岡三オンライン証券は国内株式に強く、特に取引ツールや投資情報に定評があるネット証券です。
2017年からの3年を対象とした新成長計画「Reborn」を策定し、国内株式だけでなくその他の金融商品も様々な施策を実施しています。
そんな岡三オンライン証券にお邪魔して、営業推進部マネージャーの熊澤さんに株や投資信託のサービス内容について直接取材してきました。
参考 岡三オンライン証券「新成長計画『Reborn』」
岡三証券グループについて
岡三証券と岡三オンライン証券の違いって?
リノベル:岡三証券グループでは、岡三証券と岡三オンライン証券がありますが、両社の違いはどのような点でしょうか?
熊澤さん:岡三証券は主にお客さまと直接お話を伺う対面営業を行っていて、岡三オンライン証券はネットでのお客様を対象にサービスを提供しています。
岡三証券にもネットで取引できるオンラインサービスがありますが、岡三オンライン証券とは全く別システムで、岡三証券のネット取引は対面営業のお客様向けとなっています。
経営の自由度を高めるという点でも別会社にした方がいいだろうという経緯があり、別会社となっています。
そのため、岡三証券と比較すると当社では低コストで取引ができるような手数料体系となっています。
また、岡三証券と顧客層も異なっていて、岡三証券では高年齢層、岡三オンライン証券ではそれよりも若い30~50代が中心となっていますが、岡三証券の安心感のイメージもあってか、他のネット証券よりも若干年齢層は高めかもしれません。
そのため、ブランディングを刷新し、ネット証券では後発とういこともあり他社との違いを明確にし、若い方にも親しみやすいように「尼神インター」さんをCMに起用しました。
今までのイメージとは違うかしれませんが、革新という意味でも思いっきりイメージ転換してみました(笑)。
岡三証券グループのグループ力とは?
リノベル:岡三証券グループでは、岡三証券を始め様々なグループ会社がありますが、どのような連携がとられているのでしょうか?
熊澤さん:投資信託の運用を行っている岡三アセットマネジメントなどとは定期的なミーティングを通じ情報共有をし、それぞれのサービスに活かしています。
岡三アセットマネジメントは過去には当社専用のファンドを作ってもらったりしていました。
その他、証券システムの構築や運用を行っている岡三情報システムにはシステム面で連携をとっていて当社の会長が岡三情報システムの社長なので、スムーズな連携がとられていますし、事務作業の一部も岡三ビジネスサービスというグループ会社に委託して、グループのリソースをお互い使い合いグループ力を高めています。
株式のサービスについて
岡三ネットトレーダープレミアムが無料化
リノベル:取引ツールで評判が高い「岡三ネットトレーダープレミアム」の利用料金が無料化されましたが、どのような背景があったのでしょうか?
熊澤さん:株式のサービスについては様々なキャンペーンや見直しを行っています。
- 口座開設された方全員に「2017年12月~2018年4月の権利確定月別 株主優待ベスト130」をプレゼント
- 国内株式現物取引キャッシュバック
- 一般信用取引の取り扱い開始
- 国内株式手数料の改定
株式の取引を行っているお客様に今一度取引をしてもらいたく、当社としても自信がある「岡三ネットトレーダープレミアム」を使っていただきたいという思いもあり、今回無料化することとなりました。
外部の株式投資に特化したSNSである「みんなの株式」(みんかぶ)のネット証券ランキングでトレードツール5年連続で1位の表彰をしてもらっているので、ぜひ使っていただきたいと思います。
IPOの取扱いが拡大中
リノベル:「ReBorn」でIPOもグループ会社と積極連携し取扱い拡大するとありますが、実際取り扱いが増えているようですが状況はいかがでしょうか?
熊澤さん:今年から地方市場の対応を行いIPOについて地方市場に上場する銘柄の取扱いが可能になりました。
以前から岡三証券が主幹事となっている銘柄については取り扱っていましたが、幹事となっている銘柄についてもほぼ取り扱うようになっています。
2017年9月に4銘柄、10月も4銘柄、11月5銘柄、12月8銘柄(12月5日時点)と取り扱いは大分増えていて、岡三証券が取り扱っているものに関してはグループで協力して割り当てをしてもらっています。
リノベル:IPOに関しては来年以降も取り扱いは強化されていくのでしょうか?
熊澤さん:はい、IPOについては来年以降も積極的に取り扱いをしていきますのでご期待ください。
特にIPOに関しては事前入金不要というのが特徴で、申込時に資金を入金しておく必要がありません。
実は、IPO資金は移動される方が多くいらっしゃるので、これを行うことによって当社も業務量が減り、お客様の利便性も上がることより当社としてはこのような方針としています。
リノベル:事前入金不要ということで申し込みが増えて当選確率が低くなってしまうようなことはありませんか?
熊澤さん:当社は大手ネット証券さんと比較するとかなり口座数が少ないので、競争率が低いのではないかなと思います。
他社の応募回数に応じて当選確率が上がるようなサービスはないのですが、条件を満たしていただいた方の抽選回数が増えるステージ制も用意しております。申込していただければ全員が抽選対象となり当選するチャンスがありますので、やはり後は運次第といった感じです(笑)。
先日、岡三証券が主幹事の「トレードワークス」が上場しましたが、公募価格2,200円に対して初値が13,600円と100株でも約110万円程度の利益となっていましたね。
意外な使い方がおすすめ「カブトレンド」
リノベル:株式のサービスとしてはSNSの情報をAIで解析・分析する「カブトレンド」サービスが開始されていますが、サービス概要とおすすめの使い方があれば教えてください。
熊澤さん:「カブトレンド」はTwitterやFacebookなどのSNSのテキスト情報をマイニングする仕組みです。
文章を単語や文節で区切り、それらの出現の頻度や相関性、時系列などを解析することで、文章内の一見するとわからない情報や特徴などの有用な情報を取り出す、テキストデータの分析方法
余計なつぶやきなどのノイズを高精度で省くことができ、ビジュアル的にどのようなつぶやきがされているとかをランキング形式で見やすく分かりやすく表示することができます。
ただ、いきなりこれを利用して株を購入するということではなく、市場の注目を集めている銘柄の情報収集ツールかなと思っております。
SNSで株や投資情報などがやり取りされていますが、SNSをやらない方など知らない方はまったく知らないといった状況があるので、SNSでやり取りされている情報をなるべく分かりやすくまとめているので、まずは参照いただくといった利用方法を想定しています。
すでにアクティブにやられている方は、フォローなど積極的に行っていますが、初心者の方などいきなりそのような事をやるのはハードルが高いと思っていまして、まずはどのようなやり取りがされているかを知っていただき、慣れてきたらご自身で積極的に参加していってもらえればと思っています。
既に投資情報の収集にSNSを使いこなしている人には、物足りないツールかもしれません(笑)。
投資信託のサービスについて
購入時手数料が実質無料化となる「ZEROファンドプログラム」や100円から投資信託を購入
リノベル:投資信託では購入時手数料が実質無料化となる「ZEROファンドプログラム」や一括でも積立も100円から購入できるようになりましたが評判はいかがですか?
熊澤さん:「ZEROファンドプログラム」は徐々に浸透しつつあります。税込の購入時手数料をキャッシュバックという形としていますが、本当はすべて手数料をとらない形としたかったのですが、現実的に難しい面がありキャッシュバックして実質0円という形を取っております。
また、投資信託の購入は一括でも積立でもすべて(※)キャッシュバックを行っていて、現時点では当社のみのサービスではないかと思います。
※ブルベアファンド・ETFは対象外です
ネット取引を行っている方は、ノーロードの投資信託を選ばれる方の比率が高めなのですが、一部の方はインド株ファンドがほしいけど購入時手数料がかかるからやめておこうといったお話もあるので、そのような手数料を気にせずに購入できる環境を提供したかったという思いがあります。
100円から購入できる点は、実際100円分だけ購入して保有している方は少ないものの(笑)、初心者の方の心理的なハードルが下がり、興味を持ってもらって実際取引いただいているケースも増えてきています。
また、当社では「投信ロボ」というロボアドバイザーを提供していて、これでご提案するポートフォリオでどのファンドに何%といった比率が出るのですが、100円から購入できることによって小刻みに調整がしやすいという点が挙げられます。
当社は投資信託は後発ということもあり、他社さんのように大きな預りの資産残高があるとなかなか手数料キャッシュバックなどを行いづらい面もあるかもしれませんが、当社はそこまで大きな資産残高があるわけでもないので、このような施策で差別化を図っていきたいと考えています。
投資信託保有時のサービスが一押し
リノベル:投資信託を保有時のサービスとしてIPOの当選確率がアップするサービスがありますが、どの程度確率がアップするのでしょうか?
熊澤さん:IPOの抽選は3回行われるのですが、投資信託の月間平均残高が1,000万円以上のお客様はIPOの抽選の際に「Sランク」が適用され、3回とも抽選対象となるのですが、1回目の抽選は「Sランク」の方のみの抽選となります。
例えば、1,000万円を銀行に寝かせてしまっているようであれば、値動きが少ない国内債券のファンドなどを購入して、IPO狙いで何回もIPOの申込をして利益を狙うといった使い方もできるかと思います。
信用取引もやられるようであれば、投資信託の月間平均残高が3,000万円以上であれば信用取引の手数料は無料となり、代用有価証券として株式だけでなく投資信託も利用できるのが特徴です。
投資信託を保有しているサービスとしてはIPOの抽選確率が上がるサービスは一押しで、「ZEROファンドプログラム」では、時価合計額が500万円以上の投資信託を他社から移管いただいたお客様に、移管元で発生した手数料(税込)を全額キャッシュバックするサービスも実施しています。
移管でのキャッシュバックは実はあまり知られてないのですが、このサービスもうまくご利用いただきIPOで利益を狙うような使い方をもっとしていってほしいなと思います。
投資信託の取扱数は少ないからこそファンドを厳選
リノベル:投資信託の数は他のネット証券と比較すると取扱数が少ないかと思いますが、どのような観点で取り扱いファンドを選んでいるのでしょうか?
熊澤さん:投資信託はパッシブ型(インデックスファンド)とアクティブ型に分けて、インデックスファンドは信託報酬が低コストのシリーズを満遍なく資産クラスごとに揃えています。
近いうちに楽天・バンガード・ファンドシリーズは取扱いたいと考えています。また、eMaxis Slimシリーズやニッセイ<購入・換金手数料なし>シリーズは人気が高く充実化させたいと考えています。
アクティブ系では、基本的には「トータルリターンなどの過去の成績が高いもの」「シャープレシオがいいもの」「残高が伸びている」等のファンドを中心に、お客様から選んでもらえそうな競争力のあるものを厳選しています。
また、「長い成長ストーリーが描きやすい」今だとフィンテックやロボティクスのようなファンドや、インドやベトナムは個人的に強気に考えているのでこのような国に投資ができるファンドも厳選しています。
特にテーマ型のファンドに関しては5から10年程度の期間にわたって投資効果が得られそうなものを選んでいます。
個人的にはコアとサテライトは分けて考えていて、比率は7割とか8割とか投資家の方によって異なりますが、コアはインデックスファンドを利用し、サテライトでアクティブファンドを利用して、より安定してリターンを狙うようなポートフォリオは組みやすいのではと思っているところもあり、両方のファンドを揃えています。
岡三オンライン証券で今注目のファンドとは?
リノベル:投資信託では毎月分配型ファンドが人気がありますがどのようにお考えですか?
熊澤さん:毎月分配型ファンドは依然として人気が高いので、揃えてはいますが運用効率で見ると劣るのであまりおすすめしていないのが現在の状況です。
ただ実際に定期的に分配金がでるとうれしいというお客様の声もあるのは事実で、そのような要望に応えています。
当社の2017年11月の売れ筋ランキングでも下記の様に4、6、8位にランクインするほど根強い人気があります。
それ以外にも、インデックスファンドや人気の高いひふみプラス、国内最強という声が高いジェイリバイブなどがよく購入されています。
当社での今注目のファンドは、上記の売れ筋ランキング10位の「中小型成長株オープン」(愛称:スモール・モンスターズ・ジャパン)で、直近1年ですがシャープレシオの値が非常によく、約5,000銘柄ある投資信託の中で第1位となっています。
シャープレシオがいいので、リスクはあまりとらずにリターンを上げることができていて、グループ会社である岡三アセットマネジメントのファンドマネージャーが投資対象銘柄を厳選して運用しています。
動画でファンドマネージャーの話が聞けたり情報公開を進めてますが、まだ純資産残高が7億円と小さいので、地味な存在となっていますが注目してほしいファンドです。
参考 岡三オンライン証券「中小型成長株オープン」
まとめ・所感
岡三オンライン証券にお邪魔して、株・投資信託・FX・くりっく株365についてお話を聞かせていただける機会があり、当記事では第一弾として株・投資信託についてまとめてみました。
岡三オンライン証券は国内株式に強く、特に取引ツールや投資情報に定評があるネット証券で、投資情報などは岡三証券のリソースをうまく活用して岡三オンライン証券のユーザにも提供しています。
株式のサービスについては、
- 評判が高い取引ツールを無料化
- IPOは事前入金不要で申込がすることができ取り扱い銘柄も拡大中
- TwitterやFacebookなどのSNSを使っていない方向けにどんな情報がやりとりされているか分かりやすくまとめをしてくれる「カブトレンド」
などIPOや取引ツール、投資情報について投資家にメリットがあるサービスが拡充されて行っています。
投資信託のサービスについても、
- 購入時手数料を一括も積立も実質無料化で100円から購入可能
- 投資信託の移管費用をすべてキャッシュバック(500万円以上)
- 投資信託を保有時のサービスとしてIPOの当選確率がアップ
などのサービスが拡充されていて、特に「投資信託を保有時のサービスとしてIPOの当選確率がアップ」は他社ではあまり見かけない独自のサービスとして非常に魅力を感じました。
投資信託の取り扱いは少ないながらも、厳選してファンドを選んでいて、長期資産形成に利用できる低コストのインデックスファンドをコアとし、サテライトとして5~10年くらいの期間で成長ストーリーが描きやすく、リターンが期待できるアクティブファンドの両方を揃えているので、ファンド選びに困らないようなラインアップになっていると思います。
新成長計画「Reborn」では、「資産管理型のネット証券」として発展していくとの記載がある通り、中長期の資産運用として利用できる証券会社に生まれ変わりつつあり、今後も投資家にとってメリットがあるサービス拡充が期待できると感じました。
創業90年の歴史を持つ岡三証券グループの安心感と、ネット証券の低コストで利便性が良いという特徴を併せ持つ岡三オンライン証券は今後注目です。
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