純金上場信託「金の果実」(1540)は、金地金1gの現在価値(理論価格)と連動し、現物の金(gold)と交換が可能という特徴を持つ国内ETFです。
現物の金(gold)は全世界どこでも貨幣と交換が可能で、有事の際には値上がりしやすいといった特徴を持つ守りの資産とし人気があります。
そんな金へETFで手軽に投資できながら、現物の金への交換が可能な純金上場信託「金の果実」(1540)の内容を確認してみました。
純金上場信託「金の果実」(1540)の特徴とは?
投資対象
純金上場信託「金の果実」は「金地金1gの現在価値(理論価格)」への連動を目指し、実際に金の現物を購入・保管している国内ETFです。(金地金とは金の延べ棒のことです)
東京商品取引所における金地金1グラムあたりの先物価格をベースとしているため、指標価格は「グラム・円」単位となっています。
純金上場信託の大きな特徴として、金の現物である金地金との交換が可能なETFとなり、実際転換する単位としては下記となります。
- 【小口転換】金地金1kg以上5kg以内(1kgの整数倍)の質量に対応する受益権口数
- 【大口転換】30万口以上の金地金の質量に対応する受益権口数
小口転換でも約1,000口が必要となるので、約5~600万円投資すれば金地金と交換が可能となります。
また、実際の小口転換の手続きの流れは下記の様になります。
(引用元:金の果実シリーズ「転換(交換)の流れ」)
①小口転換取証券会社に金地金1kgへの転換を請求
②証券会社は、三菱UFJ信託に対して、転換請求者情報を取り次ぎ
③三菱UFJ信託は、証券会社を通じて、受益者に実際にかかる費用を請求
④三菱UFJ信託銀行から三菱商事RtMジャパンに金地金発送の連絡
⑤三菱UFJ信託銀行側から受益者に金地金を発送
③でかかる転換取扱手数料は、下記のa~cの合計額(税込)が必要です。
- 事務取扱手数料:請求1回あたり5,500円
- 金地金改鋳費用相当額:金地金1kg あたり22,000円
- 運送関係諸費用:請求1回あたり3,300円
これ以外に、転換価格の消費税相当額を支払う必要があり、転換は税務上有価証券の譲渡とみなされるため、特定口座(源泉徴収あり)を利用していて譲渡益が発生する場合は申告分離課税による約20%の税金を支払う必要があります。
(引用元:金の果実シリーズ「転換(交換)の手続き」)
ネット証券ではSBI証券とauカブコム証券が小口転換取証券会社となっていますが、auカブコム証券では上記とは別に事務取扱手数料5,500円(税込)が必要となりますが、SBI証券なら無料です。
信託報酬などのコスト
売買手数料 | 各証券会社により異なる 参考 おすすめネット証券比較(国内株式・ETF編) |
信託報酬(税抜) | 0.4% |
信託財産留保額 | なし |
分配金・配当金
株式や債券と異なり、金(gold)自体は収益を生み出すものではないので、配当金や分配金のようなものはありません。
平均売買高・マーケットメイカー
純金上場信託「金の果実」(1540)は、平均売買高(直近90日)約163,000口と流動性はそこそこあり、マーケットメイク制度の対象銘柄なので、公正な価格で売買することができます。
参考 日本取引所グループ「マーケットメイク制度」
ETFは市場でいつでも売買できるのがメリットですが、買いたい時に買って、売りたい時に売るためには、出来高や売買代金が多い等の流動性が重要になってきますが、純金上場信託「金の果実」(1540)は心配する必要はなさそうです。
運用実績・利回り
当ETF | |
3ヶ月 | +5.79% |
6ヶ月 | +10.53% |
1年 | +18.70% |
3年 | +23.98% |
5年 | +13.13% |
※2020年1月31日時点
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果は保証されません
過去のチャート
当ETFの情報のまとめ
- 分類:国内ETF
- ベンチマーク:金地金1gの現在価値(理論価格)
- 売買手数料:各証券会社により異なる
- 信託報酬(税抜):0.40%
- 純資産残高:約900億円
- 分配金利回り:ー
- 売買単位:1株(5,770円(2020年5月))
- 決算:ー
- 設定日:2010年6月30日(東証上場日:2010年7月2日)
評価・まとめ
純金上場信託「金の果実」(1540)は、「金地金1gの現在価値(理論価格)」との連動を目指す国内ETFです。
このETFは、金の現物である金地金と交換することができるという特徴がありますが、交換するには小口転換の場合は1kg以上の口数が必要なので約5~600万円の投資が必要となります。
SBI証券や楽天証券なら国内ETFで約定代金が50万円までなら手数料無料なので、6千円くらいから気軽に投資することができ、自動積立は出来ませんが手動で定期的に買い増すことや値が下がったタイミングを見計らって買い増すこともできます。
将来的に金地金への交換を考えているなら小口転換取証券会社であるSBI証券なら移管する必要もなく直接交換ができるのでおすすめです。
>> SBI証券(公式サイト)
純金積立ができるおすすめの証券会社は?
金への投資はETF以外にもネット証券では純金積立を行うことも可能で、金地金の引き出しにはSBI証券とマネックス証券が対応しています。
各証券会社のサービスの比較は下記のとおりです。
SBI証券 | マネックス証券 | 楽天証券 | |
買付手数料(税抜) | 約定代金の2.0% | 約定代金の2.5% | 約定代金の1.5% |
売却手数料 | 無料 | 無料 | 無料 |
年会費 | 無料 | 無料 | 無料 |
保管料 | 無料 | 無料 | 無料 |
地金引き出し | 〇(1kg以上) | 〇(100g以上) | × |
手数料は楽天証券がお得ですが、地金引き出しサービスは行っていないので、積み立てた金(gold)を引き出したい方はSBI証券かマネックス証券が対応しています。
また純金積立のCMなどで知名度のある田中貴金属と比べても、楽天証券はどの金額でも最安値水準となっていて、3万円未満ならSBI証券もお得となります。
積立購入 | |||
積立月額 | SBI証券 | 楽天証券 | 田中貴金属 |
1,000~2,000円 | 2.0% | 1.5% | ー |
3,000~29,000円 | 2.5% | ||
30,000~49,000円 | 2.0% | ||
50,000円以上 | 1.5% |
※田中貴金属も売却手数料(売却代金の振込み手数料は必要)、年会費(ネットサービス利用時)、保管料は無料です。
ネット証券では取引コストは安く設定されていて、口座開設・維持費は無料ですので、守りの資産「金」への投資を検討してみてください。
>> SBI証券(公式サイト)
>> 楽天証券(公式サイト)
>> マネックス証券(公式サイト)
純金積立と「金の果実」(1540)はどっちがお得?
純金積立は買付手数料がかかるのが高コストの様に思えますが、例えば、純金上場信託「金の果実」と純金積立を毎月1万円積立した場合、「金の果実」は信託報酬0.4%(税抜)、純金積立は買付手数料2.0%(税抜)が必要となるので購入+保有時のコストを比較すると下記の様になります。(SBI証券を利用した場合のシミュレーションで、金の果実は計算しやすいように1口5,000円固定としています)
純金積立は購入時のコストだけがかかり、「金の果実」は購入時はSBI証券や楽天証券を利用すれば手数料無料となるので、信託報酬のコストのみがかかりますが、投資金額が大きくなるほどコストがかかり、約10年後には純金積立で積立てていた方がコストは安くなります。
地金引き出しを行わないのなら楽天証券で純金積立を行えば約7年半で純金積立で積み立てていたほうがコストは安くなります。
投資金額が大きく、投資期間が長ければ純金積立の方がコストを抑えられるので、使い分けを検討してみてください。
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