投資信託は数多くの商品が販売されていて、どういう風に選べばいいか悩みますよね。
証券会社でのランキングがいい商品は、証券会社の販売力によって売れているだけで、自分にとっていい商品とは限りません。特に毎月分配型は気を付けてください。
投資信託の初心者の方が失敗しないためにもファンド選びで確認したいポイントを紹介します。
投資信託とは?
投資信託というのは一言でいえば、「投資家から集めたお金を大きな資金としてまとめ、投資家の代わりに専門の運用家が株や債券などに投資をして運用益を還元すること」です。
(引用元:投資信託協会「そもそも投資信託とは?」
資金をまとめることにより、様々な商品に分散投資が可能となり、投資家は少額から運用のプロに委託をすることができます。
もちろん運用のプロといえでも、いつ何時でも利益を出し続けることはできませんので、元本は保証されていません。
参考 こちらはバランス型投資信託で人気のセゾン投信で配信されている投資信託の説明動画ですので、こちらも参考にしてみてください。
投資信託の種類
MRF、MMF、公社債投資信託、株式投資信託など様々あり、運用方法も「インデックス型(日経平均のようなインデックスと同じ動きを目指す)」「アクティブ型(インデックスなどの平均を上回る運用を目指す)」、「バランス型(分散投資を目指す)」などがあります。
特に初心者の方は、分散投資されているバランス型を中心に商品を選ぶといいと思います。
バランス型ファンドとは、株式だけとか債券だけというひとつの資産に偏ることなく、複数の資産や市場(国内、先進国、新興国)へバランス良く投資する投資信託で、SBI証券や楽天証券などでは100円から気軽に投資を行うことができます。
基準価額とは?
投資信託の値段のことを基準価額といい、取引を行う際の単位を「口」と呼び、1口1円で購入すると、1口の値段が日々基準価額という値段で変動していきます。
1口1円の商品は1万口あたりの価額、1口10,000円の商品は1口あたりの価額をで表示されます。
では基準価額が15,000円のAと9,000円のB、どちらがよい投資信託といえるのでしょうか?
基準価額とは投資信託が現時点での総資産額を、単純に総口数で割ったものなので「基準価額」が高いか低いかだけでは、投資信託の良し悪しを評価することはできません。
ここら辺が投資信託をわかりにくくさせてるような気がしますね・・。
投資信託を選ぶときにチェックする3つのポイント
分配金が出るファンドか?
投資信託は、株式や債券など様々な資産に投資していますが、それらの資産から配当や利子である「インカムゲイン」を受け取り、株式や債券などを売買することで「キャピタルゲイン」を得られる場合があります。
これらの利益に過去から累積された利益を加えたものが分配対象額となり、この分配対象額の中から、ファンドの決算日に投資家に収益分配が行われます。
分配金の金額は、投資信託ごとに決められた分配方針に基づいて運用会社が決定しています。
そのため、預貯金の利子などの様にあらかじめ決められた分配金が得られるわけではなく、運用状況によって増額されたり減額されたりします。
毎月分配型の投資信託が国内では人気が高く、人気ランキングや販売額ランキングの上位を占めています。
毎月分配金が出ていると、利益が出ているように勘違いしてしまいがちですが、分配金には2種類あります。
- 普通分配金
- 元本払戻金(特別分配金)
普通分配金は課税される分配金ですが、これは運用から得た利益が還元される分配金なので正常な分配金と言えます。
問題なのが特別分配金のほうです。
これは実質投資家が投資した金額が払い戻されただけの分配金になりますので、利益がでなかったもしくはマイナスだったけど、分配金を払わないといけないので、元本を切り崩して投資家に払い戻してるだけなのです。
この特別分配金として分配金がでていないかをチェックしておかないと、ただ投資したお金を払い戻されているだけとなりかねません。
参考 投資信託の分配金利回りランキングはあてにならない?日本証券業協会から注意喚起!
また、分配金をださない無分配型という投資信託があり、運用した結果でた利益を投資家に分配せず、再び投資信託に投資する方式です。
一見すると分配型のほうがお得感がありますが、分配金は税金がかかるため、ファンド内で再投資したほうが投資効率が上がります。
それに複利効果が得やすいのも無分配型の投資信託となります。
資産運用を始めるにあたって、長期投資で複利の効果を得たい場合は無分配型の投資信託を選ぶのが投資効率が高くおすすめです。
投資信託の手数料は低コストか?
投資信託の手数料は主に以下のものがあります。
- 購入時手数料:購入時
- 信託財産留保額:売却時
- 信託報酬(実質コスト):保有時
購入時手数料
購入時手数料は購入時にかかる手数料で、ネット証券では購入時手数料が無料となるファンドの品ぞろえが増えてきています。
購入時手数料は運用結果には関係ない手数料となるので、購入時手数料が低コストもしくは無料のファンド(ノーロードと呼ばれます)を選ぶことは重要です。
ネット証券ではこのような購入時手数料のキャッシュバックを行っていますので、購入時手数料が必要なファンドを購入したい場合は金融機関選びも重要となります。
参考 投資信託の手数料ってどこで購入しても同じ?安く購入するには?
信託財産留保額
投資信託を解約するとファンドですでに保有している株や債券などを一部売却して現金に換え解約した方に渡すことになります。
株や債券を売るときに売却手数料などが発生しますが、この手数料をまだ保有している他の投資家の方に負担してもらうのは不公平となります。
そのため、解約時にペナルティとして信託財産留保額を支払うということになってます。(購入時にかかるファンドもあります)
この手数料についても、あるファンドとないファンドがありますが、徴収された金額は信託財産内に留保され基準価額等に反映されるので、長期投資を行う目的で購入するファンドの場合は、信託財産留保額が設定されている方が有利となる可能性があります。
信託報酬(実質コスト)
信託報酬が投資信託で一番重視すべき手数料で、投資信託を保有している間ずっとかかる手数料のため、この手数料を下げることが投資のリターンに大きな影響を及ぼします。
たとえ1%でも長期で運用していくと、大きくリターンに差が出るので、少しでも信託報酬が安い投資信託を選択する必要があります。
一般的に1%を超えているファンドは、高いファンドの分類されますので、このようなファンドに投資する際にはそれ以上のリターンが今後も継続できそうかなど慎重に選ぶ必要があります。
また、優良なファンドはこの信託報酬が下がっていく傾向にあります。
私たちは、運用を任せているのでリターンを増やすことはできませんが、手数料が安いファンドを選択することができるので、少しでも信託報酬が安い投資信託を選ぶことは重要です。
また、信託報酬を含んだ「実質コスト」が実際に保有時に必要となるコストとなるので実質コストを確認することも重要です。
例えば、主に国内株式に投資を行う人気が高いアクティブファンドの「ひふみプラス」の目論見書では下記のような記載があります。
運用管理費用(信託報酬)以外に「監査費用」「その他費用・手数料」という項目があり、これらも投資信託保有時に必要となるコストとなります。
実質コストは決算時に公開される運用報告書で確認することができ、「ひふみプラス」の第6期運用報告書では下記の様になっています。
信託報酬は1.064%となっていますが、それ以外に「売買委託手数料」「その他費用」がコストとしてかかっていて、トータルでは1.357%のコストを投資家が負担していることとなります。
ファンドによっては信託報酬は低コストなのですが、実質コストがかなりかかっているようなファンドもあるので実質コストを確認することは重要です。
純資産残高もチェックしよう!
資産残高が減少傾向にあるファンドは、資産を解約して資金を作らなければいけません。
純資産残高が少ない中で解約が発生すると、本来売りたくない資産も売却せざろうえない状況となる可能性があり、ファンドが思うような資産を保有することができず、結果的にリターンが出せない可能性があります。
また、一般的に資産残高が30億円以上あるようなファンドを選ぶほうが安全と言われています。
ただ、10億円くらいでも資産が増加傾向にある場合は、将来大きくなる可能性があるファンドとして候補にしてもいいと思います。
まとめ
投資信託は数多いので何を選べばいいか悩みますが、ここでは3つのポイントを紹介しました。
- 分配金がでない方が複利効果が期待できる
- 信託報酬(実質コスト)が安いものを選びましょう
- 純資産残高が増えているファンドを選びましょう
初心者の方は、まずはバランス型ファンドを中心に3つのポイントに着目して選ぶのがおすすめです。
バランス型でも株や債券、新興国や不動産への投資比率が異なりますので、各資産へどの程度の割合で投資しているかをチェックしましょう。
一般的に株と債券の比率として「100-自分の年齢=株の比率」と言われているので、ここら辺を基準にしてみてもいいかもしれません。
この3つのポイントを確認して納得できる商品を選んでてみてください。
あとは、どのように投資するかですが、一括投資するか積立投資するかを決めて投資を始めますが、まずは積立投資がおすすめで、積立投資なら時間分散を行うことでリスクを低減させることができます。
資産運用は早く始めたほうが効果が期待でき、100円からと低額から投資ができるのでまず始めてみて、運用しながら知識を得てよりよい投資先を見つけていってください。
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貰えるポイント | 付与率(年率) | ポイント 投資 | |
SBI証券 | Tポイント | 0.022%~0.5% | ○ |
楽天証券 | 楽天ポイント | 0.048% | ○ |
マネックス証券 | マネックスポイント | 0%~0.03% | × |
参考 SBI証券「投信マイレージサービスポイント付与率一覧」
参考 マネックス証券「投信保有ポイント」
低コストなインデックスファンドはSBI証券やマネックス証券ではファンドによって付与率が変わりますが、楽天証券では、ほぼすべての低コストインデックスファンドで年率0.048%の楽天ポイントが貰え、貰ったポイントは投資信託の購入にも利用できます。
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SBI証券は一部のファンドを除いて低コストなインデックスファンドでも年率0.05%と高水準の付与率ですが、一部のファンドは0.022%~0.0462%と楽天証券の付与率が高いファンドもあります。もちろん口座開設・維持費は無料です。
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その他下記の証券会社でも低コストインデックスファンドの取り扱いがあります。
>>マネックス証券(詳細解説)
>> auカブコム証券(詳細解説)
>> 松井証券(詳細解説)
>> GMOクリック証券
>> 岡三オンライン(詳細解説)
参考 口座開設時に必ず選ぶ特定口座については下記も参考にしてみてください。
⇒ 特定口座とは?証券会社の口座種類のまとめ!結局どれがいい?
投資信託で失敗しない証券会社選び!
これから投資信託で資産運用を始める方は、ネット証券選びで失敗しないようにこちらも参考にしてみてください。
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