三大メガバンクやゆうちょ銀行の普通預金金利が0.001%と低金利の中で、高い金利の外貨預金は魅力的に感じます。
一見すると高い金利となっている外貨預金で、さらにキャンペーンで更なる高金利となっている場合もありますが、本当に外貨預金の金利は高いのか、投資するとしたらどの通貨に投資すべきでしょうか?
普通預金の金利は過去最低!
日銀のマイナス金利の導入決定後、三大メガバンク、ゆうちょ銀行や大手銀行の普通預金金利は0.001%まで引き下げています。
普通預金金利0.001%ということは100万円を1年預けると利息は10円というレベルです。
元本保証で安心感はありますが、三大メガバンクやゆうちょ銀行に預けておいてもお金は全く増えない状況となっているので、少しでも金利のいいところに預けたいところです。
外貨預金や外貨定期預金の金利は高い?
銀行ではよく外貨預金や外貨定期預金のキャンペーンをやっていて、高い金利が提示されているので気になってる方も多いのでは?
ただ、そもそも銀行での外貨預金は下記のポイントからおすすめできる金融商品ではありません。
- 元本保証ではない(円ベースでは)
- 為替手数料が高い
- 金利も金融機関に取られている
- ペイオフの対象ではない
外貨預金は預金という名前がついてるので勘違いされやすいですが、外貨ベースでは元本保証ですが、円ベースでは元本は保証されていませんし、ペイオフの対象外です。
銀行の外貨預金や外貨定期預金では、為替手数料は高いですし金利も抑えられています。
外貨預金や外貨定期預金のキャンペーンはお得なの?
銀行では外貨預金や外貨定期預金のキャンペーンとして、非常に高い金利となっていたり、為替手数料を割り引くなどを行っています。
高い金利となっているものは、適用金利が短いものが多く、その期間が終わると通常の外貨普通預金や定期預金の金利に戻るのでお得感はなく、非常に高い為替手数料を取られるので、為替の状況によってはマイナスとなる可能性があります。
例えば、1米ドル円100円の時に100万円投資するとして、キャンペーンで3ヶ月で年3%の金利となっているとすると、1万米ドルを運用することとなりますが、為替レートの変動がないとした場合トータルの損益は下記の様になります。
【利益】
【為替手数料】(三菱UFJ銀行の場合)
(外貨から日本円)10,300米ドル(利息込み) × 25銭 = 2,575円
【トータルの損益】
キャンペーンで高金利となっていても、為替変動がない場合はほとんど利益は見込めず、円安になってくれないと利益を得られることはできません。
また、為替手数料を割り引くキャンペーンも、預入時の手数料は割引が行われますが、預け入れた外貨を日本円に戻す時には通常の為替手数料が取られるので、トータルコストで考えると結局高い手数料を支払うこととなります。
外貨預金や外貨定期預金のキャンペーンは一見お得に見えますが、得られる利益と日本円から外貨、外貨から日本円にするときに為替手数料が結局どのくらいになるのかを差し引いたトータルリターンを算出して、本当にお得なのかを確認する必要があります。
外貨の高金利を得るのはFXの方がお得
外貨の高金利を享受できる方法としては、FXを利用して外貨に投資するほうがお得で、FXではレバレッジ1倍で取引することによって外貨預金と同じリスクで取引することができます。
FXはハイリスクと思ってる方もいるかもしれませんが、FXでハイリスクとなってしまうのはレバレッジをかけられるからで、国内では預けている資金の25倍までの取引ができるので、レバレッジを上げれば上げるほどハイリスクな取引ができるのですが、レバレッジを低くすればそれだけリスクを減らすことができます。
しかも、FXを利用すれば取引コストは銀行にと比べると超低コストで取引ができますし、金利に相当するスワップポイントも外貨預金より多くもらえます。
FXもペイオフ対象ではありませんが、信託保全によってもしFX会社が破たんしても投資家の資産は全額保護されることになっています。
デメリットといえば、FXでは外貨ベースでも元本は保証されていませんが、外貨預金でも結局円高となれば元本は保証されませんので、リスクは同じということになります。
また、一括投資ではなくドルコスト平均法により時間を分散させて積立てれば、リスクを軽減させることもできます。
ドルコスト平均法でFXでも外貨預金のように自動で積立投資ができる「積立FX」というサービスがあるので、こちらを利用すると利便性は上がります。
おすすめの通貨は米ドル?豪ドル?
では、外貨の高金利を得たい場合どの通貨に投資するのがいいでしょうか?
取引できるメジャー通貨と高金利通貨は下記のような通貨が投資対象になります。
- 米ドル
- ユーロ
- 英ポンド
- カナダドル
- 豪ドル(オーストラリアドル)
- NZドル(ニュージーランドドル)
- 南アフリカランド
- トルコリラ
米ドル
- 政策金利:0.25%
- 国債格付け:Aaa(ムーディーズ)、AA+(S&P)、AAA(フィッチ)
- GDP:世界第1位
世界の基軸通貨として流動性が高いため、他の通貨と比べて急変が起きにくい通貨で、他の通貨と比べると比較的緩やかな値動きをするので初心者の方も安心です。
日本にいてもニュース等で比較的容易に情報を得ることができるのも安心材料です。
ユーロ
- 政策金利:0.00%
ユーロは世界の通貨の流通量はドルに続く第2位ですが、政策金利が低いので金利狙いの投資には不向きです。
ただ、上昇や下降などの値動きがはっきりしやすい通貨で、為替差益狙いのデイトレードやスイングトレードなどでは売買しやすいと言われています。
英ポンド
- 政策金利:0.1%
- 国債格付け:Aa2(ムーディーズ)、AA(S&P)、AA-(フィッチ)
- GDP:世界第5位
ユーロと比べて流通量が少ないことから値動きが激しく、長期投資よりは短期投資(スキャルピングやデイトレード)で人気が高い通貨で為替差益狙いの対象になりやすい通貨です。
金利も低いですし、長期投資でスワップポイント狙いの通貨としてはあまり適してはいません。
カナダドル
- 政策金利:0.25%
- 国債格付け:Aaa(ムーディーズ)、AAA(S&P)、AA+(フィッチ)
- GDP:世界第11位
カナダは、米国の隣国の国でG7(主要先進7ヵ国)の一員として世界でも政治的にも経済的にも安定した国と言われています。
また、世界第二位の広大な国土を有し、世界有数の資源国としての魅力も持ち合わせている国です。
地理的に米国の隣国ということもあり、経済的にもつながりが強く、米国経済の影響を受けやすい特徴があります。
豪ドル(オーストラリアドル)
- 政策金利:0.25%
- 国債格付け:Aaa(ムーディーズ)、AAA(S&P、フィッチ)
- GDP:世界第14位
過去には高金利通貨として、金利狙いの投資として人気が高かった豪ドルですが、政策金利は過去に比べるとだいぶ引き下げられていて、金利狙いの投資対象としてはやや魅力に欠けてきています。
資源通貨とも呼ばれ、鉄鉱石、石炭、原油などの鉱物資源が豊富で、鉱物・エネルギーの価格変動に影響を受けやすい通貨で、中国との貿易が盛んなため中国の景気にも影響を受けます。
NZドル(ニュージーランドドル)
- 政策金利:0.25%
- 国債格付け:Aaa(ムーディーズ)、AA(S&P、フィッチ)
- GDP:世界第53位
豪ドルと同様に過去には高い金利で人気があった通貨ですが、豪ドル同様に政策金利が引き下げられています。
NZドル円は豪ドル円と似たような値動きをするケースも多いですが、オーストラリアとは違って農業国のニュージーランドでは、食糧価格に連動する傾向が見られます。
南アフリカランド
- 政策金利:3.75%
- 国債格付け:Ba1(ムーディーズ)、BBー(S&P)、BB(フィッチ)
- GDP:世界第34位
新興国である南アフリカは高金利通貨として人気が高い通貨ですが、国債格付けでは3社ともに投資不適格級となっています。
また、流通量が少ないため変動率が高く、政治、経済ともに不安定なため、取引するにはリスクが高い通貨だということは認識しておく必要があります。
トルコリラ
- 政策金利:8.25%
- 国債格付け:B1(ムーディーズ)、B+(S&P)、BBー(フィッチ)
- GDP:世界第19位
政策金利が頭一つ抜けて高く、高金利通貨として人気が高い通貨ですが、国債格付けでは大手3社で投資不適格級となっています。
南アフリカランド同様に流通量が少ないため変動率が高く、高いインフレ率、地政学面でのリスクが高い通貨で、通貨下落が止まらず、外貨投資初心者の方は避けておくのが無難です。
おすすめの通貨は?
中長期の視点で投資すると考えると、比較的安定的な値動きが期待でき取引量が多い通貨で、低金利の日本円を売って高金利の通貨を買うのがおすすめです。
取引量が多い通貨は、市場参加者が多く、1つの市場参加者だけでは値を大きく動かすことは難しいため、比較的安定的な値動きをしやすいです。
世界で取引量が多い通貨のTOP10、および各国の政策金利は下記の様になっています。
通貨 | 割合 | 政策金利 |
米ドル | 88.3% | 0.25% |
ユーロ | 32.3% | 0% |
日本円 | 16.8% | ー0.1% |
英ポンド | 12.8% | 0.1% |
オーストラリアドル | 6.8% | 0.25% |
カナダドル | 5% | 0.25% |
スイスフラン | 5% | ー1.25% |
中国元 | 4.3% | 3.85% |
香港ドル | 3.5% | 0.86% |
ニュージーランドドル | 2.1% | 0.25% |
※割合は2019年国際決済銀行(BIS)より
※割合の合計は200%をベースに算出
米ドルは世界の基軸通貨となっているだけあり取引量が多く、政策金利も先進国の中では高く、国債の格付けも高いのでおすすめです。
次に国債の格付けが高い、オーストラリアやカナダ、ニュージーランドも米国と同じ政策金利となっていますが、米国とカナダは比較的政策金利も似たような動きをするので、分散という観点ではオーストラリアやニュージーランドといった選択肢もあると思います。
また、南アフリカやトルコのような高金利通貨に投資したくなるところですが、為替レートはかなり激しく動きますので、初心者の方は手を出さない方が無難です。
まとめ
三大メガバンクやゆうちょ銀行の普通預金金利が0.001%と低金利の中で、高金利の外貨への投資は魅力があるように思えます。
外貨に投資するのにおすすめな通貨は、中長期の視点で投資すると考えると、比較的安定的な値動きが期待でき取引量が多い通貨で、低金利の日本円を売って高金利の通貨を買うのがおすすめです。
その中でも特に基軸通貨である米ドルは、為替レートは比較的安定的な値動きをし、先進国の中では政策金利が高めなのでおすすめです。
次に国債の格付けが高い、オーストラリアやカナダ、ニュージーランドも米国と同じ政策金利となっていますが、米国とカナダは比較的政策金利も似たような動きをするので、分散という観点ではオーストラリアやニュージーランドといった選択肢もあると思います。
ただ、銀行で扱っている外貨預金や外貨定期預金は投資家にとって不利な条件で取引をすることになりますので、外貨投資を行うなら外貨預金とリスクがほとんど変わらないレバレッジ1倍でFXを利用した外貨投資をおすすめします。
また、FXでもFXのメリットを享受しながら安全に外貨を積立てることができる「積立FX」というサービスがあるのでこちらを利用すると利便性は上がります。
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