野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドは新興国を含む世界各国の債券に分散投資ができるアクティブファンドです。
投資対象の債券は、国債以外にも政府機関債、社債、ハイ・イールド債券など返済能力が高く、利回り水準が高い債券を発掘して投資を行うとのことですが、実際どんな内容のファンドなのか確認してみました。
野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドの特徴
投資対象
世界各国(新興国を含む)の債券等(国債、政府機関債、社債、モーゲージ証券、資産担保証券、 ハイ・イールド債券、企業向け貸付債権(バンクローン)等)および派生商品等を実質的な投資対象とし、高水準のインカムゲインの確保と中長期的な信託財産の成長を図ることを目的とするアクティブファンドです。
野村 PIMCO・世界インカム戦略ファンドには下記の様に4つの姉妹ファンドがあります。
為替ヘッジあり | 為替ヘッジなし | |
年2回分配 | Aコース | Bコース |
毎月分配 | Cコース | Dコース |
それぞれのコースでは円建ての外国投資信託「PIMCOバミューダ・インカム・ファンドA」および国内投資信託「野村マネーポートフォリオ マザーファンド」を投資対象とし、通常の状況おいては「PIMCOバミューダ・インカム・ファンドA」への投資比率は概ね90%以上となっています。
※「Aコース」「Cコース」は、原則として、純資産総額を米ドル換算した額とほぼ同額程度の米ドル売り円買いの為替取引により、対円での為替ヘッジを行なう
資産別配分
(引用元:野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドAコース「月報(2017年11月)」)
資産別配分の推移(過去1年)
(引用元:野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドAコース「月報(2017年11月)」)
資産別パフォーマンス
(引用元:野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドAコース「月報(2017年11月)」)
ポートフォリオ特性値
(引用元:野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドAコース「月報(2017年11月)」)
格付別配分
(引用元:野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドAコース「月報(2017年11月)」)
国・地域別配分
(引用元:野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドAコース「月報(2017年11月)」)
組入上位10銘柄
(引用元:野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドAコース「月報(2017年11月)」)
コスト
買付手数料 | (SBI証券の場合) 500万円未満 3.24% 500万円以上1,000万円未満 2.16% 5,000万円以上 1.08% |
信託報酬(税抜) | 1.68% |
実質コスト(税抜) | 1.68% ※2017年4月17日+2017年10月16日決算ベース |
信託財産留保額 | なし |
純資産残高
野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドの各コースの純資産残高は下記の様になっていて、いずれも右肩上がりで推移しています。
- Aコース:約3,280億円
- Bコース:約320億円
- Cコース:約1,060億円
- Dコース:約275億円
分配金
各コースの直近の分配金は下記の様になっています。
- Aコース:10円(分配金利回り0.19%)
- Bコース:10円(分配金利回り0.18%)
- Cコース:20円(分配金利回り2.32%)
- Dコース:30円(分配金利回り3.37%)
※2017年12月29日時点
一番分配金が出ているDコースの分配金の内訳を確認すると、
(引用元:野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドDコース「運用報告書(2017年10月16日)」)
上記の様に分配金は「当期の収益」のみで賄えていて、たこ足配当とはなっていないようです。
当ファンドの情報のまとめ
- ベンチマーク:なし
- 買付手数料:500万円未満:3.24%
- 信託報酬(税抜):1.68%(実質コスト1.68%)
- 信託財産留保額:なし
- 純資産残高
Aコース:約3,280億円
Bコース:約320億円
Cコース:約1,060億円
Dコース:約275億円 - 分配金利回り(2017年12月29日時点)
Aコース:0.19%
Bコース:0.18%
Cコース:2.32%
Dコース:3.37% - 決算
A・Bコース:4、10月の16日
C・Dコース:毎月16日 - 買付単位:100円以上1円単位、積立も100円から(SBI証券などのネット証券)
- 償還日:2026年4月16日(設定日:2016年4月22日)
所感
野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドは、世界各国(新興国を含む)の債券等(国債、政府機関債、社債、モーゲージ証券、資産担保証券、 ハイ・イールド債券、企業向け貸付債権(バンクローン)等)および派生商品等を実質的な投資対象とし、高水準のインカムゲインの確保と中長期的な信託財産の成長を図ることを目的とするアクティブファンドです。
特徴として下記の3つのポイントがあげられています。
(引用元:野村アセットマネジメント「野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド」)
一見すると野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドは良質な債券のみを選別して投資しているようですが、約4割は投資不適格の債券への投資となっている点は注意が必要です。
(引用元:野村アセットマネジメント「野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド」)
投資対象とする債券の比率はかなり変えているようなので、PIMCOのマーケットの見通しが外れた場合は影響はそれなりに大きそうです。
(引用元:野村アセットマネジメント「野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド」)
2009年あたりからパフォーマンスが良くなってますが、この期間は金利低下局面で債券価格が上昇しやすい局面でした。
米国で金利が上昇局面となっている中、今後同様のパフォーマンスを維持できるかは不透明で、特に人気の高いA・Cコースの様に為替ヘッジがある場合、為替ヘッジコストは上昇する可能性が高いので基準価額を押し下げる要因となります。
過去の成績は?
期間別騰落率
Aコース | Bコース | Cコース | Dコース | |
1ヶ月 | ー0.0% | ー1.1% | ー0.0% | ー1.1% |
3ヶ月 | +0.1% | +2.0% | +0.1% | +2.1% |
6ヶ月 | +1.2% | +2.7% | +1.2% | +2.8% |
1年 | +4.8% | +5.8% | +4.8% | +5.7% |
設定来 | +7.7% | +11.9% | +7.5% | +12.0% |
※野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド「月報(2017年11月)」」より
※ファンド設定日は2016年4月22日
※分配金を再投資した収益率で、購入時手数料および分配金にかかる税金は考慮されてません
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
トータルリターン比較
(引用元:モーニングスター)
オレンジがAコース、赤がBコース、緑がCコース、青がDコースの設定来のチャートです。
評価
ファンドが設定されてから約2年が経過しているので、単純な年率平均はA・Cコースで約3.8%、B・Dコースで約6%となります。(分配金を再投資し、税金などが考慮されていないので、実際のリターンはより少なくなります)
為替ヘッジがあるA・Cコースは波が穏やかとなっていますが直近では伸び悩んでる状況です。
米国では緩やかながら金利は上昇局面となっているので、債券価格の下落、為替ヘッジコストの増大、もともとの信託報酬が高いという状況なので、様々な債券の比率を変えることによってどこまで成績を伸ばせるのかPIMCOの腕が試される状況です。
まとめ
野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドは、世界各国(新興国を含む)の債券等(国債、政府機関債、社債、モーゲージ証券、資産担保証券、 ハイ・イールド債券、企業向け貸付債権(バンクローン)等)および派生商品等を実質的な投資対象とし、高水準のインカムゲインの確保と中長期的な信託財産の成長を図ることを目的とするアクティブファンドです。
良質な債券のみを選別して投資しているようですが、約4割は投資不適格の債券への投資となっているので、債券を中心に投資をしていますがそれなりにリスクはあるファンドです。
米国への投資比率は約9割と高く、その米国では緩やかながら金利は上昇局面となっているので、債券価格の下落、為替ヘッジコストの増大が想定されます。
そんな中、償還日が設定されていて、信託報酬も高コストの当ファンドに投資するのは疑問が残ります。
それでも当ファンドの購入をしたい場合は、SBI証券とマネックス証券なら積立の場合は買付手数料が全額キャッシュバックされるので、この2社を利用するのがお得です。
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