得た利益の割合)は51.6%とたこ足配当となっています。(100%となっていればたこ足配当ではありません)
当ファンドの情報のまとめ
- ベンチマーク:バンクオブアメリカ・メリルリンチ・USハイ・イールド・コンストレインド・インデックス(円換算)
- 買付手数料:(SBI証券の場合)なし
- 信託報酬:1.58%(実質コスト1.58%)
- 信託財産留保額:なし
- 純資産残高:約8,000億円
- 分配金利回り:15.18%(2018年3月)
- 決算:毎月22日
- 買付単位:100円以上1円単位、積立も100円から(SBI証券などのネット証券)
- 償還日:無期限(設定日:1998年4月1日)
所感
純資産残高が約8,000億円と国内の投資信託(非上場)でもトップレベルに大きなファンドで、米ドル建て高利回り事業債(ハイ・イールド・ボンド)に分散投資ができます。
投資対象が社債でかつ格付機関が「投資不適格債」と格付された債券に投資をするので、利回りは高いですが信用力が低く最悪デフォルトとなり大幅に債券価格が下落する可能性もあるので債券といえどもリスクは高くなります。
それでも、組入銘柄数は556銘柄と分散投資をしていて、1銘柄最大でも1.4%(2017年4月末時点)の比率となっているので1銘柄がデフォルトとなっても大きく基準価額は下がることはありませんが、景気低迷や投資対象セクターに対する信用不安が広がると、もともと信用力が低い社債なだけに値動きが大きくなる可能性もあるので投資するにあたっては慎重に行う必要があります。
利回りは?
累積リターン
ファンド | ベンチマーク | |
1ヶ月 | ー2.31% | ー2.23% |
3ヶ月 | ー4.04% | ー4.18% |
6ヶ月 | ー1.28% | ー1.78% |
1年 | ー0.76% | ー0.68% |
3年 | +2.58% | +4.93% |
設定来 | +147.62% | +190.24% |
※フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド「運用レポート(2018年2月)」より
※ファンド設定日は1998年4月1日
※分配金を再投資した収益率で、購入時手数料および分配金にかかる税金は考慮されてません
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
基準価額・純資産の推移
(引用元:フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド「運用レポート(2018年2月)」)
評価
ファンドが設定されてから約20年が経過し、累積リターンが147.62%となっているので、単純な年率平均は約7.4%となっています。(分配金を再投資し、税金などが考慮されていないので、実際のリターンはより少なくなります)
また、設定来で見るとベンチマークより累積リターンは悪いので決していい成績なアクティブファンドとは言えません。
純資産残高はまだ規模が大きいですが、減少傾向となっています。
まとめ
フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドは、米ドル建て高利回り事業債(ハイ・イールド・ボンド)の代表的な指数である「バンクオブアメリカ・メリルリンチ・USハイ・イールド・コンストレインド・インデックス(円換算)」を上回る運用成果をあげることを目標としているアクティブファンドで、組入銘柄数は527銘柄となっています。
過去の成績は、約20年の運用で単純な年率平均は約7.4%となっていて、ベンチマークを上回る運用成果はあげられていないので、あまりいい運用実績があるファンドとはいえません。
フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドは毎月分配型投資信託で、分配金もたこ足配当となっているので長期の資産形成には向かず、分配金を生活費の一部にあてたいという目的の方の選択肢の一つとなります。
ただ、ハイ・イールド・ボンドは利回りが高いのが魅力ですが景気低迷や投資対象セクターに対する信用不安などにより値動きが大きくなる可能性があるので、高い利回りだけを見て投資をすると基準価額が大きく下げて結局トータルでは利益があまり出なかったということもあり得るので投資するにあたっては慎重に判断する必要があります。
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