くりっく株365は、日経225やアメリカのNYダウ、イギリスのFTSE100、ドイツのDAXなどの株価指数に投資することができ配当相当額が受け取れることで注目されている商品です。
そんなくりっく株365で仕様変更が行われ、買いの場合は金利相当額の支払いが発生するようになりました。
実際どんな内容の仕様変更が行われ、どの程度の金利相当額の支払いが発生するのか確認してみました。
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くりっく株365の仕様変更の内容とは?
2017年12月18日より施行される仕様変更の内容は下記となっています。
変更内容は?
NYダウなどの海外株価指数の金利相当額算出の適用金利が円金利から、各々の対象指数の外貨金利に変更されます。
現行 | 変更後 | |
適用金利 | 円金利 | 外貨金利 |
(備考) | 日銀により決定された 無担保コール翌日物誘導目標 | 先物市場価格から取引所が算出する金利 |
<適用方法等>
- 外貨金利は、1週間の先物市場価格を基に取引所が算出し、週の第1取引日に、取引所「くりっく株365」ホームページに掲載される予定
- 上記の外貨金利を用いて、日々の金利相当額が算出され、同ホームページに掲載される「相場表」にて確認できる
対象株価指数は?
対象となる株価指数は、「NYダウ」「DAX」「FTSE100」の海外株価指数で日経225には影響はありません。
変更内容による影響は?
くりっく株365では、「配当相当額」と「金利相当額」はセットになっていて、下記のような関係となっています。
配当相当額 | 金利相当額 | |
買いポジション | 受け取る | 支払う |
売りポジション | 支払う | 受け取る |
「金利相当額」は以前は円金利だったので、2016年に日銀がマイナス金利を導入したことにより「金利相当額」が0円となっていたので、買いポジションの場合は、「配当相当額」をまるまるもらえることができました。
今回「金利相当額」の適用金利が円金利から外貨金利に変更になったことにより、日本円と対象株価指数、例えばNYダウであれば米ドルとの金利差を「金利相当額」として支払うこととなります。
金利相当額はいくら支払うことになる?
2017年12月25日~29日で適用される金利および金利相当額は下記の様になっています。
株価指数 | 適用金利 | 金利相当額(1日)※1 | 金利相当額(1年) | 配当相当額(1年)※2 |
NYダウ | 2.58% | 175円 | 63,875円 | 51,558円 |
FTSE100 | 0.61% | 12円 | 4,380円 | 28,796円 |
DAX | ー0.61% | 0円 | 0円 | 0円 |
※1:2017年12月28日の金利相当額
※2:2016年12月~2017年11月の実績
NYダウは配当相当額より金利相当額が上回っている状態となってしまい、レバレッジ1倍で購入したと仮定すると約247万円(2017年11月30日時点)の投資に対して年間約0.5%マイナスとなってしまい、配当狙いでくりっく株365を利用することは出来なくなりました。
米国の政策金利は徐々に上昇傾向にあり、さらに金利相当額が上がることが想定されるので、NYダウへの投資はくりっく株365より、投資信託やETF、店頭CFDを利用するほうが有利となりそうです。(くりっく株365は為替リスクを気にしなくて済むというメリットは残ります)
FTSE100は、レバレッジ1倍で購入したと仮定すると74万5千円(2017年11月30日時点)の投資に対して約3.3%の利回りとなり、金利相当額の支払いが発生したことによって約0.6%程度利回りが低下しそうです。
それでも先進国の株価指数への投資で、為替リスクを気にせずにレバレッジをかけることができるので、くりっく株365を利用したFTSE100への投資はまだメリットがあると思います。
参考 FTSE100とは?投資するなら投資信託・ETF・CFDどれがいい?
イギリスの政策金利は、2017年11月に10年ぶりに0.5%への引き上げが行われ、今後も非常に緩やかながら上昇傾向が予想されていますが、当面の間はNYダウの様に配当相当額より金利相当額が上回ることはないかと思われます。
DAXは配当込みの価格のため、配当相当額は発生せず、適用金利がマイナスとなっていますがその分を受け取れるわけではなく金利相当額が発生しないという状況となっています。
そもそも変更する背景とは?
今回の変更内容がどのような背景だったのか下記のような説明がされています。
「くりっく株365」のNYダウ証拠金取引のマーケットメイカー(以下、MM)は、カバー市場として米国のNYダウ先物市場を利用していますが、このカバー市場では米ドル金利が適用されています。一方、「くりっく株365」では円金利が適用されているため、両者間で金利差が生じます。
10月以降のNYダウの最高値更新を受け、買い建玉が大きく増加した結果、MMのカバー市場における建玉残高に日々コストが発生しています。そのため、MMは金利差によるコストを抑えるために、現物価格より相当高い売値提示と売数量を少なくせざるを得ない現象が発生しています(投資家の皆様からお問い合わせ等が寄せられました)。(引用元:東京金融取引所「海外株価指数証拠金取引の一部商品仕様の変更について」
もともとくりっく株365の海外株価指数証拠金取引では、円金利を適用していたため外貨金利との差分が生じていて、マーケットメイカーがこれを負担していました。
買いと売りのバランスがとれていればいいのでしょうが、NYダウの買いのみが大きく増えたことによってマーケットメイカーの負担が増大し、現物価格より相当高い売値提示となってしまい、売りの数量自体も減少してしまっている状況となってしまっていました。
今回の変更により、現物価格との価格差が減少することとなるようで、NYダウの場合は数百ポイント差があったのが、今回の変更により50ポイント前後まで価格差が減少しています。
まとめ
くりっく株365の商品仕様の一部変更が行われ、「NYダウ」「DAX」「FTSE100」の海外株価指数のの金利相当額算出の適用金利が円金利から各々の対象指数の外貨金利に変更されます。
これによって買いの場合は、いままで0円だった金利相当額に対して支払いが発生することとなり、特にNYダウへの投資は配当相当額より金利相当額が上回っている状態となってしまい年間約0.5%マイナスとなってしまうので、配当狙いでくりっく株365を利用することは出来なくなりました。
FTSE100については適用金利がまだ低く、約0.6%程度利回りが低下しそうですが、それでもレバレッジ1倍で約3.3%の利回りとなっているので、くりっく株365の利用はまだ有効そうです。
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